第169話：七皇激突　作：光芒

☆TURN02


「私のターン、ドローデス！！」

　後攻のエヴァがカードをドローする。相手が普通の相手ならばエヴァの【闇氷】デッキによる速攻シンクロを決めてデュエルの流れを持って行きたいところだったが、今回の相手は普通の相手ではない。
　まず相手は人間ではなく精霊であり、人間の決めたデュエルモンスターズのルールでデュエルをしているものの、精霊と人間では思考が異なるため、人間の考えつかないデュエルをする可能性があるのだ。
　また、相手のフィールドには餅カエルというモンスターが存在しており、そのモンスターが存在するだけで相手の行動を大きく縛ることができるため、いつも以上にエヴァは慎重に動く必要があった。

（餅カエルの効果は厄介デス。まずはあのモンスターをなんとかする必要がありマスネ）
―――どうするの、エヴァ？
（……少し勿体ないですが、止むを得ませン）
「私のフィールドにモンスターが存在しないことにより、手札から闇氷竜 ファフニールを特殊召喚しマス！ そして特殊召喚に成功したファフニールの効果を発動しマス！」
「特殊召喚時に発動する効果だと？」
「ファフニールの召喚、特殊召喚に成功した時、デッキから「闇氷竜」と名のついたチューナー1体を手札に加えることができマス！」
「ならばその効果にチェーンして餅カエルの効果を発動する！」


チェーン2（ナッシュ）：餅カエル→闇氷竜 ファフニール
チェーン1（エヴァ）：闇氷竜 ファフニール


「1ターンに1度、相手が魔法・罠・効果モンスターの効果を発動した時、手札・自分フィールド上の水族モンスター1体を墓地に送って発動できる。その発動を無効にして破壊する！ 墓地に送るのは餅カエル自身だ！」

　餅カエルは長い舌をペロン、と伸ばすとファフニールを絡め取っては道連れにする形で消滅する。餅カエルはオーバーレイユニットを持たずとも発動できるカウンター効果を持っているのだが、そのモンスターの厄介なところはそれだけではない。

「そして餅カエルの効果で無効にしたカードを自分フィールド上にセットできる。俺はファフニールをセットする」
「ファフニールを奪いましたカ……」
「そして墓地に送られた餅カエルの効果。墓地の水属性モンスター1体を手札に戻す。俺が手札に戻すのはサイレント・アングラーだ」

　ファフニールを奪っただけではなく、フィールドに水属性モンスターが存在するだけで特殊召喚が可能なサイレント・アングラーを手札に戻したナッシュ。このターンでバハムート・シャークを撃破することができなければ次のナッシュのターンにバハムート・シャークの効果で2体目の餅カエルを特殊召喚されてしまう可能性があった。
　しかし、ファフニールを奪われたエヴァも餅カエルを処理できたことは大きかった。少なくともこのターンはこれ以降餅カエルに妨害されることはないのだから。

「私は闇氷竜 ヒュドラーを召喚！ ヒュドラーの召喚・特殊召喚に成功したことでデッキから闇氷チューナーを墓地に送ることができマス！ 墓地に送るのはウロボロスデス！ そして闇氷カードの効果で墓地に送られたウロボロスをフィールドに特殊召喚デス！」
「1度の召喚権でチューナーと非チューナーを揃える……ファフニールは囮ということか」
「その通りデス！ 私はレベル4の闇氷竜 ヒュドラーにレベル4のチューナーモンスター、闇氷竜 ウロボロスをチューニング！ “仄暗き深海に眠る罪深き魔竜よ、嫉妬の咎を背負いあらゆるものを幻惑せよ！” シンクロ召喚！ 浮上せよ、闇氷魔竜 レヴィアタン！」

　氷に覆われた海面を突き破って咆哮をあげるレヴィアタン。嫉妬の大罪をその身に背負う邪なる竜は凍り付かせるような冷たい瞳でナッシュを見下ろす。

「見たことのないモンスターだ……精霊界にもいないものが人間界にいるとはな」
「おや、私のカードを知らないのデスカ？ だったらその効果を味わって知ってくだサイ！ レヴィアタンのシンクロ召喚に成功した時、相手フィールドに表側表示で存在するカード1枚を選択してデッキに戻しマス！ 戻すのはもちろんバハムート・シャークデス！」

