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エリザの気まぐれ 作:はにわ改

 
『(ーーやはり……“このままの私”では奴は倒せぬか)』

『ラピス』の頭上で漆黒の輝きでフィールドを闇に染める『アビス・デザイア』。
主(マスター)の命に渾身の一撃で応えたが、女帝(ラグナシア)自身それが通じないことは分かっていた。

『(私の力を覚醒させれば、勝機はある……が)』

ーー覚醒。
即ちそれは、『女帝』を3枚揃えてのT・F召喚。
その力の凄まじさは、透矢と刹那のデュエルで証明されている。
しかもあの時は、ラグナシアが持つ力の一部に過ぎなかった。

その力を使えばーーと、女帝は思うものの、同時に透矢の事を思って目を閉じながら眉を寄せる。

『(透矢は既にかなり体力を消耗している。
この上、我の覚醒に力を使わせたら……恐らく、身体が持つまい)』

透矢と刹那のデュエルで、ラグナシアの力を覚醒させた際、
透矢はデュエル終了と共に昏倒した。
ラグナシアの力を覚醒させるためには、T・F召喚するだけでは足りず、デュエリストの持つ『エネルギー』が必要ーーそれは、透矢にも伝えてきた事だ。

完調の時ならばいざ知らず、ここまでライフを削られるなどして疲弊した今の透矢ではとてもーー。

ラグナシアは握り締める手に力を込める。

『(ーーだが1つ、手が無いわけではない。
“あのカード”ならば、透矢に掛ける負担を限りなく減らすことが出来よう)』

ラグナシアは透矢のデッキを見る。
透矢のデッキに眠る『あのカード』。
それさえあればーー。

『(だが……“あのカード”を使うには“生け贄”が必要。
しかしその“生け贄”の条件が厄介極まりない……)』

ラグナシアは再び目を閉じると、唇を噛む。
そして次にその瞳が開いた時、それが見た先にはーー刹那。

『(あの者の力が借りられればーー)』

刹那をじっと見つめる。
その強い視線を肌で感じたか、刹那もまたラグナシアを見る。
そして二人は僅かの間ではあるがお互いが互いを見つめ合った後、刹那が不意に頷いた。
するとそれに何らかの意思を感じたか、ラグナシアもまた頷く。

「ーーメイン2……。
俺はカードを1枚、場にセット……」

『アビス・デザイア』の無敵の能力に、圧倒されていた透矢がようやく動く。
まず最後の手札の1枚を魔法・罠カードゾーンにセットさせる。

「(く、くそ……これ以上何も出来ねぇのか?
このままじゃ刹那がーー)」

透矢もまた刹那を見た。
刹那を守るためには、なんとしても『ラピス』に次のターンを回してはならない。
だが『ラピス』の『アビス・デザイア』の能力は、透矢の想像をはるかに超えた存在だった。
完全耐性に加え、戦闘で破壊できないのでは、どうすればいいというのか。

「お、俺は更に『女帝』の効果を発動。
自分フィールド上に存在する三騎士モンスター一体を選択してーー」

『待て』

「え……?」

透矢が『女帝』の能力、フィールドに存在する『三騎士』モンスターの同名モンスターを特殊召喚する能力を使おうとしたところで、
意外やその『女帝』から待ったが掛かった。

『ーーその効果は使うな』

「使うな、って……どういう事だよ?」

『僅かな可能性……それを摘み取らぬためにだ』

「だからどういうことだよ?
何で使っちゃいけないんだ?」

『ーー私に言えるのはここまでだ。
後はお前の判断に委ねる』

言葉足らずのラグナシアの声に、透矢は困惑する。
透矢のモンスターゾーンはまだ一ヶ所空いている。
折角だから、『女帝』の効果で空いたゾーンを埋めて布陣を厚くしておこうと考えそうなところだ。

「ーー俺は、ターンを終了……」

納得はいかない。
だが他ならぬラグナシアが言うことであるからと、透矢は結局自重する事を選択する。
敢えてモンスターゾーンを埋めなかった事に、どんな思惑があるというのか。
ーーラグナシアはやはり何も答えてはくれない。

