DRAW:０４ 楽しいデュエル　作：人喰い

市瀬 火群【LP:3400】
場:『炎王獣 バロン』[攻 1800]
伏せ:なし/手札:2枚

剛田 武 【LP:1300】
場:なし
伏せ:なし/手札:3枚

火群「───このスタンバイフェイズ、効果で破壊されたガルドニクスは蘇る！！」

『炎王神獣ガルドニクス』【攻:2700】

剛田「…！！復活した！？」

火群「更に！自分以外の場のモンスターを全て破壊する！！」

剛田「…ハッ！自分のモンスターを破壊しちまっちゃあ仕方ねぇなァ！」

火群「…！」

剛田「……禁止カードは捨てたが、まだ俺様のデッキは強力な除去カードで溢れてんだよ！『ブラックホール』発動！！フィールドのモンスターを全て破壊する！！」

火群「…何！？…まずい…！俺の場がガラ空きに…！」

剛田「場もすっきりした事だし、そんじゃあ行くぜぇ！……俺様は、魔法カード『名推理』を発動！」

『名推理』
通常魔法
相手プレイヤーはモンスターのレベルを宣言する。
通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキからカードをめくる。
出たモンスターが宣言されたレベルと同じ場合、めくったカードを全て墓地へ送る。
違う場合、出たモンスターを特殊召喚し、それ以外のめくったカードは全て墓地へ送る。

火群「名推理……！ カードのレベルを宣言するのは、俺か」

剛田のデッキはレベル４高打点モンスターで構成されたパワーデッキだ…。ここはやはりレベル４を選択するのが無難か。

火群「……俺は、レベル４を指名する！」

剛田「……まず一枚目！」

めくられたカードは『ジャイアントワーム』───レベル５のモンスターだが、通常召喚できないモンスターのため、墓地へ送られる。そして二枚目のカードは『デビルドーザー』、このカードも通常召喚できないモンスターのため墓地へ送られる。
その後はしばらく魔法罠カードがめくられ、全て墓地へ送られる

剛田「続いて七枚目ぇ！ ……『黒蠍-強力のゴーグ』！！ このカードのレベルは５だ……よって俺様のフィールドに特殊召喚される！」

『黒蠍-剛力のゴーグ』【攻 1800】

火群「くっ…マジかよ…！」

明日人「……（それよりも、『ジャイアントワーム』に『デビルドーザー』か……嫌な予感がするぜ）」

剛田「そして俺は、墓地のジャイアントワームとデビルドーザーをゲームから除外して、デビルドーザーを特殊召喚するぜ！！」

『デビルドーザー』【攻 2800】

火群「攻撃力2800……だと…！？」

明日人「───！！（火群……！）」

火群「剛田……お前、やるな……」

剛田「行くぜ！ 攻撃力2800のデビルドーザーでダイレクトアタック！！〝ハードローラー〟！！


火群「くぅぅ！！」

火群【LP:3400】→【LP:600】

剛田「続いてゴーグで火群に……」

これで……俺の負けか…。
カッコつけて出ていった割には呆気なかったな…。


ガララッ！

？？？「……まだだ」


一同「！？」

剛田が攻撃を宣言しようとした瞬間、教室の扉が開き、何者かがストップをかけた。
俺は振り返り声のした方向を見てみると、そこには、見たことのない白ランに身を包んだ少年が居て、俺のことを見ていた。
そして少年は続ける。

？？？「まだだ、市瀬 火群」

火群「……？ お前、何で俺の名前を……？」

？？？「そんな事はどうでもいい。 それよりも、市瀬───まだ、デビルドーザーからの戦闘ダメージを受けた時の処理が行われていないぞ」

火群「何……！？」

明日人「………『相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、相手のデッキからカードを一枚墓地へ送る』、か……？」

