DRAW:１５２ 進撃、文具のサイボーグ　作：人喰い

(152)


〜積木町・ネットカフェ〜


爽香「ーーー明日人くんからのメッセージ……『敵』、ってなんだろ、和泉ちゃん」

和泉「…えっと…、そのままの意味だと思いますけど…。敵と遭遇して急いでメッセージ飛ばしてくれたんじゃぁ…？」

爽香「…やっぱそうだよね…。というか、今日来るとは聞いてたけど、まさか日付変わった瞬間に襲撃してくるとはやられたね…」

和泉「他のみんなのところにもすぐ来るかもしれないから、一応連絡取り合っておきましょう…っ！」

爽香「…ええ、そうね！」


和泉（……明日人くんたち…、無事だといいんだけど…っ）















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１５２ーーー
《進撃、文具のサイボーグ》















〜黒髭中学校・校門〜




剛田【LP 8000】

和也【LP 8000】


真和【LP 8000】



＊２VS１の変則決闘。
剛田・和也側の場、ライフは別々。




真和「………」

真和は余裕の表情で剛田と和也を見据える。
そして右手中指で眼鏡をクイっと持ち上げ、宣告した。


真和「ーーーこれより試験を始める。
制限時間はーーー3ターンだ」


剛田「……んだと…！？」

和也「…相変わらずナメやがって…！！」


◉TURN:０１◉

剛田「制限時間なんて知るかよ…ッ！ 俺様から行かせてもらうぜ…ッ…！」[手札 5]


剛田「…俺様のカードはこいつだ！！
いけぇっ！『ゴブリンエリート部隊』！！」[ATK 2200]


《ゴブリンエリート部隊
ぶたい
/Goblin Elite Attack Force》 †
効果モンスター
星４/地属性/悪魔族/攻2200/守1500
(1)：このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、
次の自分ターンの終了時まで表示形式を変更できない。


剛田「更にゴブリンエリート部隊に『デーモンの斧』を装備！！」

『ゴブリンエリート部隊』[ATK 2200→3200]

剛田「…どうだぁ！！ 攻撃力3200！！ 簡単には突破できねぇぜッ！」

真和「………」

剛田「カードを２枚伏せてターンエンド！！
…頼むぜ、新田！！」[手札 1]


◉TURN:０２◉


和也「…任せろ！ 俺のターン！！」[手札 5]

和也（…しかし、なんで宮本のヤローは学校に攻撃を…？
それに警察がこの付近を取り囲んでたって事は、この襲撃を事前に知っていたって事なのか…！？）

和也「…くっそ…っ！ 色々とわけわかんねぇ事ばっかだが、今俺がやるべき事は変わんねぇ！ 宮本…！！ お前をぶっ倒す！！
理由は『なんかムカつくから』だ！！」

真和「…全く、これだから不良生徒は…。
試験中は、私語を慎め」


和也「……チッ…！ いつまでも教師面してんじゃ………ねぇ！！
俺は手札から『予想GUY』を発動！！」


《予想ＧＵＹ
よそうガイ
/Unexpected Dai》 †
通常魔法
(1)：自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
デッキからレベル４以下の通常モンスター１体を特殊召喚する。


和也「この効果で『ジェネティック・ワーウルフ』を特殊召喚！！」[ATK 2000]


《ジェネティック・ワーウルフ/Gene-Warped Warwolf》 †
通常モンスター
星４/地属性/獣戦士族/攻2000/守 100
遺伝子操作により強化された人狼。
本来の優しき心は完全に破壊され、
闘う事でしか生きる事ができない体になってしまった。
その破壊力は計り知れない。


和也「更に儀式魔法『覚醒の証』を発動！」

《覚醒
かくせい
の証
あかし
/Emblem of Awakening》 †
儀式魔法
「覚醒戦士 クーフーリン」の降臨に必要。
手札・自分フィールド上から、レベルの合計が４以上になるように
モンスターをリリースしなければならない。


《覚醒
かくせい
の証
あかし
/Emblem of Awakening》 †
儀式魔法
「覚醒戦士 クーフーリン」の降臨に必要。
手札・自分フィールド上から、レベルの合計が４以上になるように
モンスターをリリースしなければならない。


