DRAW７５Perfect Tierra　作：人喰い

(75)



◉結維side◉
〜山岳エリア・洞窟内部〜


ガラガラガラ…

扉だった物は瓦礫の山と化し、脆くなっていた頭上の岩が崩れ落ちていく音だけが洞窟内に響く。


結維「……ふぅーーっ…」

鈴華「…『ふぅーーっ…』じゃないわよ！！ 殺す気！？」

鈴華が岩の山の中から勢いよく飛び出し叫ぶ。

結維「…あ、埋もれてたの」

鈴華「…いい加減そのメガネ割ってあげたいわ…」


結維「ーーー！ 待って、この奥…誰かいる…！」

煙が若干晴れてきたところで、閉ざされていた部屋の奥にいる“誰か”の存在に気づく。



若い女性「ーーーいたたた…っ！！ いきなり何ですかぁ〜……って、侵入sy…ムグ！？」

先手必勝。
こちらの存在を確認された瞬間、私は座り込んでいる女性の背後へ回り込み、右手で口を塞ぎ、両足を使って女性の腕ごと胴体をがっちり拘束する。

若い女性「！！？？」

鈴華「！！？？」

そして辺りを見渡し、室内に他の人間がいない事を確認すると、私は右手を離し、その女性に問いかける。

結維「…あなたは『終焉の焔』の人間ですよね？ ここは一体どのような施設なのですか？」

この女性は決闘盤を付けていないから、決闘者ではないの…？ でも、それなら好都合…！

若い女性「……あ、あなたに答える必要はありません！」

自由な足を使ってバタバタと暴れる女性。

結維「……」

私は無言で胴体を拘束している足の締めをキツくする。

若い女性「あだだだっ！！ わかった！ 言うから！ あばら折れる！！」

鈴華（…結維さんってやっぱりホントはサイボーグなんじゃ…）

若い女性「…ここはただのモニター室よ…。主に戦闘員の決闘状況を各地のカメラからチェックするの」

結維「…なるほど。で、今この部屋には本当にあなた1人なのですか？」

若い女性「…そうよ…！ みんなボスの号令で各地の精霊を追って行っちゃって……。なんで私1人置いてくかなぁ…っ！」

結維「号令…？」

若い女性「数十分前にボスから声がかかったの。総員精霊を追え、ってね。
特に森林エリア付近にいるであろう太陽神の精霊を持つ隻腕の少女を優先して始末しろ、って」

結維「…へー……」

よかった、まだ私がその少女だって気づかれてないみたい。
それにやっぱり、私の始末は部下に任せたって事は、マインが向かったのはーーー

結維「…モニターの映像って映せますか？」

若い女性「そ、それはダメです！！」

結維「……」メキメキ

若い女性「痛い痛い！！ わかったってばぁ！！」

結維「…早くしてください」

鈴華「…これじゃあ完全にこちらが悪役ですわね…」

私は拘束を解除し、後ろから女性の首を掴んだままモニター操作を促す。

若い女性（…うぅ…っ、後で絶対マイン様に叱られるぅ……。あ、でもそれはそれで悪くないかも…っ)

