DRAW:１０３ 計算し尽くされた決闘　作：人喰い

(103)



【火群side】




火群【LP 8000】

宮本【LP 8000】



宮本「ーーー授業の時間だ！ 僕の先攻！ 」【手札 5】

宮本「…僕は、カードを4枚伏せて、ターンエンドだ」【手札 1】


◉TURN０２◉


モンスターを召喚してこない…！ けど伏せが４枚か……っ、罠で守りをカッチリ固めるタイプのデッキなのか…！？
けど、俺の『炎王の急襲』を警戒して不用意にモンスターを出さなかったって事も考えられる…！ 全然油断できないな……っ！


火群「…俺のターン！ ドロー！」【手札 6】

火群「俺は、『炎王獣 キリン』を召喚！！」[ATK 1000]

火群「……更に、フィールド魔法『炎王の孤島』を発動！！」


《炎王の孤島/Fire King Island》
フィールド魔法
「炎王の孤島」の(1)(2)の効果は１ターンに１度、いずれか１つしか使用できない。
(1)：自分メインフェイズにこの効果を発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター１体を選んで破壊し、
デッキから「炎王」モンスター１体を手札に加える。
(2)：自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこの効果を発動できる。
手札の鳥獣族・炎属性モンスター１体を特殊召喚する。
(3)：フィールドゾーンの表側表示のこのカードが、
墓地へ送られた場合または除外された場合に発動する。
自分フィールドのモンスターを全て破壊する。


火群「この効果で、俺の場のキリンを破壊して、デッキから『炎王獣 バロン』を手札に加える！」【手札 5】

火群「そして破壊されたキリンの効果で、俺はデッキの『ヴォルカニック・カウンター』を墓地へ！」

宮本「…ふむ……」

火群「まだだ！ 俺の場の炎王モンスターが破壊されたことで、手札の『炎王獣 ヤクシャ』を特殊召喚！！」[ATK 1800]

火群「続けて手札から永続魔法『炎舞ー天枢』を発動し、その効果で獣戦士族モンスターを召喚できる！来い！『炎王獣バロン』！！」[ATK 1800]

火群「…天枢が場にある限り俺の場の獣戦士族モンスターの攻撃力はそれぞれ100アップだ！」

『炎王獣バロン』[ATK 1800→1900]
『炎王獣ヤクシャ』[ATK 1800→1900]

宮本「…！」

火群「…バトルだ！！ バロンでダイレクトアタック！！」

『炎王獣 バロン』[ATK 1900]

宮本「……甘いですねぇ、市瀬。伏せカードオープン！ 永続罠 『メタル・リフレクト・スライム』！」

火群「！！」


《メタル・リフレクト・スライム/Metal Reflect Slime》 †
永続罠
(1)：このカードは発動後、効果モンスター（水族・水・星１０・攻０／守３０００）となり、
モンスターゾーンに守備表示で特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う。
(2)：このカードの効果で特殊召喚されたこのカードは攻撃できない。


宮本「発動後、このカードはモンスターとなって場に特殊召喚され、守備力3000の壁となる！」

『メタル・リフレクト・スライム』[DEF 3000]☆10

火群「…くっ…！ 攻撃は中断……、メインフェイズ2に移行…！」

宮本「……市瀬、君の言う“熱い魂の決闘”はこんなものなのか…？ 3000という数字に圧倒される程度のものなのか…！？」

火群「…まだまだぁ！！ 俺の場にはレベル4のモンスターが２体…！」

栗須「…？ 火群のやつ…、何するつもりだ…！？」

明日人「…まさか……！！」


火群「…２体のモンスターでオーバーレイ！！ エクシーズ召喚！！」


栗須「…エクシーズ召喚…！？」

明日人「…！！（…火群も……エクシーズ召喚を……！？）」


火群「現れろ！ ランク４、『魁炎星王ーソウコ』！！」[ATK 2200→2300]


