DRAW:１７６ 星戦の行方　作：人喰い

(176)



〜積木町３丁目〜


【Side 火群】




和泉「ーーーーー来るのが……遅いよ…っ……バカ…っ…！」


火群「……ごめん」

和泉（………火群くん、反応が薄い…。凄く怒ってる…？）

和泉「……あれ…？ っていうか火群くんケガは！？ 動けないレベルだったはずじゃーーーー！」


火群「……あ、えっとーーー…話は後だ。説教も後で聞く。
ーーーーまずはこいつらをぶっ倒さねぇとな…っ…！」


黒ローブC「……んだぁ？ テメェ。男が邪魔すんじゃねぇよ」

黒ローブA「…けど精霊持ってんぜ、こいつ」

黒ローブB「しかも巨乳じゃねーかッ！！
うっはァテンション上がるぜぇっ！！」


ニクス「……気色が悪い連中だ…。行くぞ火群…ッ！」

火群「…ああ！
チアガールは和泉を頼む…！」

千愛「……あら、私に指図するなんていい度胸ね。
……けど、それが最善っていうのはわかるわ。任せて頂戴」

火群「…助かる」


千愛「……あいつらの相手は…頼んだわよ」


ニクス「ーーーー任せておけ…っ！」


俺は左手を突き上げ、気を集中させる。

左側に立つニクスも俺に合わせて右手を突き上げる。

火群「…デュエルディスク……セットッ！」


ニクス「ーーーーイン！！」


ニクスの右腕から熱を受け取ることで、俺たちの腕を真っ赤な炎が包む。

やがて炎は俺の左腕に不死鳥の翼を模した決闘盤を精製していくーーーー


火群「ーーーーっしゃぁ…！！ いくぜっ！！」



火群【LP 8000】[手札 5]

黒ローブA【LP 4000】[手札 5]

黒ローブB【LP 4000】[手札 5]

黒ローブC【LP 4000】[手札 5]



「「「ーーーー決闘ッ！！！」」」















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーDRAW:１７６ーー
《星戦の行方》















〜決闘機兵ファクトリー・B1F格納庫〜



鈴華【LP 2400】
(モンスター)
『カオス・ゴッデス-混沌の女神-』[ATK 2500]
『ダーク・アームド・ドラゴン』[ATK 2800]
伏せ:0
手札:0
墓地:
光:ミネルバ
闇:ダーク・バグ、ソーサラーx2、ファンカス、コラプサーペント
魔法:ギャラクシー・サイクロン


星奈【LP 7000】
(モンスター)
『星輝士 セイクリッド・ダイヤ』[ATK 2700]
『星因士 ウヌク』[ATK 1800]
『星因士 ベガ』[ATK 1200]@『リビングデッドの呼び声』
『星因士 シャム』[ATK 1400]
(罠)
『光の護封霊剣』
『リビングデッドの呼び声』@『星因士 ベガ』
伏せ:0
手札:2
墓地:デネブx2



星奈「ーーーーシンクロ…召喚…っ！！
…すごいね！ くるくる頭のおねーちゃん！」

鈴華「…それだけじゃありませんわ…！！
墓地へ送られた『暗黒竜 コラプサーペント』を効果で、デッキから『輝白竜 ワイバースター』を手札に！」[手札 1]


鈴華「続けて、墓地の『ギャラクシー・サイクロン』を除外して効果発動！ あなたの場の『リビングデッドの呼び声』を破壊！」

鈴華の墓地から現れた竜巻がリビングデッドを破壊し、それによりリビングデッドで蘇生されていたベガも同時に破壊される。

星奈「…！」

鈴華「ーーーー更に…っ！『カオス・ゴッデス-混沌の女神-』の効果……っ発動ですわっ！！」


《カオス・ゴッデス－混沌
こんとん
の女神
めがみ
－/Chaos Goddess》 †
シンクロ・効果モンスター
星８/光属性/天使族/攻2500/守1800
光属性チューナー＋チューナー以外の闇属性モンスター２体以上
１ターンに１度、手札から光属性モンスター１体を墓地へ送り、
自分の墓地のレベル５以上の闇属性モンスター１体を選択して発動できる。
選択したモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはシンクロ素材にできない。


鈴華「手札のワイバースターを捨て…っ、墓地の『カオス・ソーサラー』を特殊召喚ッ！！」

混沌の女神が光を掌握し杖をかざすと、突如宙に生じた歪みの中からカオス・ソーサラーが復活する。

『カオス・ソーサラー』[ATK 2300]

星奈「…えぇ…っ！？」

驚く星奈に、鈴華は畳み掛ける。

鈴華「カオス・ソーサラーの効果発動っ！！
『星輝士セイクリッド・ダイヤ』をゲームから除外させてもらいますわっ！」

ソーサラーは両手に光と闇のエネルギーを収束させるーーーー

鈴華「ーーーそしてここであなたは、セイクリッド・ダイヤを守るために、残り１つのX素材を使わなくてはならない…っ！」

星奈「……わかってるってばぁ！ セイクリッド・ダイヤの効果発動っ！！」

『星輝士 セイクリッド・ダイヤ』[ORU:1→0]

