DRAW:２０ 炎風のアルカディア　作：人喰い

ニクス「おい、千愛。今回私たちの出番はここだけらしいぞ」

千愛「ファッ！？」






遊戯王 Ph.X DRAW:２０
《炎風のアルカディア》






火群【LP 2000】

栗須【LP 2500】


◉TURN:３◉

栗須「へへっ、一気に決めてやるぜ！ 俺のターン、ドロー！」

栗須【手札:１枚】

栗須「シムルグでダンディライオンを攻撃！〝ゴッドバード・アタック〟！」


神鳥 シムルグ
[攻 2700]
ーーーVSーーー
ダンディライオン
[守 300]


バリィィン！

火群「くっ…！ ダンディライオンが墓地へ送られた時、綿毛トークン２体を場に残す」

綿毛トークン[守 0]x２

栗須「ちっ…！ だが、俺のエンドフェイズ時、シムルグの効果で1000ポイントのダメージをお前に与えるぜっ！〝ゴッドトルネード〟！！」

火群「ぐ……っ、ぁあぁぁっ！」【LP 2000→1000」」


こんなもの。
あの時のーーー闇のデュエルに比べたら、どうってことはない。

栗須「俺のターンはこれで終わりだ！」


古宮栗須【LP 2500】
場:神鳥 シムルグ[攻 2700]
伏せ:２枚/手札:１枚

市瀬火群【LP 1000】
場:綿毛トークン[守 0]x２
伏せ:なし/手札:３枚


◉TURN:４◉


火群「俺のターンだ！ ドロー！」

火群【手札:４枚】


和泉「……火群くん、大丈夫かな…」

火群「いくぜ…！ 綿毛トークン２体を生贄に捧げーーー爆炎纏いし鳳凰神よ、今こそ出でて希望を示せ！『ネフティスの鳳凰神』を召喚！！」


ネフティス『キュァアアアァアッッ！！』
ネフティスの鳳凰神[攻 2400]


栗須「攻撃表示、だと…！？ シムルグの方が攻撃力は上……！」

火群「そんな事知ってらぁ！」

ニクスがいない今、俺はこいつに託したぜ！


和泉「…きっとなにか、考えがあるんだね…っ！」


火群「…速攻魔法発動！『炎王先駆』！ このカードは、自分フィールド上に存在するモンスターが炎属性モンスター１体のみの場合、そのモンスターを選択して発動できる…！ デッキから、選択したモンスターと同レベルの炎属性モンスター１体をゲームから除外し、選択したモンスターの攻撃力を、除外したモンスターの攻撃力分アップさせる！ …ネフティスのレベルは８。除外するカードは、同じレベル８の『炎王神獣 ガルドニクス』！！」


ゴォオオォオオッ！！


火群「ガルドニクスの力をネフティスが受け継ぐ！」

鮮やかな炎王神獣の煌炎がネフティスの妖炎と合わさり、更に炎の純度が増す。
高貴なる、不死鳥の炎へーーー。


ネフティスの鳳凰神[攻 2400→5100]


火群「いっけぇーっ！ ネフティス！〝リバイバル・ブレイズ〟！」


『ネフティスの鳳凰神』
[攻 5100]
ーーーVSーーー
『神鳥 シムルグ』
[攻 2700]


栗須「ぎゃーーす！」【LP 2500→100】

和泉「……なに、あの叫び方…」

栗須「あ、あっぶねぇ…」

火群「カードを１枚伏せ、ターンエンドだ！そしてこのエンドフェイズ時、『炎王先駆』の効果を受けたモンスターは破壊される 」


バリィィン！


市瀬 火群【LP 1000】
場:なし
伏せ:１枚/手札:２枚

古宮 栗須【LP 100】
場:なし
伏せ:２枚/手札:１枚


和泉「なんとか相手のライフを１００まで削ったけど、火群くんの場にモンスターは居ない……。攻撃力１０００以上のモンスターを引かれたら…」


◉TURN:５◉


栗須「俺のターン！ ドロー！」

栗須【手札:２枚】

栗須「くっ…ははは！ ここで俺が何を引こうが、実は関係ないんだよね！ リバースカードオープン！『ゴッドバード・リバイヴ』！」

《ゴッドバード・リバイヴ》
・通常罠
自分または相手の墓地の鳥獣族モンスター１体を選択して発動する。
選択したモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。


和泉「えっ！！ ちょっとヤバイんじゃないの！？」

火群「……っ…！」

栗須「墓地のシムルグを召喚条件を無視して特殊召喚！ 再び突風を巻き起こせ！」


神鳥 シムルグ[攻 2700]


火群「………」


栗須「どうせその伏せカードはブラフだろ！ これで終わりだ！ シムルグの攻撃！〝ゴッドバードアタック〟！」


火群「…確かに伏せカードはブラフだ」


栗須「なにっ！？」

和泉「えっ！ それ言っちゃうの！？」


火群「だが俺にはまだ、切れるカードが、手札がある！ 手札の『炎王獣 ヴェスター』を効果により守備表示で特殊召喚！」

炎王獣 ヴェスター[守 0]