《魁炎星王
かいえんせいおう
－ソウコ/Brotherhood of the Fire Fist - Tiger King》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク４/炎属性/獣戦士族/攻2200/守1800
獣戦士族レベル４モンスター×２
このカードをエクシーズ召喚した時、
デッキから「炎舞」と名のついた魔法・罠カード１枚をセットできる。
また、１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除く事で、
獣戦士族以外のフィールド上の全ての効果モンスターの効果を
相手ターン終了時まで無効にする。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、
自分フィールド上の表側表示の「炎舞」と名のついた
魔法・罠カード３枚を墓地へ送る事で、
同じ攻撃力を持つレベル４以下の獣戦士族モンスター２体を
デッキから守備表示で特殊召喚する。


宮本「…ほう…！ エクシーズ召喚…！」

火群「…ソウコがエクシーズ召喚に成功した時、デッキの『炎舞』をセットできる！ 俺は『炎舞ー天璣』をセット！ そして発動！」

《炎舞
えんぶ
－「天
テン
キ」/Fire Formation - Tenki》 †
永続魔法（準制限カード）
「炎舞－「天キ」」は１ターンに１枚しか発動できない。
(1)：このカードの発動時の効果処理として、
デッキからレベル４以下の獣戦士族モンスター１体を手札に加える事ができる。
(2)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
自分フィールドの獣戦士族モンスターの攻撃力は１００アップする。


『魁炎星王ーソウコ』[ATK 2300→2400]

火群「デッキから『熱血獣士ウルフバーグ』を手札に加える！
…俺はこれでターンエンド！」【手札 3】

宮本「…このエンドフェイズ、僕はもう一枚の『メタル・リフレクト・スライム』を発動する！」

『メタル・リフレクト・スライム』[DEF 3000]☆10

火群「…！ 守備力3000のモンスターがもう一体…！」

だけどあんなに守備を固めて…、一体何を狙っているんだ…？















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１０２ーーー
《計算し尽くされた決闘》
















◉TURN０３◉


宮本「ーーー僕のターン、ドロー！」【手札 2】


宮本「僕のとっておきを見せてやる！ 僕は、『ザ・カリキュレーター』を召喚！！」[ATK ？]☆2


《ザ・カリキュレーター/The Calculator》 †
効果モンスター
星２/光属性/雷族/攻 ?/守 0
(1)：このカードの攻撃力は、自分フィールドのモンスターのレベルの合計×３００になる。


火群「…！ 攻撃力が『？』のモンスター…！」


宮本「…このカードの攻撃力は、僕の場のモンスターのレベルの合計に300を掛けた数値となる！ よって攻撃力は6600！！」

『ザ・カリキュレーター』[ATK 0→6600]

火群「攻撃力6600だって…！？」

栗須「！ …このためのメタル・リフレクト・スライムか…！！」

明日人「ただの壁って訳じゃ無かったんだ…！」

宮本「…行きますよ…ッ！ カリキュレーターでソウコを攻撃！！」

『ザ・カリキュレーター』
[ATK 6600]
ーーーVSーーー
[ATK 2400]
『魁炎星王ーソウコ』


カリキュレーターが指先で激しく増幅させた電撃がソウコを貫通し、俺の肩に触れ迸る。


火群「…ぐあぁっ…ッ！！」【8000→3800】

宮本「…この圧倒的な“数字”…！ なんて美しいんだ…」

明日人「………ッ……」

火群「……まだ…まだ…ッ！ 墓地のヴォルカニック・カウンターを除外して効果発動！！ 俺が受けたダメージと同じ分だけ、相手にもダメージを与える！」

宮本「…勿論それも計算済だ！ 伏せカードオープン！『黒板消しの罠』！」


《黒板消
こくばんけ
しの罠
わな
/Trap of Board Eraser》 †
カウンター罠
ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができる。
自分が受けるその効果ダメージを無効にし、相手は手札を１枚選択して捨てる。


