第42話：開闢の戦士VS狂い咲く植物　作：光芒

☆TURN03


「さあ、行くわよ。レベル1の綿毛トークンをリリースし手札から永続魔法“超栄養太陽”を発動するわ」


※超栄養太陽
永続魔法
自分フィールド上のレベル2以下の植物族モンスター1体をリリースして発動できる。
リリースしたモンスターのレベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体を、手札・デッキから特殊召喚する。
このカードがフィールド上から離れた時、そのモンスターを破壊する。そのモンスターがフィールド上から離れた時、このカードを破壊する。


「私はこの効果でデッキからレベル3の植物族モンスター“ローンファイア・ブロッサム”を特殊召喚」


※ローンファイア・ブロッサム
効果モンスター
星3/炎属性/植物族/攻500/守1400
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから植物族モンスター1体を特殊召喚する。


「ローンファイア・ブロッサム。植物族展開のキーカード……」
「そしてローンファイア・ブロッサムの効果を発動よ。自分フィールドの植物族1体をリリースしてデッキから植物族1体を特殊召喚するわ。リリースするのはローンファイア・ブロッサム自身。そしてデッキから呼び出す植物族はレベル6でデュアルモンスターの“ギガプラント”よ！」


※ギガプラント
デュアルモンスター
星6/地属性/植物族/攻2400/守1200
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。自分の手札・墓地から昆虫族または植物族モンスター1体を選んで特殊召喚する。


「ギガプラント……！ そして花沢先輩はまだ通常召喚権を残している……」
「ええ、でもただ通常召喚するだけじゃ芸がないわよね。だからこのカードを使うわ。ギガプラントに装備魔法“スーぺルヴィス”を装備するわよ」


※スーぺルヴィス
装備魔法
デュアルモンスターにのみ装備可能。装備モンスターは再度召喚した状態になる。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが墓地へ送られた時、自分の墓地に存在する通常モンスター1体を選択して特殊召喚する。


「これでギガプラントは再度召喚状態になった。デュアル化したギガプラントの効果で墓地のローンファイア・ブロッサムを蘇生するわ」
「一度フィールドを離れたことでローンファイア・ブロッサムは自身の効果をもう1度使えるんですよね……」
「そうよ、貴女1年生なのによく勉強しているわね。感心感心。ローンファイア・ブロッサムの効果、自身をリリースしてデッキから2体目のギガプラントを特殊召喚するわね。そして通常召喚権を使って今特殊召喚したギガプラントを再度召喚。これでこのモンスターも効果を得るわ。2体目のギガプラントの効果で墓地のローンファイア・ブロッサムを特殊召喚。さらに3度目、ローンファイア・ブロッサムをリリースし、デッキから“椿姫ティタニアル”を特殊召喚よ」


※椿姫ティタニアル
効果モンスター
星8/風属性/植物族/攻2800/守2600
自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。フィールド上のカードを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。


「最上級モンスターのティタニアルにデュアル化したギガプラントが2体も……凄い展開力です」
「本当はもっと回るのだけど……まあ今はこれくらいが限界ね。メインフェイズ1を終えてバトルフェイズに移るわ。まずはティタニアルでダンテを攻撃よ！“プリンセス・オブ・カメリア”！」

椿姫ティタニアル ATK2800 VS 彼岸の旅人ダンテ DEF2500

「ダンテが破壊された時このカード以外の【彼岸】と名のついたモンスター1体を特殊召喚できますが……今墓地には彼岸と名のついたモンスターは存在しないため、この効果は発動しません」
「次、ギガプラントでウォルフを攻撃よ」