和也「俺は手札の『ゴギガ・ガガギゴ』をリリースしてーーー儀式召喚！！
現れろ！！『覚醒戦士 クーフーリン』！！」[ATK 500]


《覚醒戦士
かくせいせんし
クーフーリン/Cú Chulainn the Awakened》 †
儀式・効果モンスター
星４/光属性/戦士族/攻 500/守1000
「覚醒の証」により降臨。
１ターンに１度、自分の墓地に存在する通常モンスター１体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターをゲームから除外し、除外したその通常モンスターの攻撃力分だけ、
次の自分のターンのスタンバイフェイズ時までこのカードの攻撃力をアップする。


真和「……儀式召喚か…。
それに、リリースに使用したのは、通常モンスターの中でもあの『青眼の白龍』に次ぐ攻撃力を誇るゴギガ・ガガギゴ…」

和也「…クーフーリンの効果発動！ …墓地のゴギガ・ガガギゴを除外する事で、次の自分のスタンバイフェイズ時まで、除外したモンスターの攻撃力をその槍に吸収する！！」

剛田「…ゴギガ・ガガギゴの攻撃力は2950…！！ こりゃすげぇパワーが期待できそうだぜ…！！」

和也「…ゲイボルグ…ッ！！ 倒れた仲間の力をその身に宿せ！！」

和也が腕を前に突き出すと、それに呼応するように、ガガギゴの魂がクーフーリンの持つ神槍ーーーゲイボルグに宿り光り輝く。


『覚醒戦士 クーフーリン』[ATK 500→3450]


和也「…へ…っ！ どうだ…！！
この圧倒的攻撃力…ッ！！」



だが、真和は一切動じない。


真和「ーーーその程度の“数値”しか出せないようでは、話にならんな」

和也「……何だと…！？」

剛田「…ッ…どうせハッタリだぜ！！ 二人相手に勝てるわけねぇ！！」

和也「……カードを２枚伏せて、ターンエンド…！！」[手札 0]

和也（…くそ…っ！ なんだこの不安感は…！！
よく考えても見ろ。剛田の言う通り、こっちは二人で、ライフも倍…。負けるわけねぇ…！ 負けるわけねぇじゃねえか…！）



◉TURN:０３◉



真和「ーーー残念ながらタイムアップのようだな。
それでは、答案を回収する」

剛田「…はぁ…！？」

和也「…嘘だろ…！３ターンって…、お前のターンも数えての３ターンなのかよ……ッ！？」

和也（…俺たちが先攻を取った時点で、最初から３ターンで倒すなんて無理な話じゃねーか…！）


真和「…僕のターンが回ってきた時点で、君達の敗北の解は出ている。諦める事だな…。
ーーー僕のターン、ドロー」[手札 6]


真和「…『ブンボーグ００３』を召喚」[ATK 500]


《ブンボーグ００３/Deskbot 003》
効果モンスター
星３/地属性/機械族/攻 500/守 500
(1)：このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「ブンボーグ００３」以外の「ブンボーグ」モンスター１体を特殊召喚する。
(2)：１ターンに１度、自分フィールドの「ブンボーグ」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、
自分フィールドの「ブンボーグ」カードの数×５００アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。


和也「…ブンボーグ…だと…？ あれが宮本のデッキか…！」

剛田「…へっ！ どんな効果を持ってるか知らねーが！ こいつで退場してもらうぜ！ カウンター罠発動！ 『神の警告』！！」【LP 8000→6000】


《神
かみ
の警告
けいこく
/Solemn Warning》 †
カウンター罠（準制限カード）
(1)：２０００ＬＰを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターを特殊召喚する効果を含む、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する際に発動できる。
それを無効にし、そのモンスターを破壊する。


和也「ナイスだ剛田！ 宮本は召喚権も使ったし、これ以上の展開は難しいはず…！」

神の雷が００３に向かう中、真和の表情は１ミリも揺らがない。
それさえ計算通りと言わんばかりに、手札のカードをチェーン発動させる。


真和「ーーー付けられた点数は覆らない。ライフを半分支払い、手札からカウンター罠発動、『レッドリブート』ーーー」【LP 8000→4000】


《レッド・リブート》 †
カウンター罠
このカードはＬＰを半分払って手札から発動する事もできる。
(1)：相手が罠カードを発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、そのカードをそのままセットする。
その後、相手はデッキから罠カード１枚を選んで自身の魔法＆罠ゾーンにセットできる。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手は罠カードを発動できない。


