DRAW:６２〝不滅の焔〟　作：人喰い

(62)




《WDCS予選・バトルロワイヤル》

◉大まかなルール

予選の時間は『３時間』。
参加者全員は、予選開始時に反亭アリーナの敷地内のどこかにランダムで転送される。そしてそれと共に反亭アリーナの館内と館外の一帯に散らばる“1〜16の数字が書かれた16種のパスカード”(1枚ずつではなくそれぞれ複数存在)のいずれかを手にし、『セントラルホール』前の受付に戻ってきた決闘者に本戦への出場資格与えられる。セントラルホール内にて予選終了まで待機。



＊決闘の申し込みは、DUEL GEARにより半径1メートル以内の一番近い距離にいる決闘者に申し込みコードを送る事で強制的に決闘となる。


◉決闘条件と勝敗による判定

・パスカードを持っていない決闘者同士
→勝者のDUEL GEARのマップに5分間、“全てのパスカードの位置が表示される”。
敗者は10分間、“決闘の申し込みができない“。

・同数字パスカード持ち決闘者同士(ゴールしていてもしていなくても)
→敗者の持っていたカードは運営によって“会場のどこかに飛ばされる”。

・異なる数字のパスカードを持つ決闘者同士
→勝者は10分間、“他の決闘者からの決闘申し込みを受けない”。敗者のカードは“会場のどこかに飛ばされる”。


＊引き分けの場合
両者のパスカードは会場のどこかに飛ばされ、両者とも10分間決闘を行えない。



◉禁止事項
・参加者及び観客・スタッフへの暴力・暴言
・参加者から直接パスカードを奪い取る行為
・パスカードの破壊
・パスカードの譲渡
・パスカードを2枚以上所持する事


◉持ち込める物
・40〜60枚のメインデッキ
・0〜15枚のエクストラデッキ
・支給されたDUEL GEAR
・支給された決闘盤






〜？？？〜


若い女性「凄まじい精霊反応を感知！“三本の火柱”マンティスが交戦中です！ 対戦相手の精霊をモニターに表示します！」



黒ローブの男「………！
これはーーー不死鳥……ッ！！
ククク…ッ……ハハァーッハッハァ！！
まさかこんなところで手に入るとはな……！！」



幼い少女「…でもどーするの？ あの“ふしちょー”がそんな凄い精霊なら、あの爆発ヤンキーじゃやられちゃうんじゃないですか？」


黒ローブの男「……俺の決闘盤を持ってこい」


巨乳の女子「…えっ！？ 何も貴方様が直接手を下すことなんて……」


黒ローブの男「…持ってこいと言っている」


巨乳の女子「……はーい。くれぐれも気をつけてくださいね、力の加減と、使いすぎには」



黒ローブの男「…わかっている。少し挨拶をしてくるだけだ。計画の実行の際には俺から合図を送る」


若い女性「…わかりました。お気をつけて」


黒ローブの男「…例の少女の監視は、引き続きお前に任せたぞ」



巨乳の女子「かしこ♪ 任せて下さいっ
ーーー『マイン』様っ♪」




















遊戯王 Ph.X DRAW:６２
《〝不滅の焔〟》















火群【LP 7200】
(モンスター)
『炎王獣 キリン』[DEF 200]
『綿毛トークン』[DEF 0]
『綿毛トークン』[DEF 0]
(魔法・罠)
『炎王の孤島』
伏せ:なし

マンティス【LP 8000】
(モンスター)
『ラヴァル・ツインスレイヤー』[ATK 4400]
『エンシェント・ゴッド・フレムベル』[ATK 2900]
『クリムゾン・ブレーダー』[ATK 2800]
(魔法・罠)
なし


火群「………」

雫「…火群さん…っ！ 眼を瞑ったまま…動きませんよ…っ！？」

結維「…どういう…つもりなのよ……！？」

マンティス「…ようやく死期を悟ったか…。『ラヴァル・ツインスレイヤー』！！ 綿毛トークンを斬り裂けぇぇっっ！！」


《ラヴァル・ツインスレイヤー/Laval Dual Slasher》 †
シンクロ・効果モンスター
星５/炎属性/戦士族/攻2400/守 200
チューナー＋チューナー以外の炎属性モンスター１体以上
自分の墓地に存在する「ラヴァル」と名のついたモンスターの数によって、
このカードは以下の効果を得る。
●２体以上：このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、
もう１度だけ続けて攻撃する事ができる。
●３体以上：このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


