第171話：紅き新星竜　作：光芒

「CNo.101 S・H・Dark・Knight……！！」
―――あれが……お兄様の、真の姿です。


※CNo.101 S・H・Dark・Knight（サイレント・オナーズ・ダーク・ナイト）
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/水属性/水族/攻2800/守1500
レベル5モンスター×3
1ターンに1度、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターをこのカードの下に重ねてエクシーズ素材とする。
また、エクシーズ素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に「No.101 S・H・Ark・Knight」が存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚できる。
その後、自分はこのカードの元々の攻撃力分のライフを回復する。この効果で特殊召喚したこのカードはこのターン攻撃できない。


「S・H・Dark・Knightの効果を発動！ 相手フィールドの特殊召喚されたモンスターをこのカードのオーバーレイユニットにする！！」
「オーバーレイユニットなしでその効果を……！？」
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントを吸収せよ！！ “ダーク・ソウル・ローバー”！！」

　槍から放った漆黒の閃光に捉われたタイラントがDark・Knightに取り込まれていく。エヴァが必死の思いで進化させたレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントであるが、こちらもスカーライト同様奪われる形となってしまった。

「そ、そんな……」
「怒りや悲しみなどの乱れた感情によって生まれた力など、脆いものだ。貴様と俺とでは……背負うものの重さが違う！！」
「っ……」
「そしてこれが……俺の覚悟だ！！ 俺は―――CNo.101 S・H・Dark・Knightで更にオーバーレイ！！」
「CNo.で……オーバーレイ！？」
「“混沌の具現たる軍神よ、切なる望みを我が元へ！ これが俺に残された冀望、最後の冀望！！”ランクアップ・カオス・エクシーズ・チェンジ！！ 集え、七皇の力！！ “CX 冀望皇バリアン”！！」


※CX 冀望皇バリアン
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/光属性/戦士族/攻0/守0
レベル7モンスター×3体以上
このカードは、「CNo.101」～「CNo.107」のいずれかをカード名に含む自分フィールド上のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事もできる。
このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×1000ポイントアップする。
自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。次の相手のエンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
「CX 冀望皇バリアン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。


「CX 冀望皇バリアン……」
「バリアンの攻撃力はこのカードのオーバーレイユニットの数×1000ポイントの数値となる！ このカードのオーバーレイユニットは3つ、よって攻撃力は3000となる！！」

CX 冀望皇バリアン ATK0→3000

「バトル！！ CX 冀望皇バリアンでダイレクトアタック！！ “ランド・チャリオッツ・スラッシュ”！！」

CX 冀望皇バリアン ATK3000

エヴァ LP4200→1200

「―――ッ！！」

　CX 冀望皇バリアンの槍に直に身体を貫かれたエヴァの口からは緋色の鮮血が吐き出される。実際に身体を貫かれたわけではないが、それに近い痛みを受けた彼女血を吐きながら吹き飛ばされた。

―――エヴァ！！
―――エヴァさん！！

　口の中には今まで味わったことの無いような鉄の苦い味が広がる。そのあまりの不味さはタイラントをシンクロ召喚した時の怒りが吹き飛ぶほどのものだった。

「背負うものの重さ……そうデスネ、自分に対する怒りに捉われた私とあなたでは違う。あなたは精霊界を背負っているのデスネ」
「……」
「デスガ、今の一撃で目が覚めマシタ。私も……人間の世界、私たちの世界のために戦っていマス！ 絶対に……絶対に私は、私たちは！ 負けるわけにはいかないのデス！！」
「……面白い。ならば見せてみろ！ お前の覚悟の重さを！！ 俺はこれでターンエンドだ！！」


ナッシュ　LP1200　手札2枚
デッキ：33　モンスター：1（CX 冀望皇バリアン ORU:3）魔法・罠：0　墓地：9　除外：1
エヴァ　LP1200　手札1枚
デッキ：34　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：12　除外：1


☆TURN10


「私のターン、ドロー！！……私はモンスターをセットし、ターンエンドデス！」


ナッシュ　LP1200　手札2枚
デッキ：33　モンスター：1（CX 冀望皇バリアン ORU:3）魔法・罠：0　墓地：10　除外：1
エヴァ　LP1200　手札1枚
デッキ：33　モンスター：1　魔法・罠：0　墓地：12　除外：1