和也「…何…！？」

剛田「…手札から罠カードだとッ！？」


真和「ーーーこの効果により、神の警告は無効となる」

剛田「…クソ…！」

真和「…だがその代わりに、デッキから罠カードを１枚選びフィールドにセットするがいい」

剛田「……！ 俺は『神の宣告』をセットするぜ」

和也（神の警告を防がれはしたが、俺たちの場にはあと３枚の伏せカードがある。守りは万全…。
更に次のターンは剛田の『神の宣告』で安全に攻められる…！ この勝負、貰ったぜ…ッ…！）


真和「ーーー更に、レッドリブートの発動後、相手は罠カードを発動できない」

剛田「…！！？」

和也「…！ マジ…かよ…！！」

和也（…まだ焦るな…！ 宮本はライフを半分も削ってんだ…！ 大丈夫…！ 大丈夫だろ…ッ…！？）



真和「…００３の召喚時、効果発動。
デッキから現れよ、『ブンボーグ００２』！」[ATK 500]


《ブンボーグ００２/Deskbot 002》
効果モンスター
星２/地属性/機械族/攻 500/守 500
(1)：このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「ブンボーグ」カード１枚を手札に加える。
(2)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
このカード以外の自分フィールドの機械族モンスターの攻撃力・守備力は５００アップする。


和也「…また攻撃力500のモンスター…！？」


真和「００２の効果発動！ デッキから『ブンボーグ００５』を手札に加える」

剛田「！！」

和也「…！」

真和の手に加わったカードを見て二人は目を疑う。
それもそのはず、『ブンボーグ００５』のカードは、二人がかつて見たことのないーーー２色のカード枠を持つカードだったからだ。

和也「…んだよあのカード…！？」

剛田「…上半分が茶色で、下半分が緑…ッ？
あんなカード見た事ねぇぞ…！！」

真和「…当たり前だ。この次元のカードでは無いのだからな…。
…では、今こそ見せようか……“ペンデュラム”のカードを…！！」


和也「……ッッ…！」


真和「ーーー僕は“ペンデュラムゾーン”に、『ブンボーグ００５』、そして『ブンボーグ００６』をセッティング！！」


『ブンボーグ００５』
[♦︎10]
9
~
2
[♦︎1]
『ブンボーグ００６』


剛田「…！！？？」

和也「……魔法罠ゾーンの両端に新たな領域が…！！」


真和「ーーーこれにより、レベル2から9のモンスターが同時に召喚可能となった…ッ…！！
今こそ終焉の鐘を鳴らそう…ッ…！ 全員着席、私語は慎め…！！
ーーーペンデュラム召喚…ッッ！！！」







To Be Continued…






《次回予告》


爽香「ねぇねぇ和泉ちゃん」

和泉「…なんですか？ 明石さん」

爽香「市瀬くんとはどこまでイッたの？」

和泉「ぶふぉぉっっ！
ななっなななにをおっしゃいますかぁっ！」

爽香「あはは、そんなに露骨に焦んなくても。
どこまでイッたのかお姉さんに言ってみ〜？」

和泉「…え、えー…、嫌ですよぉ…っ。大したこともしてないですし…。と、というか！ そもそもそういう関係でもないというか…っ！」

爽香「…もーっ、隠さないでよ〜。病院の一室で二人きりなんて、何も無い方がおかしいでしょー」

和泉「いやっ…！ 本当に何も無いですって！ 火群くんが入院中も、排尿の手伝いをしたくらいで……っっ」


爽香「えっ」


和泉「…えっ？」




爽香「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１５３ 裁きの答案返却」




爽香「………おっきかった？」


和泉「知りませんよぉっっ！！///」

爽香「モンスターカードに例えると？」


和泉「………」



和泉「『ナチュル・バンブーシュート』…？///」


爽香「わぁ、リアル」



＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