第102話　黒い竜と黒い鳥　作：ター坊

~吹雪サイド~

【順番は黒咲→吹雪→蘭蔵】

「俺のターン。俺は『RR-バニシング･レイニアス』を召喚。さらに効果により、手札より『RR-インペイル･レイニアス』を特殊召喚。さらに永続魔法『RR-ネスト』を発動し、デッキから2枚目のバニシング･レイニアスを手札に加える！そして、俺はこの2体でオーバーレイ！2体の闇属性･鳥獣族モンスターでオーバーレイネットワークを構築！冥府の猛禽よ、闇の眼力で真実をあばき、鋭き鉤爪で栄光をもぎ取れ！エクシーズ召喚！飛来せよ！ランク４！『RR−フォース･ストリクス』！！」
「あ？得苦師伊頭か…」
「フォース･ストリクスの効果発動！オーバーレイユニットを1つ使い、デッキから『RR-ミミクリー･レイニアス』を手札に加える。カードを2枚伏せてターンエンドだ」
「僕のターン。僕は『黒竜の雛』を召喚。雛を墓地に送ることで手札から『真紅眼の黒竜』を特殊召喚！そして魔法カード『黒炎弾』を発動！これで相手にレッドアイズの攻撃力分のダメージを与えるよ！」
「くそったれがぁ！」
「乱暴な言葉遣いは良くないよ。カードを1枚伏せてターンエンド」

黒咲:LP 8000
吹雪:LP 8000
森蘭蔵:LP 5600

「俺様の番、札を引く！朱怪得流(すけえる)六の『大天狗タロウボウ』と朱怪得流十二の『大天狗ジロウボウ』で偏出湯羅武朱怪得流を張る！」
「ペンデュラム召喚か…」
「これで俺様は星が七~十一までの式霊を同時に召喚可能になった！来い！偏出湯羅武召喚！『大天狗ヒコザン』『大天狗シラミネ』！さらにこの二体を生け贄に捧げ、『大天狗イヅナゼンキ』を召喚！」
「何？」
「せっかく大量展開したのに減らして？」
「甘ぇんだよクソが！生け贄に捧げたヒコザン、シラミネの効果発動！まずはシラミネの効果で山札から一枚引く！ヒコザンの効果で根暗野郎の永続魔法を破壊する！」
「くっ！」
「おぉら、行くぞ！魔法札『天狗囃子(てんぐばやし)』を発動！これで得苦朱斗羅(えくすとら)に送られたヒコザンとシラミネを特殊召喚し、それを生け贄に新たな天狗を召喚する！出てこい！『大天狗サガミオオヤマ』！再び生け贄に使われたシラミネ、ヒコザンの効果発動！ヒコザンで根暗野郎の伏せ札を破壊！さらにシラミネの効果で一枚引く！」
「おやおやマズイね」
「余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ！行け！イヅナゼンキ！まずはその鳥野郎を潰しちまいな！」

大天狗イヅナゼンキ ATK 2700 VS RR-フォース･ストリクス DEF 2100

「罠発動！『RR-レディネス』により、このターン俺のRRは戦闘によって破壊されない！」
「へっ！バーカ！この瞬間、イヅナゼンキの効果発動！相手が罠札を発動する度に二千の損傷を与える！」
「くっ！」
「さらにサガミオオヤマでその黒竜を攻撃！」

大天狗サガミオオヤマ ATK 3000 VS 真紅眼の黒竜 ATK 2400

「おおっと！まだ終わらないぜ？サガミオオヤマの効果発動！相手の式霊を破壊した場合、もう一度戦闘できる！行ってこいや！」

大天狗サガミオオヤマ ATK 3000　吹雪へ直接攻撃

「ぐああ！」
「ざまあみろ！俺様を女と馬鹿にするからそうなる！まっ。ここで終えてやるよ」

黒咲:LP 6000
吹雪:LP 4400
森蘭蔵:LP 5600

「俺のターン、ドロー！俺はフォース･ストリクスの効果で『RR-シンギング･レイニアス』を手札に加える。そしてシンギング･レイニアスは自分の場にエクシーズモンスターがいる場合、特殊召喚できる！さらにバニシング･レイニアスを召喚！この効果で手札からミミクリー･レイニアスを特殊召喚！ミミクリー･レイニアスの効果で全てのRRのレベルを1つ上げる！俺はこの3体でオーバーレイ！獰猛なるハヤブサよ。激戦を切り抜けしその翼翻し 寄せ来る敵を打ち破れ！現れろ！ランク５！『RR−ブレイズ･ファルコン』！」
「たかが攻撃力千…。何粋がってるんだ？」
「ブレイズファルコンはオーバーレイユニットが存在する場合、相手にダイレクト･アタックが可能となる。行け！ブレイズ･ファルコン！！」