？？？「そうだ。 デビルドーザーの効果は強制効果。さあ、市瀬。 カードを墓地へ送れ……その処理が終わらないことには、相手に次の攻撃は許されない」

火群「……！（こいつ……見たところ同い年みたいだが、何者なんだ……！？）」

？？？「いいか、市瀬。人は奇跡を起こせない。だが、その不可能を可能にしてくれるのが───デュエルだ。 デュエルにも、お前にも、可能性はまだ残っているぞ……！」

火群「俺の……可能性……！？」

ドクンッ！ ドクンッ！

高まる鼓動を抑え、俺はゆっくりと───カードをめくった。


火群「…！！」

この───カードは……！！



火群「───『ダンディライオン』……！！」



？？？「………フッ」

明日人「…ダンディライオン！？」

剛田「何だ！？ そのカードは！？」

観客「ざわ…ざわ…」

火群「…このカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上に「綿毛トークン」を二体、守備表示で特殊召喚する！！」

『綿毛トークン』【守 0 】

剛田「何ぃぃ！？ くっ……ゴーグでトークンを一体破壊！ ……ターンエンドだ。（…だが、まだ俺の場には攻撃力2800のデビルドーザーがいる…簡単にはやられないハズだ）」

剛田 武【LP:1300】
場:『デビルドーザー』[攻 2800]
『黒蠍-強力のゴーグ』[攻 1800]
伏せ:なし/手札:0枚

市瀬 火群【LP:1400】
場:なし
伏せ:なし/手札:2枚

火群「……行くぜ！ 俺のターン！ ドロー！！」

？？？「……決まったな」

火群「俺のスタンバイフェイズ時、カードの効果で破壊されたガルドニクスが蘇る！」

剛田「！？」

火群「…不死鳥は何度でも蘇る！！来い！ガルドニクス！！」

『炎王神獣ガルドニクス』【攻:2700】

剛田「だが…！デビルドーザーの方が攻撃力は上…！！」

火群「忘れたのか？ガルドニクスが自身の効果で特殊召喚された時、ガルドニクス以外の場のモンスターを───全て破壊する！！」

ガルドニクス（待っていたぞ……ようやく我が効果を存分に発動できる……ッ！！）

火群「全てを焼き尽くせ！〝リバイバル・フレイム〟！！」

剛田「ぐわぁぁ！！」

火群「これで剛田の場はガラ空きになった！ いけぇ！！ガルドニクスでダイレクトアタック！！
〝バーニング・イレイザー〟！！」

剛田【LP:1300】→x【LP: 0 】x


火群「……勝っ……た」

明日人「……火群……！！」

観客「おぉ〜〜〜っ！！！」

剛田「クッソ…ッ…！負けた……！本気だったのに…！！
火群……お前…、初心者ってのはウソ───」

火群「なぁんのことかな〜〜〜！！
…ところで、俺が勝ったんだから約束は守ってくれよな」

剛田「…チッ…、わかったよ。
だが、次は最初っから禁止カードに頼らねぇ！！俺様の本当の本当の実力でボッコボコにしてやるから、覚悟しとけ！！」

明日人「………！」

火群「ああ！剛田……またデュエルしようぜ！」



とりあえずは一件落着ということで、この件は落ち着いた。

新たに、一つの謎を残してーーー。

火群（そういえば、白ランの〝あいつ〟……急に来て急に居なくなってたけど……一体何者だったんだ？ 俺の事知ってたみたいだけど………ま、いっか！）


To Be Continued…




〜おまけ〜

☆《今日の注目カード》☆
な〜にっかな〜、な〜にかな〜♫
本日は、これっ！ テレン♫
ー〜ー〜ー〜ー☆ー〜ー〜ー〜ー〜ー
*ﾟ▽ﾟ)/☆ダンディライオン☆ヽ(´o｀;
ー〜ー〜ー〜ー☆ー〜ー〜ー〜ー〜ー

*ﾟ▽ﾟ)「墓地に送られたらトークンを二体呼び出すカードだね！
ちなみにこのSSの中ではVジャンプの付録になんか付いてないよ！！」
(´o｀；「……今更だけど、このコーナーって最後じゃなくて最初にやるやつじゃないか……？」