『貴様のエンド前に、我は“デザイア”のモンスター効果を発動。
除外ゾーンより、“メガロディニクス”を帰還させる』

一方、『ラピス』はこのタイミングで『デザイア』の効果を用いて、『メガロディニクス』を裏側守備表示でフィールドに置く。
『女帝』の攻撃時に使わなかったのは、やはり『デザイア』の能力を透矢たちに知らしめるためか。

「ーー刹那、すまねぇ!
俺、結局あいつを倒せなくてーー」

透矢が自らの無念の思いを、刹那への謝罪として表す。
次の『ラピス』のターンには回せないーーその前に倒さなくてはならない。
だがその最大の障壁である『アビス・デザイア』に対して、何ら手立てを講じる事が出来ず、刹那にターンを回した。

この刹那のターンで『ラピス』を倒せなければ、その予言に従い、刹那は確実な死が待ち受ける。

ーー正に局面は窮地。
だがそんな場面で刹那は透矢に笑顔を見せた。

「ーー大丈夫、透矢くん。
私はあなたのパートナーだもの。
足手まといに……なったりはしないわ」

「刹那……、俺はそんな意味で言ったんじゃーー」

「うん、分かってる。

……透矢くんがそうしてくれたように、私も透矢くんのために精一杯頑張るね」

「刹那……?」

気のせいか。
透矢の目に儚げに映った刹那の穏やかな微笑み。
そうしてから刹那は、少しでも気を抜けば倒れてしまいそうな瀕死の身体に渇を入れるように深呼吸する。
そして力を込めた瞳が自分のデッキを捉えた。

「(ここで私が引き当てられなかったら……『私たちの負け』ーー)」

デッキの一番上に手の平を添えたまま、祈りを捧げるように目を閉じた刹那。

ーーただ、この一度。
もし引きを司る神がいるのだとしたら、この命に代えてでも『その1枚』をこの手にーー。

刹那のカードを掴む指にじわじわと力が籠る。

「ーー私のターン、ドロー!」

そして一気に引き抜かれた運命の懸かったドローカード。

「(ありがとうーー)」

これが最後のドロー。
それは刹那も分かっている。
その……最後の1枚。

引きを司る神は願いを叶えてくれたのだろうか。

ーーいや、それだけではない。
デッキが彼女に応えてくれたのだ。

「私は墓地の『サンダルフォン』、『リリエル』を、すなわち光属性・闇属性モンスターを一体ずつ除外してーー」

ドローしたカードを手札に収めて、もう1枚のカードに手を掛けた刹那。
それは前の『ラピス』のターンで刹那が発動させた罠カード、『エンゼル・ブレッシング』の副産物によるドローで引き当てたカードである。

「召喚、『混沌天使(カオス・エンゼル) ザドキエル』!」

2体の『混沌天使』を除外して特殊召喚された新たな『混沌天使』。
銀色の長い髪が特徴の、美しさと精悍さを併せ持った、線の細い男性の風貌。
生地の厚い白色の祭服に身を包み、手には分厚い書物。
そして彼もまた例に漏れず、背中からは『混沌天使』特有の白と黒の巨大な翼を畳んだ状態で生やしている。

レベルは8で、攻撃力は2500。
『サンダルフォン』に続き、透矢戦では使われなかった天使だ。

「ーーバトル!
『ザドキエル』でその裏側モンスターを攻撃っ!」

「ーーえっ?!」

そして即座にバトル。
刹那は『ザドキエル』に攻撃を命じた。
そんな刹那の行動に透矢は意外な表情。
その理由を気にする事もなく、『ザドキエル』は手に持つ分厚い本をぱらぱらとめくり上げながら、何かの言葉を口ずさむ。
そして右手の人差し指と中指を、標的に向けて突き付けると、
大地から白い炎が天井へ向かって燃え上がり、その裏側モンスター、『メガロディニクス』を焼き付くした。

「ーーバトル終了、メイン2よ」

ーーそれだけ、である。
死が差し迫っているというのに、何と淡白なバトルフェイズであろう。
透矢はてっきりバトルに入る前に、もう少しアクションを起こすだろうと思っていただけに、目を疑うような刹那の動きだった。