宮本「この効果で、ヴォルカニックカウンターの効果を無効にする！」

突如、俺の頭上から黒板消しが落下して来た。

火群「…ケホッ！ エホッッ！…くっそ…！」

宮本「…まだまだ計算が足りないな…！
更に、黒板消しの罠の効果で手札を一枚捨ててもらおう」

火群「…くっ…！」

-墓地-
『炎王の孤島』


火群「…結構やられちまったけど…、俺たちの魂は折れちゃいないっすよ…！ 絶対に勝つ！」

宮本「なら、それを証明する方程式を解いてみるがいい…！ 君の信じる決闘という数式を使ってな…！
ターンエンド！」


◉TURN０４◉


火群「…俺のターン！ ドローッ！！」【手札 3】

この状況を突破できんのは、ニクス！ お前しかいねぇ…！

火群「……俺は、『炎王の急襲』を発動！」


《炎王
えんおう
の急襲
きゅうしゅう
/Onslaught of the Fire Kings》 †
通常魔法
相手フィールド上にモンスターが存在し、
自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキから炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、
エンドフェイズ時に破壊される。
「炎王の急襲」は１ターンに１枚しか発動できない。


火群「…デッキより現れろ！！ 勝利へ導く紅蓮の翼！！『炎王神獣 ガルドニクス』！！」[ATK 2700]


《炎王神獣
えんおうしんじゅう
ガルドニクス/Fire King High Avatar Garunix》 †
効果モンスター
星８/炎属性/鳥獣族/攻2700/守1700
このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
次のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、
このカード以外のフィールド上のモンスターを全て破壊する。
また、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、
デッキから「炎王神獣 ガルドニクス」以外の
「炎王」と名のついたモンスター１体を特殊召喚できる。


宮本「……きたか…、あれが市瀬のエースモンスター…！」


火群「炎王の孤島の効果発動！ 場のガルドニクスを破壊して、デッキから『炎王獣 バロン』を手札に！」【手札 3】

火群「そして、場の炎王モンスターが効果で破壊された事で、手札のバロンを特殊召喚！」[DEF 200]

宮本「…守りを固めるしかできないか」

火群「…いいや、これは俺にとっての、最大の攻めの一手だ……！ カードを１枚伏せてターンエンド！」【手札 1】


◉TURN０５◉


宮本「…僕のターン！ ドロー！」【手札 2】

火群「……このスタンバイフェイズ時、カードの効果で破壊されたガルドニクスは蘇る！！」[ATK 2700]

火群「更に、自身の効果でガルドニクスが蘇った時、ガルドニクス以外の場のモンスター全てを破壊する！！
いっけぇえぇええっっ！！」

栗須「…これならいくら守備力、攻撃力が高いモンスターでも一網打尽だ！」

明日人「……ッ（確かに、これ以上ない完璧な解答のはず…！ けど、そんな簡単にいくもんなのか…！？）」


宮本「……罠モンスターを使い、何体もモンスターを展開する以上、『ブラックホール』や『ハーピィの羽箒』等の全体除去は天敵と言っていい…」

火群「……！」

宮本「だが当然、それら天敵……“苦手な問題”に対する対策をするのは決闘者として当たり前の事。つまりーーー」

炎が荒れ狂う中で、先生は左中指で眼鏡の位置を修正し、続けた。


宮本「ーーーそれも計算済だ」


火群「…ッ！！」

ふと見ると、先生の伏せカードがオープンしている。


宮本「カウンター罠、「大革命返し』ッ！！」


《大革命返
だいかくめいがえ
し/The Huge Revolution is Over》 †
カウンター罠
(1)：フィールドのカードを２枚以上破壊する
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし除外する。


宮本「…ガルドニクスの効果を無効にし、除外する！！」

火群「ッ！！ カウンター罠だから…、スペルスピード２のカードじゃチェーン発動できない…！？」

自らの放った炎によってガルドニクスは包まれ、除外されてしまう。

火群「…くそ…っ！ ごめん…！ ニクス…ッ！」

宮本「この程度とは、拍子抜けしたな。やはり来週以降の補修も確定か……」

火群「……！！」

それは……困る！！

来週は合宿に行かなきゃなんねーんだ…！ こんなとこで負けるわけにはいかねぇよな…！！


火群「…俺の決闘は、電卓なんかじゃ測れねぇ…！！ この程度で終わるほど、簡単に割り切れやしないってとこ……見せてやる！！」








To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１０４ 割り切れぬ想い




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