なぜか若干ニヤつきながらモニターを操作する女性。なんだか気色悪いけど、今はそんな事を気にしている場合では無い。

若い女性「…ど、どこのを映せば…？」

結維「…セントラルホール付近、精霊のカードが集まっているところをお願いします。
精霊の位置を特定するレーダーも勿論ありますよね？」

若い女性「……はぁい…、わかりましたよぉ〜」

若い女性（ってか、この子本当に何者なの〜！？ まさかテロリストとか！？ ウチらの組織ってそんなヤバい人達に狙われるような事してたのぉ！？）

若い女性「…あ、ありました。セントラルホール前です。…映しますね」

突然の敬語に違和感を覚えつつも、モニター画面をじっと見つめる。

結維「ーーー！！」

その画面に映し出されたのは、セントラルホール前での決闘の映像だった。
そこでは今まさに決闘が行なわれているところで、そしてその対戦カードはーーー

若い女性「マイン様と………」

結維「ーーー市瀬 火群…！！」

あのバカ…！ マインには絶対に勝てない、って忠告までしたのに…！！

結維「…鈴華！」

鈴華「…はっ、はいっ！？」

結維「この人の服脱がすの手伝って！」

鈴華「はぁ！？」

若い女性「…へ？」

結維「…いや、外部に私達のこと連絡されたら困るし、椅子に縛り付けておこうかと思って。縛れるもの他になさそうだったから」

若い女性「…え？」

鈴華「…なるほどね。では、失礼しますわ」

若い女性「…は？」

結維「…安心してください。流石に下着までは脱がしませんから」


若い女性「…そういう問題じゃなくてええぇえええ〜っっ…！！！」








〜事後〜




若い女性「…はぅぅ…、まだ自己紹介すらしてないのになんて仕打ち……っ」


結維「……さて、行くわよ、鈴華」

鈴華「…え、ええ」

若い女性「…ま、待ってください！ あなた達は結局何者なのよ！？ テロリスト！？」





結維「ーーーただの正義の味方です」



そう言って私達はモニター室を出てセントラルホールへ向かった。






………



若い女性「………」



若い女性「ーーー私、正義の味方は半裸の女子を椅子に縛り付けて放置とかしないと思うな！！」



若い女性「…あぁぁんもうっ！！ ダレカタスケテーっ！！
……あ、やっぱり今は誰も来ないでぇ〜っ！！」
















遊戯王 Ph.X DRAW:７５
《Perfect Tierra》















◉火群side◉
〜セントラルホール前〜



◉TURN０３◉


火群【LP 8000】
場:『炎王獣 バロン』[DEF 200]
魔:『炎王の孤島』(フィールド)
『補給部隊』x2(永続)
伏せ:1
手札:3


マイン【LP 3300】
場:『インフェルノイド・ネヘモス』[ATK 3000]
魔:『未来融合ーフューチャー・フュージョン』◉１(永続)
伏せ:0
手札:5



火群「何度倒れても立ち上がる……それが俺たち“不死鳥”だからよ…。諦めるわけにはいかねぇ……ッ！！」

マイン「…屈強なる意思を打ち砕くのも、また一興か…。ならば今の一撃で倒れていなかった事を、後悔させてやる…！！」

和泉（…火群……くん…っ）

火群「…来いよ…ッ！」

俺の墓地には2体の『ヴォルカニック・カウンター』がいる…！
奴が俺に1650以上の戦闘ダメージを与えた瞬間、俺の勝ちだ…ッ！


マイン「…墓地のアスタロスとアシュメダイをゲームから除外し、墓地より蘇れ！！『インフェルノイド・アドラメレク』！！」[ATK 2800]☆8→1


《インフェルノイド・アドラメレク/Infernoid Attondel》
特殊召喚・効果モンスター
星８/炎属性/悪魔族/攻2800/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が８以下の時、
自分の手札・墓地から「インフェルノイド」モンスター２体を
除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
(1)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
このカードはもう１度だけ続けて攻撃できる。
(2)：１ターンに１度、自分フィールドのモンスター１体をリリースし、
相手の墓地のカード１枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


マイン「…更にッ、墓地のベルフェゴルと、………リリスを除外！ 蘇れ！！『インフェルノイド・ヴァエル』！！」[ATK 2600]☆7→1


《インフェルノイド・ヴァエル/Infernoid Seitsemas》 †
特殊召喚・効果モンスター
星７/炎属性/悪魔族/攻2600/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの全ての効果モンスターのレベル・ランクの合計が８以下の時、
自分の手札・墓地から「インフェルノイド」モンスター２体を
除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
(1)：このカードが相手モンスターを攻撃したバトルフェイズ終了時に発動できる。
フィールドのカード１枚を選んで除外する。
(2)：１ターンに１度、自分フィールドのモンスター１体をリリースし、
相手の墓地のカード１枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