　レヴィアタンの放った冷気によって全身を氷漬けにされてしまったバハムート・シャークはそのまま消滅する。ナッシュのフィールドには餅カエルの効果で奪い、セットされている闇氷竜 ファフニールを残すのみとなってしまった。

「バトルデス！ 闇氷魔竜 レヴィアタンでセットモンスターを攻撃！ 私の仲間は返してもらいマス！ “ブリザード・ジェラウス・バースト”！！」

闇氷魔竜 レヴィアタン ATK2900 VS 闇氷竜 ファフニール DEF1200

「守備表示のモンスターを破壊したところで俺にダメージは与えられない」
「まだデス！ レヴィアタンが戦闘でモンスターを破壊し、墓地に送った時、デッキから闇氷竜1体を特殊召喚できるのデス！ 来てください、闇氷竜 ワーム！ そしてワームでナッシュサンにダイレクトアタックデス！！」

闇氷竜 ワーム ATK1000

ナッシュ LP8000→7000

「ふん……この俺から先手を取るか。だが、たかが1000のダメージ。どうということはない」
「1000と侮っていては後々痛い目を見ることになりマス！ バトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移りマス。私はチューナーモンスター、闇氷竜 ワームの効果を発動しマス！ まず私のフィールドにドラゴン族のシンクロモンスターが存在することでワームのレベルを2にしマス！」

闇氷竜 ワーム 星4→2

「そしてワームのもう1つの効果！ チューナー以外の闇氷モンスター1体のレベルを1から7まで変更することができるのデス！」
「……つまりもう1度シンクロ召喚を行うということか」
「闇氷魔竜 レヴィアタンのレベルを8から6に変更しマス！」

闇氷魔竜 レヴィアタン 星8→6

「2体のレベルの合計は……8」
「私はレベル6となったシンクロモンスター、闇氷魔竜 レヴィアタンに、レベル2となったチューナーモンスター、闇氷竜 ワームをチューニング！！“光り輝くその翼は純粋なる願い込められしもの。天空を切り裂く一筋の矢となりて希望の道を拓け！！”シンクロ召喚！ お願いしマス！ クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン！！」

　レヴィアタンはシンクロ召喚時の効果こそ強力であるが、フィールド魔法である闇氷の霊域が存在しない今では破壊耐性のない攻撃力2900のモンスターは返しのターンを考えるとやや心もとないところがあった。
　そのためエヴァはレヴィアタンの効果でレベル変動効果を持つワームを特殊召喚することで攻撃力3000かつ対モンスターに特化したクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンのシンクロ召喚へと繋げたのである。

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン……なるほど、自身以外のモンスターの効果の発動を一度だけ封じる。バハムート・シャークや餅カエルの効果を事前に止めるために召喚したということか」
「まあ、あなたのデッキはエクシーズモンスター中心のようですノデ、この子の力を活かしてあげれるかというと微妙な所デスガ……カードを1枚セットしてターンエンドデス！」


ナッシュ　LP7000　手札3枚
デッキ：37　モンスター：1（バハムート・シャーク ORU:1）魔法・罠：1　墓地：1　除外：0
エヴァ　LP8000　手札2枚
デッキ：37　モンスター：1（クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン）魔法・罠：1　墓地：5　除外：0


☆TURN03


「俺のターン、ドロー！」

　バハムート・シャークと餅カエルのコンボは水属性や水族のデッキだけではなく、他のテーマのデッキも度々利用されるコンボだ。
　しかし、それ故に対策も立てられやすい。エヴァのフィールドにクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンが存在している以上、いたずらに発動すればバハムート・シャークを破壊され、相手のフィールドには攻撃力5600となったクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンが立ちはだかることになるのだから。
　そのためナッシュはバハムート・シャークに頼らずにクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを撃破しなければいけなくなっていた。

