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22 I got ’pig iron’♪ 作:Ales
「なあ……あたしらもさ、そこそこいけるだろうとは思ってたけどさ……」
昼休み、先輩ふたりにお礼をしようと思い再び立ち寄った部活棟で、戦果報告になった。先輩ふたりは当然のように全勝。不安要素の固まりであった遊貴の報告に、和那は少なからず驚きを見せていた。
「後攻1キルが2回、3ターン目のワンショットが1回……あなたの引きが良かったのか、相手が弱かったのか。」
朱理も同様に驚いている。午前中3戦のうち、全てを攻撃可能な最初のターンで仕留めるという豪運とも付かぬパワーは、当初彼女らが想定していたものを遙かに上回っている。
「自分でもびっくり……このデッキ、面白い……」
「びっくりってレベルじゃねーぞこれ。どう回したらそうなるんだ?」
「可能はあるけれど……妨害を上手くかいくぐった宮戸さんがすごいのかしら。」
お弁当を食べながら、高等部の先輩との会話。普段口数の少ない遊貴の、珍しい体験である。
この学校の代表選考会は、ひとり当たり1日に合計10戦行われる。午前中が4戦、午後に6戦だ。尚遊貴は成績優秀者なので、午前中の第1戦が免除されていた。
デッキはカスタマイズ自由だが、デュエル直前に教員が確認し、リミットレギュレーション違反がないかなどを確認する。それが済んだら所定の位置で所定の対戦者とデュエル。明日の10戦を含めた計20戦のうち、学年中の勝率が高い2名が学年代表となる。シングルデュエルとはいえ2日で計20戦は長丁場だが、それに耐えるスタミナや集中力も、選考基準のうちらしい。
遊貴にしてみれば、普段勉強した後にVDCβでデュエルしている分1日に10戦程度何ともない。問題があるとすれば、急造のデッキがいつまで保つかといったところだ。汎用性の高いカードがほとんどない分、午前中の戦績は奇跡と言える。
「もういっそそのデッキで交流会出ろや。そしたら1勝ぐらい出来るんじゃねーの?」
新しく買い付けたメロンパンを豪快に囓り、嚥下した後に和那が言った。
「本格的に組むならもっと調整は必要だろうけれど……もしそれで出たいのなら持って行ってもいいわよ。どうせ余ったカードだし。」
「2日目は……忘れてきませんから……」
VDCβ専用のデュエルディスクに、本来のデッキがセットされているはず。帰ったら真っ先にアカデミアのディスクにセットしようと考える遊貴であった。今日はVDCβはお休みする。
「負けていたら何も言わなかったでしょうけれど、ここまで勝っているのなら徹底的に強化しましょうか。宮戸さん、他に欲しいカードとかはあったかしら?私たちが余っているもので必要なのがあればお貸しするわ。」
「まーたあたしを巻き込む……まあ、あたしも同意見だ。即席のデッキでここまでのパフォーマンスを見せるヤツが弱い訳ないしな。」
個人成績のみを追求するなら交流会に誰が出ようと関係ないのだが、そこは人情というもの。和那にしてみれば、見知った人が勝つ方が嬉しいし、母校側が勝っている方が満足できるものである。
「これはこれで問題ないんですけど……強いて言えば、《フレシアの蟲惑魔》がいれば、面倒な初手が来た時に困らなくて済むぐらい……です。」
「フレシア……ねぇ。確かこっちにあったな。」
段ボールの中の一角をがばっと掴み取ると、和那がその中から1枚を差し出す。
「ほいよ。もったいねーことするよな、ここの生徒は。」
「カードの価値がわかっていない人というのはどこにでもいるけれど……私も、このデッキにそんなにパワーがあるとは思えなかったもの。人の事をどうこう言えないわ。」
「ああ、全くだ。遊貴、こうなったら午後も全勝して来いよ。」
「もちろん、それは目標……」
普段顔を合わせない高等部の先輩との、奇妙な絆。拉致されたかと思いきやデッキ編制をサポートしてくれ、果てはカスタマイズまで手を伸ばしてくれる。サイドデッキのようなカスタマイズパーツを得て、長丁場に臨む昼過ぎ。初夏の日差しは、相変わらず暑くて好きになれない。
午後の6戦も圧勝に次ぐ圧勝だった。中でも痛快だったのが、全体としての9戦目、つまり遊貴にとっての8戦目である。
「宮戸遊貴……あなたが今までで一番大きな壁ね。乗り越えて代表を取らせてもらうわ!」
浜部花鈴(はまべ かりん)と名乗った少女は、のっけから敵意むき出しである。といっても、全勝すれば代表内定は手中と言っても過言でないこの予選、大抵の人が好戦的になるのだが、全体9戦目という長い時間が経過している割には、この少女のテンションは高い方であろう。
「よろしく……」
こちらは常と変わらぬ様子の遊貴。ここまで7度戦い抜いたデッキに対する不安は微塵もない。
「「デュエル!」」
1st.Turn
TP:花鈴
花鈴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
遊貴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
「私のターン、手札から《マンジュ・ゴッド》を召喚して効果を発動します。デッキから《トリシューラの影霊衣》を手札に加えます。カードを2枚セットしてターンエンド。」