☆TURN11


「俺のターン、ドロー！ ここで壁モンスターを引くことしかできないとはな」
「その壁モンスターがいるといないとでは……だいぶ違うと思いマスヨ？」
「……その通りかもしれないな。俺は手札から装備魔法“エクシーズ・ユニット”を発動する！」


※エクシーズ・ユニット
装備魔法
エクシーズモンスターにのみ装備可能。装備モンスターの攻撃力は、装備モンスターのランク×200ポイントアップする。
また、自分フィールド上の装備モンスターがエクシーズ素材を取り除いて効果を発動する場合、このカードは取り除くエクシーズ素材の1つとして扱う事ができる。


「エクシーズモンスターである冀望皇バリアンにこのカードを装備。攻撃力を1400ポイントアップさせる！」

CX 冀望皇バリアン ORU:5　ATK3000→4400

「攻撃力4400……！！」
「バトルだ！ バリアンでセットモンスターを攻撃！ ランド・チャリオッツ・スラッシュ！！」

CX 冀望皇バリアン ATK4400 VS 闇氷竜 ミヅチ DEF1500

「戦闘で破壊されたミヅチの効果が発動しマス！ このモンスターが破壊されて墓地に送られた場合、デッキから闇氷チューナー1体を特殊召喚できマス！！」
「リクルーターか……」
「デッキからチューナーモンスター、闇氷竜 バジリスクを守備表示で特殊召喚しマス！」

　闇氷竜 バジリスクはドラゴン族のシンクロモンスターのシンクロ素材になった場合、相手フィールドに存在するモンスター1体を破壊することができる。そのため次のターンのドローで闇氷竜のチューナー以外のモンスターを引き当てられれば勝利をほぼ手中に収められるのだ。

（ここで追撃のためのモンスターを引き当てられないとはな……）
「どうやら俺も修行不足のようだ。俺はこれでターンエンド」


ナッシュ　LP1200　手札2枚
デッキ：32　モンスター：1（CX 冀望皇バリアン ORU:3→エクシーズ・ユニット）魔法・罠：1（エクシーズ・ユニット）墓地：9　除外：1
エヴァ　LP1200　手札1枚
デッキ：32　モンスター：1（闇氷竜 バジリスク）魔法・罠：0　墓地：13　除外：1


☆TURN12


「私のターンデス！ ドロー！！……このカードは……」

　エヴァがドローしたカードは待ち望んでいたモンスターカードではなかった。しかし、彼女にとってドローしたこのカードは強い思い入れのあるカードだった。

―――エヴァ、このカードは……
（精霊界に来る前にジェームズがプレゼントしてくれたカードデス。闇氷の新しいカードで、I2社が私のために作ってくれたんデス）
―――ですが、今の局面では……
（……ナッシュサンのドローが悪いことを祈るだけデス）
「私は……何もせずにターンエンドデス」


ナッシュ　LP1200　手札2枚
デッキ：32　モンスター：1（CX 冀望皇バリアン ORU:3→エクシーズ・ユニット）魔法・罠：1（エクシーズ・ユニット）墓地：10　除外：1
エヴァ　LP1200　手札2枚
デッキ：31　モンスター：1（闇氷竜 バジリスク）魔法・罠：0　墓地：13　除外：1


☆TURN13


「俺のターン、ドロー！！……ちっ」

　ナッシュのデッキは高速エクシーズ召喚に特化したデッキであり、そのために必要なモンスターをサーチしたり強化するサポートカードが多く含まれている。
しかし、個々のモンスターの効果がランク4・水属性のモンスターのエクシーズ召喚に活用できる効果なのだが、その分デッキのモンスターの総数はやや少なめである。そこが逆方向に働いてしまっていた。

「バトル。バリアンで闇氷竜 バジリスクを攻撃！ ランド・チャリオッツ・スラッシュ！！」

CX 冀望皇バリアン ATK4400 VS 闇氷竜 バジリスク DEF1300

「どうやらそちらも苦労しているようデスネ」
「……全くだ。俺はこれでターンエンド」

　ナッシュが下級モンスターを引けなかったことにほっと胸をなでおろすエヴァ。何においても思い通りに動いてくれないのもまた、デュエルモンスターズというものであった。
ただ、壁にすることのできるモンスターすら尽きてしまった今、間違いなく崖っぷちにあるのはエヴァであり、それについては誰もが理解していた。


ナッシュ　LP1200　手札3枚
デッキ：31　モンスター：1（CX 冀望皇バリアン ORU:3→エクシーズ・ユニット）魔法・罠：1（エクシーズ・ユニット）墓地：9　除外：1
エヴァ　LP1200　手札2枚
デッキ：31　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：14　除外：1


