第133話　俺のエンタメデュエル！！　作：ター坊

~遊矢サイド~

俺はユイさん、遊星さんと分かれ、デュエルを行う。俺の相手は遊城十代というデュエリストだ。なんというか圧倒的な威圧感、まるで魔王か何かだ…。いや、恐れてる場合じゃない。俺のデュエルでこの人を戻してみせる！

先攻:遊矢

「俺のターン！『EMシルバー･クロウ』を召喚！カードを1枚セットしてターンエンド」
一体どんなデュエルを？
「俺のターン、ドロー！俺は魔法カード『融合』を発動！」
「なっ！『融合』！？」
「俺は手札の『E･HEROスパークマン』と『E･HEROネクロダークマン』を融合！来い！『E･HEROダーク･ブライトマン』！そして墓地のネクロダークマンの効果で1度だけ手札からレベル5以上のE･HEROを召喚できる。出でよ『E･HEROネオス』！」
1ターンでここまで揃えてくるのか…！
「バトル！まずはネオスでシルバー･クロウを攻撃！」

E･HEROネオス ATK 2500 VS EMシルバー･クロウ ATK 1800

「くっ！」
「さらにダーク･ブライトマンでダイレクトアタック！」
「させるか！永続罠『EMピンチヘルパー』を発動！その直接攻撃を無効にし、デッキからEMを効果を無効化して特殊召喚する！頼む、『EMハンマー･マンモ』！」
「くっ！俺はこれでターン終了」

遊矢:LP 7300
十代:LP 8000

「俺のターン、ドロー！俺はスケール3の『相克の魔術師』とスケール8の『相生の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング！これでレベル4~7のモンスターが同時に召喚可能！揺れろ、魂のペンデュラム！天空に描け、光のアーク！ペンデュラム召喚！現れろ！俺のモンスター達！エクストラデッキから『EMシルバー･クロウ』、そして雄々しくも美しく輝く二色のまなこ！『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』！」
「なんだ…あのドラゴン…！」
「さらに俺は『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』とシルバークロウをリリースして融合させる！」
「何！？魔法無しで融合だと！？」
「誇り高き銀狼よ。神秘の竜と１つになりて新たな力を生み出さん！融合召喚！出でよ！野獣のまなこ光りし獰猛なる龍！『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』！バトルだ！ビーストアイズでネオスを攻撃！」

ビーストアイズ･ペンデュラム･ドラゴン ATK 3000 VS E･HEROネオス ATK 2500

「さらにビーストアイズがモンスターを戦闘破壊したとき、融合素材として使用した獣族モンスターの攻撃力分のダメージを与える！シルバークロウの攻撃力は1800だ！」
「うわぁ！」
「さらにハンマー･マンモでダーク･ブライトマンに攻撃」

EMハンマー･マンモ ATK 2600 VS E･HEROダーク･ブライトマン ATK 2000

「だが、ダーク･ブライトマンが破壊された時、フィールド上のモンスターを1体破壊できる！消えろ、ビーストアイズ！」
黒い稲妻がビーストアイズに直撃し、破壊された。
「くっ。俺はこれでターンエンド」

遊矢:LP 7300
十代:LP 5100

「俺のターン…」
なんだ…？
「俺はお前ををぶっ倒して、万丈目や明日香、吹雪さんやクロノス先生と帰るんだ！ドロー！！」
何かに取り憑かれたような執念を感じる。
「俺は魔法カード『絶望融合』を発動。これで俺はエクストラデッキに存在するモンスターで融合できる」
「なっ！！」
エクストラデッキのみで融合だって？そんなカードがあるなんて…。
「俺はエクストラデッキに存在するE･HERO3体を融合素材とする。マグマ･ネオス、ストーム･ネオス、カオス･ネオスの3体を融合！現れろ、全てを無に帰す覇王たる最凶のHERO、『Z(オールエンド)-HEROレクイエム』！こいつの融合召喚時、相手の魔法･罠ゾーンのカードを全て破壊する」
なんだ、このモンスターは。ソリッドビジョンの演出じゃない。あのモンスターから放たれる禍々しいオーラが全身を貫く。
「攻撃力は…0？」
けど、きっと何かある。
「バトル。レクイエムでハンマー･マンモを攻撃」
「攻撃力0で？」
伏せカードもないのに、何故？しかしそのバトルで不思議なことが起こった。
「な！どうして…」

Z-HEROレクイエム ATK 2600 VS EMハンマー･マンモ ATK 0

「うわあぁぁ！！」
「レクイエムはバトルを行う場合、バトルするモンスターと攻撃力を入れ替える」
じゃあ…戦闘では倒せない…？なら何かの効果で…
「また、レクイエムはカードの効果で破壊されず対象にもならない」
「そんな！じゃあ倒す手段がないじゃないか！」
「それだけじゃない。戦闘で破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを与える」
「くっ、うわ！」
「そして俺のターン終了時、効果発動」
まだ…何かあるのか？
「戦闘破壊したターンのエンドフェイズ時、俺はエクストラデッキから召喚条件を無視して融合HEROを2体特殊召喚する。現れろ、ノヴァ･マスター、アブソリュート･ZERO」
闇の中から2体のモンスターが這いずって出てくる。