「影霊衣……」
儀式召喚モンスターを軸とする【影霊衣(ネクロス)】は、一度型に嵌ればとんでもないパフォーマンスを発揮する。そのパワーは強力で、一時期圧倒的な制圧力で環境を席巻していた事もある。規制の煽りで弱体化は免れなかったものの、依然として使用者は多い。
(攻撃力1400……それじゃ、ダメ……)
しかし、その始動の遅さでは、遊貴のデッキに対する相性は最悪である。
2st.Turn
TP:遊貴
遊貴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
花鈴 LP:8000 D:34 H:3 G:0
F:《マンジュ・ゴッド》
《セットカード》×2
「私のターン、ドロー。ドローフェイズの終わりに、《ツインツイスター》を発動。手札1枚を捨てて、セットカード2枚を破壊。」
「っ!そんな……」
セットカードは《神の通告》2枚。モンスターに対して最高の対策となるカウンター罠はしかし、破壊されてしまえば意味を成さない。
「メインフェイズ、まずは手札から《U.A.フラッグシップ・ディール》を発動。デッキから《U.A.コリバルリバウンダー》を特殊召喚。コリバルバウンダーを手札に戻して、手札の《U.A.ファンタジスタ》を特殊召喚。
フィールド魔法《U.A.スタジアム》を発動。ファンタジスタをリリースして《U.A.コリバルリバウンダー》を通常召喚、コリバルリバウンダーの効果にスタジアムの効果をチェーン。
チェーン解決、スタジアムの効果で《U.A.マイティースラッガー》をサーチ、コリバルリバウンダーの効果でそのまま特殊召喚。「U.A.」モンスターが特殊召喚されたのでスタジアムの効果発動、モンスターの攻撃力を500アップ。
後は……装備魔法《U.A.パワードギプス》をスラッガーに装備、バトルフェイズに移ります。」
「え、ええ……」
遊貴が淡々と展開するモンスターたちに、花鈴は少なからず驚きを見せていた。【影霊衣】使いであればこの程度の展開は当たり前だが、驚いているのはモンスター群である。
【U.A.】は「ウルトラアスリート」と読み、スポーツ選手を模している。共通効果としてフィールドの「U.A.」モンスターを手札に戻して特殊召喚できる効果を持っているこのカテゴリは、攻撃性能の高いモンスターと防御に長けたモンスターに分かれているのも大きな特徴だ。つまり、攻守に専門のモンスターを使い分けてフィールドを制する。アメリカンフットボールのようなメンバー交代は、動かしてみると意外と楽しいものである。
登場したパックの目玉、【彼岸】が注目を集めた所為もあって、このテーマに対する評価は低い。しかし【彼岸】が延々と後続をサーチ・展開できるマラソンランナーなら、こちらは一瞬に込めるパワーが高いスプリンターである。だがその欠点はリリースなしで召喚可能な1体の下級モンスターへの依存度が高い事で、それが致命傷となっている。
もっとも花鈴の驚きはその不安定なマイナーカテゴリより、背が小さく線も細い遊貴には、筋骨隆々といった風体のスポーツマンは全く似合っていないどころか違和感の塊でしかない、という事だが。
「《U.A.マイティースラッガー》で《マンジュ・ゴッド》を攻撃。『グランドスラム』!」
《U.A.マイティースラッガー》 ATK:3800 ATK:1400 《センジュ・ゴッド》
花鈴 LP:8000 → 3200
「えっ!?ちょっと、計算がおかしいわよ!」
「パワードギプスを装備したモンスターは、モンスターとの戦闘で与えるダメージが倍になり、更にモンスターを破壊した場合、もう一度攻撃できる……」
「なっ、なんですって!?それでは……」
「《U.A.マイティースラッガー》でもう一度攻撃。『グランドスラム・アゲイン』!」
「っ!そんな、何も出来ずに……」
《U.A.マイティースラッガー》 ATK:3800
花鈴 LP:3200 → 0
Win:遊貴
「ありがとうございました。」
VDCβでの常であるように、ぴょこりと頭を下げる遊貴に対し、花鈴はカードをデッキに戻す事も忘れて放心していた。弱体化したとはいえ充分な戦力を有しているはずの【影霊衣】を使って、見た事もないようなデッキに文字通り瞬殺される。1年とはいえ展開難易度の高い【影霊衣】を使いこなす実力を自負していただけあって、花鈴の傷心は大きかった。
「宮戸……遊貴……」
ぽてぽてと歩く背中に声がかかった。
「何?」
「次は……絶対に勝ちます!」
「そう……」
去っていく背中を睨み、花鈴はリベンジの炎を燃やすのであった。
---
《?次回予告?》
朱理 「そう。じゃあ、これ。気が向いたらね。」
琉枝 「いいんじゃないかしら?」
次回、「’’Stay Gold’’」
短いようで長い旅路の果ては。
昼休み、先輩ふたりにお礼をしようと思い再び立ち寄った部活棟で、戦果報告になった。先輩ふたりは当然のように全勝。不安要素の固まりであった遊貴の報告に、和那は少なからず驚きを見せていた。
「後攻1キルが2回、3ターン目のワンショットが1回……あなたの引きが良かったのか、相手が弱かったのか。」