ツインスレイヤーが右手に構える剣で綿毛トークンを薙ぎ払う。
すると同時に、剣先から溢れ出す炎が火群を包む。

火群「…ッッ！ ぐぁあああぁああッっぁあああ！！」【LP 7200→ 2800

雫「火群さんっ！！！」

結維「……ッッ！ もうやめて！ 次は私が相手になるわ！ だからこの勝負は中止よ！！」

火群「……まだ…終わっちゃいねぇ！！」

結維「……っ！」


マンティス「………」


火群「………『 熱い炎の中での人の覚醒は計り知れない…』。全くその通りっすよ……スッキー先生！」

マンティス「…今のテメェは手足をもがれ、尾も切れた子犬同然。吠える力ぐらいしか残ってねぇか」

火群「…それでも残ってるもんが１つでもあるってんなら、俺はそいつ１つで意地でも食らいついてやるさ」

マンティス「……」

火群「…俺がダメージを受けたこの瞬間、俺の墓地の『ヴォルカニック・カウンター』の強制効果が発動！！」


《ヴォルカニック・カウンター/Volcanic Counter》 †
効果モンスター
星３/炎属性/炎族/攻 300/守1300
このカードが墓地に存在し、自分が戦闘ダメージを受けた時に発動する。
墓地のこのカードをゲームから除外し、
自分の墓地に「ヴォルカニック・カウンター」以外の炎属性モンスターが存在する場合、
自分が受けた戦闘ダメージと同じ数値のダメージを相手ライフに与える。


反射した炎がマンティスを襲う。

マンティス「……ッッ！！」【LP 8000→3600】

が、しかし───

マンティス「…これでテメェの墓地のヴォルカニック・カウンターはもういない…！ 今度こそ終わりだ…ッ！！」

火群「…まだ、終わりじゃない。俺にはまだ切れるカードがある！ エクストラデッキに！！」

鼓動が───高まる。

マンティス「…なに…？」

勝利を掴めと───叫んで燃える。

火群「───俺の場のモンスターが破壊された場合」

脳に浮かび上がったテキストを、

火群「俺のライフが3000以下なら───」

ただ、読み上げる。

火群「俺の墓地の『炎王神獣 ガルドニクス』を復活させ、その焔は更に進化する！！」

そしてエクストラデッキから1枚カードを抜き出すと、それをガルドニクスの上に重ねて決闘盤にセットした。

マンティス「……！？ なんだあのカードは…ッ？」

白紙のカードは金色に、光り輝く。

火群「───朽ちること無き恒久の翼、今こそ解き放て……ッ！ 不滅の焔が敵を穿つ！舞い上がれ！！」

大地を割り、溶岩とともに現れたガルドニクスの周りを、眩い光を放つ無数の粒子が覆い、ガルドニクスを新たな姿へと作り変えていく。

そして不死鳥は光を纏い舞い上がる。



火群「ーーー『炎王神獣 ガルド・イモータル』！！」



火群の頭上に姿を現した不死鳥。
翼はより大きく、眼はより煌めき、炎はより輝き、その姿は神々しいものだった。




ニクス『ーーーはぁあああぁあああっっ！！』[攻 2700]


いつもの金髪ポニーテールとは少し違く、所々毛元から黒く染まった髪が熱風に揺れる。

ニクス『…覚えておけ……！ 私たちは貴様らなどには絶対に屈しない！！』

マンティス「……だが、ラヴァル・ツインスレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、もう一度続けて攻撃することができる！！ もう一体の綿毛トークンを攻撃すれば───！」

終わり、そう言いかけた。が───

火群「───」

鋭い───眼光。

マンティス「…ッッ！！！」

それがマンティスを捉えて離さない。そして───

マンティス「…何…だってんだよ…ッ！！！クソがクソがクソがクソがクソが！！！！」

荒々しい中にも慎重さを持っていたマンティスの中で、何かが弾けた。

マンティス「ふっッッざけんじゃねぇ！！！！ザコが！！！調子乗ってんじゃねぇぞぉ！！！！」

未知なる存在への恐怖は、思考を遮り、やがて正常な判断すらできなくしてしまう。

マンティス「…クソ不死鳥が…！！まずはテメェからだ！！！ツインスレイヤー！！！奴を木っ端微塵に切り刻め！！！」


『ラヴァル・ツインスレイヤー』[ATK 4400]


