第37話　勝利の運命　作：ター坊

「これで俺はレベル4~8までのモンスターが同時に召喚可能となった！運命のペンデュラムよ！俺に無限の未来を見せろ！ペンデュラム召喚！現れろ！救世者(メシア)たち！」
光の柱の間に形成された紋章から流れ星のように3つの光が俺の場に降り注ぐ。
「『護法の救世者 ゴールド･ゴーレム』！『輝翼の救世者 プラチナ･フェザー』そして…、『未来の救世者 スキュルート 』！」
俺の場に、黄金に輝く機械仕掛けの巨人、白銀に輝く翼をもつ機械の鷹、そして羽根が虹色に輝く翼をもつ女神が舞い降りた。
「きれい…」
「まず特殊召喚されたプラチナ･イーグルの効果！」

…裏！

「これで相手の墓地からカードを1枚除外する！俺は『BF-精鋭のゼピュロス』を選択する！続いてゴールド･ゴーレムの効果！」

…表！

「俺はこれで1000LP回復する」
「待てよ。ユイの場のゴールド･ゴーレムとプラチナ･フェザーは同じレベル4だぜ？」
「もしかして…」
「俺はゴールド･ゴーレムとプラチナ･フェザーでオーバーレイネットワークを構築！エクシーズ召喚！『闘魂の救世者 ダイブレード』！」
エクシーズ召喚によって現れたのは巨大な剣を構えるロボットだった。
「ダイブレードの効果発動！オーバーレイユニットを１つ取り除き、デッキから『救世』魔法･罠カードを1枚手札に加える。俺はカウンター罠『救世の賛美歌』を加える！さらにオーバーレイユニットとして墓地に送られたゴールド･ゴーレムを除外してスキュルートの効果発動！自分のフィールド上の『救世者』の数だけコイントスを行う。今はPゾーンとモンスターゾーンに2体ずついるが効果は3回までだ。これで表が出た回数分相手フィールド上のカードをデッキに戻す！」
「な、何ぃい！？インチキ効果もいい加減にしやがれ！」
「行くぞ！」

チャリーン…　裏！表！表！

「よって俺はアーマード･ウィングとホーク･ジョーを戻させてもらう！消え去れ！遥か先の未来へ！」
スキュルートが持っている杖を掲げると閃光が走り、閃光が収まった時にはクロウのモンスターは消えていた。
「バトルだ！」
「へっ！させるかよ！罠発動！『聖なるバリア-ミラーフォース』！」
「読んでたさ。俺はPゾーンに存在するピュアリーのP効果を発動！このカード自身を破壊し、このターン、すべての『救世者』は魔法･罠の効果を受けない！」
「なんだそりゃあ！？」

未来の救世者 スキュルート ATK 2500 + 闘魂の救世者 ダイブレード ATK 2600　直接攻撃

「ちぃっ！一気に削られたか…！」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

ユイ:LP 4400
クロウ:LP 2500

「俺のターン、ドロー！俺は永続魔法『黒い旋風』を再び発動！俺のフィールド上にモンスターが存在せず、相手のフィールド上にモンスターが存在する場合、『BF-暁のシロッコ』はリリースなしで召喚できる！『黒い旋風』の効果で『BF-月影のカルート』を手札に加える！さらに手札から『BF-疾風のゲイル』を特殊召喚！俺はレベル5、暁のシロッコにレベル3、疾風のゲイルをチューニング！」
「あれ？どうしてクロウってひとはゲイルの効果をつかわなかったんだろ？とってもつよいのに…」
「たぶん、セットカードを警戒してのことでしょうね」
「さっきユイが加えたカード『救世の賛美歌』…。カウンター罠である以外不明な以上、迂闊にモンスター効果を使えないって訳か…」
「クロウのデュエルの勘が、そうさせたのね…」
「シンクロ召喚！『BF T-宵闇のファルコン･マスター』！ファルコンマスターでスキュルートを攻撃！」

BF T-宵闇のファルコン･マスター ATK 3000 VS 未来の救世者 スキュルート ATK 2500

「スキュルートはペンデュラムモンスターのため、破壊されてもエクストラデッキに行く！」
「俺はこれでターンエンドだ！」
「この瞬間、破壊されたスキュルートの効果発動！デッキから天使族の『救世者』モンスターを手札に加える。俺は『奏笛の救世者 アルル』を手札に加える！」