「私は『ザドキエル』の効果を発動!
このモンスターをリリースし、更に墓地の光属性モンスターを除外することで、
除外したモンスターよりもレベルが1高い、『混沌天使』シンクロモンスターをエクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚!」

「おおっ!」

だが透矢はすぐに考えを改める。

ーーそうだ。
刹那が単純な運びで、無為にターンを終わらせる筈がない。
きっとここからが始まりなのだと。

『メガロディニクス』を先に葬ったのは、相手の二回目のモンスターの召喚に反応する『罠効果』を持っていたためだ。

「私は墓地から『ウリエル』を除外してーーっ!」

先ず『ザドキエル』がリリースされてフィールドからその英姿を消す。
更に前の『ラピス』のターンで、『グラボイド』と相討ちに倒れた『ウリエル』の魂が昇華する。
『ザドキエル』の効果によれば、この除外した『ウリエル』よりもレベルが1つ高い、すなわちレベル9のモンスターを、エクストラデッキから特殊召喚出来ることになるがーー。

「特異点の彼方に封じられし癒しの天使!
出でよ、『混沌天使 ガブリエル』!」

昇華した『ウリエル』の魂と引き換えに降臨した、薄緑色の髪を持つ慈愛に満ちた優しい微笑みを浮かべる天使・『ガブリエル』。
レベル9、攻撃力2600。

その驚異的な癒しの力は相手の士気を大きく削ぐほど凄まじく、透矢とのデュエルでは1度に6000以上も回復した事もあった。

ともあれ2体目となる『四大天使』の降臨。
刹那のターンの本番はここからなのだ、と透矢は期待せずにはいられない。

「『ガブリエル』の効果!
墓地の闇属性モンスターを除外してーー」

刹那が墓地から『ザドキエル』を除外させる。
『ザドキエル』は光属性だが、『混沌天使』モンスターの固有能力により、闇属性モンスターとして扱うことが可能。

「デッキの上から3枚を確認。
1枚を手札に加え、残りは好きな順番でデッキの上に戻す」

3枚の中から好きなカードを1枚選べるという、単純で強力な効果。
刹那は頷きつつ1枚を手札に加えて、残りをデッキのトップに戻す。

「カードを2枚セットして、ターンエンド」

「せ、刹那!」

『くす……』

ターンを終わらせてしまった刹那。
言うまでもなく次は『ラピス』のターン。
回してはならないはずの『ラピス』のターンを迎えてしまったのである。

やはりこの状況では如何に刹那と言えども出来る事に限りがあったのか、と透矢は苦々しく思うと同時に、再三自分の不甲斐なさに悔しさを感じる。
一方『ラピス』は、そんな様を見て嫌らしく笑みを見せる。

「(これでいい……私に出来る事は全てやった。
後は……)」

横目で透矢を見る刹那。

「(透矢くんに私の全てを託すだけ……)」

このターンの刹那の行動。
それは死が迫る自分の命を引き伸ばすためではない。

透矢に後を引き継いでもらうーー。
自分の力の全てを彼に渡し、僅かに残った可能性を掴んでもらうためにーー。

刹那は受け入れたのだ。

己の『死』をーー。




「ーー駄目だ、ビクともせんぞ!」

その頃、クリス・シェリル・蓮華・舞の四人は、『ラピス』が作るフィールドを破ろうと懸命に奮闘していた。
だがそれぞれが持つ『R・E・C』によるカードの力を駆使しても、フィールドを突き破る事は叶わない。

「ーーあたしらがこれだけ力を込めても駄目だってのかいっ?!」

「まるで効果がないなんてーー」

舞、シェリルが弱音に似た声を漏らしてしまう。
それほどに『ラピス』の内界と外界を隔てるフィールドの壁は強固だったのだ。

「ーーアイツだ。
『ラピス』の力もそうであろうが、あのモンスターが、このフィールドを更に強固なものにしているに違いない!」

クリスが指差した先にあるのは、『ラピス』の頭上にある『アビス・デザイア』。
ただの推測にも聞こえるが、それは『ラピス』、そして『アビス・デザイア』という黒い球体について知る彼女だから、ある種の確信を以てそう言わせた。

