第134話：親友に託された力　作：光芒

☆TURN15


「私のターン、ドロー！！」

　綾香はドローしたカードを見て目を疑った。

（あれ……こんなカード、私デッキに入れたっけ？）

　綾香のドローしたカードは綾香がデッキに入れた覚えのないカードだった。エヴァとのデュエルの直前にデッキは自分で確認したため、綾香以外の誰かがこのカードをデッキに入れることはまず不可能だ。

（遊希から貰ったカードの中にもこんなカードは無かった……それに……何よこれ読みづらいカード名ね）
―――綾香？
（ねえスターダスト。あんたこのカード知ってる？）

　カードのテキストを見た綾香はそのカードについて唯一知っていそうなスターダストにカードのことについて尋ねてみる。効果やイラストを見る限り、そのカードはスターダストのサポートカードであり、確証は持てないがこのデュエルでスターダストが覚醒したことで突然デッキに現れたカードなのだろう、と綾香は思ったのだ。しかし、スターダストからは綾香の予想だにしない言葉が返ってきた。

―――……ううん、私は知らないわ。
（ええっ！？）

　スターダストに関連するカードながら、スターダスト自身がそのカードの存在を知らない、という何ともおかしな状態に陥った綾香。しかし驚いている場合ではない。どちらにせよこのカードに賭けなければ綾香の負けは決定的となる。
　もしここで負けても千夏や詩織は格上のエヴァ相手によく頑張ったと労いの言葉をかけてくれるかもしれないが、今欲しいのはそんな労いの言葉ではなくこのデュエルでエヴァに勝ったという事実ただ1つなのだ。

（じゃあなんで……ああ、もうしょうがないわね！ こうなったら……）
「私は……カードを1枚セットしてターンエンドよ」


綾香 LP600　手札4枚
デッキ：26　モンスター：0　魔法・罠：2　墓地：16　除外：1
エヴァ LP2100　手札3枚
デッキ：27　モンスター：1（レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト）魔法・罠：3（闇氷の霊域）墓地：12　除外：1


☆TURN16


「私のターンデス、ドロー！ どうやらこのターンでデュエルは終わりのようデスネ！ 私は手札から闇氷竜 ワイバーンを召喚しマス！」
「スカーライト以外のモンスターが……！」
「ワイバーンの効果で手札からチューナーモンスター、闇氷竜 ワームを特殊召喚しマス！ ワームにはチューナー以外の闇氷モンスターのレベル変動効果がありマスが、この効果は使いまセン！ そしてバトルフェイズに移りマス！」

　綾香はここでエヴァがどのモンスターで攻撃を仕掛けてくるか、という点に賭けた。ここでどのモンスターでトドメを刺しに来るかで彼女の命運を分かつポイントとなるのである。

「私は……レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトで綾香サンにダイレクトアタックデス！ “灼熱のクリムゾン・ヘル・バーニング”！！」

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK4600

「これで終わりデ……！！」

　攻撃力4600のスカーライトの攻撃が迫る。そんな時であっても綾香は微笑みを浮かべていた。

「ありがとう、エヴァちゃん」
「……！？」
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの直接攻撃宣言時、リバースカードを発動するわ！ 罠カード“星堕つる地に立つ閃珖（スターダスト・リ・スパーク）”！！」


※星堕つる地に立つ閃珖（スターダスト・リ・スパーク）
通常罠
「星墜つる地に立つ閃珖」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる。その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。その後、自分のエクストラデッキ・墓地から「スターダスト」モンスター1体を選んで特殊召喚できる。　


「星堕つる地に立つ閃珖……！？」
「このカードは特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が自分のライフポイント以上の場合に発動できるカード。その攻撃を無効にし、自分はデッキからカードを1枚ドローするわ！」

　綾香の発動した聞き慣れず、かつ見たことのないカードの効果を聞いてエヴァは自分の浅はかさを悔いた。どのモンスターで攻撃したとしても綾香のライフを0にできるのなら、最後はエースモンスターであるスカーライトで決めてしまおうと即決してしまったことをだ。
　星堕つる地に立つ閃珖、というカードはその効果の割に発動条件が厳しく、特殊召喚されたモンスターの攻撃時でなければ発動できない。それなればスカーライトではなく通常召喚されたワイバーンで攻撃しておけばこのカードに横やりを入れられることなく勝負を決めることができたのだから。

「スカーライトの攻撃は無効。私はカードを1枚ドローするわ！」

　綾香はドローしたカードを確認する。それは遊希から貰ったカードのうちの1枚だった。

（これは……）
「星堕つる地に立つ閃珖の効果はこれだけじゃないわ。さらにエクストラデッキか墓地から「スターダスト」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できるわ！ 墓地より舞い戻りなさい！ 閃珖竜 スターダスト！！」

