DRAW:１０４ 割り切れぬ想い　作：人喰い

(104)






火群【LP 3700】
(モンスター)
炎王獣 バロン[DEF 200]
(魔法)
炎王の孤島[フィールド]
炎舞ー天璣[永続]
炎舞ー天枢[永続]
伏せ:1
手札:1

宮本【LP 8000】
(モンスター)
ザ・カリキュレーター[ATK 6600]
メタル・リフレクト・スライム[DEF 3000]x2
伏せ:0
手札:2


◉TURN０５◉


宮本「ーーーさぁ、君の計算式とやらを……見せてもらおうか…！ バトルフェイズ！ カリキュレーターで、バロンを攻撃！」

『ザ・カリキュレーター』
[ATK 6600]
ーーーVSーーー
[DEF 200]
『炎王獣 バロン』

カリキュレーターの指先から放たれる電撃がバロンを貫く。

火群「…くっ…！ なんとかライフは守れたか…！」

宮本「…カードを１枚伏せ、ターンエンド」【手札 1】


◉TURN０６◉


火群「俺のターン！ ドロー！！」【手札 2】



火群「俺は、『熱血獣士ウルフバーグ』を召喚！」[ATK 1600→1700]

火群「ウルフバーグの効果発動！ 墓地のバロンを守備表示で特殊召喚！」[DEF 200]

栗須「…再びレベル4モンスターを２体揃えた…！」

火群「…ここで炎王の孤島の効果発動！ 場のバロンを破壊して、デッキからもう一体のバロンを手札に加え、更に手札に加えたもう1体のバロンを自身の効果で特殊召喚！」[DEF 200]

明日人「…なるほど、これなら盤面を維持したまま、次のターンにはバロンの効果でサーチもできる…！」

火群「……２体のモンスターでオーバーレイ！！ エクシーズ召喚！
再び現れろ！『魁炎星王ーソウコ』！」[ATK 2200→2400]

宮本「…ふむ、その解答は正しい」

火群「ソウコの効果で、『炎舞ー揺光』をセット！」

宮本「……！（あのカードは過去のデータに無い……。警戒が必要だな）」


火群「そしてソウコのエクシーズ素材を１つ使い、効果発動！！ フィールド上に存在する、獣戦士族以外のモンスター全ての効果を次の相手ターン終了時まで無効にする！」

宮本「…っ！ カリキュレーターの効果が無効となった事で、カリキュレーターの攻撃力は０となる」

『ザ・カリキュレーター』[ATK 6600→０]

栗須「よっしゃ！ 簡単にカリキュレーターの攻撃力が０になったぜ！」

明日人「……っ…、だけどこれも恐らく……！」

宮本「……」

……『計算済』って顔だ…！！

火群「…行くぞバトルだ！ ソウコでカリキュレーターを攻撃！〝炎虎・梁山波〟！！」


『魁炎星王ーソウコ』
[ATK 2400]
ーーーVSーーー
[ATK ０]
『ザ・カリキュレーター』

ソウコの放った虎の姿をした気炎が、力を失ったカリキュレーターを焼き尽くした。

宮本「…ぐっ…！」【LP 8000→5700】

火群「…よし…！」

攻撃は通る…！ だけど全部計算されてるつもりで戦わなきゃ…！ 油断はできない！















◉遊戯王 Ph.X◉
ーーーDRAW:１０４ーーー
《割り切れぬ想い》















宮本「ーーー僕がダメージを受けたこの瞬間、手札から『トラゴエディアを特殊召喚する！」[DEF ?]


《トラゴエディア/Tragoedia》 †
効果モンスター
星１０/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
(1)：自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2)：このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×６００アップする。
(3)：１ターンに１度、手札からモンスター１体を墓地へ送り、
そのモンスターと同じレベルの相手フィールドの
表側表示モンスター１体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターのコントロールを得る。
(4)：１ターンに１度、自分の墓地のモンスター１体を対象として発動できる。
このカードのレベルはターン終了時までそのモンスターと同じになる。


『トラゴエディア』[DEF 0]☆10

火群「…！ 更にレベル１０のモンスター…！」


火群「…俺はこれでターンエンド！」【手札 1】


◉TURN０７◉


宮本「僕のターン、ドロー！」【手札 1】

宮本「…ふむ、やはり計算し尽くされたカードの枚数調整だな…。ここで引くべきカードをちゃんと引くことができる…！」

火群「…っこの瞬間！ カードの効果で破壊されたバロンの効果で、デッキから『炎王獣 ガネーシャ』を手札に加える！」【手札 2】

宮本「…今更無駄な事…！ 魔法カード発動！『死者蘇生』！！」

火群「…！！」

宮本「…この効果により墓地より現れろ！『ザ・カリキュレーター』！！」[ATK ？]