「ってことは、あいつらがあれを何とかしない限り、手が出せないって事かい!」

「ーーくそっ!!」

舞の声に、クリスが悔しそうに壁を叩く。
目の前にいながら何も出来ず、更に状況を好転させる案も思い付かない。
そんな悔しさに震えるクリス。
そして蓮華もまた、中の刹那・久遠を心配するあまり気が気でなく、何か声をあげる余裕すらない。

「ーークロエっ!
貴様も少しは手を貸したらどうなんだっ!!」

当たり散らすかのように、クリスが吠える。
そのクロエはまるで関与するのを拒むかのように済ました表情で、ただ壁に背を預けているだけだった。

「ーー限界、だな」

「なに……?」

そして小さく一言。
クロエが懐から端末を取り出したのを見て、クリスの毛が逆立つ。

「ここまでだ。
コード・レッドを実行する」

クロエが断じた。
それは中のデュエルの内容からもはや先はない、と見越したからでもある。

「ーー止せ、馬鹿者!」

そうはさせじ、と弾かれるようにクリスが飛び出し、端末を握るクロエの腕を掴んで、身体全体で壁に押し付ける。

「……離せ。
手遅れになるぞ」

「貴様こそやめろ!

それに例え兵器で攻撃したとしても、あのフィールドに阻まれればまるで意味はないのだぞっ!?」

「それくらい私が対策を考えていないと思うか?
余計な心配だ」

「クロエっっ!」

「ーーやれやれ……」

クロエがため息をついたのと同時。

鈍い音が響き、クリスが崩れるように膝を付く。

「ーー先生っ?!」

昏倒したクリスに駆け寄るシェリル。
一体何をしたのか。
クリスは声を上げる暇もなく、クロエによって気絶させられたのだ。

「……手間を掛けさせるな」

「く……っ!」

倒れたクリスに冷たく言い放ったクロエ。
そんなクロエをシェリルが憎しみを込めるかのように睨む。
だがそんな事も気に留めず、クロエは端末でこの下水道の外にいる『殲滅部隊』と連絡を繋げる。
クリス以外に最早その行動を制止出来る者はいなかった。

「ーーん?
どうした、何故、誰も出ない……?」

しかしそのクロエにも異変。
外で命令を待っているはずの殲滅部隊と連絡が繋がらないのだ。
だがクロエは動じることなくすぐに別の番号を打ち込む。
するとその番号では、すぐに相手に繋がった。

「ーー私だ」

『た、隊長……』

「どうした?
外にいる別動隊と連絡がつかん。
何かあったのか?」

『そ、それが……』

相手はクロエの直属の部下。
有事の際は彼女の手足となって動く精鋭でもある。
その部下が通話の向こうで、明らかに動揺しているのがすぐに伝わってきた。
そして知らされた予想だにしない事態。
クロエが殲滅部隊に一時待機、を指示してから今までほんの10分程度。
その間に外では、クロエですら考慮していない想定外の出来事が起こっていたのだった。






ーー外では異様な光景が繰り広げられていた。
時間帯はまだ昼時。
にも関わらず、暗くなった空に浮かぶは真紅の血の色を思わせる『月』。
そして下水道周辺の大地には、クロエの呼び掛けによって召集した殲滅部隊たちの殆どが地に伏して意識を失っていた。
対して立っている者たちは、『あるもの』を中心にして円形に取り囲むようにしている。

それはーー赤い月に照らされて、金色に朱色が交ざり、妖しくも美しく煌めく髪を持つ美女。
黒いマントに身を包み、切れ長の瞳が周囲に視線を貫き、口元から伸びた犬歯を覗かせる。

「ーーお仕事のお邪魔をして御免あそばせ」

女性の濁った赤色の瞳が光ると、周りを囲む隊員たちが後ずさる。
倒れている者たちの意識を失わせたのは、この女の仕業か。
その真偽はこの異様な雰囲気の中、ただ一人余裕の佇まいを見せるエリザの様が全てを物語っていた。