ツインスレイヤーが2本目の剣を抜き出しニクスに切り掛かる。

ニクス『…ッ！』


そして一閃。
ニクスの身体は胴体から真っ二つに切り裂かれる───


火群「……！」【LP 2800→1100】


が、しかし。
切り裂かれたニクスの身体は炎となり、再び元の姿を生成する。


マンティス「！！？」

雫「…いま、確かに切られちゃいましたよね…っ！？」

結維「…復活、した…？」


火群「ガルド・イモータルは１ターンに１度、戦闘及びカードの効果で破壊された場合、攻撃力を1000上昇させ復活する！！〝フレイミング・イン・モータル〟！！！」[ATK 2700→3700]

“不滅の炎”は、まだ止まらない。

火群「…更に！！このカードが自身の効果で特殊召喚に成功した場合、俺の場のカードを任意の数破壊し、破壊したカードの数まで、相手フィールド上のカードを破壊する！！」

マンティス「…なにっ！！？」

火群「俺の場の炎王獣 キリンと、綿毛トークンを破壊し、お前の場のクリムゾン・ブレーダーとエンシェント・ゴット・フレムベルを破壊する！
行け！！〝イモータル・フレイム〟！！」

ニクスの両翼が燃え揺らぎ、火群の場のモンスターを自身の炎へと変換させると、灼熱の翼から生み出された無数の炎の弾丸がマンティスのモンスターへと放たれ、炸裂した。

マンティス「………クソ…がァ…ッッ…！！ ターン…、エンド！！
この瞬間、ラヴァル・ツインスレイヤーの攻撃力は元に戻る…ッ」[ATK4400→2400]

マンティス【LP 3600】
場:『ラヴァル・ツインスレイヤー』[ATK 2400]
伏せ:なし
手札:2

火群【LP 1100】
場:『炎王神獣 ガルド・イモータル』[ATK 3700』
伏せ:なし
手札:1


◉TURN:０６◉


そして迎えた、火群のターン。

火群「…俺の……ターン！！ ドロー！！！」【手札:2】

火群「───このドローフェイズ時、手札から速攻魔法『炎王炎環』を発動！！ 場のガルド・イモータルを破壊し、墓地の炎王獣 キリンを蘇生させる！ 」

不死鳥は再び破壊されるが、先程と同じように、弾けた炎は再び鳥の形を成し───

火群「…ガルド・イモータルは破壊されてもエクストラデッキに表側で戻るが、破壊されたガルド・イモータルはエクストラデッキから再び蘇る！！
〝フレイミング・イン・モータル〟！！！」[ATK 2700→3700]