朱理も同様に驚いている。午前中3戦のうち、全てを攻撃可能な最初のターンで仕留めるという豪運とも付かぬパワーは、当初彼女らが想定していたものを遙かに上回っている。
「自分でもびっくり……このデッキ、面白い……」
「びっくりってレベルじゃねーぞこれ。どう回したらそうなるんだ?」
「可能はあるけれど……妨害を上手くかいくぐった宮戸さんがすごいのかしら。」
お弁当を食べながら、高等部の先輩との会話。普段口数の少ない遊貴の、珍しい体験である。
この学校の代表選考会は、ひとり当たり1日に合計10戦行われる。午前中が4戦、午後に6戦だ。尚遊貴は成績優秀者なので、午前中の第1戦が免除されていた。
デッキはカスタマイズ自由だが、デュエル直前に教員が確認し、リミットレギュレーション違反がないかなどを確認する。それが済んだら所定の位置で所定の対戦者とデュエル。明日の10戦を含めた計20戦のうち、学年中の勝率が高い2名が学年代表となる。シングルデュエルとはいえ2日で計20戦は長丁場だが、それに耐えるスタミナや集中力も、選考基準のうちらしい。
遊貴にしてみれば、普段勉強した後にVDCβでデュエルしている分1日に10戦程度何ともない。問題があるとすれば、急造のデッキがいつまで保つかといったところだ。汎用性の高いカードがほとんどない分、午前中の戦績は奇跡と言える。
「もういっそそのデッキで交流会出ろや。そしたら1勝ぐらい出来るんじゃねーの?」
新しく買い付けたメロンパンを豪快に囓り、嚥下した後に和那が言った。
「本格的に組むならもっと調整は必要だろうけれど……もしそれで出たいのなら持って行ってもいいわよ。どうせ余ったカードだし。」
「2日目は……忘れてきませんから……」
VDCβ専用のデュエルディスクに、本来のデッキがセットされているはず。帰ったら真っ先にアカデミアのディスクにセットしようと考える遊貴であった。今日はVDCβはお休みする。
「負けていたら何も言わなかったでしょうけれど、ここまで勝っているのなら徹底的に強化しましょうか。宮戸さん、他に欲しいカードとかはあったかしら?私たちが余っているもので必要なのがあればお貸しするわ。」
「まーたあたしを巻き込む……まあ、あたしも同意見だ。即席のデッキでここまでのパフォーマンスを見せるヤツが弱い訳ないしな。」
個人成績のみを追求するなら交流会に誰が出ようと関係ないのだが、そこは人情というもの。和那にしてみれば、見知った人が勝つ方が嬉しいし、母校側が勝っている方が満足できるものである。
「これはこれで問題ないんですけど……強いて言えば、《フレシアの蟲惑魔》がいれば、面倒な初手が来た時に困らなくて済むぐらい……です。」
「フレシア……ねぇ。確かこっちにあったな。」
段ボールの中の一角をがばっと掴み取ると、和那がその中から1枚を差し出す。
「ほいよ。もったいねーことするよな、ここの生徒は。」
「カードの価値がわかっていない人というのはどこにでもいるけれど……私も、このデッキにそんなにパワーがあるとは思えなかったもの。人の事をどうこう言えないわ。」
「ああ、全くだ。遊貴、こうなったら午後も全勝して来いよ。」
「もちろん、それは目標……」
普段顔を合わせない高等部の先輩との、奇妙な絆。拉致されたかと思いきやデッキ編制をサポートしてくれ、果てはカスタマイズまで手を伸ばしてくれる。サイドデッキのようなカスタマイズパーツを得て、長丁場に臨む昼過ぎ。初夏の日差しは、相変わらず暑くて好きになれない。
午後の6戦も圧勝に次ぐ圧勝だった。中でも痛快だったのが、全体としての9戦目、つまり遊貴にとっての8戦目である。
「宮戸遊貴……あなたが今までで一番大きな壁ね。乗り越えて代表を取らせてもらうわ!」
浜部花鈴(はまべ かりん)と名乗った少女は、のっけから敵意むき出しである。といっても、全勝すれば代表内定は手中と言っても過言でないこの予選、大抵の人が好戦的になるのだが、全体9戦目という長い時間が経過している割には、この少女のテンションは高い方であろう。
「よろしく……」
こちらは常と変わらぬ様子の遊貴。ここまで7度戦い抜いたデッキに対する不安は微塵もない。
「「デュエル!」」
1st.Turn
TP:花鈴
花鈴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
遊貴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
「私のターン、手札から《マンジュ・ゴッド》を召喚して効果を発動します。デッキから《トリシューラの影霊衣》を手札に加えます。カードを2枚セットしてターンエンド。」
「影霊衣……」
儀式召喚モンスターを軸とする【影霊衣(ネクロス)】は、一度型に嵌ればとんでもないパフォーマンスを発揮する。そのパワーは強力で、一時期圧倒的な制圧力で環境を席巻していた事もある。規制の煽りで弱体化は免れなかったものの、依然として使用者は多い。
(攻撃力1400……それじゃ、ダメ……)
しかし、その始動の遅さでは、遊貴のデッキに対する相性は最悪である。
2st.Turn
TP:遊貴
遊貴 LP:8000 D:35 H:5 G:0 F:None