「ーーフリードイッヒ卿!
これは如何なる所存での振る舞いか?!」

隊を指揮する長が叫ぶように聞いた。

女の名はエリザ。
エリザベート・フリードイッヒ。
既に日本校に敗退したが、イギリス校代表のリーダー。
本来なら会場でクロエ・クリスが属する機関に鎮圧され、眠らされているはずの彼女がなぜこの場所に現れたのか。
コード・レッド実行のために集結した軍の殲滅部隊はもとより、元々いた機関の人間たちも神に問いたい思いであった。

「ーーわたくしは何も。
ただ……トーヤ・ユセナに危害を加える事は許しませんわ」

「トーヤ、ユセナ……?」

答えたエリザ。
だがその中に出てきた名前について、殲滅部隊の人間たちは誰を指すのかがまるで分からなかった。

「フリードイッヒ卿、ご心配には及びません!
貴女様の仰るトーヤ・ユセナはもちろんの事、中にいる人たちに実害を加えるつもりはーー」

「なるほど。
ですが、わたくしに貴方の言葉の真偽を知る術はありませんもの。

ーーで、ある以上、わたくしは貴方方の行動を黙って見過ごす訳にはいきませんわ」

「フリードイッヒ卿……!」

証なき言葉に耳を貸すつもりはない、とはっきり断言したエリザ。
それを見ていた殲滅部隊の隊長が埒が明かない、と銃をエリザに向けて構える。

「あら……淑女にそんなものを向けるなんて感心しませんわ。

もっとも……そんなものでは、わたくしには何の意味もありませんけど」

「く……っ!」

「いつでもどうぞ。
貴方が引き金を引くまで意識を維持出来るのであれば、ね」

赤い月の下、エリザが笑う。

ーーはったりではない。
でなければ、こんなにも自分の部下たちが容易く倒されたりはしない。

今、地に倒れている者たちはまるで視認出来ない不可視の何かによって昏倒させられたのだ。

ーー隊長も噂には聞いている。
フリードイッヒ家、現当主・エリザベートの正体。
それは正に生きる伝説なのである。

結局、構えた銃が火を噴く事はなく、そのまま下ろされた。
それに対して、懸命な判断である、と言うようにエリザは優しく微笑んで見せた。

「トーヤの身の保証は……わたくし自身の『眼』で確認させて頂きますわ」

そう口にしながら、黒いマントの中から左手を出すと、
その甲に不意に一羽の蝙蝠がどこからともなく姿を現す。
そして主の命に従ってその蝙蝠は飛来し、下水道の中へと入っていった。
未知の出来事をさも当然のようにやってのける様は、まさに人である事の領分を超えた行いである。

「ふ、フリードイッヒ卿。
し、質問してもよろしいでしょうか」

「うっふふ……そんなにかしこまらなくてもよろしいですのに。

……何かしら?」

「何故、トーヤ・ユセナにそこまで……?」

機関の人間が問う。
もはやエリザ一人の力で、クロエのコード・レッドはその体を成さなくなってしまった。
まさかエリザがこんな行動を取るなど誰が予想しようか。
その疑問をその人間が代表して、エリザに問いかけたのだ。

「何故……?

んー、だって……」

顔を赤らめながら言うのを躊躇うかのようなエリザ。
周りにいる一同は思わず固唾を呑んでしまう。

「だって……初めてですもの。

こんなにも、殿方の血を吸いたくなったのはーー」

ーー垣間見せたエリザの本性。
己が『渇き』を満たすために、彼女が最も欲するもの。
それは異性の身体に流れる『赤き流動』に他ならない。

犬歯を覗かせ、恍惚な表情で舌なめずりするその様を見た一同はぞっと背中を震わせた。

「うふふ……さあ、皆さま、どうぞ楽になさって。
働きすぎは身体に毒ですわ。
何でしたらお飲み物でも召し上がってくださいな」

だがすぐに自ら語る淑女のそれに変わるエリザ。
かくして異様な雰囲気はそのままに、無為な時間だけがその場で過ぎていくのだった。






ーー下水道内。
外で起きている出来事は直ぐにクロエにも伝わった。

「エリザの奴め……気まぐれにしては程が過ぎるぞ」

完璧な対策を立てていたつもりでも、これはあまりに想定外の極みだった。
コード・レッドが実行できないとなると、もはやクロエにもこの状況を覆す手段を立てる事は出来ない。