結維「なるほど…ガルドニクスを蘇生効果に特化させたさせた新しい姿って訳ね…！」

そう。まさしく“不滅の焔”の名に相応しき、不死身の進化形態。それこそが───ガルド・イモータルなのだ。

火群「自身の効果で蘇ったガルド・イモータルの効果で、炎王獣 キリンとラヴァル・ツインスレイヤーを破壊する！！〝イモータル・フレイム〟！！」

再びニクスの翼から発せられた炎の弾丸が、マンティスのモンスターを襲う。

マンティス「…！！クソ…ッッ…クソ…ッ！！！」

火群「…はぁ…っ！ はぁ…っ！」

マンティス「………チィ……ッ…こうなったら───」

マンティス（…こうなったら、奥の手使うしかねぇか……ッ！）

マンティスは耳元の通信機に手を当てて火群たちに聞こえないくらいの小声でボソボソと話し始める。


マンティス「………至急あのカードを転送してくれ」


火群「…いくぞ……っ…こいつで……終わりだァァ！！」

マンティス（……っ？）

火群「ガルド・イモータルの攻撃！！ 」

マンティス（………おい…っ、どういうことだ…？）


火群「焼き貫け…ッッ！！」


マンティス（…なぜ応答しねえ…ッ！？）


火群「
ﾊﾞ-ﾆﾝｶﾞﾙﾄﾞ・ｲﾝ・ﾓ-ﾀﾙ
〝不死鳥の滅焔翼〟！！！」


マンティス（ーーー何故だッ！？ 答えろぉおおッッ！！！）





＊＊＊




〜セントラルホール前〜



ドロワ【LP 8000】

戒【LP1400】


◉TURN:０５◉



戒（奴の放った黒い空間………これは間違いなく“闇のゲーム”によるもの。
重苦しい空気に加え、受けたダメージが現実となる。恐ろしい空間だ。更にーーー）

ドロワ「……よく耐えるね、でも、そんな装備魔法ビートじゃあ、僕の【陽炎獣】は捉えられないよね…♪」

戒（…奴の場の5つものエクシーズ素材を有するエースモンスター『陽炎獣 バジリコック』…）

《陽炎獣 バジリコック/Hazy Flame Basiltrice》
エクシーズ・効果モンスター
ランク６/炎属性/炎族/攻2500/守1800
炎属性レベル６モンスター×２体以上（最大５体まで）
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除いて発動できる。
相手のフィールド上・墓地のモンスター１体を選択してゲームから除外する。
また、このカードが持っているエクシーズ素材の数によって、
このカードは以下の効果を得る。
●３つ以上：このカードの攻撃力・守備力は、
このカードのエクシーズ素材の数×２００ポイントアップする。
●４つ以上：このカードは相手のカードの効果の対象にならない。
●５つ：このカードはカードの効果では破壊されない。



バジリコック『ゴギャアアァァァアアア！！』[ATK 3500]


戒（…あの周りで揺らぐ陽炎のせいで効果対象に取れず効果での破壊もできないのでは、パラディオスや開闢の使者で強引に打開することもできない…。だがまだ手はある）

ドロワ「…ほらほらどうしたのー？ 次は君のターンだよ。さっさとかかってきなよ」


戒「…俺のターン！！ ドロー！」【手札 5】


戒「…！ 出し惜しみをしている場合ではないな、本気で行くぞ！
俺は『伝説の預言者 マーリン』を召喚！」[ATK 1400]


《伝説
でんせつ
の預言者
よげんしゃ
マーリン/Merlin》 †
効果モンスター
星３/闇属性/魔法使い族/攻1400/守 500
「伝説の預言者マーリン」の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードをリリースして発動できる。
デッキから「聖騎士」モンスター１体を特殊召喚する。
この効果を発動するターン、自分は「聖騎士」モンスターしか特殊召喚できない。
(2)：墓地のこのカードを除外して発動できる。
「聖騎士」Ｓモンスター１体をＳ召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(3)：墓地のこのカードを除外して発動できる。
「聖騎士」Ｘモンスター１体をＸ召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


ドロワ（ようやく動いた…っ！）

戒「…俺は、伝説の預言者 マーリンの効果を発動！ 自身をリリースし、デッキから聖騎士を呼び覚ます！ 来い！『聖騎士 モルドレッド』！！」[ATK 1700]


《聖騎士
せいきし
モルドレッド/Noble Knight Medraut》 †
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻1700/守1000
このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、通常モンスターとして扱う。
このカードが「聖剣」と名のついた装備魔法カードを装備している限り、
このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードはレベルが１つ上がり闇属性になる。
また、１ターンに１度、自分フィールド上に
このカード以外のモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキから「聖騎士モルドレッド」以外の
「聖騎士」と名のついたモンスター１体を表側守備表示で特殊召喚し、
自分フィールド上の装備魔法カード１枚を選んで破壊する。





戒「更に、装備魔法『聖剣 カリバーン』をモルドレッドに装備！」[ATK 1700→2200]☆4→5
光属性→闇属性


《聖剣
せいけん
カリバーン/Noble Arms - Caliburn》 †
装備魔法
戦士族モンスターにのみ装備可能。
装備モンスターの攻撃力は５００ポイントアップする。
また、１ターンに１度、自分は５００ライフポイント回復できる。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードが破壊され墓地へ送られた場合、
自分フィールド上の「聖騎士」と名のついた
戦士族モンスター１体を選択してこのカードを装備できる。
「聖剣カリバーン」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。
また、「聖剣カリバーン」は自分フィールド上に１枚しか表側表示で存在できない。


戒「カリバーンの効果により、俺は500のライフを回復する」【LP 1400→1900】

戒「そしてモルドレッドが聖剣を手にしたことにより、真の力が解放される！ モルドレッドのモンスター効果、発動！ デッキから新たな聖騎士を呼び起こす！ 来い！『聖騎士 ボールス』！！」[ATK 1700]


《聖騎士
せいきし
ボールス/Noble Knight Borz》 †
効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻1700/守 900
(1)：このカードはモンスターゾーンに存在する限り、通常モンスターとして扱う。
(2)：このカードが「聖剣」装備魔法カードを装備している限り、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードはレベルが１つ上がり闇属性になる。
●自分メインフェイズに発動できる。
デッキから「聖剣」カード３枚を相手に見せ、相手はその中からランダムに１枚選ぶ。
そのカード１枚を自分の手札に加え、残りを墓地へ送る。
「聖騎士ボールス」のこの効果は１ターンに１度しか使用できない。


