DRAW:４５ シムルグの神風！　作：人喰い

ーーー☆６フィールドーーー


栗須「シムルグの攻撃！ 全てを吹き飛ばせぇ！〝ゴッドバード・アタック〟！！」



吉岡「…ぐわぁああぁあーーっ！」【LP 2000→0】


☆winner:古宮 栗須



栗須「…はん！ お前もまだまだだな！ 俺の勝ちだぜ！」


吉岡「……くっ、負けちゃったか…。これでもう後がないぞ……」




栗須「…さってと……、火群のやつは……まだデュエル中か」








明日人「…そういや、火群のデュエルはどうなったかな……？ お、まだ途中みたいだな」



栗須「…！ なんだ。明日人。お前のデュエルも今終わったのかよ」


明日人「…？ お前は……！
………誰だっけ」


栗須「…そこでボケんじゃねぇよ！ 俺は古宮 栗須だ！！」


明日人「あー、うるせぇうるせぇ！
それより見てみろよ、火群のデュエル。今、丁度面白いところみたいだぜ」




ーーー☆１フィールドーーー



◉TURN:０８◉


中村【LP 1500】


火群【LP 1300】


中村「……僕は、閃光の追放者をリリースーーー偉大なる圧倒的な力で、道を切り開く！ 僕に勇気を！『偉大魔獣 ガーゼット』召喚！！」



ガーゼット『ガアアァアアアァアアァァゼェェエエッッッ！！！』[攻 3200]



中村「ガーゼットの攻撃力は、リリースしたモンスターの元々の攻撃力を倍にした数値となります！ よって3200！！」


火群「……攻撃力、3200…！！」



火群（だけど、俺の墓地には、自分のターン中に墓地から除外する事でターン終了時まで相手モンスター1体の効果を無効にする罠カード『ブレイクスルー・スキル』がある…！）


中村「…更に伏せカードオープン！ 永続魔法『進撃の帝王』！！」

永続魔法 このカードがフィールド上に存在する限り、 自分フィールド上のアドバンス召喚したモンスターは カードの効果の対象にならず、カードの効果では破壊されない。 また、このカードがフィールド上に存在する限り、 自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。

火群「…何っ！ 永続魔法を伏せていたのか…！？」

中村「バトル行きます！ ガーゼットでガルドニクスを攻撃！ 魔獣の鉄槌〝ブレスト・インパクト〟！！」


偉大魔獣 ガーゼット
[攻 3200]
ーーーVSーーー
[攻 2700]
炎王神獣 ガルドニクス



偉大魔獣が異様な気を放ちながら組んだ腕を解くと、今度は手を組み、腕を高く振り上げた。


ニクス『…くっ！』



そしてその腕を地面めがけて力一杯振り下ろすと、衝撃によってガルドニクスは倒れ伏した。


ニクス『…ぐ、がぁああぁあ…！！』


火群「…くぅぅうっ！！」【LP 1300→800】



ニクス『…はぁーっ、はぁーッ！ だが、ただでは、終わらんぞ…ッ！！』



火群「…ガルドニクスが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから、同名モンスター以外の『炎王』モンスター1体を特殊召喚できる！ 現れろ！『炎王獣 バロン』！」[攻 1800]




中村「…僕のターンはこれで終わりです…！」



中村【LP 1500
場:偉大魔獣 ガーゼット[攻 3200]
魔法:進撃の帝王(永続)
伏せ:なし
手札:なし


火群【LP 800】
場:炎王獣 バロン[攻 1800]
魔法:炎王の孤島(フィールド)
伏せ:なし
手札:1枚




火群「…はは……っ、効いたぜ、今の攻撃！」


中村「…あなたにとっては絶望的な状況だと言うのに、楽しそうですね」


火群「…そりゃぁ、全力でぶつかり合うデュエルはいつだって楽しいもんだろ…？」


中村「………」


火群「…じゃあ聞くけど、お前は楽しくないのか？」


中村「…僕は……」














遊戯王 Ph.X DRAW:４５
《シムルグの神風！》














中村「デュエルがーーー楽しい！！！」






火群「……よく言った！ 俺のターン！！」



◉TURN:０９◉



火群「…ドローーッッ！！」【手札:2枚】





火群「俺は、炎王の孤島の効果で、場の炎王獣バロンを破壊し、デッキから『炎王獣ヤクシャを手札に加える！」【手札:3枚】




火群「そして、『ダンディライオン』を攻撃表示で召喚！」[攻 300]