「どうする……おつもり、ですか」

昏倒したクリスに代わって、シェリルがクロエに訊いた。
シェリルには事の全容の全てを把握出来たわけではないが、クロエに何か計算違いが起きたのは分かるのである。

「どうにも、出来ないな。
今から新たに別動隊を編成するには時間が足りなさすぎる。

私に出来るのは、刹那たちを無理やり退場(ログアウト)させてやるぐらいのものだ」

「……作戦が、裏目になってしまったということですか」

「……なんとも無様だ。

大事を前にこの失態続き……。
私の浅はかさが招いた結果だ」

腕を組んだまま背を壁に預け、大きく頭を落とすクロエ。
それを見たシェリルもまるで行く末を儚むように顔を伏せた。

「ーーお言葉ですが、まだ諦めるには早うございます」

「更科サン……?」

「中ではまだお嬢様と遊戦名様が戦っておられます。
私たちに今出来るのはお嬢様方が勝って下さる事を信じるよりないと存じます」

蓮華が口を開くと、舞も中の様子を見る。
確実に追い詰められていくのが分かる中のデュエルの状況。
それを見た後でなお、蓮華は二人を信じるしかない、と口にする。

「……どう足掻こうと、『ラピス』には勝てん。
それに……信じて勝てるなら、最初から我々も苦労しない」

クロエが頭を下げたまま小さく声を返す。
完全に諦めてしまったかのようなクロエに、中のデュエルに於ける勝利への期待など、望めるべくもなかった。

「ーー私は信じます。
お嬢様を。
遊戦名様をーー」

蓮華はそれでも繰り返す。

「お嬢様も、遊戦名様も……『選ばれた人間』なのです。

『深淵』に光をもたらす……『真のデュエリスト』なのですからーー」

更に続けたその言葉で締めた蓮華。
口惜しいが、今や自分に出来ることはない。
ならばせめて二人の戦う様をこの眼で見届ける。

僅かかもしれない勝利の可能性。
二人の努力、執念が身を結ぶことを信じてーー。
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はにわ改
オリカ詳細

・混沌天使 ザドキエル
光属性 天使族
レベル 8 攻撃力 2500 守備力 2700
効果
このカードの属性はルール上、闇としても扱う。このモンスターは通常召喚出来ない。自分の墓地から光属性と闇属性モンスターを1体ずつ除外した場合のみ手札から特殊召喚出来る。
①以下の効果から1つを選択して発動出来る。この効果は1ターンに1度しか発動出来ない。
●自分の墓地の光属性モンスター1体を除外してこのモンスターをリリースする。この効果で除外したモンスターのレベル+1の『混沌天使』Sモンスターを自分のエクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。
●自分の墓地の闇属性モンスター1体を除外して、このモンスターをリリースする。この効果で除外したモンスターのレベル-1の『混沌天使』Sモンスターを自分のエクストラデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。

・混沌天使 ガブリエル
光属性 天使族
レベル 9 攻撃力 2600 守備力 3400
シンクロ/効果
光属性チューナー+チューナー以外の闇属性モンスター一体以上または闇属性チューナー+光属性モンスター一体以上
このカードの属性はルール上、闇としても扱う。
①このモンスターのシンクロ召喚に成功した時に発動する。自分が除外している『混沌天使』モンスター1枚を手札に加える。
②自分の墓地から光属性または闇属性モンスターを1体除外することで、除外した属性によって以下の効果を適用する。
●光属性:自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して、その攻撃力分自分のライフを回復する。
●闇属性:自分のデッキの上から3枚をめくり、その中から1枚を選択して手札に加え、残りは好きな順番でデッキの1番上に戻す。 (2020-01-30 03:44)