ギガプラント ATK2400 VS ライトロード・ビースト ウォルフ ATK2100

詩織 LP8000→7700

「そして2体目のギガプラントでダイレクトアタック！」

ギガプラント ATK2400

詩織 LP7700→5300

「いきなりこんなダメージを……」
「私はこれでターンエンドよ。さあ、もっと力を見せてちょうだい？ 可愛い子猫ちゃん」


薫 LP8000　手札2枚
デッキ：30　モンスター：2（椿姫ティタニアル、ギガプラント（デュアル化済み）×2）魔法・罠：1（スーぺルヴィス）墓地：4　除外：0
詩織 LP5300　手札3枚
デッキ：40　モンスター：0　魔法・罠：1　墓地：8　除外：0


☆TURN04


（椿姫ティタニアルは植物族1体をリリースすることでフィールド上のカードを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果を無効にすることができます。そうなると戦闘で破壊するのが一番いいですが……私のデッキに入っているティタニアルを戦闘破壊できるモンスターは少ない。どうすれば……）

　このターンでティタニアルと2体のギガプラントという布陣を崩さなければ詩織の負けとなる。
　詩織はドロー前に少々考え込むが、大会前に千夏から聞いた言葉を思い出した。それは「悩む前にドローよ！」といういかにも千夏らしい言葉。それでもその言葉が今の詩織を支えていてくれた。

「私のターンです、ドロー！……スタンバイフェイズを終えてメインフェイズ1に移行します。私は手札から“光の援軍”を発動します！」


※光の援軍
通常魔法（準制限カード）
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送って発動できる。
デッキからレベル4以下の「ライトロード」と名のついたモンスター1体を手札に加える。


「光の援軍……ライトロードの強力サーチカードね」
「私のデッキの上からカードを3枚墓地に送って発動します！」

　光の援軍の発動コストとして墓地に落ちた3枚のカード。その中には千夏が待ち望んでいたカードの1枚があった。しかし、そのカードは墓地から特殊召喚することは出来ないカードであった。

「……私が手札に加えるのはレベル3の“ライトロード・サモナー ルミナス”です！ そしてルミナスを召喚します！」


※ライトロード・サモナー ルミナス
効果モンスター
星3/光属性/魔法使い族/攻1000/守1000
1ターンに1度、手札を1枚捨てて発動できる。
自分の墓地からレベル4以下の「ライトロード」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。
また、自分のエンドフェイズ毎に発動する。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。


「手札を1枚捨て、ルミナスの効果を発動します。自分の墓地からレベル4以下のライトロード1体を特殊召喚します！ 特殊召喚するのは今ルミナスのコストにしたレベル4のチューナーモンスター、ライトロード・アサシン ライデンです！」
「……フィールドのモンスターのレベルの合計は7ね」
「はい。ですがシンクロ召喚の前にライデンの効果を発動します。自分のデッキの上からカードを2枚墓地に送ります。そしてその中にライトロードがあった場合、ライデンの攻撃力はターン終了時まで200ポイントアップします」

　ライデンの効果でデッキから2枚のカードが墓地に送られる。その中にライトロードモンスターは無かったが、詩織のデッキのエースモンスターである竜姫神サフィラがあった。

（1枚目のサフィラが墓地に……でもまだ召喚できる条件は整っていないから……また後でね）
「私はレベル3のライトロード・サモナー ルミナスにレベル4のチューナーモンスター、ライトロード・アサシン ライデンをチューニングします！“正義を体現せし大天使よ、光の力をもって悪を討滅せよ！”シンクロ召喚！ 飛来せよ！“ライトロード・アーク ミカエル”！！」


※ライトロード・アーク ミカエル
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2600/守2000
チューナー+チューナー以外の光属性モンスター1体以上
1ターンに1度、1000ライフポイントを払って発動できる。フィールド上のカード1枚を選択して除外する。
このカードが破壊された時、このカード以外の自分の墓地の「ライトロード」と名のついたモンスターを任意の数だけ選択して発動できる。選択したモンスターをデッキに戻し、自分は戻した数×300ライフポイント回復する。
また、自分のエンドフェイズ毎に発動する。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。