和泉「え！ 一体どういうつもり！？」


中村「…そんなモンスターじゃ、僕のガーゼットには勝てっこないよ！ どうするつもりなんですか！」



火群「…誰にも可能性はある、内に“強い自分”がいる限りな！ それを今から見せてやるぜ！
ーーー手札から、速攻魔法『昇火する綿毛』発動！」




『昇火する綿毛』＊オリカ
◉速攻魔法
①自分フィールド上の「ダンディライオン」及び、「綿毛トークン」1体をリリースして発動できる。
手札・デッキ・墓地から「ダンディライオンLv10」1体を特殊召喚する。
その後、自分の手札の炎属性モンスター1体を選択して破壊する。手札に炎属性モンスターが存在しない場合、手札を全て墓地へ送る。



火群「…今こそ見せてやれ、ダンディライオン！ お前の真の姿を！！」



ダンディライオンの綿毛に火が灯り、身体は雄々しく変化し大きく変貌する。





ダンディLv10『グルァアアァアアァアアアァアアアッ！！』






『ダンディライオンLv１０』＊オリカ
星１０/(炎)/獣戦士/効果
このカードは通常召喚できない。
『昇火する綿毛』の効果でのみ、特殊召喚することができる。
このカードの②の効果は、1ターンに1度しか発動できない。
このカードは召喚したターンのエンドフェイズ時に墓地へ送られる。
①フィールド上に表側表示で存在するこのカードは、相手の効果の対象にはならず、相手のカードの効果では破壊されない。
②自分、又は相手のバトルフェイズ時に、自分フィールド上の「ダンディライオン」と「綿毛トークン」を全て破壊して発動する。
この効果で破壊したモンスター1体につき、このカードの攻撃力は１０００ポイントアップする。
また、この効果を発動したターン、相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。




中村「…凄い、あんなに小さかった子獅子が、一瞬にして、立派な獅子に……！！」


火群「昇火する綿毛の効果で手札の炎王獣ヤクシャを破壊、そしてダンディライオンが墓地へ送られた事により、場に2体の『綿毛トークン』を残していく』[守 0]





火群「ーーーバトルフェイズ！ ダンディライオンLv１０の効果！ フィールド上のダンディライオンと綿毛トークンを全て破壊し、破壊した数x1000ポイント、このカードの攻撃力をアップさせる！
ーーー全ての綿毛を昇華させ、獅子王よ、究極の力を解放しろッ！
〝バーニングイグニッション〟！！」




ダンディLv10『グォオオォオオッ！！』[攻 3000→5000]




中村「！！！
攻撃力………5000！！！」




火群「…いっけえぇええ！！
ーーー獅子王〝百花繚乱〟！！！」





ダンディライオンLv10
[攻 5000]
ーーーVSーーー
[攻 3200]
偉大魔獣 ガーゼット





中村「…くぅ……わぁああぁあっ！」【LP1500→0】




winner☆市瀬 火群☆





火群「楽しいデュエルだったぜ、中村」



中村「…僕も……負けたけど楽しかった。
それに、このカード、ガーゼットのカードは、父さんにもらったカードなんだ。このカードと一緒に戦えた事が何より嬉しい」



火群「…そっか。凄く大切なカードなんだな。
そういえば、俺のダンディライオンのカードも貰い物なんだ」


ふと、4月に見た夢を思い出す。
謎の真紅の制服に身を包んだ、青年との邂逅を。


火群「…俺はこのカードをくれた人の名前も、顔も知らないんだけどな。その人が俺を再びデュエルの世界に連れ戻してくれたと言っても過言じゃない。
いつかもう一度会って、お礼を言いたい」