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161 透矢vsシェリル 剣vs銃の対決!⑤ 1145 1 2017-05-16 -
201 透矢vsシェリル 剣vs銃の対決!⑥ 1332 1 2017-05-17 -
191 透矢vsシェリル 剣vs銃の対決!⑦ 1300 1 2017-05-18 -
184 透矢vsシェリル 剣vs銃の対決!⑧ 1248 1 2017-05-19 -
188 透矢vsシェリル 剣vs銃の対決!⑨ 1330 1 2017-05-20 -
191 意外な幕切れ 1066 0 2017-05-21 -
162 神楽坂姉妹の確執 1074 0 2017-05-22 -
209 まき・ちづるの次回予告 ③ 1287 0 2017-05-23 -
156 刹那はどこへ行った? 1087 0 2017-05-24 -
158 刹那の純心 久遠の歪心 1112 0 2017-05-25 -
211 揺れる想い 1228 0 2017-05-26 -
173 揺れる三角関係 1148 0 2017-05-27 -
180 久遠と真希 1038 0 2017-05-27 -
186 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘 1106 0 2017-05-28 -
179 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘② 1293 1 2017-05-29 -
203 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘③ 1325 1 2017-05-30 -
178 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘④ 1207 1 2017-05-31 -
150 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘⑤ 1219 1 2017-06-02 -
163 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘⑥ 1271 1 2017-06-03 -
136 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘⑦ 1123 1 2017-06-04 -
145 地影vsメリッサ プライドを賭けた決闘⑧ 1138 1 2017-06-06 -
167 炎魅子・地影の気遣い 1151 0 2017-06-07 -
182 水花の秘密 1057 0 2017-06-07 -
192 ちかげ・えみこの次回予告 1313 0 2017-06-09 -
178 真希と刹那の誓い 1076 0 2017-06-10 -
205 真希、復活 1081 0 2017-06-11 -
182 日米対決前哨戦 最終節 炎魅子vs久遠! 1061 0 2017-06-12 -
205 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!① 1180 1 2017-06-13 -
183 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!② 1175 1 2017-06-14 -
233 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!③ 1354 2 2017-06-15 -
168 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!④ 1219 1 2017-06-16 -
180 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑤ 1173 1 2017-06-17 -
199 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑥ 1126 1 2017-06-18 -
168 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑦ 1233 1 2017-06-19 -
221 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑧ 1317 2 2017-06-21 -
174 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑨ 1152 1 2017-06-22 -
195 炎魅子vs久遠 禍々しき魔神の恐怖!⑩ 1170 1 2017-06-23 -
171 親睦戦終幕 1052 0 2017-06-24 -
168 大会、近付く 958 0 2017-06-25 -
184 まき・ちづるの次回予告 ④ 1111 0 2017-06-26 -
176 『機関』 1076 0 2017-06-28 -
190 到着、ワシントン 1180 0 2017-06-29 -
188 謎の少女に誘われて 1086 0 2017-06-29 -
148 透矢と黒の一団 そしてーー 939 0 2017-07-01 -
193 イギリス代表大将 エリザベート 1254 0 2017-07-02 -
202 1回戦 日本側出場選手決まる 1096 0 2017-07-03 -
139 プレッシャー 1007 0 2017-07-05 -
164 舞、夜の街を往く 1262 0 2017-07-06 -
210 舞、夜の街を往く② 1223 1 2017-07-07 -
281 舞、夜の街を往く③ 1308 1 2017-07-08 -
174 死の天使、降臨 1189 1 2017-07-09 -
169 深き闇 1106 0 2017-07-10 -
161 消えた舞 984 0 2017-07-12 -
182 世界大会開幕! 1200 0 2017-07-13 -
183 世界大会開幕!vsイギリス校! 1045 1 2017-07-15 -
155 世界大会開幕!vsイギリス校!② 1152 2 2017-07-16 -
168 世界大会開幕!vsイギリス校!③ 1238 1 2017-07-18 -
192 イギリス校大将・エリザ、出る 1128 0 2017-07-19 -
177 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力! 1185 1 2017-07-20 -
148 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!② 1079 1 2017-07-21 -
217 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!③ 1185 1 2017-07-22 -