ドロワ「…へえ……っ♪」

戒「その後、モルドレッドのカリバーンはボールスへと引き継がれる！」

モルドレッド[ATK 2200→1700]☆5→4
闇属性→光属性

ボールス[ATK 1700→2200]☆4→5
光属性→闇属性

戒「カリバーンの効果で再びライフを500回復」【LP 1900→2400】

ドロワ「…チマチマとうざったいなぁ…」

戒「…聖剣を手にしたボールスの効果を発動！ デッキから3枚の聖剣を公開する」


『聖剣を抱く王妃 ギネヴィア』
『聖剣 EX-カリバーン』
『聖剣 ガラティーン』


戒「…そしてその中からお前は一本の聖剣をランダムに選び、引き抜かなければならない。さあ選べ」


ドロワ「……いちばん右だっ！」


『聖剣を抱く王妃 ギネヴィア』


戒「お前の引いた聖剣は俺の手に加わり、選ばれなかった残りの聖剣は全て墓地へ送られる」

デッキ→墓地
『聖剣 EX-カリバーン』
『聖剣 ガラティーン』

戒「…続けてギネヴィアの効果を発動！」


《聖剣
せいけん
を抱
いだ
く王妃
おうひ
ギネヴィア/Gwenhwyfar, Queen of Noble Arms》 †
効果モンスター
星２/光属性/魔法使い族/攻 300/守 300
「聖剣を抱く王妃ギネヴィア」の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：自分フィールドの「聖騎士」モンスター１体を対象として発動できる。
手札・墓地のこのカードを攻撃力３００アップの装備カード扱いとして
その自分のモンスターに装備する。
(2)：装備モンスターの属性によって以下の効果を得る。
●光：装備モンスターが効果で破壊される場合、
代わりにこのカードを破壊できる。
●闇：装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行う
ダメージステップ開始時に発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後このカードを破壊する。


戒「手札のギネヴィアをモルドレッドに装備！」[ATK 1700→2000]☆4→5
光属性→闇属性

ドロワ「…レベル5を2体揃えた…っ！！」

戒「いくら効果耐性を得ようが、関係ない！！それ以上の打点で上から叩き斬るのみだ！！
レベル5となったモルドレッドとボールスでオーバーレイネットワークを構築！！」

ドロワ「…くるか……っ！」

戒「───掲げよ聖剣！ 円卓の主よ！ その双刃で騎士を導き、道なき道を斬り開け！！！ エクシーズ召喚！ 現れろ…ッッ！！
『神聖騎士王 アルトリウス』！！！」[ATK 2200]



《神聖騎士王
しんせいきしおう
アルトリウス/Sacred Noble Knight of King Artorigus》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク５/光属性/戦士族/攻2200/守2200
レベル５「聖騎士」モンスター×２
(1)：このカードがＸ召喚に成功した時、
自分の墓地の「聖剣」装備魔法カードを３種類まで対象として発動できる。
対象のカードをこのカードに装備する。
(2)：１ターンに１度、このカードのＸ素材を１つ取り除き、
このカード以外のフィールドのモンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
(3)：このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、
自分の墓地のレベル４以上の「聖騎士」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。