花鈴 LP:8000 D:34 H:3 G:0
F:《マンジュ・ゴッド》
《セットカード》×2
「私のターン、ドロー。ドローフェイズの終わりに、《ツインツイスター》を発動。手札1枚を捨てて、セットカード2枚を破壊。」
「っ!そんな……」
セットカードは《神の通告》2枚。モンスターに対して最高の対策となるカウンター罠はしかし、破壊されてしまえば意味を成さない。
「メインフェイズ、まずは手札から《U.A.フラッグシップ・ディール》を発動。デッキから《U.A.コリバルリバウンダー》を特殊召喚。コリバルバウンダーを手札に戻して、手札の《U.A.ファンタジスタ》を特殊召喚。
フィールド魔法《U.A.スタジアム》を発動。ファンタジスタをリリースして《U.A.コリバルリバウンダー》を通常召喚、コリバルリバウンダーの効果にスタジアムの効果をチェーン。
チェーン解決、スタジアムの効果で《U.A.マイティースラッガー》をサーチ、コリバルリバウンダーの効果でそのまま特殊召喚。「U.A.」モンスターが特殊召喚されたのでスタジアムの効果発動、モンスターの攻撃力を500アップ。
後は……装備魔法《U.A.パワードギプス》をスラッガーに装備、バトルフェイズに移ります。」
「え、ええ……」
遊貴が淡々と展開するモンスターたちに、花鈴は少なからず驚きを見せていた。【影霊衣】使いであればこの程度の展開は当たり前だが、驚いているのはモンスター群である。
【U.A.】は「ウルトラアスリート」と読み、スポーツ選手を模している。共通効果としてフィールドの「U.A.」モンスターを手札に戻して特殊召喚できる効果を持っているこのカテゴリは、攻撃性能の高いモンスターと防御に長けたモンスターに分かれているのも大きな特徴だ。つまり、攻守に専門のモンスターを使い分けてフィールドを制する。アメリカンフットボールのようなメンバー交代は、動かしてみると意外と楽しいものである。
登場したパックの目玉、【彼岸】が注目を集めた所為もあって、このテーマに対する評価は低い。しかし【彼岸】が延々と後続をサーチ・展開できるマラソンランナーなら、こちらは一瞬に込めるパワーが高いスプリンターである。だがその欠点はリリースなしで召喚可能な1体の下級モンスターへの依存度が高い事で、それが致命傷となっている。
もっとも花鈴の驚きはその不安定なマイナーカテゴリより、背が小さく線も細い遊貴には、筋骨隆々といった風体のスポーツマンは全く似合っていないどころか違和感の塊でしかない、という事だが。
「《U.A.マイティースラッガー》で《マンジュ・ゴッド》を攻撃。『グランドスラム』!」
《U.A.マイティースラッガー》 ATK:3800 ATK:1400 《センジュ・ゴッド》
花鈴 LP:8000 → 3200
「えっ!?ちょっと、計算がおかしいわよ!」
「パワードギプスを装備したモンスターは、モンスターとの戦闘で与えるダメージが倍になり、更にモンスターを破壊した場合、もう一度攻撃できる……」
「なっ、なんですって!?それでは……」
「《U.A.マイティースラッガー》でもう一度攻撃。『グランドスラム・アゲイン』!」
「っ!そんな、何も出来ずに……」
《U.A.マイティースラッガー》 ATK:3800
花鈴 LP:3200 → 0
Win:遊貴
「ありがとうございました。」
VDCβでの常であるように、ぴょこりと頭を下げる遊貴に対し、花鈴はカードをデッキに戻す事も忘れて放心していた。弱体化したとはいえ充分な戦力を有しているはずの【影霊衣】を使って、見た事もないようなデッキに文字通り瞬殺される。1年とはいえ展開難易度の高い【影霊衣】を使いこなす実力を自負していただけあって、花鈴の傷心は大きかった。
「宮戸……遊貴……」
ぽてぽてと歩く背中に声がかかった。
「何?」
「次は……絶対に勝ちます!」
「そう……」
去っていく背中を睨み、花鈴はリベンジの炎を燃やすのであった。
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《?次回予告?》
朱理 「そう。じゃあ、これ。気が向いたらね。」
琉枝 「いいんじゃないかしら?」
次回、「’’Stay Gold’’」
短いようで長い旅路の果ては。
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104 | 02 導入その2 | 1395 | 2 | 2016-02-01 | - | |
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103 | 05 Eyes up,Commander | 1417 | 2 | 2016-02-03 | - | |
111 | 06 舞い上がれ、光の翼で | 1429 | 2 | 2016-02-06 | - | |
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98 | 30 自由に歩いて | 1092 | 2 | 2016-04-01 | - | |
103 | 31 気持ち隠して | 1095 | 2 | 2016-04-03 | - | |