174 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!④ 1098 1 2017-07-23 -
152 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑤ 1244 1 2017-07-24 -
211 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑥ 1318 1 2017-07-26 -
201 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑦ 1210 1 2017-07-27 -
152 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑧ 1160 1 2017-08-02 -
168 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑨ 1100 1 2017-08-03 -
182 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑩ 1244 1 2017-08-06 -
183 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑪ 1108 1 2017-08-09 -
146 透矢vsエリザ 偉大なる吸血鬼の力!⑫ 1400 1 2017-08-10 -
151 日本校、勝利を収める 886 0 2018-10-14 -
152 アラスカ・アカデミア 978 0 2018-10-15 -
184 アラスカ・アカデミア 謎に満ちた実力 1012 0 2018-10-16 -
183 舞の行方 1169 0 2018-10-19 -
163 クロエの策 947 0 2018-10-21 -
106 まきとちづるの次回予告⑤ 877 0 2018-10-22 -
116 囚われの舞 924 0 2018-10-24 -
120 透矢の戸惑い 970 0 2018-10-25 -
122 サタン・ルキフェル① 1020 0 2018-10-28 -
157 サタン・ルキフェル② 1104 3 2018-10-29 -
130 サタン・ルキフェル③ 1027 1 2018-10-30 -
165 サタン・ルキフェル④ 950 1 2018-11-03 -
130 サタン・ルキフェル⑤ 985 0 2018-11-07 -
160 『力』あるカード 970 0 2018-11-12 -
151 嵐の日の前夜 924 0 2018-11-18 -
103 波乱の2回戦始まる 868 0 2018-11-20 -
153 水花の『龍』 1051 1 2018-11-22 -
146 アビス・ドミネーター 1106 1 2018-11-23 -
94 舞・水花救出作戦始動! 955 0 2018-11-24 -
121 『神子』 892 0 2018-11-25 -
118 突入 911 0 2018-11-26 -
159 R・E・C 1046 0 2018-11-27 -
108 舞、救出 1007 0 2018-11-30 -
101 『能力解放』 954 0 2018-12-02 -
156 『深淵』を司りし者 ラピス 1077 0 2018-12-04 -
124 水花を取り戻せ!透矢&刹那VSラピス! 1038 0 2018-12-05 -
185 最強タッグ?!深淵より出ずる者! 1162 1 2018-12-12 -
125 最強タッグ?!深淵より出ずる者!② 874 1 2019-07-08 -
151 最強タッグ?!深淵より出ずる者!③ 860 1 2019-07-10 -
113 最強タッグ?!深淵より出ずる者!④ 931 1 2019-07-14 -
142 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑤ 876 1 2019-07-16 -
108 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑥ 806 1 2019-07-21 -
116 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑦ 1022 1 2019-07-23 -
121 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑧ 709 1 2019-07-28 -
127 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑨ 774 1 2019-08-04 -
134 最強タッグ?!深淵より出ずる者!⑩ 1037 1 2019-08-06 -
138 まきとちづるの…… 736 0 2019-08-10 -
102 コード・レッド 940 0 2019-08-18 -
124 アビス・デザイア 864 0 2019-12-02 -
106 アビス・デザイア② 823 1 2019-12-05 -
181 アビス・デザイア③ 910 1 2019-12-09 -
102 アビス・デザイア④ 799 1 2019-12-12 -
126 アビス・デザイア⑤ 823 1 2019-12-15 -
113 冷徹なるクロエ 913 1 2019-12-17 -
134 黒き太陽は沈まず 919 0 2019-12-28 -
118 エリザの気まぐれ 804 1 2019-12-30 -
107 敗者の定め 807 1 2020-01-01 -
121 孤独な戦い 825 1 2020-01-05 -
120 知らされる『真実』 754 1 2020-01-06 -
115 『A・D』と『人間』の戦い 732 0 2020-01-14 -
113 『お姉さん』の正体 843 0 2020-01-19 -
118 S召喚とT・F召喚 794 0 2020-01-27 -
128 戦いの結末 907 0 2020-02-04 -
108 残酷な真実 929 0 2020-02-09 -
120 発動せよ! ラグナクロス・アドベント! 970 0 2020-02-11 -
103 死闘、決着 1006 1 2020-02-17 -
108 ラピスの死 814 0 2020-02-25 -
124 眠り姫 804 0 2020-03-02 -
108 その日の夜 961 0 2020-03-21 -
127 透矢とエリザ そして刹那 819 0 2020-05-10 -
98 エピローグ 645 0 2020-05-24 -
116 ちかげ・えみこの次巻予告 983 0 2020-05-27 -

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