ちかげ・えみこの次巻予告　作：はにわ改

　
ちかげ「ちかげと」

えみこ「えみこの」

ちかげ「次巻予告です」
えみこ「次巻の予告！だぜっ！」

ちかげ「長かった……」

えみこ「なんだいなんだい、いきなりため息ついたりしてさ」

ちかげ「この第２部の第１話が公開されたのは２０１７年です。

えみこさん？今、何年ですか？」

えみこ「えっと……今は２０２０年か」

ちかげ「そうです。
時は２０２０年。
３年の月日を費やし、時代は新たな元号を迎えました。
そのなかでようやくこの第２部が完結したんです」

えみこ「かっはっは！
いいじゃないか！
ある意味、時代を跨いだ作品ってことでかっこいいじゃんか！」

ちかげ「……えみこさん。
それって台本ですか？」

えみこ「はぁ？
なんだよ、台本って」

ちかげ「いえ……何か、すごく言わされている感がありましたもので」

えみこ「てゆーかさぁ、ちかげ？
最近、なんかあたしらハブかれてないかい？」

ちかげ「相変わらず会話の脈絡を無視してくれますね」

えみこ「だってよ、うちら、どんどん影が薄くなっちまってるじゃねぇか」

ちかげ「まぁ、立場上、それは仕方ないところでしょう」

えみこ「仕方ない、って悔しくないのかよ、ちかげは」

ちかげ「出番が少ないのが悲しくないといえば嘘になります。
ですがーー」

えみこ「なんだよ」

ちかげ「少ない出番の中で、如何に自分の存在感を読者に伝えるか。
それが私たちの義務ではないか、と」

えみこ「い、言うじゃないか」

ちかげ「何事も日進月歩。
デュエリストならば当然心に抱くべき信ねーー」

えみこ「あああーーっ！
そんなこと言いながら、ちかげ！
お前は次巻で大会決勝先鋒戦の出場が決まってるじゃねぇか！」

ちかげ「（ぎく……っ）」

えみこ「あたしゃ決勝出れねぇのにずるいじゃねぇか！」

ちかげ「そ、それでは次巻の見所を……」

えみこ「おいこら、ちかげ！
誤魔化してんじゃないよ！」

ちかげ「えー、次巻は大会決勝がメインになるわけですが、
その前にどういうわけか、日本に残った流石くんの出番があるようですね」

えみこ「流石？
誰だい、それ」

ちかげ「いや、えみこさん。
いくらなんでもそれはあんまりでは。
１年ブルートップの流石くんです」

えみこ「そんな奴いたっけか？

てゆーかよぉ、そんな奴に出番与えるくらいなら、あたしを出しなよ！」

ちかげ「んー、多分、えみこさん。の出番が少ないのはデッキに問題があるんでしょう」

えみこ「な、なんだよ、どういうことだい」

ちかげ「えみこさん、小さい効果ダメージを積み重ねるデッキですから、ライフ計算が面倒くさい説がーー」

えみこ「おいおい、それのどこが悪いんだい！
あたしは炎の四天王だぜ？
炎といえばバーン戦術だろ！」

ちかげ「いや、それはもう古い考えかと」

えみこ「それに小さなバーンでちくちくちくちく削るのが楽しいんじゃないか！
相手がイライラしてるのを見ると、正直面白くて仕方ないんだよねぇ」

ちかげ「（そういうこと言うから出番が減るんですよねー）＞ボソッ」

えみこ「あん？なんか言ったかい？」

ちかげ「いえ、別に。

では最強カードの紹介をば」

堕ちた戦乙女 ？？？？
闇属性 戦士族
レベル ４ 攻撃力 1400 守備力 1100
効果／ＴＦ
デッキまたは手札から「？？？」モンスターを墓地へ送る。その攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
？？？？

えみこ「ん？
なんで名前伏せてんのさ」

ちかげ「それは……名前出すとネタバレが過ぎるからでは？」

えみこ「大体、誰が使うのさ」

ちかげ「謎の敵だそうです。
私たちの預かり知らぬところで、色々と事は深刻なようですね」

えみこ「なんだよそれ。
随分と思わせ振りじゃないか」

ちかげ「いえ、別に。
ただ……何となく、そう感じただけですので」

えみこ「ま、あたしゃ大会が終わりゃあとは卒業を待つだけだからねぇ。
あたしらの腐れ縁もいよいよ終わり、って感じだね？
にゃはははは」

ちかげ「……」

えみこ「ん？
どうしたよ、ちかげ」

ちかげ「いえ……確かに腐れ縁、ですよね。わたしたち」

えみこ「中等部からだもんな」

ちかげ「思えばえみこさんの破天荒な性格には私もさんざん悩んだものです」

えみこ「へへ、精々するってか？」

ちかげ「えみこさんなんて、てきとーで、ズボラで、人を巻き込むトラブルメーカーで。
取り柄なんて料理が上手なことぐらいなのに」

えみこ「ちょいちょい、そりゃ言い過ぎってもんじゃないか？」

ちかげ「……ですが」

えみこ「？」

ちかげ「どんな人でも、いなくなるというのは……。

寂しい、ものですね」

えみこ「うひょ？
なんだいなんだい、泣かせること言うじゃんか、ちーちゃん！」

ちかげ「ちーちゃん言うな！」

えみこ「大丈夫だって！
どうせまた一緒に遊んだりするんだからさ！」

ちかげ「……えみこさん、忘れっぽいから。
すぐに私なんか忘れるに決まってます」

えみこ「にゃははは、んな事あるかよ？
あたしたちマブじゃねぇか、な？」

ちかげ「……ふん、馬鹿えみこ」

えみこ「ちょ、ちーちゃん！
なーに、いじけてんのさぁ。
まってくれよ～！」

（そのまま立ち去るちかげ、それを追うえみこ。
次巻の内容やデュエルする流石について触れられないまま終）