戒「……円卓の主の名の下に───聖剣よ集え！！！」

アルトリウス[ATK 2200→3700]
@『聖剣 EX-カリバーン』
『聖剣 ガラティーン』
『聖剣 カリバーン』

戒「……俺に炎属性のデッキで挑んだのが間違いだったな。生憎だが炎の相手をするのは慣れている」

ドロワ「…言ってくれるじゃん…っ、きなよ…ッ！！」




＊＊＊




時は戒とドロワが決闘を始める直前まで戻り…

〜セントラルホール前・茂みの中〜




明日人「………で、貴方がなんでこんなことするんですかーーー『東雲 竜貴(しののめ りゅうき)』先輩」


明日人を茂みにひきずり込んだのは、カードショップ『カナリア』でも権利戦にて明日人、火群を倒した決闘者ーーー東雲 竜貴だった。


竜貴「………丁度覚えのある姿を見つけたもんでなぁ。突然茂みの中に引きずり込んだのは悪かった」

明日人「…事情はなんとなくわかりましたよ。あそこで斬波 戒って人と決闘しようとしてる奴は良く見覚えがあるんで」

竜貴「…おっ？ マジか。なら話は早い」

明日人「…ですけどこうやって巻き込まれたからには、詳しい話は聞かせて欲しいっす」

竜貴「…そいつは勿論構わないさ。勝手に巻き込んじまったわけだからな………だがその前に」

明日人「……？」


竜貴「…2人だ」


明日人「…！」

竜貴「…そこにいるのはわかってんだぜ。出てこいよ」


ガサガサッ！

終焉の焔1「…チッ、流石にあんたの“眼”は出来が違うな…！」

終焉の焔2「互いに姿を晒したからには、貴様らも我らの前にひれ伏してもらおう」

竜貴「…やれるか？ 明日人。タッグデュエルだ」

明日人「…ええ、否が応でもやりますよ」



「「決闘！！」」






＊＊＊




〜森林エリア〜





マンティス「………」【LP 3600→0】


ガルド・イモータルの直接攻撃を受けたマンティスは全身を炎に焼かれ、身体中から煙を発しながら呆然と立ち尽くしていた。

火群「はぁ…！ハァ…っ…！」

死闘の末、勝利したのだ。

火群「……かっ…た…！」

火群の勝利と共にマンティスの持つDUEL GEARからパスカードが勢いよく飛び出し、飛んでいく。

結維「！」

雫「……火群さんっ！」

火群「…やったぜ……ニクス、結維さん、柏木さん」

結維「…バカ、あんなの、勝ったうちに入んないわよ……ったく、ハラハラさせるんだから」

火群「…全くホントに……な…」

そう言いながら火群の足はその場に崩れ、火群はうつ伏せに倒れこんだ。

ニクス『…火群！！！』

結維「…っ！」

雫「火群さん！？」

それに加え妙な不安感がその場には残っていた。

結維「……どうして…！？」

雫「…決闘に勝ったのに、“黒いもや”が消えてませんよ……！？」


マンティス「………ククク……ッ」

呆然と立ち尽くしていたマンティスが不敵に喉を鳴らす。


マンティス「俺ァ負けてねぇ…！！クソが…クソがぁああぁあああァァッ！！！！」

そしてマンティスは地面を蹴り、半分実体化しているニクスの眼の前へと一瞬で駆け寄った。

ニクス『！！』

ニクスの首元へと手を伸ばすが───

結維「…流石に許さないわよ」

───瞬間、一歩で割り込んだ結維の“右手”がマンティスの手首を固く掴み離さない。

マンティス「…！！？ （なんだこの女……！？ この力、人間の力じゃねぇ！！）」

雫「…！？ ユイさん！？」

結維「…“黒いもや”でカメラが機能してないって言うなら、私にもやりようがあるわ───ぜりゃあぁっ！！」

結維は、掴んだマンティスの手を離さぬまま、左の義手でマンティスの腹部に強烈な掌打を繰り出す。

マンティス「…っ！！ ガッ…っフぁ…ッッ！！」

雫「はわわーっ！？ ちょっとユイさん！？ 暴力は禁止行為じゃぁ……」

結維「…そんなこと言ってる場合じゃないわ！ 今のうちに逃げるわよ！ セントラルホールに！ パスカードも手に入ったし！」

雫「…はわっ！？ いつの間に！」

結維「…奴のパスカードがこっちの方角に飛んで行くのが見えたから。キャッチできない速さじゃ無かったわ」

雫「結構な速さだったと思うんですが……」

結維「…このバカは私が担ぐから、急ぎましょ！ 不死鳥さん、貴女も！」

ニクス『…ああ、すまない、行くぞ！』

マンティス「…っっ！ 待ち…やがれ…ぇえ…っ！！」


駆けて行く結維たち。その背中がだんだん小さくなる中───



マンティス「……クソ…ッが…！ 早く追わねぇと…ッ！」



？？「…その必要はない」



───声。


マンティス「！！？ ぐが…ッッッ！！！」


？？「お前はよく働いた。せめて安らかに眠れ───」



マンティス「…テメェ……ッ！！」



マイン「───『マインの意思』の導くままにな」




マンティス「…マイイィイイイィィインッッ！！！」





森林に、煉獄の焔が灯る。




To Be Continued…












《次回予告》



煉獄の焔は敵だけでなく、味方までも焼き尽くす。




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:６３ 強襲、煉獄の悪魔




その姿は、悪魔かーーー不死鳥か。