遊矢:LP 3400
十代:LP 5100

「俺のターン、ドロー…」
「無駄な足掻きはやめろ」
「俺は、諦めない…。ペンデュラム召喚！再び集え、俺のモンスター達！『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』、シルバー･クロー、カレイドスコーピオン」
だけど今は耐えるしかない。
「俺のターン、ドロー。バトル」

Z-HEROレクイエム ATK 2500 VS オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴンDEF 2000

「そして攻撃力の半分のダメージを与える」
「ぐあっ！」
衝撃で吹っ飛ばされる。
「さらに攻撃」

E･HEROアブソリュートZERO ATK 2500 VS EMシルバー･クロウ DEF 700

E･HEROノヴァ･マスター ATK 2600 VS EMカレイドスコーピオン DEF 2300

「ターン終了時、エクストラデッキからエスクリダオ、シャイニングを召喚する」

遊矢:LP 2150
十代:LP 5100

「…」
相手の場には手も足も出ないモンスター。それに加えて強力なモンスターが4体…。無理かな。
「遊矢！お願い！立ち上がって！！」
柚子…？
「きゃあ！」
「柚子！」
俺に声を掛けた途端、柚子もダメージを受け、飛ばされる。
「私なら平気よ！だから遊矢も…十代さんを取り戻して、クロノス先生や船で待ってる明日香さん達も笑顔にしてあげて！」
笑顔…。

―相手を楽しませるなら、自分も楽しまなきゃ―

ユイさんの言葉が心にふと過る。…俺ってばまた忘れてたな。……♪
「…？笑っている？」
「お楽しみは、これからだ！！俺のターン……ドロー！！」
これは！？
「レディースアーンド、ジェントルメーン！」
「！？なんだ…アイツ」
「遊矢…。遊矢！遊矢のエンタメデュエル！見せてあげて！」
「遊矢！お前のデュエル、十代の心に届かせるのだ！」
ありがとう、柚子、権現坂…。
「これより榊遊矢のエンタメデュエル、御覧にいれましょう！」
「貴様！ふざけているのか！！」
「十代さん、笑顔、笑顔♪デュエルは楽しまないといけません」
「何？」
「そして、貴方を皆さんの所に戻してみせましょう！」
「何を言ってるんだ。俺の場を見て分からないのか？」
「確かに、私のフィールドのモンスターは0。寂しいですね。それでは今回のエンタメデュエルの主役を呼びましょう！私はセッティング済みのペンデュラムスケールで、ペンデュラム召喚！『EMシルバー･クロウ』『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』、そして手札から『EMウィップ･バイパー』！」
「そんな雑魚で何が出来るって言うんだ！！」
「慌てない慌てない。ここはステージを綺麗に彩りましょう。私は魔法カード『マジカル･スター･イリュージョン』を発動！」
「これは…」
「『マジカル･スター･イリュージョン』の効果でそれぞれのモンスターのレベルの合計×100ポイント、攻撃力がアップします」
「俺のフィールドのHEROのレベルの合計は33…馬鹿か？」
「そしてウィップ･バイパーの効果発動！これで『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』の攻撃力と守備力を入れ替えます」
「上げた攻撃力を下げて…ハッ！まさか」
「その通り。レクイエムは攻撃力0と相手の攻撃力を入れ替える恐怖のモンスター。ですが、自身よりも攻撃力が低いモンスターとのバトルになったらどうでしょう？」
「攻撃力を入れ替える効果は強制…」
「まだ続きますよー！私はレベル4のウィップ･バイパーとシルバー･クロウでオーバーレイ！エクシーズ召喚！現れろ！ランク4『ダーク･リベリオン･エクシーズ･ドラゴン』！！ダーク･リベリオンの効果発動！オーバーレイユニットを2つ使い、ノヴァ･マスターの攻撃力の半分をもらいます！トリーズン･ディスチャージ！！」
「何！？」
「さぁバトルです！まずはダーク･リベリオンでノヴァ･マスターを攻撃！反逆のライトニング･ディスオベイ！！」

ダーク･リベリオン･エクシーズ･ドラゴン ATK 5450 VS E･HEROノヴァ･マスター ATK 2950

「うわ！だがまだ2600残っている！このターンで勝負は着かない！」
「いえいえ。『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』はモンスターとのバトルで発生するダメージを倍にする効果があります」
「攻撃力の逆転が起きたらオッドアイズの攻撃力は3300、俺のレクイエムは2000になる…つまり！」
「その通り！それではこのエンタメデュエル最後の攻撃を！『オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン』で『Z-HEROレクイエム』に攻撃！螺旋のストライクバースト！！」

オッドアイズ･ペンデュラム･ドラゴン ATK 3300 VS Z-HEROレクイエム ATK 2000

「そんな…うわああぁぁ！！」