マイン（……許せ……リリスよ…本来ならお前を除外すべき場面でない事は分かっている……）


火群「……ッ」

マイン「……そして手札の『妖精伝姫ーシラユキ』を召喚！！」[ATK 1850]

《妖精伝姫
フェアリーテイル
－シラユキ/Fairy Tail - Snow》 †
効果モンスター（準制限カード）
星４/光属性/魔法使い族/攻1850/守1000
(1)：このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、
相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2)：このカードが墓地に存在する場合、
自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード７枚を除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


マイン「…シラユキが召喚に成功した時、効果発動！ …バロンには覚めない眠りへと落ちて貰おう…」

火群「…バロン…ッ！」

マイン「…バトルだッ！！ アドラメレクで、セットされたバロンを攻撃！！」


『インフェルノイド・アドラメレク』
[ATK 2800]
ーーーVSーーー
[DEF 200]
『炎王獣 バロン』

アドラメレクの放った黒き火炎によりバロンは破壊されてしまう。


マイン「…アドラメレクはモンスターを破壊した場合、もう一度追加攻撃することができる！！ やれぇっ！！アドラメレク！
プレイヤーを直接攻撃！！」


アドラメレク[ATK 2800]

火群【LP 8000】


ーーー来たっっ！！

火群「…何か忘れてないか？ マイン…！！
俺の墓地には、受けた戦闘ダメージをそのまま相手にも返す『ヴォルカニック・カウンター』が2体…！！」

和泉「…あっ…！！ ってことは…！」

雫「…この攻撃が通れば火群さんの勝ち…！？」

マイン「………」


アドラメレクが俺の前まで近づき、先ほどバロンに浴びせた炎を俺に繰り出した。

火群「…ぐぅぅ…ぁぁああ！！ これで終わりだ…ッ！！ マイン！！！」



マイン「………ククク…ッ、焦るな…ッ！ 自分のライフポイントを見てみろ…」


火群「…ッ！！？」【LP 8000→6600】


千愛「…1400しか…減っていない…！？」

マイン「…惜しかったな。『煉獄の虚無』が場にある限り、俺の『インフェルノイド』モンスターが相手に与えるダメージは半分となる…！」【LP 3300→500】

和泉「…そんな……っ！」

火群「……くっ…！ そう簡単にはいかないか…ッ！」

マイン「バトルの続きだ…！ シラユキでダイレクトアタック！！」

『妖精伝姫ーシラユキ』[ATK 1850]

火群「……ッがはっ！！」【LP6600→4750】

いてぇ…！！ やっぱり何度経験しても…闇のゲームのこの痛みは慣れねぇ…！

マイン「続いてヴァエルの攻撃！！」

『インフェルノイド・ヴァエル』[ATK 2600]

火群「…ぅぐ…はぁっ！！」【LP 4750→3450】

ピシ…ピシ…！！

！！ 決闘盤にヒビが……！！？

マイン「これで終わりだ…ッ！！ネヘモスの攻撃！！」

火群「…？ どういう…ことだ…！？」

マイン「業火に焼かれ虚無へと爆ぜろ…ッ！！
〝煉獄のファンタズマ・デス・ペイン〟！！！」


『インフェルノイド・ネヘモス』[ATK 3000]