ユイ:LP 3900
クロウ:LP 2500

「俺のターン！ドロー！俺は『奏笛の救世者 アルル』を召喚！」
フルートを持った長髪の少女の天使が舞い降りた。
「アルルの効果発動時、Pゾーンに存在するラブリのP効果発動！ライフを800支払い、コイントスを行わず、表の効果を適用させる！墓地から蘇れ、シエラ！」
アルルのフルートの調べがシエラの魂を呼び戻し、俺のフィールドに蘇らせた。
「チューナー…ってことは！」
「俺はレベル4のアルルにレベル4のシエラをチューニング！天に輝く星となった魂よ。今こそ運命の歯車を司る聖竜を起動させよ！シンクロ召喚！『運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン』！」
八つの星でできた輪に紋章が浮かび上がり、そこから機械で武装された巨大な竜が現れた。
「バトル！まずはダイブレードで攻撃！」
「イカれちまったか？攻撃力はファルコン･マスターの方が上だぜ？」
「ダイブレードは自分以上の攻撃力を持つモンスターとバトルするダメージ計算時、コイントスを2回行うことで表の回数だけ攻撃力を800上げる！1回でも出ればファルコン･マスターを倒せる！」
「忘れたのか！？ダメージステップ時に手札のカルートの効果発動！これで攻撃力は4400となり、２回表が出たとしても…」
「お前こそ忘れたか？800ライフ支払いカウンター罠『救世の賛美歌（キリエ）』発動！魔法･罠･モンスター効果の発動と効果のいずれかを無効にし、そのカードを除外する！」
「な、何！？」
「行くぜ！」

チリーン…裏！　チリーン…裏！

「そんな！ユイ！」
「は、外しやがった！」

闘魂の救世者 ダイブレード ATK 2600 VS BF T-宵闇のファルコン･マスター ATK 3000

「くっ！だが、ダイブレードはX素材がある限り戦闘では破壊されない！」
「へっ！でももう攻撃はできないはずだぜ？」
「俺はギア･デスティニー･ドラゴンでも攻撃！」
「なっ！ユイの奴、自棄（やけ）になったのか！？」
「速攻魔法『救世の護符』を発動！『救世者』モンスターの攻守をターン終了時まで2000下げることで戦闘破壊耐性と効果耐性を付ける！」
「ユイ！何やってんのよバカ！」

運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン ATK 900 VS BF T-宵闇のファルコン･マスター ATK 3000

「がはっ！」
「おかしくなりやがったか！」
「…いや、これでいい」
「何？」
「ターン終了時、攻守が元に戻り、ギア･デスティニー･ドラゴンの効果発動！」
「このタイミングでか！？トンデモコンボを狙ってるのか？」
「このターン、ギア･デスティニー･ドラゴンが戦闘を行い、相手モンスターを戦闘で破壊できず、戦闘ダメージも与えられなかった場合、LPを半分支払い、デッキをシャッフルし、デッキトップ3枚を確認する。それらが魔法･罠･モンスターとバラバラの種類だった場合、相手のターンをスキップする！」
「なんだって！？」
「ユイの奴、大博打に出やがった…！」
「でも、あまりにもリスクが高すぎる…」
確かに城之内やアキの言うようにこれはとんでもないギャンブルだ。けど、このターンに決着を着けなければおそらくジリ貧になって負けるだろう。

（ゆう君。大丈夫♪ゆう君なら未来を変えれるよ）

また、ミライさんの声が聞こえた気がした。なんだろう。すごく安心する。外す恐怖を微塵も感じない。
「行くぞ！まず1枚目！」

ﾍﾟﾗ

「モンスターカード『金管の救世者 シエラ』！2枚目！」

ﾍﾟﾗ

「罠カード『強制脱出装置』！」
「な！」
「3枚目！」


ﾍﾟﾗ


「…」
「な、なんだ？」
「まさか…」
「3枚目、速攻魔法『救世の聖火』！！」
「よっしゃぁああぁ！ユイの奴、やりやがったぜ！」
「確認した3枚のカードを除外し、ギア･デスティニー･ドラゴンの効果適用！俺に勝利の運命をもたらせ！グローリー･フェイト！」
ギア･デスティニー･ドラゴンの咆哮が轟き、暴風が吹き荒れ、時が進んで行く…。
「俺のターン、ドロー！」

ユイ:LP 300
クロウ:LP 2500

「俺はダイブレードで攻撃！コイントス！」

チャリーン…表！チャリーン…表！

闘魂の救世者 ダイブレード ATK 4200 VS BF T-宵闇のファルコン･マスター ATK 3000（ただし、戦闘ダメージは半分になる）

「トドメだ！」

運命の救世者 ギア･デスティニー･ドラゴン ATK 2900　直接攻撃

「チクショオォォ！！」