☆TURN14


（……私がこのドローで状況を打破できるカードを引けなければ、全てが終わる。終わってしまいマス）

　絶体絶命の局面。しかし、この状況においてもエヴァはいつも以上に平然としていられた。

（なんででしょう、心が落ち着いていマス。全てが終わるか終わらないかの瀬戸際なのに）

　エヴァの心の中には暖かいものが満ち溢れていた。例えるならば、冬の終わりを告げる春の陽射し。そんなものに似た暖かいなにかが。



（私は一人じゃありマセン。今この場にはいないけど、遊希サンも綾香サンも、千夏サンも詩織サンも……みんなが1つのゴールに向かって必死に歩いていマス。そして、スカーライトも、ラグナ・ゼロもいてくれる……私の中には……みんなの絆が、暖かく、優しく燃えていマス！）



「私のターンデス！ ドローっ―――！！」

　エヴァの想いが、デッキへと伝わった。

「私は手札から魔法カード、死者蘇生を発動しマス！！」
「死者蘇生だと……」
「墓地より再び舞い上がるのデス！ レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト！！」

　高らかな咆哮と共に舞い上がるスカーライト。しかし、現時点でバリアンの攻撃力は4400。スカーライトの効果はおろか戦闘でも破壊することもできない。

「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト……精霊を以てしてもバリアンは超えられない」
「確かに……スカーライトのままでは無理でしょう。ですが、このカードが奇跡を導きマス！！ 手札から魔法カード“闇氷の終輝”を発動しマス！！」


※闇氷の終輝（あんひょうのしゅうき）
通常魔法
(1)：自分フィールド上にドラゴン族のSモンスターが存在する場合、手札を1枚墓地に送り、自分のライフを半分支払って発動できる。自分のデッキ・手札・墓地から「闇氷竜」と名のついたモンスター2体を表側守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、レベルは半分になる。
また、この効果で特殊召喚に成功したモンスターの効果は無効化され、このターン「闇氷」と名のついたモンスターはカードの効果を発動できず、このターンの終了時にゲームから除外される。
(2)：このカードの効果で特殊召喚に成功したモンスターがゲームから除外された場合に発動する。この効果で特殊召喚に成功したモンスターの元々の攻撃力の合計分のダメージを自分は受ける。


「自分フィールド上にドラゴン族のシンクロモンスターが存在する場合、手札1枚を墓地に送り、ライフを半分支払って発動しマス！！」

エヴァ LP1200→600

「デッキから闇氷モンスター2体を特殊召喚しマス！ 来てくだサイ！！ 闇氷竜 ウロボロス、闇氷竜 ワーム！！」
「チューナー2体を特殊召喚……？」
「この効果で特殊召喚に成功したモンスターのレベルは半分になりマス！」

闇氷竜 ウロボロス、闇氷竜 ワーム　星4→星2　ATK0/DEF0

「これが……私の魂デス！ 私の中に燃え盛る熱い想い！！ その力が……スカーライトの真の姿を解放しマス！！」
「スカーライトの真の姿だと！？」
「私は―――レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトに、レベル2のチューナーモンスター、闇氷竜 ウロボロスと闇氷竜 ワームを―――ダブル・チューニング！！」










―――“皆の絆が1つとなる時、我が中に燃える熱き魂は新たな命を生み出す―――










―――暗黒の天を灼熱の炎で照らし、世界に光を―――！！”










―――これが、私の、私とスカーライトの絆！！―――















―――シンクロ召喚！！―――















―――“スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン”―――！！















　暗黒の宇宙に新しい星が生まれるかの如く。大爆発と共に紅蓮の悪魔竜が生まれ落ちた。エヴァとレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの絆によって生まれたその姿。それがスカーライトの最終到達点であるスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンだった。


※スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン
シンクロ・効果モンスター
星12/闇属性/ドラゴン族/攻3500/守3000
チューナー2体＋「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
(1)：このカードの攻撃力は自分の墓地のチューナーの数×500アップする。
(2)：このカードは相手の効果では破壊されない。
(3)：相手モンスターの攻撃宣言時にその攻撃モンスター1体を対象として発動できる。フィールドのこのカードを除外し、その攻撃を無効にする。
(4)：このカードの(3)の効果でこのカードが除外されたターンのエンドフェイズに発動する。その効果で除外されているこのカードを特殊召喚する。