「ミカエルはライフを1000ポイント払うことでフィールド上のカードをゲームから除外できます！」
「でもその効果は対象を取る効果。ティタニアルの前では無力よ？」
「それはわかっています。このカードの効果を使うのは今ではありません！ リバースカードオープン！ 罠カード“光の召集”を発動します！」


※光の召集
通常罠
自分の手札を全て墓地へ捨てる。
その後、この効果で墓地へ捨てた枚数分だけ自分の墓地から光属性モンスターを選んで手札に加える。


「光の召集ですって！？」
「私は今の手札2枚を墓地へ捨てます。そして墓地から2体の光属性モンスターを手札に加えます。手札に加えるのは光の援軍の効果で墓地に送られたカオス・ソルジャー-開闢の使者-と今墓地に送った“裁きの龍”です！」
「開闢の使者に裁きの龍……とんでもないカードを引き入れたわね。素晴らしいわ」
「あ、ありがとうございます……私は墓地の光属性モンスター、彼岸の旅人 ダンテと闇属性モンスター、魔界発現世行きデスガイドをゲームから除外し、手札からカオス・ソルジャー-開闢の使者-を特殊召喚します！！」

　詩織のフィールドの彼女の切り札と言える存在であるカオス・ソルジャー-開闢の使者が舞い降りる。ティタニアルの効果は確かに強力だが、攻撃力で勝るモンスターでそのまま攻撃出来れば問題なく撃破出来るのだ。

「メインフェイズ1を終えてバトルフェイズに移行します！ カオス・ソルジャー-開闢の使者で椿姫ティタニアルを攻撃！“開闢双刃斬”！！」

カオス・ソルジャー-開闢の使者- ATK3000 VS 椿姫ティタニアル ATK2800

薫 LP8000→7800

「カオス・ソルジャー-開闢の使者の効果を発動します！ このモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、もう1度だけ続けて攻撃できます！ カオス・ソルジャー-開闢の使者で何も装備していない方のギガプラントを攻撃です！“時空突破・開闢双刃斬！！”

カオス・ソルジャー-開闢の使者- ATK3000 VS ギガプラント ATK2400

薫 LP7800→7200

「そしてライトロード・アーク ミカエルで残ったギガプラントを攻撃！“シャイニング・ジャッジメント”！！」

ライトロード・アーク ミカエル ATK2600 VS ギガプラント ATK2400

薫 LP7200→7000

「破壊されたギガプラントに装備されていたスーぺルヴィスの効果を発動するわ！ 墓地から通常モンスター1体を特殊召喚するわ。私が墓地から特殊召喚するのはもちろんギガプラントよ」
「デュアルモンスターは墓地では通常モンスターとして扱う。よってスーぺルヴィスの効果で蘇生が可能ということですよね」
「ええ。でもあまり意味がないかもしれないわね……」
「無意味ということはないと思いますよ？ バトルフェイズを終えてメインフェイズ2に移行します。私はライフを1000支払いミカエルの効果を発動します！」

詩織 LP5300→4300

「花沢先輩のフィールドに存在するギガプラントをゲームから除外します！」

　ミカエルの力によって2体目のギガプラントがゲームから除外される。これで薫のフィールドには前のターンの終了時同様フィールドにモンスターが1体も存在しなくなった。
　ティタニアルとデュアル化した2体のギガプラントという布陣をあっさり覆されてしまったのだ。これだけで詩織が前にデュエルした他のデュエリストとはレベルの違う存在であることを薫は改めて認識した。

「っ……ライフコストは結構痛いかもしれないけどフィールドのカードを除外できるのは強いわね」
「私はこれでターンエンドです。そしてターン終了時にミカエルの効果が発動します。自分のデッキの上からカードを3枚墓地に送ります」


薫 LP4300　手札2枚
デッキ：30　モンスター：0　魔法・罠：0　墓地：5　除外：1
詩織 LP5300　手札1枚
デッキ：30　モンスター：2（カオス・ソルジャー-開闢の使者-、ライトロード・アーク ミカエル）魔法・罠：0　墓地：18　除外：2