中村「…そうなんですか。もしかして、そのためにWDCSに…？」


火群「…えっと、それはまた別の理由があるんだけど、確かに大会で勝ち進めば、もしかしたら会えるかもしれないな！」


中村「…絶対勝ち進んでください！ 応援してます！」


火群「…ああ！ ありがとな！」





明日人「…見事なデュエルだったぜ、火群！」


栗須「…ま、まぁまぁじゃねぇか？」



火群「…お前ら…！ もう周りのデュエルは全部終わってたのか…！」




和泉「…市瀬くん！ お疲れ様！ 出だしは好調だね！ 次の2回戦も頑張って！」



ニクス『腹の調子もいつのまに良くなって……。最初からあの調子でデュエルしていれば苦戦しなかったものを…
でもまぁ、とりあえずは良くやった』



火群「…あ、ああありがとう」



栗須「デレデレしてんじゃねーぞ！ 次こそお前には負けないからな！ 覚悟しとけ！」










〜〜〜



店員「ーーーそれでは、1回戦の全試合が終了致しました！ 次の試合から対戦カードは、勝ち点によって組まれます。
2回戦の対戦カードは、こちらです！」



二回戦

☆1
市瀬 火群ーーVSーー井頭 修平

☆2
東雲 竜貴ーーVSーー新田 和也

☆3
倉川 明日人ーーVSーー古宮 栗須

☆4
中村 敬太ーーVSーー吉田 大輔

☆5
剛田 武ーーVSーー山田 太郎

☆6
吉岡 勇気ーーVSーー山中 建




店員「なお、2回戦からはライフ8000で行ってもらいます！ それでは各フィールドに移動してください！」






ーーー☆１フィールドーーー


井頭「………」


火群（こいつも一回戦を勝ち抜いてきたってことは、実力は申し分ねぇか…！ 気合い入れて行くぜ…！）




ーーー☆２フィールドーーー



新田（俺だって明日人に負けてから特訓を積んだ。絶対に勝ち抜いて明日人と再戦する…！）


竜貴「…さ、やろーぜ」


新田「……ああ」


新田（…気になることは、あいつは一回戦を一番早く勝ち抜いた奴だってことだな…）




ーーー☆３フィールドーーー



栗須「はーっ！ なんだ次の相手はお前かよ、明日人！」


明日人「…お前にとって俺は、火群と戦うまでの通過点だってのか？
そんな風にしか見えてないってなら、お前は俺には勝てないぜ」



栗須「…な、んだとぉぉ！？ 絶対負けねー！ デュエルだ！！」


明日人「…行くぜ！」


明日人（もっとも俺も、お前は火群と戦うまでの通過点としか思ってねぇけどな…！）






全員が所定の位置につきデュエルディスクを構える。




『デュエルスタンバイ！！』



店員「デュエル開始ィィ！！」








ーーー☆３フィールドーーー


倉川明日人ーーVSーー古宮 栗須



栗須【LP 8000】先攻

明日人【LP8000】後攻



◉TURN:０１◉



栗須「…先攻は俺だ！」【手札 5枚】



栗須「俺はモンスターをセット！ そしてカードを2枚伏せてターンエンドだ！」



栗須【LP 8000】
場:セットモンスター×1
伏せ:2枚
手札:2枚



◉TURN:０２◉



明日人「（まずは様子見ってところか…？）俺のターン！ ドロー！」【手札:6枚】



栗須「…この瞬間、伏せカードオープン！ 永続罠『魔封じの芳香』！」
永続罠 (1)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、 お互いに魔法カードはセットしなければ発動できず、 セットしたプレイヤーから見て次の自分ターンが来るまで発動できない。


明日人「…なにっ！？ 面倒くさいカードだな…！」



明日人「…俺は、『ボタニカル・ライオ』を召喚！」[攻 1600]


明日人「ボタニカル・ライオは、自分の場の植物族モンスター1体につき攻撃力が300ポイントアップする！」


ボタニカル・ライオ[攻 1600→1900]



明日人「ボタニカル・ライオで裏守備モンスターを攻撃！〝アース・ファング〟！」



ボタニカル・ライオがセットモンスター目掛けて飛びかかると、裏守備のカードが表になり、巨大なトンボの様なモンスターが姿を現した。



明日人「あれはーーー『ドラゴンフライ』！ リクルーターか！」



ボタニカル・ライオ
[攻 1900]
ーーーVSーーー
[守 900]
ドラゴンフライ



ボタニカル・ライオは飛びかかった勢いのままドラゴンフライの首に牙を深く突き立てる。するとドラゴンフライの身体は朽ち果て、消えてしまう。


栗須「…ドラゴンフライがバトルで破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の風属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚できる！
現れろ！『暴風小僧』！！」[攻 1500]



明日人（…魔封じの芳香がある限り、魔法カードすらも一度伏せて次のターンにならないと発動できない…！ 想像以上に厄介だぞ…！）


明日人「…カードを2枚伏せてターンエンドだ」




明日人【LP 8000】
場:ボタニカル・ライオ[攻 1900]
伏せ:2枚
手札3枚


栗須【LP 8000】
場:暴風小僧[攻 1500]
罠:魔封じの芳香
伏せ:1枚
手札:2枚



◉TURN:０３◉



栗須「俺のターン！ ドロー！！」【手札:3枚】



明日人（ーーー！？ これは……風？）



栗須「行くぜ！ 暴風小僧をリリースしーーー始祖たる神鳥よ、気高き翼翻し、巻きおこせ！ 嵐！
『始祖神鳥 シムルグ』をアドバンス召喚！！」



シムルグ『キョエェエエァァアァーーッ！！』[攻 2900]