「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン……レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントを超える更なる進化……だが、攻撃力ではバリアンには及ばない！！」
「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃力は―――私の墓地のチューナーモンスターの数×500ポイントアップしマス！！」
「墓地のチューナーの数……！？」

　スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの力によってエヴァの墓地からは彼女の墓地に眠るチューナーモンスターたちの魂が浮かび上がる。エヴァの墓地に眠るチューナーモンスターはウロボロス2体にワーム2体、バジリスク1体の計5体。5体の氷の竜の魂が、真紅の炎となってフィールドのスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンに力を与える。

スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン ATK3500→6000

「攻撃力6000……！？」
「これが！！ 人間と精霊の力、絆の力デス！！」
―――そういうこと！ これが、あたしたちの魂の力！！
「バトルデス！！ スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンで、CX 冀望皇バリアンを攻撃！！」

　スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの全身が灼熱の炎に包まれる。絆の力によって生じた熱い炎は何者にも消すことはできなかった。





―――“バーニング・ソウル”！！―――





スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン ATK6000 VS CX 冀望皇バリアン ATK4400





（俺が敗れる……？ 申し訳ありません、皇よ―――！！）





ナッシュ LP1200→0





「勝った……勝てました……」
「エヴァ！？」

　デュエルに勝ったエヴァは身体中のエネルギーを使い果たし、まさに精根尽き果てた様子でその場に倒れ込んだ。カードから戻ったレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト、いや真の姿を解き放たったスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが倒れたエヴァを抱え上げる。

「スカーライト……いや、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン。カッコいいデス」
「えーと……いちおうあたし女だからさ、カッコいいって言われるのはちょっと……」
「じゃあ、可愛いデス」
「……それはそれで恥ずかしいなぁ」

　右手で頭の後ろを掻きむしるスカーレッド。一方スカーレッドと同じようにカードとなってエヴァに味方したラグナ・ゼロは倒れているナッシュ、いやDark Knightの下へと駆け寄っていた。

「お兄様……」
「ラグナ・ゼロ。兄として……お前の成長は純粋に嬉しいぞ。お前はもう立派なオーバーハンドレッド・ナンバーズだ」
「……」
「だが、俺を倒したところで未来は変わらない。精霊皇がいる限り、お前たちの願いは叶わない」
「私たちには、遊希サンがいマス！」
「そうか、そうだったな……ならばあの少女が精霊皇にどこまで戦えるのか、一戦士として見届けようか」
（遊希サン……あとは、お願いしマス）










＊










「ここだ、この扉を開いた先が精霊皇の玉座だ」
「ここが……」

　遊希と綾香は生唾をゴクリと飲み込んだ。ここから先何があるかわからない。2人は手をがっしりと繋いでは顔を見合わせ頷いた。

「いいよ、光子竜、時空竜」
「……開けるぞ」

　光子竜と時空竜によって精霊皇の玉座の扉が開かれた。精霊皇の玉座は優しい光で満たされており、天国や極楽浄土というものはきっとこういうような世界なのだろうか、と思わせるような部屋であった。
　そんな玉座の奥には巨大な椅子が置かれており、その椅子には1体の人型の精霊が腰かけてきた。玉座に遊希たちが入ってきたのを見るや、立ち上がって羽織っていたマントを取り去った。

「……久しいな、時空竜」
「精霊皇……！！」
「生きていたか、光子竜」
「……はっ」

　光子竜と時空竜は思わず首を垂れる。これから戦う相手であるはずなのに、2体がそうしたのはやはり2体が精霊皇という存在をよく知っているからというのもあった。だが、精霊皇のことをよく知らないはずの遊希と綾香、スターダストも彼の放つ威光や気品に圧されかけていたのは事実であった。

「私は嬉しいぞ。どんな形であっても共に苦労を重ねた仲間と再会できるというのはな」
「……勿体ないお言葉」
「……そこにいるのは、人間たちか」



　遊希は今改めて噛み締めていた。自分たちの前にいる精霊こそがこの精霊界を治める精霊たちの皇であり、No.に頂点に立つ存在であることを。




「私は、天都 遊希。銀河眼の光子竜をその身に宿す人間」
「えっと……星乃 綾香。そこにいる閃珖竜 スターダストが、私の精霊よ」
「……天都 遊希に星乃 綾香か。よくぞ参ったな。私がこの精霊界を治めるNo.にして精霊の皇。名は―――











―――“No.39 希望皇ホープ”―――。