　神々しい光を放ちながら、閃珖の竜は立ち上がる。まさに精霊使いとなった綾香の不屈の心が乗り移ったかのように鮮やかに、しぶとく。竜星モンスターをシンクロ素材にしていないため、ステータスは元の2500/2000のままであるが、それだけの攻撃力があればワイバーンやワームに追加攻撃されることはない。

「……私はバトルフェイズを終了しマス。ですが、ライフは可能な限り削らせてもらいマス！ レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの効果を発動！ “アブソリュート・パワー・フレイム”！！」
「それにチェーンして閃珖竜 スターダストの効果を発動！ “波動音壁”！ 対象はスターダスト自身よ！！」

　スカーライトとスターダスト、2体のドラゴンによる効果の打ち合いをこのデュエルで何度見たことか。例の如くスカーライトの炎はスターダストの光のバリアによって防がれる。しかし、破壊されるのは何も綾香のモンスターだけではなかった。

綾香 LP600→100

「っ！ なんで、私のライフが……！」
「スカーライトの効果で破壊されるのは“特殊召喚された全てのモンスター”デスヨ？」
「そうか……エヴァちゃんの闇氷竜 ワーム……」

　ワームはワイバーンの効果で特殊召喚されたモンスターである。そのためスカーライトの破壊対象となるのだ。自分のモンスターを破壊してまでライフを削りに来るエヴァに綾香はプロとして、デュエリストとしての冷酷なまで執念を垣間見た。

「……ごめんなさい、ワーム。私はこれでターンエンドデス！」


綾香 LP100　手札5枚
デッキ：25　モンスター：1（閃珖竜 スターダスト）魔法・罠：1　墓地：16　除外：1
エヴァ LP2100　手札2枚
デッキ：26　モンスター：2（レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト、闇氷竜 ワイバーン）魔法・罠：3（闇氷の霊域）墓地：13　除外：1


☆TURN17


（……なんだかさっきから頭がズキズキする。なんだろうこれは）

　前のターン、星堕つる地に立つ閃珖をドローしてから綾香は自分の頭が少しずつズキズキと痛み始めているのに気が付いた。これも精霊使いとして精霊を使役することの対価の1つなのだろうか、と自己完結するが彼女の頭痛の正体はそれではなかった。

「……私のターン、ドローっ！！」

　綾香の残りライフは100。もはやどんな弱小モンスターの一撃でも尽きかねないところまでライフを削られてしまっていた。それでも綾香は何故か自分がこのまま負ける、という考えには至らなかった。
　何故なら彼女の眼にはスターダストとはまた別のドラゴンの姿がはっきりと映り始めていたからだ。スターダストと姿形は似ているものの、スターダストは白く淡い光を纏っているのに対しそのモンスターは眩い黄金の輝きを放っていた。その輝きが意味するものは何なのか。考えれば考えるほど、何かが何かを訴えるかのように頭痛はその強さを増していく。

（頭が……割れるように痛い……！）
「綾香……サン？」
「う……ううう……！！」

　うめき声をあげる綾香の脳裏には様々な声が聞こえてくる。

―――綾香？
―――ねえ、ちょっと綾香ヤバくない？
（まさか……精霊使いとしての力に目覚めたばかりなので身体に負担ガ……？）

　まるでテレパシーのように伝わるその声はスターダスト、エヴァ、スカーライトのものであることがわかった。何故彼女たちの声が聞こえてくるのか。この力と頭痛の関連性は何なのか。考えれば考えるほど結論はまとまらず、頭痛の度合いが激しくなる。

（あなたは……あなたは……誰？）
―――私は―――

　そして頭の痛みが頂点に達したその瞬間である。綾香は大きく目を見開き、自分の目の前に浮かんでいたカードを手に取った。

「これは……そうか、このモンスターが……エヴァちゃん、心配かけちゃったようでごめんね。私、もう大丈夫だから」
「えっ……あっ、ああ、そうデスカ？」

　先ほどまで脂汗が顔中に滲んでいた綾香の顔はすっかり元通りになっていた。それどころか今までよりだいぶ血色が良くなったかのように見える。何処かすっきりした様子の綾香は冷静かつ沈着な面持ちでエヴァにあることを宣言した。