123 | 32 シャボン玉ひとつ | 1103 | 0 | 2016-04-05 | - | |
65 | 33 その日まで | 997 | 2 | 2016-04-07 | - | |
80 | 34 少しずつ埋めるように | 1098 | 2 | 2016-04-09 | - | |
121 | 35 碧の道に沿うように | 1148 | 2 | 2016-04-11 | - | |
70 | 36 信じた夢を目指して | 1020 | 2 | 2016-04-13 | - | |
160 | 37 Revive → | 1241 | 2 | 2016-04-15 | - | |
125 | 38 道標を探すのなら… | 1093 | 2 | 2016-04-17 | - | |
94 | 39 Element of SPADA1 | 1144 | 2 | 2016-04-19 | - | |
122 | 40 さよならトリップ・1 | 1017 | 2 | 2016-04-21 | - | |
113 | 41 In the Zone・1 | 1132 | 2 | 2016-04-23 | - | |
69 | 42 In the Zone・2 | 1015 | 2 | 2016-04-25 | - | |
53 | デッキ詳説:XD (最終稿?) | 1070 | 0 | 2016-04-26 | - | |
119 | 43 星の扉・1 | 1031 | 2 | 2016-04-27 | - | |
87 | 44 F.A.T.E. part1 | 1192 | 2 | 2016-04-29 | - | |
53 | 45 F.A.T.E. part2 | 1138 | 2 | 2016-05-01 | - | |
155 | 46 笑顔の訳 | 1164 | 4 | 2016-05-03 | - | |
85 | 47 Element of SPADA2 | 1185 | 2 | 2016-05-05 | - | |
63 | 48 星の扉 part2 | 1136 | 2 | 2016-05-07 | - | |
54 | 49 Wings of Tomorrow | 1208 | 2 | 2016-05-09 | - | |
70 | 閑話休題 ゆきみかりんのパーフェクトry | 1273 | 2 | 2016-05-11 | - | |
113 | 50 In the Zone・3 | 1024 | 4 | 2016-05-13 | - | |
75 | 51 星の扉 part3 | 1146 | 4 | 2016-05-15 | - | |
101 | 52 星の扉 part4 | 1254 | 5 | 2016-05-17 | - | |
111 | 53 さよならトリップ part.2 | 1190 | 3 | 2016-05-19 | - | |
85 | 閑話休題2:座談会 | 1183 | 2 | 2016-05-21 | - | |
114 | 第2部予告・キャラ紹介 | 1389 | 0 | 2016-05-23 | - | |
113 | 54 開幕前の旋風 | 1255 | 2 | 2016-05-26 | - | |
114 | 55 コピーとオリジナルとコピー 前編 | 1151 | 2 | 2016-05-29 | - | |
57 | 56 コピーとオリジナルとコピー 中編 | 1079 | 2 | 2016-06-01 | - | |
96 | 57 コピーとオリジナルとコピー 後編 | 1081 | 2 | 2016-06-04 | - | |
72 | 58 螢火の幽霊娘 | 1103 | 2 | 2016-06-07 | - | |
121 | 59 Brave Sword | 1210 | 4 | 2016-06-10 | - | |
116 | 60 Braver’s Soul | 1153 | 2 | 2016-06-13 | - | |
116 | 幕間 久実のだらだラジオ01 | 1180 | 0 | 2016-06-14 | - | |
90 | 61 紙一重の差で | 1234 | 2 | 2016-06-16 | - | |
81 | 62 Beyond the fate | 1094 | 2 | 2016-06-19 | - | |
110 | 63 一点突破! | 1135 | 2 | 2016-06-22 | - | |
96 | 64 交わされた約束 | 1008 | 2 | 2016-06-25 | - | |
119 | 65 狂イ咲ケ焔ノ華 | 1204 | 2 | 2016-06-28 | - | |
104 | 66 光と焔 | 1166 | 2 | 2016-07-01 | - | |
111 | 67 Rifling fate | 1118 | 2 | 2016-07-04 | - | |
57 | 68 Gunslinger in... | 1078 | 2 | 2016-07-07 | - | |