栗須「…待てよ…！ ２体のスライムに加え、今度はトラゴエディアまでいるから…！」

明日人「…カリキュレーターの攻撃力は……！」

宮本「ーーー9600！！」


『ザ・カリキュレーター』[ATK 0→9600]


火群「！！」

宮本「…バトルだ！ 行けっ！カリキュレーター！ ソウコを攻撃しろ！」

『ザ・カリキュレーター』
[ATK 9600]
ーーーVSーーー
[ATK 2300]
『魁炎星王ーソウコ』


火群「…くっ…！ 伏せカードオープン！『炎王炎環』！！」


《炎王炎環
えんおうえんかん
/Circle of the Fire Kings》 †
速攻魔法
自分のフィールド上及び自分の墓地の
炎属性モンスターを１体ずつ選択して発動できる。
選択した自分フィールド上のモンスターを破壊し、
選択した墓地のモンスターを特殊召喚する。
「炎王炎環」は１ターンに１枚しか発動できない。


火群「…俺の場のソウコを破壊し、俺の墓地の炎王獣キリンを守備表示で特殊召喚！」[DEF 200]

宮本「…攻撃は続行！キリンを攻撃！！」

カリキュレーターの攻撃の勢いは止まらぬまま、キリンを破壊する。

火群「…！ キリンの効果で、デッキから『ヴォルカニック・カウンター』を墓地へ送る！」

宮本「…！（…なるほど、数値で超えるのは諦め、次のターン守りを固めつつもう一体のヴォルカニックカウンターを墓地へ送り、２体のヴォルカニックカウンターによる効果ダメージで倒す算段か…！）」

火群「……」

宮本「……面白い解答だが、満点をあげることはできないな…！」

火群「！」

宮本「……僕は、レベル10の『トラゴエディア』、そして同じくレベル10の『メタル・リフレクト・スライム』、２体のモンスターで、オーバーレイ！！」

火群「…何…！？」

栗須「…なんだってんだ…！？」

明日人「…先生も……エクシーズ召喚を…！」

宮本「…エクシーズ召喚！！ 現れろ！
『超弩級砲塔列車 グスタフ・マックス』！！」[ATK 3000]


《超弩級砲塔列車
ちょうどきゅうほうとうれっしゃ
グスタフ・マックス/Superdreadnought Rail Cannon Gustav Max》 †
エクシーズ・効果モンスター
ランク１０/地属性/機械族/攻3000/守3000
レベル１０モンスター×２
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除いて発動できる。
相手ライフに２０００ポイントダメージを与える。


火群「…デケェ…！！ こんなエクシーズモンスターまで隠してたのか…！！」

明日人「…けど、これで場のレベルの合計が減ったぞ…！」

『ザ・カリキュレーター』[ATK 9600→3600]

栗須「それでも充分強えって！」


宮本「……これで終わりじゃあない。グスタフ・マックスの効果発動！！ １ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ使い、相手ライフに2000のダメージを与える！！」

火群「…なんだって…！？」

ｶﾞｼｮﾝ…ｶﾞｼｮﾝ…ｯ

超弩級な砲台の照準が俺に向けられ、砲弾は放たれる。


ﾄﾞｺﾞｫｫｵｫ‼︎


火群「…がァァアアぁぁっっ！！」【LP 3700→1700】

栗須「…マズイぜ！ いくら守りを固めても、あと一発あの効果を食らったら負けちまう！」

火群「……っ」

だけど、動いてくれた…！
俺のヴォルカニックカウンターを警戒して。

宮本「……ターンエンドだ」【手札 0】


◉TURN０８◉


火群「…俺の、ターン！！」【手札 3】

よし…っ、良いタイミングで来てくれた…！！

火群「…俺は、すでにセット済の永続魔法『炎舞ー揺光』を発動！」


《炎舞
えんぶ
－「揺光
ヨウコウ
」/Fire Formation - Yoko》 †
永続魔法
このカードの発動時に相手フィールド上に表側表示で存在する
カード１枚を選択する事ができる。
その場合、自分の手札から獣戦士族モンスター１体を捨て、
選択したカードを破壊する。
また、このカードがフィールド上に存在する限り、
自分フィールド上の獣戦士族モンスターの攻撃力は１００ポイントアップする。


火群「この効果で、手札の『殺炎星ーブルキ』を捨て、グスタフ・マックスを破壊する！」

宮本「…その程度の問題なら処理できる…！ 伏せカードオープン！ 永続罠『ディメンション・ガーディアン』！！」


《ディメンション・ガーディアン/Dimension Guardian》 †
永続罠
自分フィールドの表側攻撃表示モンスター１体を対象としてこのカードを発動できる。
(1)：このカードが魔法＆罠ゾーンに存在する限り、
そのモンスターは戦闘・効果では破壊されない。
そのモンスターがフィールドから離れた場合にこのカードは破壊される。