「俺はバハムート・シャークの効果を発動！ このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除き、エクストラデッキからランク3以下の水属性エクシーズモンスター1体を特殊召喚する！」
「させマセン！ バハムート・シャークの効果にチェーンしてクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果を発動しマス！ このカード以外のモンスターの効果の発動を無効にして破壊しマス！」


チェーン2（エヴァ）：クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン→バハムート・シャーク
チェーン1（ナッシュ）：バハムート・シャーク


クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5600

「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの効果でバハムート・シャークは破壊される。だが、これで他のモンスターの効果を発動できる」
「……バハムート・シャークは囮ということデスカ……」
「俺は手札から2体目のセイバー・シャークを召喚！ そして水属性モンスターが存在することにより、サイレント・アングラーを手札から特殊召喚する！」
「またその2体デスカ……これで2体目のバハムート・シャークを」
「生憎俺はバハムート・シャークを1体しか所持していない。またバハムート・シャークの効果を発動してもバトルフェイズを行えなくなるからな。だからこうさせてもらう！ 俺はセイバー・シャーク自身を対象にセイバー・シャークの効果を発動！ 対象としたモンスターのレベルを1つ上げる！」

セイバー・シャーク 星4→5

「そしてこの効果は2回まで発動できる。サイレント・アングラーのレベルも5に変更する！」

サイレント・アングラー 星4→5

「レベル5のモンスターが2体……」
「俺はレベル5となったセイバー・シャークとサイレント・アングラーでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築！ エクシーズ召喚！！」

　セイバー・シャークとサイレント・アングラーの2体が激流流れる大河を遡り、やがて流れ落ちる滝を昇って1つとなる。青い輝きと共に滝の中からは巨大な戦士が水を突き破って現れた。

「“カオスに落ちたる聖なる滴。その力を示し、混沌を浄化せよ！”降臨せよ！“No.73 激瀧神 アビス・スプラッシュ”！！」


※No.73 激瀧神 アビス・スプラッシュ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/水属性/戦士族/攻2400/守1400
水属性レベル5モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このカードの攻撃力は、相手のエンドフェイズ時まで倍になる。
このターンこのカードが相手ライフに与える戦闘ダメージは半分になる。この効果は相手ターンでも発動できる。


「No.……！？」
「俺たち七星将軍は他のNo.を統括する立場にある。故にNo.たちは決戦によって俺たちの眷属となる」
―――お兄様は七星将軍の長。そのため多くのNo.を使役できるのです……
「ですが、いくらNo.であったとしてもクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンには……」
「俺は手札から魔法カード、RUM-バリアンズ・フォースを発動！！」
「RUM……！？」
「俺はNo.73 激瀧神 アビス・スプラッシュでオーバーレイ・ネットワークを再構築！ ランクアップ・カオス・エクシーズ・チェンジ！“渦巻く混沌の水流を突き破り、今、かの地へ浮上せよ！”目覚めよ！ “CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ”！！」


※CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/水属性/戦士族/攻3000/守2000
レベル6モンスター×3
(1)：自分フィールドのモンスターが相手モンスターと戦闘を行うそのダメージ計算時に1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。その自分のモンスターの攻撃力は、そのダメージ計算時のみ戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。
(2)：このカードが「No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ」をX素材としている場合、以下の効果を得る。●このカードは効果では破壊されない。


「バトル！ CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃！！」
「なっ……攻撃力はクリスタルウィングの方が上デス！」
「自分フィールドのモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時にこのカードのオーバーレイユニットを1つ取り除くことでアビス・スープラの効果を発動する！」
「アビス・スープラの効果！？」
「戦闘を行う自分のモンスターの攻撃力を……相手モンスターの攻撃力分アップさせる！！」

CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ ATK3000→8600

「攻撃力……8600！？」
「これがCNo.の真の力だ！！ “ファイナル・アビス・フォール”！！」

CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ ATK8600 VS クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5600

