DRAW:１０９ 潜海の巨大烏賊　作：人喰い

(109)




火群【LP 8000】
(モンスター)
『炎王獣 ガネーシャ』[ATK 1800]
(魔法)
『炎王の孤島』(フィールド)
伏せ:1
手札:2

イカ【LP 8000】
(モンスター)
『デビル・クラーケン』
伏せ:0
手札:5


和泉「ーーーひぅぅん！？」

火群「…和泉！！ 大丈夫か！？」

和泉「…ぅるさいっっ！」

火群「！？」

最近和泉からの当たりがやけに強い気がする。

和泉「…ぇぅぅ…っ（…さっきからなんか…、イカの足が変なとこ当たって…っ！）」


火群「……っ」

和泉たちを助ける為にも、早いとここいつを倒さねぇとな…！！

火群「……」

けどもう少しこの光景を見ていたいって気も………いやいやいや！ 正気に戻れ俺！

俺がそんな醜い葛藤をしている間にも、イカは一枚の魔法カードを発動させていた。

『同胞の絆』

火群「…あのカードは…！？」


《同胞
どうほう
の絆
きずな
/Ties of the Brethren》 †
通常魔法
このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
(1)：２０００ＬＰを払い、自分フィールドのレベル４以下のモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターと同じ種族・属性・レベルでカード名が異なるモンスター２体を
デッキから特殊召喚する（同名カードは１枚まで）。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。


イカ「…！」【LP 8000→6000】

火群「……っ！ 2000ものライフを引き換えに、モンスターを展開するカードか…！」

けどこのターン、これ以上の特殊召喚もバトルフェイズも行えないデメリットがある。
一体どんなモンスターを展開してくるっていうんだ…っ。

イカ「…ッッ！！」

イカはデッキから二枚のモンスターカードを抜き出し、それをモンスターゾーンに置いた。

『豪雨の結界像』[DEF 1000]

《豪雨
ごうう
の結界像
けっかいぞう
/Barrier Statue of the Torrent》 †
効果モンスター
星４/水属性/水族/攻1000/守1000
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、
お互いに水属性以外のモンスターを特殊召喚できない。


『氷帝家臣エッシャー』[DEF 1000]

《氷帝家臣
ひょうていかしん
エッシャー/Escher the Frost Vassal》 †
効果モンスター
星４/水属性/水族/攻 800/守1000
(1)：相手の魔法＆罠ゾーンにカードが２枚以上存在する場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。


火群「……！！」

結維「…豪雨の結界像…っ！ あのモンスターはマズいわね…」

火群「…俺は水属性以外のモンスターを特殊召喚できない…！？」

だけど守備力はたったの1000…！ 俺のモンスターなら特殊召喚を行わなくたって簡単に倒せる…！

イカ「…！！」

しかしイカはまだ手を止めない。
次に行ったのは、氷帝家臣エッシャーをリリースしてのアドバンス召喚だった。
家臣を生贄とし、氷帝が姿を現す。

イカ「…！！！」

『氷帝メビウス』[ATK 2400]

《氷帝
ひょうてい
メビウス/Mobius the Frost Monarch》 †
効果モンスター
星６/水属性/水族/攻2400/守1000
(1)：このカードがアドバンス召喚に成功した時、
フィールドの魔法・罠カードを２枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。

イカ「…！！」

イカが力強く右触手を前に突き出すと、氷帝の足元から冷気が溢れ、炎王の孤島に襲いかかる。

火群「…孤島を破壊されるわけにはいかねぇ…！ ガネーシャの効果発動！ メビウスの効果を無効にし、手札の『殺炎星ーブルキ』を破壊する！」

イカ「…ッ！！」

だがイカは、これも想定通りというような素早い手付きで、２枚の永続魔法を発動させる。

『水舞台』

『水神の護符』

《水舞台
アクアリウム・ステージ
/Aquarium Stage》 †
永続魔法
(1)：自分フィールドの水属性モンスターは、
水属性以外のモンスターとの戦闘では破壊されない。
(2)：自分フィールドの「アクアアクトレス」モンスターは
相手モンスターの効果を受けない。
(3)：このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、
自分の墓地の水族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は水族モンスターしか特殊召喚できない。


《水神
すいじん
の護符
ごふ
/Sea Loads Amulet》 †
永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、
自分フィールド上の水属性モンスターは相手のカ－ドの効果では破壊されない。
発動後３回目の相手のエンドフェイズ時にこのカードは墓地へ送られる。