「エヴァちゃん。このデュエル……私の勝ち、だよ」
「！？」

　それはこのデュエルの勝利。強化されたスカーライトを前にスターダストでどのように勝利へと突き進むというのか。

「私の力、そして遊希が託してくれた力が……スターダスト、あなたをさらなる境地へと導くわ」
―――えっ？

　綾香のその言葉にスターダストは思わず首を傾げた。精霊ですら理解できていないさらなる境地とな一体なんなのだろうか、とエヴァが思う間もなく綾香は今のドローで6枚にまで増えた手札を確認する。

「まず私はこのモンスターを召喚する。現れなさい、風竜星-ホロウ！」

　綾香のフィールドにはレベル1・風属性の竜星である風竜星-ホロウが召喚される。シンクロ素材となった時、そのシンクロモンスターに魔法カードの効果を受けなくなるという効果を付与するモンスターだが、レベルの低さと効果も相まって竜星デッキでは竜星の名を持ちながらあまり多く採用されないモンスターの1つでもあった。

「攻撃力0のモンスターを攻撃表示……？ いったい何を……」
「そして私は手札を1枚墓地に送り―――墓地のチューナーモンスター、“ジェット・シンクロン”の効果を発動するわ！」


※ジェット・シンクロン
チューナー・効果モンスター
星1/炎属性/機械族/攻500/守0
「ジェット・シンクロン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1)：このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「ジャンク」モンスター1体を手札に加える。
(2)：このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚墓地へ送って発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。


「ジェット・シンクロン！？ そんなカード、いつの間に……！」

　このデュエルにおいては綾香は今墓地で効果が発動したジェット・シンクロンのカードをプレイしていない。ならばいつ墓地に送られたのか。

（まさか……最初のターンで綾香サンが発動した調律。あの時に……！）
「手札を1枚墓地に送ることでこのカードを墓地から特殊召喚するわ！！」

　このカードは遊希から受け取ったカードの1枚であった。竜星ではないが、緩い条件で墓地から特殊召喚できるチューナーモンスターであり、シンクロ素材となった時に「ジャンク」モンスター1体を手札に加えられるため、同じチューナーであるジャンク・シンクロンのサーチも可能なのである。最も1のサーチ効果と2の自己蘇生効果は同一ターンに発動できないのだが。

「私はレベル1の風竜星-ホロウに、レベル1のチューナーモンスター、ジェット・シンクロンをチューニング！」

　ホロウの身体は星へと変わり、ジェット・シンクロンの身体は緑色のリングへと変わる。2つの命が交わる時、デュエルスペースでは室内ながら一陣の風が吹き抜けた。



「“炎の力を得た風の竜よ、集いし願いを胸に秘め、見果てぬ道を切り拓け！”シンクロ召喚！ 走破せよ！ シンクロ・チューナー“フォーミュラ・シンクロン”！！」



　現れたのはレーシングカーと人が融合したかのような姿をしたモンスターだった。このモンスターカードもまた遊希から貰ったカードの1枚である、シンクロモンスターかつチューナーモンスターであるフォーミュラ・シンクロンだ。


※フォーミュラ・シンクロン
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻200/守1500
チューナー＋チューナー以外のモンスター1体
(1)：このカードがS召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
(2)：相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。


「シンクロ召喚に成功したフォーミュラ・シンクロンの効果を発動！ デッキからカードを1枚ドローするわ！」
「フォーミュラ・シンクロン……まさかスターダストとそのフォーミュラ・シンクロンで……！？」
―――綾香……。
（大丈夫、私に任せて）

　綾香は眼を閉じながらスターダストに優しく諭すように声をかけると、その眼を大きく見開いた。


「これが……私とスターダストのデュエル！ 私は―――レベル8のシンクロモンスター、閃珖竜 スターダストに、レベル2のシンクロチューナー、フォーミュラ・シンクロンをチューニング！！」


　スターダストが咆哮しながら天空へと舞い上がり、フォーミュラ・シンクロンは自身の身体についたタイヤを高速回転させては火花を散らしながらそれを追う。やがてフォーミュラ・シンクロンの身体は2つのリングへと変わり、スターダストの身体は8つの星となってそのリングを潜り抜ける。室内のデュエル場にはまるで竜巻のような風が舞い上がり、スターダストとフォーミュラ・シンクロンの身体を隠すように消し去った。











―――“光満ちる天空に紡がれるは友への想い。光り輝く星の竜よ、希望の未来へと紡ぐ道の魁となれ！！”―――










―――アクセルシンクローーっ！！―――











―――新たな地平より飛来せよ―――“真閃珖竜 スターダスト・クロニクル”！！―――










※真閃珖竜 スターダスト・クロニクル
シンクロ・効果モンスター
星10/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
Sモンスターのチューナー＋チューナー以外のSモンスター1体以上
このカードはS召喚でしか特殊召喚できない。
(1)：1ターンに1度、自分の墓地のSモンスター1体を除外して発動できる。このカードはターン終了時まで、他のカードの効果を受けない。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2)：このカードが相手によって破壊された場合、除外されている自分のドラゴン族Sモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。