121 | 幕間 久実のだらだラジオ02 | 1084 | 2 | 2016-07-10 | - | |
43 | 69 Extra-Zero 8 | 1042 | 2 | 2016-07-13 | - | |
124 | 70 軍靴の鳴動 | 1018 | 2 | 2016-07-16 | - | |
138 | 71 休憩の過ごしかた | 1097 | 2 | 2016-07-19 | - | |
124 | 72 激戦の予感 | 1248 | 2 | 2016-07-22 | - | |
103 | 10000閲覧感謝特番(特番とはry) | 1083 | 2 | 2016-07-25 | - | |
118 | 73 幻竜と隼 | 1096 | 2 | 2016-07-28 | - | |
100 | 74 薄氷 | 1032 | 2 | 2016-08-01 | - | |
126 | 【告知】一万閲覧感謝祭について【重点】 | 1238 | 7 | 2016-08-02 | - | |
102 | 74 バード・ストライク | 995 | 2 | 2016-08-04 | - | |
104 | 75 革命と終端 | 1039 | 2 | 2016-08-07 | - | |
112 | 76 Soldier’s Ballad | 950 | 4 | 2016-08-10 | - | |
112 | 77 Full Boost! | 986 | 2 | 2016-08-13 | - | |
117 | 78 Dead heat | 1079 | 2 | 2016-08-16 | - | |
118 | 79 フューチャー・リビジョン | 1007 | 2 | 2016-08-19 | - | |
103 | 幕間 久実のだらだラジオ03 | 1058 | 2 | 2016-08-22 | - | |
119 | 80 それぞれの「加速度」 | 928 | 2 | 2016-08-25 | - | |
46 | 81 EDEN | 1000 | 4 | 2016-09-01 | - | |
56 | 82 闇夜の錦 | 993 | 2 | 2016-09-05 | - | |
121 | 83 月影 | 1212 | 2 | 2016-09-09 | - | |
84 | 84 宵待桜と日照の龍 | 997 | 2 | 2016-09-13 | - | |
109 | 85 Sakura Sunrise | 1106 | 2 | 2016-09-18 | - | |
78 | 閑話休題:お詫びとおまけ | 1060 | 2 | 2016-09-22 | - | |
47 | 86 宵闇に舞え、幽玄の桜 | 1001 | 4 | 2016-09-26 | - | |
78 | 87 ‘‘fascination’’ | 973 | 4 | 2016-10-05 | - | |
50 | 88 曙光の歌 | 851 | 2 | 2016-10-13 | - | |
85 | 89 夜露に濡れた朝陽 | 1088 | 2 | 2016-10-18 | - | |
161 | 90 9.A.M. | 1199 | 2 | 2016-10-26 | - | |
124 | 幕間 久実のだらだラジオ04 | 1133 | 2 | 2016-11-01 | - | |
106 | 91 Gwin to run | 955 | 2 | 2016-11-09 | - | |
115 | 92 ライトニング・マイル | 957 | 4 | 2016-11-15 | - | |
129 | 93 双振 | 1014 | 2 | 2016-11-20 | - | |
42 | 94 鉛と金と | 911 | 2 | 2016-11-25 | - | |
104 | 95 剣と牙 | 1008 | 2 | 2016-11-29 | - | |
107 | 96 剣戟連閃 *ミス有・未修正 | 1074 | 4 | 2016-12-04 | - | |
111 | 97 Follow Tomorrow | 1059 | 6 | 2016-12-06 | - | |
64 | 幕間 久実のだらだラジオ05 | 971 | 3 | 2016-12-07 | - | |
61 | 番外編1-1 plan 8 to B | 991 | 3 | 2016-12-11 | - | |
110 | 番外編1-2 †渚の大魔王† | 1016 | 5 | 2016-12-15 | - | |
145 | 番外編1-3 灼熱<(ヮ)> | 1049 | 4 | 2016-12-18 | - | |
105 | 番外編2-1 籐篠塾・開講? | 941 | 5 | 2016-12-21 | - | |
90 | 番外編2-2 実践?籐篠塾 | 1071 | 3 | 2016-12-23 | - | |
108 | そぴあちゃんのくり(ry | 1148 | 3 | 2016-12-25 | - | |