栗須「くそ…！ バトル続行だ！」


神鳥 シムルグ
[攻 2700]
ーーーVSーーー
炎王獣 ヴェスター
[守 0]


バリィィン！


栗須「…カードを１枚伏せてターンエンドだ！ シムルグの効果で、火群に５００ポイントのダメージ！」


火群「くっ…！」【LP 1000→500】


和泉「火群くんっ！」


火群「これくらい平気だよ桜庭さん。それに今は〝市瀬くん〟だろ？」

俺は笑顔で応じる。
思えば笑顔で人に接するのって、物凄い久しぶりだな。

和泉「良かった…」

和泉も安心してくれてるみたいだし、まぁいっか。


その安心も、これから確信に変わるわけだし。


俺は再び前を向き、栗須に対して、言う。言い放つ。


火群「俺のターンが回ってきた時点で、俺の勝利は確定した」


栗須「何だと…っ！」


火群「いや、正確にはお前のプレミだな」

栗須「は？」

火群「わかるか？ プレイングミスだよ。お前がゴッドバード・リバイヴでシムルグを蘇生させた時点で、俺の勝ちはすでに確定していたと言っても過言じゃあねぇ」

栗須「な、なにを言って…」

そう言う栗須の声は震えている。
わけもわからず、震えている。


火群「今から、お前に勝ちを見せてやる」


市瀬 火群【LP 500】
場 なし
伏せ:１枚/手札:１枚

古宮 栗須【LP 100】
場:神鳥 シムルグ[攻 2700]
伏せ:２枚/手札:１枚


◉TURN:６◉


火群「俺のターン！ドロー！」

火群【手札:２枚】

ゴォオォオオ！！

俺の右手が真っ赤に燃える。
勝利を掴めと叫んでいるようないないような。
だが俺は勝つ。
負けたら死ぬわけでもなければ、何かを奪われるわけでもない。

ただ、負けたら恥ずかしいじゃんか。

これは最早、意地だ。


火群「このスタンバイフェイズ時、カードの効果によって破壊されたネフティスが蘇る！」


ゴォオォオオ！！


ネフティスの鳳凰神[攻 2400]


灼熱の翼を持つ鳳凰が、爆炎の中から姿を表す。
その翼が羽ばたく度に火の粉が舞い火花が散る。

火群「ネフティスが自身の効果で蘇生した時、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する！」

バリィィン！

栗須「…い、今更何をしたところで、攻撃力はシムルグの方が上…シムルグを破壊しない限り俺に攻撃は通らない！」

和泉「……いや、破壊出来なくて、いいんだ」


火群「俺はカードを２枚伏せて、ターンエンドだ！」

栗須「え…？ ターンエンド…っ！？ ………ハッ！」

そこで何かに気づいたようで、栗須は顔色を変え呟く。

栗須「…シムルグの……効果…！」


火群「…ようやく気づいたか…！ シムルグの効果は強制効果！ お前は１０００ポイントのダメージを受ける！」


栗須「ぎゃぁーーーす！！！」【LP 100→0】×



Winner☆市瀬 火群☆


和泉「…や、やったっ！」

栗須「…く、くそぅ」


火群「ゴッドバード・リバイヴで俺の墓地のネフティスを奪われてたら、俺のあの手札じゃあ挽回はできそうになかった。時には、相手の力も利用してやるつもりでやることも必要ってこったな。自分の力を頼るのもいいが、それだけだとその力に溺れちまう事だってあるんだぜ」

栗須「……っ！」

火群「まぁ何はともあれ、楽しいデュエルだったぜ！」

栗須「お、俺は楽しくなんかなかったわ！ チクショー！ お、覚えてろよ〜っ！」

和泉「とことん噛ませキャラだったね…」

立ち上がり、呆れた表情で言う和泉。

火群「そうだな…」

俺も半分呆れ顔で応じる。

火群「よぅし、邪魔者もいなくなったことだし、これからデー……」



キーンコーンカーンコーン♬



火群「(　ﾟдﾟ)」

和泉「(´・ω・｀)」




ー〜ー〜ー〜ー〜ー〜ー〜ーTo Be Continued…ー〜ー〜ー〜ー


《次回予告》

ニクス「ほら、ここがいいんだろ？」

千愛「な、何よ……ひゃうっ！？ ちょっとあんた…！ そ、そこは……ら、めぇっ！」


次回、『遊戯王 Ph.X』
DRAW:２１ GIRL NEXT DOOR(仮)
＊６／９(日)更新予定！


和泉「次回もお楽しみに！ ……って二人とも！ マッサージもいいけど、次回予告くらいちゃんとやってよっ！」





〜おまけ〜

《今日の最強カード》

*ﾟ▽ﾟ)/☆《ネフティスの鳳凰神》☆ヽ(´o｀；

*ﾟ▽ﾟ)「効果によって破壊された次の自分のスタンバイフェイズ時にフィールドに蘇るよ！」

(´o｀;「しかも自身の効果で特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カード全てを焼き尽くすぞ」