DRAW:１６９ 魂宿る拳　作：人喰い

(169)





〜竜霊山・洞窟最奥部〜


【Side 竜貴】


竜貴【LP 800】
(モンスター)
『ドラグニティナイトーバルーチャ』[ATK 2900]@『ドラグニティーアキュリス』『ドラグニティアームズーレヴァテイン』『ドラグニティークーゼ』
(罠)
『ドラグニティ・ドライブ』(永続)
伏せ:0
手札:2
墓地:アスカロン


放浪【LP 1800】
(モンスター)
『炎神ー不知火』[ATK 3500]
『戦神ー不知火』[ATK 3000]
『刀神ー不知火』[ATK 2500]
『不知火の武士』[ATK 1800]
(魔法)
『不知火流ー転生の陣』(フィールド)
伏せ:0
手札:2
墓地:隠者
除外:鍛師、隠者、妖刀、馬頭鬼x2、ユニゾンビ




◉TURN０６◉



竜貴「ーーー俺の…ターン！！」[手札 2]


竜貴「ーーー『ドラグニティ・ドライブ』の効果発動ォッッ！！
魔法・罠ゾーンから現れろッ！
『ドラグニティアームズーレヴァテイン』！！」


レヴァテイン『ガァァァァァァアアァァア！！』[ATK 2600]


竜騎士はフィールドに舞い降り、剣を掲げ咆哮する。

竜貴「ーーーレヴァテインの特殊召喚成功時、効果発動！！
墓地のアスカロンをレヴァテインに装備！！」

放浪「……ッッ…！！」


アスカロンはレヴァテインの隣に並び立ち、神槍の切っ先を放浪のモンスターへ向ける。

竜貴「ーーー更に！俺は手札から装備魔法、『ドラグニティの神槍』をレヴァテインに装備！！」


《ドラグニティの神槍
しんそう
/Dragunity Divine Lance》 †
装備魔法
「ドラグニティ」モンスターにのみ装備可能。
「ドラグニティの神槍」の(2)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：装備モンスターは、攻撃力が装備モンスターのレベル×１００アップし、
罠カードの効果を受けない。
(2)：自分メインフェイズにこの効果を発動できる。
デッキからドラゴン族の「ドラグニティ」チューナー１体を選び、
このカードの装備モンスターに装備カード扱いとして装備する。


竜貴「神槍を装備したモンスターの攻撃力は、レベルx100アップする！！」

アスカロンより受け継がれた神槍がレヴァテインの持つ長剣と融合し、金色の輝きを放つーーーーー

『ドラグニティアームズーレヴァテイン』[ATK 2600→3400]


放浪「……これは……ッ……！ 精霊の輝き……ッ……！！！」


竜貴「…ドラグニティの神槍の効果発動！！ １ターンに１度、デッキから『ドラグニティ』チューナー１体を装備モンスターに装備する！！」


レヴァテインが神槍を掲げ、デッキから召集されたのはーーーー『ドラグニティーブランディストック』。


《ドラグニティ－ブランディストック/Dragunity Brandistock》 †
チューナー（効果モンスター）
星１/風属性/ドラゴン族/攻 600/守 400
このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、
装備モンスターは１度のバトルフェイズ中に２回攻撃する事ができる。