118 | 番外編2-3 対面する者たち | 1055 | 3 | 2016-12-30 | - | |
63 | 番外編2-4 集結と収束 | 913 | 7 | 2017-01-03 | - | |
97 | 番外編2-5 勝負の鍵は右端に・1 | 991 | 3 | 2017-01-05 | - | |
125 | 【番外編の】閑・話・休・題【番外編】 | 1114 | 2 | 2017-01-10 | - | |
89 | 番外編2-6 勝利の鍵は右端に・2 | 1018 | 5 | 2017-01-13 | - | |
132 | 番外編2-7 因縁と銃弾と一瞬の隙・1 | 1038 | 2 | 2017-01-15 | - | |
105 | 番外編2-8 因縁と銃弾と一瞬の隙・2 | 920 | 4 | 2017-01-18 | - | |
125 | 番外編2-9 因縁と銃弾と一瞬の隙・3 | 1005 | 4 | 2017-01-22 | - | |
113 | 番外編 2-10 山場と御山と一撃必中1 | 1094 | 9 | 2017-01-27 | - | |
59 | 番外編 2-11 山場と御山と一撃必中2 | 1110 | 8 | 2017-01-31 | - | |
115 | 番外編2-12 服と感性と(pt.1) | 939 | 4 | 2017-02-04 | - | |
109 | 番外編2 前半終了の幕間 | 1040 | 9 | 2017-02-06 | - | |
128 | 番外編2-13 服と感性と(pt.2) | 899 | 2 | 2017-02-10 | - | |
128 | 幕間 論争、宇宙まで | 962 | 2 | 2017-02-14 | - | |
116 | 番外編2-14 服と感性と(pt.3) | 958 | 2 | 2017-02-16 | - | |
115 | 【緊急?更新】今後の方策について | 1019 | 2 | 2017-02-18 | - | |
101 | 番外編2-15 服と感性と(pt.4) | 1006 | 10 | 2017-02-21 | - | |
116 | 番外編2-16 漁火と陣風と(pt.1) | 1119 | 2 | 2017-02-26 | - | |
131 | 番外編2-17 漁火と陣風と(pt.2) | 987 | 2 | 2017-03-03 | - | |
94 | 番外編2-18 Symphonic…1 | 1023 | 2 | 2017-03-14 | - | |
108 | 【こいついつも】閑話☆休題【休んでんな】 | 962 | 2 | 2017-03-20 | - | |
111 | 番外編2-19 Symphonic…2 | 795 | 3 | 2017-03-27 | - | |
82 | 番外編2-20 新乱気流…pt.1 | 860 | 2 | 2017-04-05 | - | |
137 | 番外編2-21 新乱気流…pt.2 | 899 | 2 | 2017-04-16 | - | |
112 | 番外編2-22 新乱気流…pt.3 | 901 | 2 | 2017-04-21 | - | |
91 | 番外編2-23 Waltzic...p1 | 888 | 2 | 2017-04-26 | - | |
117 | 番外編2-24 Waltzic...p2 | 983 | 2 | 2017-05-02 | - | |
101 | 番外編2-25 Waltzic...p3 | 1034 | 6 | 2017-06-03 | - | |
81 | 番外編2-26 Waltzic...p4 | 827 | 3 | 2017-06-11 | - | |
101 | 番外編2-26 Waltzic...p5 | 931 | 4 | 2017-06-24 | - | |
146 | 98 Drawback | 1062 | 2 | 2017-07-10 | - | |
126 | 99 Silhouette | 909 | 2 | 2017-09-22 | - | |
120 | Where is my No.100!? | 1041 | 4 | 2017-11-19 | - | |
87 | 番外編File-X 静かな夜に? | 985 | 2 | 2017-12-25 | - | |
98 | Over the Period -御品書 | 897 | 2 | 2018-06-14 | - | |
57 | OtP0 Boat | 779 | 2 | 2018-07-07 | - | |
79 | OtP02 Serenade | 826 | 0 | 2018-07-14 | - | |
68 | OtP03 Dirge | 793 | 0 | 2018-09-01 | - | |
75 | OtP04 Requiem | 794 | 2 | 2018-09-17 | - | |
94 | OtP05 Period | 811 | 2 | 2018-09-24 | - | |
