番外編File-X　静かな夜に？　作：Ales

《注意》
　このお話はフィクションです。記載の事項は実際の人物・団体・事件とは一切関係ありません。またいつもの如く犯罪若しくはそれらを助長する行為が含まれますが、それらの行為を模倣した場合に掛かる賞罰について一切の責任を負いかねますことをご了承願います。
　また、今話に限り何か非常に危険が危ない気配が漂っているのでよい子の皆様並びにそういった（お察し）行為に耐性のない方および適した年齢でない方は、直ちにブラウザを閉じて酒（シャンパン）が飲める酒が飲める酒が飲めるぞーと念仏を唱えながらgigadelicを攻略して私のTwitterにドヤ顔と共にDMを（以下略




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準備はよろしいですか？





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《注意そのに》

・本編とは関係ありません
・時系列？なにそれ食べられますの？
・キャラ崩壊しています
・生クリームです
・ある意味安定しています
・リア充？まずうちさぁ、ダイナマイトあんだけど……
・飲んでいないのでセーフかも知れません
・深夜テンションです
・一発書きです
・生クリームです
・何を言っているのかちょっとわからないですね^^
・キリスト降誕の日ですよ、よく考えましょう。






　まあここまででちゃんとブラウザバックしていない悪い子たち向けですね^^






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　12月の終わり、日本においては第125代天皇陛下の生誕日の翌日はクリスマス・イブであり、更にその翌日はクリスマスというイベントがカレンダーに記載されている。
　無論外来語であるクリスマスとは‘‘Christmas’’、すなわち「キリストのミサ」を表す英語であり、更に日本語訳するなら「油を注がれたもの（当時のユダヤの習わしでは預言者や王、祭司等の就任に油を注ぐ儀式があった）の祭儀」といったところであろうか。ちなみによく聞く「ノエル」というのはフランス語で「降誕」という意味であり、実は欧州諸語において「キリストの」と付ける言語は少ない。それほど欧州諸国においては馴染みのある日なのだろう。
　翻って日本に目を向けると、英語圏から輸入された単語であるクリスマスがそのまま片仮名で用いられる。仏教においてゴーダマ・シッダルタ（釈迦）の生誕日を「灌仏会」や「降誕会」と表すので何か気の利いた日本語訳を当ててやりたかったものだが、その辺りは封建時代に輸入され、様々な懸念から禁令が敷かれていた本国においては、なかなか祭事を催す事も難しかったという想像に難くない。
　信教の自由が最高法規である日本国憲法によって認められて早七十年もの歳月を経て、様々な宗教行事がニュース等で大々的に報じられるようになった。クリスマスなどは商業路線も相まって最も成長を見せた祭事と言って過言ではないほどであり、これまでも、そしてこれからも本来の趣旨を解せぬ大多数の一般市民によって一層の盛り上がりを見せることだろう。


　さてここに姉妹がいる。先に区別したクリスマスの原義を解する者とそうでない者の区分でいうと、この二人は前者にあたる。過度に浮かれることもなく、かといって何もしないのは少々寂しいからと毎年ふたりでいつもより豪華な食事を食べ、食後に慎ましやかなケーキを食べるのが習慣になっていた。この姉妹とは無論、宮戸家の琉枝と遊貴の事である。

　「ごちそうさまでした……」

　宮戸家にしては珍しい肉料理中心の食事であったが、遊貴は完食して手を合せて静かに呟いた。

　「はい、お粗末様でした。」

　先に食べ終え、台所でケーキの準備をしていた琉枝が声をかけ、差し出されたお皿を受け取る。

　「今年はちょっと趣向を変えてチョコレートケーキにしてみたけれど……遊貴、チョコレートは大丈夫だったかしら？」
　「嫌いではないかな……ちゃんとしたところのやつなら。」

　意外と選り好みする遊貴であるが、その実眼や舌といった機関はかなり性格である。特に工業製品である菓子類に関しては敏感であり、適当なスナック菓子などは目もくれない、親友でありジャンクフードを好む星崎美夏とはまるで正反対なのである。

　「どうかしら？チョコレートを作るところから始めたから、お口に合えばいいのだけれど。」

　そう言って皿上に供されたケーキは、確かにチョコレートでコーティングされたどこをどう見てもチョコレートケーキである。琉枝が席に着いたのを確認すると、遊貴は再び静かに手を合せた。

　「いただきます……」

　一口食べると、チョコレート特有の甘い香りに混じってどこか上品な、しかし頭に抜けるような香りが広がった。

　「……？琉枝、これ何入れたの？」

　正面に座って同様に食していた姉に、遊貴は訊ねた。

　「うん？ブランデーだけれど……あ、これアルコール抜けきってないわね……」

　琉枝がそう感想を述べたときには既に遅かった。遊貴は十分な量を口に入れており、みるみるうちに顔が紅潮していった。


　「るえぇ……あついぃ…………」
　「あっばか、脱ぐな！暑いのはわかったから、風邪引くわよ。」

　慌てて琉枝が止めに入った頃には遊貴は既に全ての衣類を床にまき散らしており、それでも尚しきりに暑い暑いと言って冷蔵庫へと向かっていた。

　「あついぃ……なにかつめらいもろ……」

　呂律が回らなくなった遊貴が取り出したのは、ガラスのボウルに入った生クリームであった。

　「あむ……ん……にゃ…………」

　無論スプーンで掬って食べるなどという人間特有の行動はせず、指で掬うという2000年以上も退化した行為を行った遊貴は、今度は真逆の事を言い出した。

　「ちめたい……」
　「阿呆かあんたは……」

　とりあえず落として割られても困る。琉枝はボウルを取り上げると、それを脇に抱えて続けた。

　「とりあえずあんた、服着なさい。明日ちゃんとしたケーキ買ってくるから、今日のところはもう寝なさい。」
　「うにゃー……るえぇ……」

　それでも上気が収まらない様子の遊貴は、事もあろうに琉枝の服を脱がしにかかった。

　「あっばか、ちょっと！やめなさいって！」

　しかし空調の効いた部屋にいた事から、上下一体の部屋着を着ていた事が災いした。いや遊貴の方が想像以上に力がついていたのが想定外だったか。とにかく琉枝もまた、遊貴と同じく服を床に落とす形となった。