エヴァ LP8000→5000

「キャアアッ！！」
―――エヴァ！！
「なんて力……これが、七星将軍のリーダーの……力……」
「バトルフェイズを終了する。ダメージステップ時のみアップするアビス・スープラの攻撃力は当然元に戻る」

CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ ATK8600→3000

「俺はこれでターンエンドだ。人間の精霊使いよ、もっと足掻いて見せろ！」


ナッシュ　LP7000　手札1枚
デッキ：36　モンスター：1（CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ ORU：2）魔法・罠：1　墓地：4　除外：0
エヴァ　LP5000　手札2枚
デッキ：37　モンスター：0　魔法・罠：1　墓地：6　除外：0


☆TURN04


（激瀧瀑神 アビス・スープラ……モンスター全体にオネストと同じ効果を与え、さらに効果では破壊されない……私のデッキにあのモンスターを倒す手段はあるのでしょうカ……？）
―――エヴァ、諦めちゃ駄目だよ！
（スカーライト……）
―――人間の世界を助けるんでしょ！ ここでヘタレてどうするのさ！
（……わかりマシタ。もう、諦めマセン！）
「私のターン、ドロー！！」

　エヴァがカードをドローした瞬間。エヴァ、そして彼女に宿るラグナ・ゼロ、対峙するナッシュの身体に身震いが走った。

（この感覚は……まさか……）
―――エヴァさん、そのカードを発動してください！
「わかりマシタ！ 私がドローしたカードは、RUM-七皇の剣デス！ ドローしたこのカードを公開し続けることで、メインフェイズ1の開始時に発動できマス！ 七皇の剣の効果でエクストラデッキからこのモンスターを特殊召喚しマス！ お願いしマス！ No.103 神葬零嬢 ラグナ・ゼロ！！」

　冷気と共にエヴァのフィールドに現れるラグナ・ゼロ。その眼に迷いはない。彼女は敵として尊敬する兄と対峙した。

「そしてこの効果で特殊召喚したモンスターをオーバーレイユニットとしてオーバーレイ・ネットワークを再構築しマス！ 私は神葬零嬢 ラグナ・ゼロでオーバーレイ・ネットワークを再構築！ ランクアップ・カオス・エクシーズチェンジ！！」

　天空に輝く7つの星。その星が1つに繋がり、ラグナ・ゼロはその内に封印された真の力を解き放つ。

「“時をも凍らせる無限の力が解き放たれる。絶対零度の大鎌を振るい、全てを永遠の眠りに誘え！！”降臨せよ！“CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ”！！」


※CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ
エクシーズ・効果モンスター
ランク5/水属性/天使族/攻2800/守2400
レベル5モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターの攻撃力と、その元々の攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターをゲームから除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。
また、エクシーズ素材を持っているこのカードが破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地に「No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ」が存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚できる。


「ラグナ・ゼロ……いや、ラグナ・インフニティ。よもや俺の前で真の力を解き放つとはな……」
―――お兄様、七星将軍として研鑽を積んだ私の力。今御覧に入れます！
「しかし、ラグナ・インフィニティよ。お前の力には制約が伴う。それは自分で一番よくわかっているはずだ」

　ラグナ・インフィニティは攻撃力の変動しているモンスター1体の元々の攻撃力との差分のダメージを相手ライフに与え、そのモンスターをゲームから除外することができる。
しかし、当然それは相手の攻撃力が上下していなければ発動できない効果であるため、ラグナ・インフィニティ単体では発動することができない効果なのである。
そのためいくら七皇の剣でランクアップ・カオス・エクシーズ・チェンジをしたところでナッシュが擁するアビス・スープラを倒すことができないのだ。

―――はい、確かに私だけの力では何もできない。それは認めましょう。ですが、今は私だけじゃありません！
「リバースカードオープン！ アビス・スープラを対象に速攻魔法、禁じられた聖槍を発動しマス！」