ネヘモスが口内に邪悪なエネルギーを溜め始める。
そしてマインが右手を前に突き出すのと同時に、

火群「……ッッ！！」

そのエネルギーは漆黒の焔を螺旋状に纏ったレーザー砲となって、俺に撃ち放たれる。

火群「……がぁぁあああぁああっっ！！！」【LP 3450→1950】

ピシ…ピキキ…ッ！！

マイン「…その決闘盤は闇のゲームの連戦には恐らく耐えられない…、砕けちれぇぇええ！！」

俺の決闘盤のヒビが大きくなり、この一撃を受けて壊れてしまうであろうことは俺にもわかった。
ーーーけど。



ニクス『ーーー火群』


火群「…ああ！！ 諦めて………たまるかぁあぁああっっ！！！」


ゴォオオォオオォオォォオオッッ！！


和泉「…！！ 火群くんの左腕が……」

雫「…燃えて………！？」

千愛「……そうよ…！ あなた達にはまだ、戦うための“力”があるじゃない…！！」


マイン「………ッ…、なんだ…？ 何をするつもりだ…ッ？」




火群「ーーー決闘盤、セット！！」

俺は左腕を高く突き上げ、声の限り叫ぶ。

ニクス『ーーーイン！！』

俺の左側に立つニクスも、突き上げた右腕を俺の左腕に合わせ、叫ぶ。

その叫びに呼応して、俺の左腕に燃え上がる炎はゆらゆら燃えながら、真紅に輝く決闘盤を形成してゆく。


火群「……言っただろ？ 何度倒れても、その度に立ち上がるのが俺たちだって…！！」


ニクス『……その通りだ、マイン。貴様の成そうとしていることの誤りを、ここで認めてもらおう』


マイン「………全てを知りもしないで、随分と好き勝手言ってくれるな…不死鳥…！ だが貴様は二度と蘇らない！ そのような戯言を言っていられるのも、今の内だッッ！」

ニクス『来るぞ火群…！』

火群「……！！」

マイン「アドラメレクの効果発動！！ 俺の場のシラユキを墓地へ送り、墓地の不死鳥…ッ！！ 貴様を除外する！！」


火群「…させるかァァア！！ 俺は墓地のガルドニクスを対象に、速攻魔法『炎王輪廻』を発動！！」


《炎王輪廻》＊Ph.X Original Cards
速攻魔法
このカード名の①の効果は、１ターンに１度しか発動できず、このカードの①の効果を発動するターン、自分は炎属性モンスターしか特殊召喚できない。
①自分の墓地の「炎王」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの元々のレベルの数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中の炎属性モンスターを任意の枚数破壊し、残りのカードとこのカードの発動時に選択したモンスターをデッキに戻しシャッフルする。
「炎王神獣」モンスターを対象としてこのカードを発動した場合、このカードの発動に対して相手はカードの効果を発動できない。
②墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の場の炎属性モンスター１体を破壊し、デッキから「炎王」モンスター１体を手札に加える。この効果は相手ターンでも発動できる。


マイン「………ッ！（不死鳥を対象に発動したことにより、ヴァエルの効果もネヘモスの効果もチェーン発動ができないだと……ッ？）」

火群「…ガルドニクスのレベルは８！ よってデッキの上から８枚のカードをめくる…！」

『炎王の急襲』
『炎王獣 バロン』
『ハーピィの羽箒』
『炎舞ー天璣』
『炎王獣 ヤクシャ』
『暗炎星ーユウシ』
『火舞太刀』
『ジェネレーション・チェンジ』

火群「ーーーよし！！ この８枚の中から、『炎王獣 バロン』、『炎王獣 ヤクシャ』、そして『火舞太刀』を破壊！！」

千愛「…火舞太刀…！！ ここでそのカードを引き込むなんて…！」

火群「…そして、残りのカードとガルドニクスはデッキに戻る！ これでアドラメレクの効果は不発…！」

マイン「……ッ！」【LP 500】

火群「…更に！ 効果で破壊された火舞太刀とヤクシャの効果を発動！」

《火舞太刀
かまいたち
/Fencing Fire Ferret》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣族/攻1700/守 600
(1)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動する。
その相手の表側表示モンスターを破壊し、相手に５００ダメージを与える。