　「こらあんた、ちょっとほんとにやめ……ひゃっ！」

　制止しようとした琉枝であるが、明らかに自制できていない痛烈なタックルを腰に食らい、遊貴共々床に倒れる形となった。抱えていたボウルは容器こそ割れなかったものの、中身は飛び散って主に遊貴の背中にかかってしまった。

　「ひゅぁ！にゃ！ちめらい……！」

　無理もない。感覚器官の中でもとりわけ寒気に敏感な背中に、それまで一桁台の温度で保存されていたものを押しつけられた遊貴は、暖気を求めて琉枝に抱きついた。

　「…………あんたねぇ。私が悪いと言えばそれまでだけれど、ちょっとおイタが過ぎるわよ。」

　琉枝は床に散った生クリームを手で掬うと、遊貴の首筋に塗りつけた。

　「ひゃぅ！にゃうっ！」

　紅潮して発熱した顔と同様に平時より温度の高くなった遊貴の肌に触れた生クリームがドロドロと溶け出し、油脂が皮膚に付着して気味の悪い感触を肌に残して床に滴った。

　「ん……んぁ……」

　身体中に奇妙な感覚が走ったからか、遊貴の声のトーンが変わった。

　「んぁ、るえ、るえぇ……！」

　琉枝の背中に手を回し、遊貴は一際大きな声を上げる。

　「何かしら？」

　言いながら、琉枝は遊貴の背中からクリームの塊を手に取ると、それを回すように胸元に押し広げた。

　「あっ、ぁぅ……んにゃぁ！！」

　抱きつく手が強くなり、背中に爪を立てられた。


　「ふぅん、相変わらず薄いわね。」

　桜色の突起を指先で転がすと、まるでそれが発声スイッチであるかのように遊貴から声が漏れる。

　「ぁぅー…………！！」

　再びクリームを供給して今度は腰から下半身に塗ると、遊貴から声とも悲鳴ともつかぬ甲高い声が聞こえた。



　直後、突如として遊貴の身体が痙攣し、琉枝の足にどろりと熱を帯びた液が伝った。



　「はぁ、やれやれ。片付けは明日に……って、こら、寝るな！」

　しばらくビクビクと震えていた遊貴であったが、収まると同時に規則正しい寝息を立て始めた。

　「もう……」

　琉枝はネコのようにぐにゃりとした物体の下から抜け出すと、そのまま抱きかかえるように風呂場へと運び込んでわしわしと身体を擦った。

　「るえぇ……わたしね…………」

　遊貴は背中に手を回したまま何事かを呟くが、シャワーの音に遮られて琉枝には届かなかった。





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　奇妙な倦怠感を伴って目が覚めた。身体の片側に暖かさを感じて視線を向けると、隣に琉枝が寝ていた。

　「ん……」

　ふらつく身体でどうにか居間へ向かうと、そこには記憶にない昨日の惨状がそのままに残っていた。

　「なにこれ…………」

　全く思考の回らない頭で考える事数秒、昨日のケーキから記憶がない事に思い至る。

　「これ、もしかして…………」
　「ええそうよ。あなたが暴れたおかげでこうなったわ。」

　いつの間にか琉枝も起き出して、廊下から声をかけてきた。


　「あぅ、ごめんなさい……ところで、何でこんな大量に生クリーム作ってたの？」
　「色々と試作していたあまりよ。本当はオーソドックスにショートケーキを考えていたのだけれど、良いカカオ豆が手に入ったからお役御免になって。」





　「え？あのチョコレート、豆から作ったの……？」
　「そうだけど、何か？」

　首を捻る姉の多才ぶりに舌を巻きつつ、やはり漫然とした頭で遊貴はコーチーの用意をするのだった。






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《あとがき》

　Merry Christmas!
　なんでこんな話を書く事になったのか、私は日本の風習に文句を言いたい。ちなみに統計ではクリスマスは家族と共に過ごしたい日本人が6割程度であり、町にあふれるミーハーなあｂ……カップル共は少数派だそうで。しかし少数派といえど集えばフランス革命並に頭痛の種となるのが世の常というもの、翌日ホテルの清掃をする人の身も考えてあげてはいかがでしょう。
　いやそもそも、クリスマスが何の日かご存じでないとは、ここまでお読み頂いた皆様が見当もつかないとは思いませんけどねぇ。とにかくメリークリスマス。そしてよい新年をお迎えください。多分年内最終投稿です。


　ちなみに私が一番好きな賛美歌はO Come, All Ye Faithful（邦題；神の御子は今宵しも）です。クリスマスの背景から当日の出来事まで、シンプルにまとまった良い曲ですよ。




　《後書きそのに》

　BANしないでくださいおねがいしますなんでもし（略）


　追記：タイトルの「静かな夜に」というのは、ドイツのクリスマス・キャロル‘’Stille Nacht’’の訳です。日本語では「きよしこの夜」の題で親しまれる、こちらも歴史に残る名曲であります。