　戦場に舞い降りたのは黄金に輝く鎧を纏ったスターダストだった。綾香は目覚めさせたばかりの精霊をそのデュエルのうちに新たな境地へと導いたのだ。これは超光子龍を擁する遊希にもエヴァにも成し遂げられなかったことである。

「真閃珖竜 スターダスト・クロニクル……シンクロモンスター同士のシンクロ召喚……デスガ、攻撃力は3000。スカーライトには及びまセン！」
「そうね……確かにスターダスト・クロニクルではスカーライトには届かないかもしれない。でも足りないなら補えばいい！ 手札から速攻魔法発動！ ごめんね、エヴァちゃん。私も真似させて貰うわ！ イージーチューニング！！」

　遊希から貰った3枚目のカード、イージーチューニング。竜星のチューナーはいずれも攻撃力が低いのであまり役に立たないカードであるが、竜星以外にもチューナーがいるのであれば話は別である。

「イージーチューニング！？」
「墓地のカメンレオンをゲームから除外し、その攻撃力分スターダスト・クロニクルの攻撃力をアップさせるわ！ カメンレオンの攻撃力は……1600！」

真閃珖竜 スターダスト・クロニクル ATK3000→4600

「攻撃力4600……スカーライトと並びましたカ。それに私のフィールドにはワイバーンが攻撃表示で……」

　スターダスト・クロニクルとワイバーンの攻撃力の差は2900。ワイバーンを攻撃すればこのデュエルは綾香の勝利となる。しかし、綾香はエヴァのフィールドで堂々と鎮座するスカーライトを指さした。

「確かにワイバーンを攻撃すれば私の勝ち。でも違う。私は……スカーライト、あなたを倒して勝つ！！」
―――……あたしを？ その気合は勝うけど、攻撃力は互角。あたしもスターダスト・クロニクルも共倒れに終わっちゃうわよ？
「今のままなら、ね。だけどさっきも言ったでしょう？ 足りないなら、補えばいい！！ 手札からスカーライトを対象に速攻魔法発動！ 禁じられた聖槍！！」
「禁じられた聖槍……なるほど、これでスカーライトの攻撃力を下げるということデスカ！ ですが、スカーライトの攻撃力を800下げたところで私のライフは……」
―――エヴァ、よく見て！！

レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK4600→2200

「！？ スカーライトの攻撃力が……！」
「ちょっと、どうしてスカーライトの攻撃力が2200まで下がっているのよ！！」
「千夏さん、イージーチューニングは魔法カードによる強化です……」

　詩織のその言葉を聞いて千夏は気づいた。詩織の言う通り、禁じられた聖槍はモンスターの攻撃力を800ポイント下げる代わりにこのターン、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受け付けなくするカードである。
　このカードの主な利用方法としては魔法・罠カードの効果からモンスターを守るために使うことや、戦闘時におけるコンバットトリックが挙げられる。しかし、綾香のこの禁じられた聖槍は単なるコンバットトリックではない。
　スカーライトの攻撃力強化はあくまで“魔法カード”であるイージーチューニングの効果によって受けているものである。そのためイージーチューニングの効果は禁じられた聖槍によって失われることでスカーライトの攻撃力は元の3000に戻る。そしてその3000からさらに800攻撃力がダウンしたことでスカーライトの攻撃力は2200まで下降してしまったのだ。

「……綾香サン、参りまシタ。あなたはもう立派な精霊使いデス」
「エヴァちゃん……」
「さあ、逃げも隠れもシマセン！ ひと思いに決めてしまうのデス！！」
「……わかったわ！ バトル！ 真閃珖竜 スターダスト・クロニクルでレッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトを攻撃！ “流星煌閃撃（シューティング・シャイン・ブラスト）”！！」


真閃珖竜 スターダスト・クロニクル ATK4600 VS レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト ATK2200


エヴァ LP2100→0






＊






「勝った……？ 私が……エヴァちゃんに……？？」

　綾香は自分の手の中に握られている閃珖竜 スターダストと真閃珖竜 スターダスト・クロニクルのカードを見つめる。この2枚のカードが自分の力。自分だけの力。

「へへ、これから、宜しくね―――」

　綾香は2枚のカードににっこりと微笑みかけると、ぱたりとその場に倒れた。