CNo.73 激瀧瀑神 アビス・スープラ ATK3000→2200

「禁じられた聖槍だと！？ 何故さっきのターンで使わなかった！」
「……確かにあの時使えば受けるダメージを減らすことができたデショウ。でも、使い時はその時じゃない、と思ってまシタ！」
―――これで私の力を活かすことができます！ エヴァさん！
「ハイ！ ラグナ・インフィニティの効果を発動しマス！ 相手フィールドの攻撃力が変化したモンスター1体を選択して発動しマス！ まずは変化した攻撃力の差分のダメージを相手ライフに与えマス！」

ナッシュ LP7000→6200

「そしてアビス・スープラをゲームから除外しマス！ “ガイダンス・トゥ・バーガトリィ”！！」

　ラグナ・インフィニティが氷の鎌を振るう。そこに生じた避けた次元の隙間に吸い込まれるようにしてアビス・スープラは消えていく。文字通りバーガトリィ＝煉獄へと誘われていった。

「これであなたのフィールドはがら空きデス！ バトル！ CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティでダイレクトアタックデス！！」
―――“インフィニティ・デスサイス”！！

CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ ATK2800

ナッシュ LP6200→3400

「……いい一撃だ」
―――ありがとうございます、お兄様。
「バトルフェイズを終えてメインフェイス2に移りマス。カードを1枚セットしてターンエンドデス！」


ナッシュ　LP3400　手札1枚
デッキ：36　モンスター：0　魔法・罠：1　墓地：5　除外：1
エヴァ　LP5000　手札1枚
デッキ：36　モンスター：1（CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ ORU:0）魔法・罠：1　墓地：9　除外：0


☆TURN05


「俺のターン、ドロー！！ 俺は手札から“ダブルフィン・シャーク”を召喚！」


※ダブルフィン・シャーク
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻1000/守1200
このカードが召喚に成功した時、
自分の墓地からレベル3またはレベル4の魚族・水属性モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
この効果を発動するターン、自分は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。


「ダブルフィン・シャークの効果で俺は墓地のセイバー・シャークを表側守備表示で特殊召喚する！」
「デスガ、セイバー・シャークの効果は無効化されてイマス！ レベルは変更させることができマセンし、水属性のモンスターしか特殊召喚できマセン！」
「ならばそのままエクシーズ召喚するまで！ 俺はレベル4のセイバー・シャークとダブルフィン・シャークでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築！ エクシーズ召喚！ “眠りし大地と海の力が紡がれしとき、新たな命の光が噴出する！”目覚めよ！ “No.37 希望織竜スパイダー・シャーク”！！」


※No.37 希望織竜スパイダー・シャーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/水属性/海竜族/攻2600/守2100
水属性レベル4モンスター×2
「No.37 希望織竜スパイダー・シャーク」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1)：自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ダウンする。
(2)：このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時、このカード以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。


「またしてもNo.を……」
「バトル！ そして俺の攻撃宣言時にスパイダー・シャークの効果を発動！ このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除くことで相手フィールドの全てのモンスターの攻撃力はターン終了時まで1000ポイントダウンする！！」
「なんですッテ！？」
「全ての希望を絡め取れ！ “デスペアー・リード”！！」

CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ ATK2800→1800

―――くっ、しまっ……！
「ラグナ・インフィニティ！！」
「さっきはお前のことを褒めたが……俺から言わせればまだまだだ！ スパイダー・シャーク、ラグナ・インフィニティを攻撃！ “スパイダー・トルネード”！！」

No.37 希望織竜スパイダー・シャーク ATK2600 VS CNo.103 神葬零嬢ラグナ・インフィニティ ATK1800

エヴァ LP5000→4200

「ラグナ・インフィニティ！！」
―――っ……私は大丈夫です！ エヴァさん、どうか……負けないで！！

　スパイダー・シャークの放った糸のような水流に絡め取られながらラグナ・インフィニティは消滅していく。信頼する兄に果敢に立ち向かった彼女のためにも、そして遊希たちのためにもエヴァは絶対にこのデュエル負けるわけにはいかない、と強く誓ったのであった。