そして俺は呼吸を整え、再び『青龍抜闘術』の構えを取ったーーーー

竜貴「…こいつでトドメを差してやるぜ…ッ！！ バトルだ！！」

放浪「……！！！」

放浪（……フザけ……やがって……ッッ…！！！）


レヴァテインは疾風を纏い突進する。

竜貴「ーーードラグニティアームズーレヴァテインで、刀神ー不知火を攻撃ッ！！」


『ドラグニティアームズーレヴァテイン』
[ATK 3400]
ーーーVSーーー
[ATK 2500]
『刀神ー不知火』


神槍の力を宿したレヴァテインは刀神の炎刀を物ともせず、一閃、斬り裂いた。


放浪「……ッッ…が……ッ…！！」【LP 1800→900】

放浪は一瞬仰け反るが、すぐに態勢を整え、キッと俺を睨む。
その眼光はとても鋭利で、背筋が凍るような冷たさだった。

放浪「……ッッ…」


けど、どこか寂しそうな、そんな感じがしたーーーー



竜貴「……っ……。
……ブランディストックを装備したレヴァテインは…、2回攻撃ができる…ッ！！
ーーー不知火の武士を攻撃！！」


『ドラグニティアームズーレヴァテイン』
[ATK 3400]
ーーーVSーーー
[ATK 1800]
『不知火の武士』


刀神を斬り払ったそのままの速度でUターンしたレヴァテインは、神槍を極限まで輝かせ不知火の武士へと一直線で突き進むーーーー

放浪「ーーーーーっ」


竜貴「ーーー受け取れ……ッッ！！
これが俺たちのーーーー魂の一撃…ッッ！！ 」


いつもと同じフォームで繰り出す、正拳突き。

しかしいつもとは違う。

拳を振り抜いた瞬間、全身に電流のようなものが走る。

竜貴「……！！」


そうか………これがーーーーー




竜貴「青龍抜闘術奥義ーーーー
ーーー〝槍拳魂撃-ｿｳﾙﾋﾞ-ﾄ・ﾄﾞﾗｸﾞ-ﾝ〟！！！」





解き放たれし青龍の一撃は全てを打ち貫き、この決闘に終止符を打った。





放浪「ーーーーーッッ」【LP 800→0】




◉Winner◉
-東雲 竜貴-















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーDRAW:１６９ーー
《魂宿る拳》















竜貴「ーーーー勝っ……た……！」

レヴァテイン『…見事だ、リューキ。
まずは奴の身柄を拘束してーーー
ーーーーーっ…！？」

竜貴「…どうした…？ レヴァテインーーーー」

勝利も束の間、突如現れた青白い炎が俺たちを包み込んだ。

竜貴「…！！？ 熱ッッ…！！ なんだよこれ……！？」

見るとその炎は、奥の岩壁にもたれ倒れる放浪から発生しているようだった。

レヴァテイン『……グガ…ッッ…！ この炎は精霊の力を吸収しているのか……！？』

竜貴「……！！」

くそ……っ…！ さっきの一撃で、もう身体が動かねぇ……！！


直後、洞窟内に爆音が鳴り響く。


ﾄﾞｺﾞｫｫｵｵｫｫｵｵｫｵｵｯｯ‼︎‼︎


竜貴「！！？」


爆音と共に天井の岩盤が崩れ落ち、雪崩の様に降りかかる。


竜貴「………何……ッッ…！！？」



放浪「………ッ…」

すると、倒れていた放浪はゆらゆらと立ち上がり、一言、口を開く。

放浪「…………今は退いてやる。
ーーーーだが、次は無ぇ」


冷たい表情でそういうと、どこからともなく現れた二つの黒い人影が放浪を連れ去って行ってしまうーーーー

竜貴「……くそ……っ！！ 待ちやがれぇぇ！！！」


声は無情にも届かず、上空から降り注ぐ岩の勢いも激しくなる。



竜貴「……！！！」

そして身動きの取れない俺達の頭上から、直径1メートル程の岩石が落ちてきた、丁度その時ーーーーー


ーーー岩が空中で、真っ二つに割れた。

竜貴「…！？」

二つに割れた岩石は俺達の脇に落ちて砕ける。

一瞬何が起こったのか理解できなかったが、すぐに状況を把握して胸を撫で下ろす。




小次郎「ーーーー竜貴殿！！ ご無事ですか！？」


俺たちを助けてくれたのは、時枝小次郎ーーーー侍だ。







＊＊＊





放浪がその場を発った事ですぐに周囲の炎も消えていった。
そして結維と小次郎は竜貴を救出し、洞窟の外までなんとか脱出したのが、午前１時３７分ーーーー



竜貴「……助かったぜ…、小次郎にーーー眼鏡の嬢ちゃん」

結維「…結維でいいですよ」

竜貴「……あれ、眼鏡の嬢ちゃん。
あんた…、どっかで会った事あったっけか？ なんか顔に見覚えが……」

結維「…？ 気のせいじゃない？ 私はあなたとは初対面のはずだけど」

竜貴「…そっか、変な事聞いちまって悪かったな」


小次郎「……竜貴殿、一旦山頂の小屋に戻りましょう。先生が心配です」

竜貴「…！そうだな…！」


結維（電波の通ってない山中だと外部と連絡できないのは想像できてたけど、やっぱり少し不安ね……。
…みんな、うまくやっているかしらーーーー）








POINT:竜霊山

洞窟の精霊→アスカロン以外奪われる


-人間界の決闘者-

『東雲 竜貴』
精霊:『レヴァテイン』『アスカロン』
残体力:20%

桜庭 結維
精霊:『ヒュペリオン』
残体力:80%

時枝 小次郎
精霊:なし
残体力:90%

跡部 慎之介
精霊:不明
残体力:10%


-終焉の焔-

『永井 放浪』
精霊:『妖刀ー不知火』『PSYフレームロード・Ω』+竜霊山の精霊達
残体力:15%

『黒焔の巨人』
精霊:なし
残体力:0%







To Be Continued…







〜決闘騎兵ファクトリー〜



上空に佇むは、二つの影。


一人は小さく、短めの金髪おさげが無邪気に揺れる。

星奈「ーーーーねーね、派手にぶっ壊しちゃっていいんだよねっ！！？ ね！？」


もう一人はスタイルの良い少女で、黒髪ロングが夜風になびく。

巨乳の女子「ーーーーだぁーかぁーらぁ！！
壊しちゃダメっつってんでしょ！？ 」

星奈「……じょ、じょーだんだってば！ ちゃんとわかってるって☆」

巨乳の女子「………ったく、ホントに脳味噌お星さまなんだから……。
ーーーーじゃあいくわよ…っ！！」


合図と共に二つの影は同時に飛び、流星の如く降り立った。











《次回予告》




「次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１７０ 機械仕掛けの防衛戦






＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