効果モンスター 星８/風属性/鳥獣族/攻2900/守2000 このカードが手札にある場合通常モンスターとして扱う。 このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、 風属性モンスターの生け贄召喚に必要な生け贄は１体少なくなる。 風属性モンスターのみを生け贄にしてこのカードの生け贄召喚に成功した場合、 相手フィールド上のカードを２枚まで持ち主の手札に戻す。



明日人「…☆8モンスターを、リリース1体で…！？」


栗須「はーっはっはーっ！ 暴風小僧は風属性モンスターのアドバンス召喚のためにリリースする場合、1体で2体分のリリースとする事が出来るのさ！」


明日人「…！」


栗須「…更に、始祖神鳥 シムルグの効果発動！
このカードが風属性モンスターのみをリリースしてアドバンス召喚に成功した時、相手フィールド上のカードを2枚まで手札に戻す事が出来る！ お前の伏せカードは手札に戻ってもらうぜ！〝ゴッド・タイフーン〟！！」



シムルグが翼を羽ばたかせると、突風が巻き起こり明日人の伏せカードを吹き飛ばした。
それを明日人はキャッチするが、焦りを隠せない表情だ」



明日人「…くっ…！（なるほどな…！ 魔封じの芳香で相手のデッキ速度を低下させ、かつ先手でバウンスや魔法罠除去を絡めることによってアドバンテージの差で圧倒的優位に立つ…！ このままじゃ勝ち目はない！）」



明日人（……こんなとこで立ち止まってる暇はないってのに…！）



栗須「どうやら相手のことを通過点だって思ってたのはお前の方じゃねーのか？
まだまだ俺の本気はこんなもんじゃないぜーっ！」




シムルグ『キョエェエエァァアァーーッッ！！』







ーーー-ーーー-ーーー-ーーー-ーーー-ーーーTo Be Continued…






〜おまけ〜



. . 人人人.人人人.人人人.人人人.
＜教えて！ スッキーせんせー！＞
. . Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y



◉このコーナーは、読者のみんな(少数)から寄せられた質問(多分無い)に、『美 好先生(以下スッキー先生)』が一刀両断！ 快刀乱麻の回答をしていくコーナーだ！
質問が無い場合は自問自答をしていく痛々しいコーナーになるから気をつけな！(ドン☆)
＊質問をいただいた時点で、本SSに載せる事を承諾したものと見做します。あらかじめご了承ください。
匿名希望の場合は言ってくださいね！



質問待ってるぜ！！(切実)





好「さてと、例のごとく、今回は召喚されるのは……？(≖ω≖`)



千愛「私だ(V_廿 rz)



好「………(≖ω≖`)


千愛「………(V_廿 rz)



好「誰だーーーっ！？(≖□≖ ` )



千愛「…えぇえええぇえええ！？(V□廿 rz)



和泉「…そういや初対面だっけ…？((౪ワ౪✿))




『闇口 千愛(やみぐち ちあ)』
・年齢:22歳(生前)
・2月22日生
・身長:154cm/体重:45kg/B:78/W:56/H:80
・使用デッキ
『テテュスターボ』
・主な使用カード
『CX ダーク・フェアリー・チア・ガール』
『フェアリー・チア・ガール』
『光神 テテュス』
『レスキュー・ラビット』

・黒髪公園での事件後、彷徨っていた和泉を拾い上げ一緒に暮らすこととなる、『CX ダーク・フェアリー・チア・ガール』の精霊。
今はカードの精霊だがニクスと同じで、約600年前に22という若さで亡くなり、未練があったためかカードの精霊となってしまった。ニクスとはライバル関係にあった様だが、いつも千愛が遅れをとっていたらしい。
火群と初めて対峙した時は、火群と再会したばかりの和泉の身体に憑依し、火群を精神攻撃で追い詰めた。
『CX ダーク・フェアリー・チア・ガール』の精霊ではあるが、火群(ニクス)とのデュエル後、自身を『闇口 千愛』と名乗るようになる。










《次回予告》


意地と意地のぶつかり合い、権利獲得に王手をかけるのはーーー！？



次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:４６ フレグランス・ストーム



「火群までの通過点じゃないーーー俺はお前に勝つんだ！」