《炎王獣
えんおうじゅう
ヤクシャ/Fire King Avatar Yaksha》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
自分フィールド上に表側表示で存在する
「炎王」と名のついたモンスターがカードの効果によって破壊された場合、
このカードを手札から特殊召喚できる。
また、このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
自分の手札・フィールド上のカード１枚を選んで破壊できる。
「炎王獣 ヤクシャ」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。


火群「火舞太刀の効果で破壊するのはネヘモス！！」

通れ…！！ 頼むから通ってくれ…ッ！！」


マイン「……図に乗るなァッ！！ 人間風情が！！ ネヘモスを対象に、手札から速攻魔法『煉獄の死徒』を発動ッ！！」


《煉獄
れんごく
の死徒
しと
/Void Seer》 †
速攻魔法
(1)：自分フィールドの「インフェルノイド」モンスター１体を対象として発動できる。
このターン、その自分のモンスターは相手の効果を受けない。
(2)：自分フィールドの「インフェルノイド」モンスターが効果で破壊される場合、
その破壊されるモンスター１体の代わりに墓地のこのカードを除外できる。


マイン「…これにより、ネヘモスは破壊されず、効果ダメージも発生しない…ッ！」

火群「…くっ…ッ！！
ヤクシャの効果で手札のバロンを破壊！」

マイン「……はぁ…！ はぁ…ッ！
（…ここにくるまで少々力を使いすぎたか…ッ！ 保ってあと１ターンといったところだろうが……１ターンあれば十分……！！）」


千愛（マインが息を荒げてる…、やっぱり今の身体で精霊の力を使うには、身体にかなりの負荷がかかるんじゃ……？）

マイン「……ターンエンドだ…ッ！！」【手札 3】


マイン【LP 500】
場:『インフェルノイド・ネヘモス』[ATK 3000]
『インフェルノイド・アドラメレク』[ATK 2800]
『インフェルノイド・ヴァエル』[ATK 2600』
魔:『煉獄の虚無』(永続)
『未来融合ーフューチャーフュージョン』◉１(永続)
伏せ:0
手札:3

火群【LP 1950】
場:0
魔:『炎王の孤島』(フィールド)
『補給部隊』(永続)x2
伏せ:0
手札:2


◉TURN０４◉


火群「…俺のターン！！ ドロー！！」【手札 3】

火群「このスタンバイフェイズ時、効果で破壊されたバロン２体の効果が発動！！ デッキから『炎王炎環』と『炎王輪廻』を手札に加える！！」【手札 5】

アドラメレクとヴァエルがいる限り、迂闊にガルドニクスを破壊できない…！ けど、ガルドニクスを出さないとこの状況を突破するのは困難だ…！ それにーーー

俺はエクストラデッキゾーンのカードを確認する。

火群「……」

やっぱり、マンティスとの決闘で出したニクスの新しい姿……『炎王神獣 ガルド・イモータル』のカードは再び白紙に戻ってる…！
奴の残りライフは500…！
その僅かなライフを削るにはどうしたらいい…！？ どうしたらいい……ッ！？


火群「…俺は手札から永続魔法『炎舞ー天璣』を発動！」《炎舞
えんぶ
－「天
テン
璣」/Fire Formation - Tenki》 †
永続魔法（準制限カード）
「炎舞－「天キ」」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：このカードの発動時の効果処理として、
デッキからレベル４以下の獣戦士族モンスター１体を手札に加える事ができる。
(2)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は１００アップする。


火群「この効果でデッキから『暗炎星ーユウシ』を手札に加える…！」【手札 5】

火群「そして今手札に加えたユウシを召喚！」[ATK 1600→1700]

《暗炎星
あんえんせい
－ユウシ/Brotherhood of the Fire Fist - Bear》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣戦士族/攻1600/守1200
１ターンに１度、このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、
デッキから「炎舞」と名のついた魔法カード１枚を選んで自分フィールド上にセットできる。
また、１ターンに１度、自分フィールド上に表側表示で存在する
「炎舞」と名のついた魔法・罠カード１枚を墓地へ送って発動できる。
フィールド上のモンスター１体を選択して破壊する。