そしてカードを１枚伏せるとターンを終了させた。


イカ「……ッ」【手札 0】


◉TURN０３◉


火群「……俺のターン！ ドロー！！」【手札 3】

何をするにしても、あの結界像が邪魔だな…！ 伏せカードは1枚……いけるか…！？
















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１０９ーーー
《潜海の巨大烏賊》
















火群「ーーー俺は、『炎舞ー天璣』を発動！」


《炎舞
えんぶ
－「天
テン
キ」/Fire Formation - Tenki》 †
　※「キ」は機種依存文字のためカタカナで代用しています。正しくは玉偏に幾。
永続魔法（準制限カード）
「炎舞－「天キ」」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：このカードの発動時の効果処理として、
デッキからレベル４以下の獣戦士族モンスター１体を手札に加える事ができる。
(2)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は１００アップする。


火群「この効果で、デッキから『勇炎星ーエンショウ』を手札に！ そして召喚！」[ATK 1600→1700]


《勇炎星
ようえんせい
－エンショウ/Brotherhood of the Fire Fist - Gorilla》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣戦士族/攻1600/守1000
１ターンに１度、このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
デッキから「炎舞」と名のついた魔法カード１枚を選んで自分フィールド上にセットできる。
また、１ターンに１度、自分フィールド上に表側表示で存在する
「炎舞」と名のついた魔法・罠カード１枚を墓地へ送って発動できる。
フィールド上の魔法・罠カード１枚を選択して破壊する。


イカ「！！」

エンショウの召喚と共に伏せカードがオープンされる。

『潜海奇襲』


《潜海奇襲
シー・ステルス・アタック
》 †
永続罠
(1)：このカードの発動時の効果処理として、自分の手札・墓地の「海」１枚を選び、発動できる。
(2)：フィールドに「海」が存在する場合、表側表示のこのカードは以下の効果を得る。
●１ターンに１度、自分フィールドの水属性モンスター１体をエンドフェイズまで除外して発動できる。
このターン、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードは相手の効果では破壊されない。
●元々のレベルが５以上の自分の水属性モンスターが
相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。
その相手モンスターを破壊する。



火群「……？ なんだあのカードは…？」

イカ「！！」

あのカードの効果により、イカは手札からフィールド魔法を発動する。


『忘却の都レミューリア』

《忘却
ぼうきゃく
の都
みやこ
レミューリア/Lemuria, the Forgotten City》 †
フィールド魔法
このカードのカード名は「海」として扱う。
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上の水属性モンスターの攻撃力・守備力は２００ポイントアップする。
また、１ターンに１度、自分のメインフェイズ時に発動できる。
このカードがフィールド上に存在する限り、
自分フィールド上の水属性モンスターの数と同じ数だけ、
自分フィールド上の水属性モンスターのレベルをエンドフェイズ時まで上げる。



『デビル・クラーケン』[ATK 1200→1400]

『豪雨の結界像』[DEF 1000→1200]

『氷帝メビウス』[ATK 2400→2600]

火群「…その程度のパワーアップじゃあ…俺の炎は消えやしない！ エンショウの効果発動！ 天璣を墓地へ送り、『水舞台』を破壊する！！」

『勇炎星ーエンショウ』[ATK 1700→1600]

『炎王獣ガネーシャ』[ATK 1900→1800]

せめて結界像を戦闘で破壊できるようになれば…！！

イカ「…！！」

エンショウの力強い斬撃が『水舞台』のカードへ向け振り払われるが、すんでのところで、水面より現れた触手によって防がれてしまう。

火群「…何…！！？」

鈴華「…！ ぬわによあれぇ！？ 自分の足で弾くなんて反則じゃありませんの！？」

雫「…はわわわ…！ 違いますよ鈴華さん！ 今の触手は…デビルクラーケンのものですっ！」

鈴華「！」

イカ「ッ！」

結維「『潜海奇襲』の効果ね…っ！ エンショウの効果にチェーンして発動し、デビル・クラーケンを除外する事でこのターン表側表示の魔法罠カードを破壊できなくなったのよ…！」

火群「…そういうことか…！」

デビル・クラーケンは水中に身を潜めてこちらの様子を伺っている。魔法罠を破壊しようとしてもさっきみたいに防がれてしまう…。
しかも相手のモンスターは破壊することができないときた…！

火群「…ターンエンドだ…！」【手札 2】

イカ「…！！」

そしてこのエンドフェイズに、再びデビル・クラーケンは戻ってくる…！

『デビル・クラーケン』[ATK 1200→1400]


雫「はわわ…っ！ 火群さん全く動けなくなっちゃいましたよ！？」

千愛「…相手を徹底的に縛り付けていたぶる……なんともイカらしい戦い方ね…」

鈴華「…イカらしいというより…イヤラシイですわ…っ…」


ニクス「…火群…ッ！」

和泉「……火群くん……っ！」


イカ「………」

火群「………ッ…！」






To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１１０ 不死鳥の反撃




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