宮本「この効果により、グスタフ・マックスを戦闘及び効果では破壊できない！」

火群「…！」

予想外ではあったけど、これで先生の伏せカードはもう無い…！！ 次で決める…！

火群「『炎王獣 ガネーシャ』召喚！！」[ATK 1800→2100]


《炎王獣
えんおうじゅう
ガネーシャ》 †
効果モンスター
星４/炎属性/獣戦士族/攻1800/守 200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードがフィールドに存在し、モンスターの効果が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし、このカード以外の自分の手札・フィールドの炎属性モンスター１体を選んで破壊する。
(2)：このカードが破壊され墓地へ送られた場合、
「炎王獣 ガネーシャ」以外の自分の墓地の炎属性の獣族・獣戦士族・鳥獣族モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズ時に破壊される。


火群「…まだまだ行くぜ…っ！ 場の『炎舞ー天璣』と『炎舞ー揺光』を墓地へ送り、墓地から『殺炎星ーブルキ』を特殊召喚！」[ATK 1700]

火群「……更に、カードを一枚伏せて、ターンエンドだ…！」【手札 0】


◉TURN０９◉


宮本「僕のターン、ドロー！」【手札 1】

宮本「……（ガネーシャがいる限り、モンスター効果は一度だけ無効にされてしまう。ならばガネーシャを戦闘破壊してからグスタフ・マックスでトドメを刺すのが美しいか…）」

火群「………」

宮本「…（いや待て…、これはまさか、攻撃を誘っているのか…？）」


火群「……どうしたんスか？ 先生。
ーーーもうとっくに、問題は解けましたよ」


宮本「…っ…！（どの道やる事は１つのはずだ…！）
バトル！ ザ・カリキュレーターで、ガネーシャを攻撃！」


『ザ・カリキュレーター』
[ATK 3600]
ーーーVSーーー
[ATK 2100]
『炎王獣 ガネーシャ』



火群「ーーーここで答え合わせですけど、攻撃してきてもしてこなくても、どっちにしろ答えは変わんないっすよ」

宮本「……なに…っ？」

火群「これが計算を覆す一発逆転のカード…ッ！！
罠カード発動！『イタチの大暴発』！！」


《イタチの大暴発
だいぼうはつ
/Ferret Flames》 †
通常罠
(1)：相手フィールドの表側表示モンスターの攻撃力の合計が
自分のＬＰよりも高い場合に発動できる。
相手フィールドの表側表示モンスターの攻撃力の合計が、
自分のＬＰ以下の数値となるように、
相手は自身のフィールドの表側表示モンスターを選んで
持ち主のデッキに戻さなければならない。


宮本「…！！ イタチの大暴発…！！」

火群「この効果で、俺のライフ…1700以下になるように、つまり、カリキュレーターとグスタフ・マックスには、デッキに帰って貰うぜ！ 先生！」

宮本「…っ…！（…ふむ…、こちらの択を減らし、“全て不正解の問題”で迎え撃つ。その先には小細工など通用しない……魂同士のぶつかり合い。…それが君の解答か）」



火群「…俺のターーン！！」【手札 1】

宮本「…だが僕の場にはまだ守備力3000のメタルリフレクトスライムがいる…！君にこの数値が超えられるか…！？」

火群「───どうやら俺のデッキは、意地でも超えたいみたいっすよ」

宮本「…！たった1枚の手札で───」

火群「───炎王の孤島の効果発動！！俺は手札の『火舞太刀』を破壊して、デッキのバロンを手札に！」

宮本「！！」

火群「そして、破壊された火舞太刀の効果！！フィールドの表側表示モンスター1体───メタル・リフレクト・スライムを破壊して、５００ポイントのダメージを与える！」

宮本「…ぅぐ…！」【LP 5700→5200】

火群「更に、炎王獣 バロンを召喚！」[ATK 1800→1900]



宮本「…っ…！」

火群「…バトルだ！ 行っけぇぇ！ 俺のモンスター達！！」

『炎王獣バロン』[ATK 1900]
『炎王獣ガネーシャ[ATK 1900]
『殺炎星ーブルキ』[ATK 1800]

宮本「……っっ…！！！」【LP 5200→3300→1400→0】

火群「……っしゃぁ！ 決まったッッ！！」


宮本「……熱いな……君の決闘は…」



◉Winner◉
-市瀬 火群-



宮本「…流石の僕もーーー処理落ちしたみたいだ」









To Be Continued…






《次回予告》




次回、『遊戯王Ph.X』
DRAW:１０５ 零るる一滴




＊タイトルは予告なく変更になる場合があります。ご了承ください(廿V廿,,)乙