ソーサラーが蓄積したエネルギーは冬のダイヤモンドに吸収され、強力な光となって跳ね返される。

鈴華「……っ…！ ソーサラーは破壊されてしまったけど、これでセイクリッド・ダイヤの素材はなくなりましたわ…っ！！」

星奈「…っ……！」

鈴華「ーーーダーク・アームド・ドラゴンの効果発動っ！！」


《ダーク・アームド・ドラゴン/Dark Armed Dragon》 †
特殊召喚・効果モンスター（制限カード）
星７/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の闇属性モンスターが３体の場合のみ特殊召喚できる。
(1)：自分の墓地の闇属性モンスター１体を除外し、
フィールドのカード１枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。


鈴華「…墓地に眠る“闇”を刃に変えて…………ッ…一掃せよっ！！」


コスト
墓地→除外
『カオス・ソーサラー』
『暗黒竜 コラプサーペント』
『ダーク・バグ』
『ファントム・オブ・カオス』


地に眠っていた闇のエネルギーがダーク・アームド・ドラゴンの左腕に集まっていくーーーーー

星奈「……っ！！」


そしてそのエネルギーは漆黒の刃となり、振り払われた黒刃は星奈のフィールドを一掃した。


鈴華「……はぁ…！ はぁ……っ…！
なんとか……盤面は取り返しましたわ…っ！」

鈴華（…問題はここから……！ まだ油断はできないーーーー）


鈴華「ーーーーターンエンド」[手札 0]


◉TURN ０５◉



身構えてターンを返す鈴華に対し、星奈は俯きながら肩を揺らすーーーー



星奈「ーーーーきゃは」



そして笑う。

無邪気に。


星奈「…なかなかやるね……とっても楽しいよっ！
くるくる頭のおねーちゃん☆」

鈴華「……っっ……！」

そこで何を思ったか、鈴華は問う。


鈴華「…あなたは、なぜ笑顔で『破壊』を行えるの…？」

星奈「……っ…？」

鈴華「……あなたが闘う理由って…？」

その問いに対して星奈は一瞬沈黙し、


星奈「…居場所を守る為、かな」


俯きがちにそう答えた。

星奈「……あたしには闘う事しかできないから……。あたしが闘う事をやめた時、あたしはまたひとりぼっちになっちゃうーーーー」

星奈「ーーーーそれにねっ、マイン様は言ったの！
“あたしの力が必要だ”って」

鈴華「……っ…」

鈴華は言葉を失う。
それは同情や哀れみからではなく、『終焉の焔』という組織に対しての、純粋な怒りからだ。


星奈「あたしはこの居場所を守りたい……居場所を与えてくれたマイン様の役に立ちたいーーーー」


星奈「ーーーーだからあたしには、闘うしか道はないんだっっ！！！」


星奈は力強く叫び、カードを引く。

星奈「ーーーーあたしのターンっ！！」[手札 3]


星奈「ーーーー『星因士 ベガ』を召喚っ！！」[ATK 1200]

星奈「ベガの効果で手札の『星因士 アルタイル』を特殊召喚っ！」[ATK 1800]

鈴華「…っ…！ まだ展開札が……っ…！」


星奈「……更にっ！ アルタイルの効果で墓地の『星因士 シャム』を特殊召喚！」[ATK 1400]

シャムの召喚により、再び鈴華の足に1000ポイントダメージを与える矢が突き刺さるーーーー

鈴華「…ぃぎぁぁっっ！！」【LP 2400→1400】

鈴華（…まずい…っ！ 意識が……っ…！
…だけどーーーー）


鈴華「…ここで倒れる……訳には…っっ…！！」


なんとか身体を起こす鈴華に、星奈は笑いかける。


星奈「ーーーーおつかれ、もう壊れていいよ」


星奈は一言そう言うと、場に揃った３体の『テラナイト』モンスターを重ねた。


星奈「ーーーエクシーズ召喚っ！！
ランク4ーーーー『星輝士 トライヴェール』っ！！！」[ATK 2100]


現れたモンスターは背後に３角形を輝かせ、盾と剣を構え舞い降りる。

そしてそのモンスターが降り立つと同時に剣を一振りーーーーー星の煌めきが衝撃波を生み襲いかかる。

星奈「ーーーートライヴェールがエクシーズ召喚に成功した時、このカード以外の場のカード全てを…っ！！
持ち主の手札に戻すっ！！！」


鈴華「…っ！！ 何ですって…っ！？」


星の輝きによりフィールドは更地と化し、僅かな希望さえも失った鈴華はその場に膝をつく。


鈴華「……っ…！」【LP 1400】


鈴華（…ママーーーーごめんなさい……っ…！！ 約束……したのにーーーーー）


『星輝士 トライヴェール』[ATK 2100]



星奈「…たのしかったよ。バイバイ……☆」











＊＊＊








〜積木町３丁目〜





和泉「ーーーーーッ…！！」ｿﾞﾜｯ…‼︎

和泉（……なに…？ 今の感じ……っ…！？
急に……心臓が締め付けられるようなーーーーっ）


千愛「…和泉ちゃん、立てる？」

和泉「……っ…ごめん…、転んだ時に足、捻っちゃったみたいで…」

千愛「…わかったわ。応急手当てだけでもしておきましょう」

和泉「……ありがとう。千愛ちゃん…」


和泉（…胸のざわつきが止まない……っ！
どうして……？
…怖い……怖いよ……っっ…！）」







To Be Continued…






《次回予告》




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１７７《〝生命の焔〟》」






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