51 | 幕間りたーんず01 新・メタフィジカ | 707 | 0 | 2018-09-28 | - | |
120 | OtP06 Anthem | 830 | 2 | 2018-10-14 | - | |
88 | OtP07 Perfectly | 912 | 2 | 2018-10-19 | - | |
55 | OtP08 Possession | 685 | 2 | 2018-11-02 | - | |
48 | OtP09 Bloomin’ | 814 | 2 | 2018-11-22 | - | |
81 | OtP10 Danger! | 810 | 2 | 2018-12-09 | - | |
104 | OtP11 Vidofnir | 936 | 2 | 2018-12-22 | - | |
84 | OtP12 Sigmund | 758 | 2 | 2019-01-01 | - | |
54 | OtP13 Quantum | 821 | 2 | 2019-01-11 | - | |
93 | OtP14 Vicious | 815 | 2 | 2019-01-25 | - | |
86 | OtP15 Quantize | 779 | 3 | 2019-01-29 | - | |
82 | OtP16 Fragments | 856 | 2 | 2019-02-04 | - | |
66 | OtP17 Nornir | 698 | 2 | 2019-02-15 | - | |
77 | OtP18 Beyond the End | 711 | 2 | 2019-02-20 | - | |
65 | OtP第三幕 コラボ企画おしながき | 663 | 2 | 2019-02-24 | - | |
92 | OtP19 Deflect | 757 | 2 | 2019-03-01 | - | |
51 | OtP20 Jokulhaups | 673 | 2 | 2019-03-11 | - | |
55 | OtP21 Expedition | 745 | 2 | 2019-03-15 | - | |
47 | OtP22 Lindwurm | 755 | 2 | 2019-03-19 | - | |
45 | OtP23 Swords | 671 | 2 | 2019-03-24 | - | |
58 | 【OtP】決戦前特番嘘ですごめんなさい | 720 | 2 | 2019-04-01 | - | |
114 | OtP24 Charge | 738 | 2 | 2019-04-08 | - | |
110 | OtP25 Manque | 721 | 2 | 2019-04-21 | - | |
63 | OtP26 Lightning | 643 | 2 | 2019-05-03 | - | |
63 | OtP27 Blaze | 754 | 2 | 2019-05-22 | - | |
63 | OtP28 Prelude | 853 | 2 | 2019-09-29 | - | |
79 | OtP29 Phantom | 709 | 0 | 2021-01-02 | - | |
51 | OtP30 mare-Nectaris | 555 | 2 | 2023-01-22 | - | |
24 | OtP31 Enclosure | 288 | 1 | 2023-11-06 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/06/22 新商品 ANIMATION CHRONICLE 2024 カードリスト追加。
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遊貴本人とは正反対のデッキとはいえ、自分の手足のように使いこなしていますね。
確かに彼岸の裏に隠れてしまっていますが、こちらもファンデッキとしては十分強いレベルにありますし、良テーマだと思います。本編の説明も彼岸と共にスポーツに例えていてわかりやすかったです。
ただ華奢な遊貴が恵体のアスリートを従えてる様子を見たら自分も違和感を感じられずにはいれないと思います。そう言った意味では花鈴にちょっと同情。
というかフレシアが放置されてるってどんな学校ですか。ちょっと編入手続きをしたいんですが。えっ、10数年遅い?そんな。
(2016-03-16 02:55)
はい、まさかのU.A.です。
このデッキ、ファンタジスタがキーのように見せかけて実はスタジアム張ってリバウンダー出すデッキなんですよね……対彼岸も書きたかったのですが、それをするには紙が足りない(フェルマー並みの感想)。
花鈴 「違和感なんてもんじゃ断じてないわ……もっと恐ろしい(ry」
《編入手続き》
通常魔法
任意の学校に自身を特殊召喚する。この効果で特殊召喚に成功した自身の攻撃力は、年齢×100ポイントになる。
---フレシアちゃんが ならくをもって こっちをみている!---
まあ全盛期トリシューラが投げられる世界もありますから。 (2016-03-16 10:29)