マイン「……」

火群「…天璣を墓地へ送り、ユウシの効果を発動！ ネヘモスを破壊する！」

マイン「…無駄だ…！ ネヘモスが破壊される代わりに、俺は墓地の煉獄の死徒を除外する…！！」

火群「…！ なら次は…！ 場のユウシと墓地の火舞太刀を対象に『炎王炎環』を発動！」

《炎王炎環/Circle of the Fire Kings》
速攻魔法
自分のフィールド上及び自分の墓地の
炎属性モンスターを１体ずつ選択して発動できる。
選択した自分フィールド上のモンスターを破壊し、
選択した墓地のモンスターを特殊召喚する。
「炎王炎環」は１ターンに１枚しか発動できない。


マイン「…無駄だと言っている！！ ヴァエルの効果を発動！ 自身をリリースし、貴様の墓地の火舞太刀を除外するッ！」

せっかく墓地を肥やしても思うように機能しねぇ…！ 結維さんはマインのモンスターのこの効果を知っていたから、俺にあんなことを言ったのか…っ。

火群「…まだ…だ…ッ！ 墓地の炎王輪廻を除外して、効果発動！！ 俺の場のユウシを破壊して、デッキから『炎王神獣 ガルドニクス』を手札に加える！！」【手札 4】

マイン「…不死鳥を手札に…ッ」

火群「…更に…！ 俺の場のモンスターが破壊された事により、２枚の補給部隊の効果で俺はデッキから２枚ドローする！！」【手札 6】

雫「…凄い…！ どんどん手札を増やしていきますよ…っ！」


火群「そして炎王の孤島の効果発動！ 手札から現れろ！ 勝利へ導く紅蓮の翼！！
『炎王神獣 ガルドニクス』！！」

ニクス『はぁあああぁぁああっっ！！』[ATK 2700]

このままじゃマインのモンスターを突破する事はできない…！

火群「俺は、カードを３枚伏せて、ターンエンドだ……ッ！」


マイン【LP 500】
場:『インフェルノイド・ネヘモス』[ATK 3000]
『インフェルノイド・アドラメレク』[ATK 2800]
魔:『煉獄の虚無』(永続)
『未来融合ーフューチャーフュージョン』◉１(永続)
伏せ:0
手札:3

火群【LP 1950】
場:『炎王神獣 ガルドニクス』
魔:『炎王の孤島』(フィールド)
『補給部隊』(永続)x2
伏せ:3
手札:2


◉TURN０５


マイン「…俺のターン！！ ドロー！」【手札 4】

千愛「…マズイわよ…このターンのスタンバイフェイズに、未来融合の効果で……！！」

マイン「……その通りだ…ッッ！！ 貴様に拝ませてやる…！！ 完全な未来を…！ 究極の悪魔を……ッ！！」

火群「………ッ！」

マイン「…俺のスタンバイフェイズ、今ここに完全なる未来が訪れる……！！
ーーー煉獄の焔より蓄えられし不完全な“悪徳”は、虚無の世界にて完全へと成り替わる！！ 融合召喚！！ 地獄の果てより現れろ…ッ！！
『インフェルノイド・ティエラ』！！」








ティエラ『グギィィガァァアアァァアァァアアッッッ！！！』[ATK 3400]







火群「……ッッッ！！」





紅蓮の炎と共に現れた悪魔の咆哮は、その場にいる者全ての肌をビリビリと震わせる。
その禍々しく邪悪な存在は、まさに『完全』と呼ぶにふさわしい程のーーー『悪』そのものだった。








To Be Continued…




《次回予告》


駆け上るその力は、絆の証。


次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:７６ RISE-ライズ-