RR-ブレイズ･ファルコン ATK 1000　直接攻撃

「へっ！たかが千…」
「ブレイズ･ファルコンの効果発動！相手に戦闘ダメージを与えた場合、相手フィールド上のモンスター1体を破壊する！これで『大天狗サガミオオヤマ』を破壊！」
「な！クソッタレが！」
「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
「僕のターン、ドロー！『真紅眼の飛竜』を召喚！そしてワイバーンを除外し、手札から『レッドアイズ･ダークネスメタルドラゴン』を特殊召喚。このカードの効果で墓地から『真紅眼の黒竜』を復活！バトルだ。ダークメタルフレア！！」

レッドアイズ･ダークネスメタルドラゴン ATK 2800 VS 大天狗イヅナゼンキ ATK 2700

「さらにレッドアイズでダイレクト･アタック！ダーク･メガ･フレア！！」

真紅眼の黒竜 ATK 2400　直接攻撃

「テメェら…！ふざけやがって！」
「僕たちはふざけていないさ。遊月姫の世界が懸かった戦いだからね。君をとっとと倒して上に行かなくちゃ。僕はこれでターンエンド」

黒咲:LP 6000
吹雪:LP 4400
森蘭蔵:LP 2100

「俺様の番！永続魔法『天狗笑(てんぐわらい)』を発動！これで俺様の天狗は札の効果では破壊されなくなったぜ？そして再び！偏出湯羅武召喚！サガミオオヤマ、イヅナゼンキ、シラミネ、ヒコザン！俺様の総攻撃だ！」

大天狗サガミオオヤマ ATK 3000 VS RR-ブレイズ･ファルコン ATK 1000

「……」
「どうした？チビって声も出ねぇか？おら、もう一丁喰らわせて…」
「おおっと！そうは行かないね！カウンター罠『攻撃力の無力化』！これでその攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる」
「けっ！つまんねぇ手を使いやがって。だがなぜ最初の戦闘の時に…」
「それはこうするためだよ！黒咲君、トドメは任せたよ」
「ああ。速攻魔法『RUM-ラプターズ･フォース』を発動！これで破壊されたブレイズ･ファルコンを特殊召喚し、ランクが1つ上のRRエクシーズモンスターにランクアップする！誇り高きハヤブサよ。英雄の血潮に染まる翼翻し 革命の道を突き進め！ランクアップ･エクシーズ･チェンジ！現れろ！ランク6！『RR−レヴォリューション･ファルコン』！！」
「御大層な登場だが、攻撃力二千じゃ無理だな。俺様はこれで終いにしてやるぜ。さらに俺様の番が終わる時、『天狗笑』の効果で天狗の数だけ俺様の命は八百回復する」

黒咲:LP 4000
吹雪:LP 4400
森蘭蔵:LP 5300

「俺のターン。これで終わりだ。俺はレヴォリューション･ファルコンの効果発動！オーバーレイユニットを1つ使い、このターン全体攻撃が可能となる」
「頭に蛆でも湧いたか？そんなひょろっこい攻撃力じゃ…」
「レヴォリューション･ファルコンとバトルする相手が特殊召喚されたモンスターの場合、ダメージステップ開始時に攻守を0にする」
「……はっ！？俺様の天狗は全て偏出湯羅武召喚で出した式霊…。つまり……」
「そういうことだ。行け！レヴォリューション･ファルコン！敗れた者たちの意志を継ぎ、全ての敵を殲滅しろ！ レヴォリューショナル・エアレイド！」

RR-レヴォリューション･ファルコン ATK 2000 VS 大天狗サガミオオヤマ･イヅナゼンキ･シラミネ･ヒコザン ATK 0　

「グベァァ！！」


「……相変わらず容赦ないね」
「フン。急ぐのだろう？」
「だね」
「御二方！後は拙者らに任せ、影政様の元へ！」
「では明智のみなさん。頼みましたよ」
僕はそう言って黒咲君と共に上の階層へと向かった。




~アキ サイド~

「そんな！」
私は知っていた。遊星が強いことを。アポリアとの2対1のデュエルにも関わらず、一歩も引かない戦いを繰り広げていた。その中で遊星は信じられない行動に出た。
「俺はレベル2となった『スターダスト･ドラゴン』にレベル12の『ＤＴ(ダークチューナー)-ホロウ･シンクロン』をダークチューニング！漆黒の闇よ。光差す道を閉ざし、未来を悲哀と絶望に塗り潰せ！ダークアクセルシンクロ！招来せよ！『カラミティ･フューチャー･ドラゴン』！！」
その姿は黒く染まった『シューティングスター･ドラゴン』…。禍々しい竜を降臨させたとき、遊星の口元が不敵に歪んだように見えた。