第26話　熱い男の特訓　作：ター坊

「ユイ、いや、ユイ殿！頼む！この男権現坂に稽古をつけてくれまいか！」
「え？」
権現坂は土下座をしながら俺に頼み込んできた。
「まぁ、練習なら付き合うけど…。そこまで大袈裟にしなくても…」
「いや！舞の姉御殿から聞いたのだが、シンクロ以外にも融合･エクシーズ･ペンデュラムを使えるとか！」
「それは…色んなデッキ使うからなぁ」
「そこで、この集団で最強であろうユイ殿の指導を受けたいのだ！」
色んな召喚方法を使えるからって最強は言い過ぎではないだろうか？
「前回の素良とのデュエルを見て思ったのだ。もっと強くならなければ、この先戦い抜くことはできぬと。だから！」
「…分かった。ただし１つ条件がある」
「なっ！」
「殿付けやめてくれないか？」


先攻:権現坂

「いざ！俺のターン！俺は『超重武者 ソード -999』を召喚し、効果で守備表示となる。俺はこれでターンエンド」
「俺のターン、ドロー。俺は『聖刻龍-トフェニドラゴン』を特殊召喚しリリース！『邪帝 ガイウス』をアドバンス召喚し、ソード-999を除外させてもらう」
「なんの！俺は手札より『超重武者 ハナ-B』の効果を発動！このカードを手札から墓地に捨てることでその効果を無効にし、相手に800ダメージを与える！」
「くっ。だがまだだ。トフェニがリリースされたことで攻守を0にしてデッキからチューナーモンスター『ラブラドライドラゴン』を特殊召喚！バトル！」
「シンクロしないだと！」

邪帝 ガイウス ATK 2400 VS 超重武者 ソード-999 DEF 1800

「そう。ソード-999の効果でガイウスは弱体化するからな」
「なるほど…。だがこちらも黙っておらぬ！『超重武者 ハナ-B』は自分フィールド上の超重武者が戦闘もしくはカードの効果で破壊され墓地へ送られた場合、こいつを守備表示で特殊召喚できるのだ！」
「チューナーか…。メインフェイズ2、俺はガイウスと『ラブラドライドラゴン』を墓地に送り」
「何！？シンクロでもエクシーズでもないのか！？」
「いでよ『アルティマヤ･ツィオルキン』！」
「こ、こんなモンスターもいるのか…」
「俺はカードを1枚伏せ、『アルティマヤ･ツィオルキン』の効果発動！エクストラデッキから『ダークエンド･ドラゴン』を特殊召喚！」
「カ、カードを伏せただけでシンクロ召喚だと！」
「俺はダークエンドの効果で攻守を500下げ、ハナ-Bを墓地に送り、ターンエンド」

ユイ:LP 7200
権現坂:LP 8000

「くっ。俺のターン、ドロー！自分の墓地に魔法･罠が存在しない場合、『超重武者 ビッグワラ-G』を特殊召喚する。ビッグワラ-Gをリリースし、『超重武者 ビッグベン-K』をアドバンス召喚！バトル！」

超重武者 ビッグベン-K DEF(=ATK)3500 VS ダークエンド･ドラゴン ATK 2100

「させない！罠発動『くず鉄のかかし』！これでビッグベン-Kの攻撃を無効にし、再びセットする。これによって『アルティマヤ･ツィオルキン』効果発動！いでよ『ライトエンド･ドラゴン』！」
「ま、またか！俺はターンエンド…」
「俺のターン、ドロー。俺はカードを1枚伏せ、『魔王龍 ベエルゼ』を特殊召喚！ダークエンドの効果でビッグベン-Kを墓地に送る」
「破壊ではないから、ハナ-Bの効果が使えん！」
「全モンスターでダイレクトアタック！」

ダークエンド･ドラゴン ATK 1600 +ライトエンド･ドラゴン ATK2600 +魔王龍 ベエルゼ ATK3000

「ぬおぉおぉ！！」
「俺はこれでターンエンド」

ユイ:LP7200
権現坂:LP 800

「お。やってるやってる」
「あれって…赤き竜なの？」
「え？権現坂負けてる」
特訓中、舞、龍可、アユが見に来た。
「まぁ。稽古をつけてくれってことだからさ」
「だからって、やり過ぎなんじゃ…」
「いや、舞の姉御殿！むしろここまで全力を尽くしてくれることに男権現坂、感謝している！」
「権現坂~！頑張れ~！」
「うむ！俺のターン…ドロー！！（来たか！）俺は『超重武者 テンB-N』を特殊召喚し、墓地からハナ-Bを特殊召喚する！俺はレベル4のテンB-Nにレベル2のハナ-Bをチューニング！雄叫びを上げよ！神々しき鬼よ！見参せよ！龍集いし戦場に！シンクロ召喚！出陣せよ！レベル6！『超重神鬼 シュテンドウ-G』！シュテンドウ-Gのシンクロ召喚成功時、相手の魔法･罠をすべて破壊する！」
「くっ！『くず鉄のかかし』と『トラップ･スタン』が！」
「さらに俺は『超重武者 ホラガ-E』を召喚し、シュテンドウ-Gにチューニング！」
「権現坂！」
「へぇ~。言わば重ねシンクロ…権ちゃんやるじゃない」
「魂よ燃え上がれ！猛々しき軍神よ！降臨せよ！龍集いし戦場に！シンクロ召喚！レベル8！『超重軍神 ビシャモン-SKY(テン)』！ビシャモン-SKYはシンクロ召喚成功時、相手フィールド上のモンスターをすべて手札に戻す！」
「な、何！？」
「ユイさんの場ががら空きに…！」
「いっけー！権現坂ぁ！」
「『超重軍神 ビシャモン-SKY』でダイレクトアタック！」

超重軍神 ビシャモン-SKY DEF(=ATK) 3100　直接攻撃

「くっ！」
「さらにビシャモン-SKYが戦闘ダメージを与えた場合、1枚ドローできる！俺はこれでターンエンド！」

ユイ:LP 4100
権現坂:LP 800

「俺のターン、ドロー！悪いが負けたくないからな！墓地からガイウスとトフェニドラゴンを除外し、『混沌帝龍 -終焉の使者-』を特殊召喚する！ライフを1000支払うことで互いのフィールド･手札のカードをすべて墓地に送り、相手の墓地に送った枚数×300のダメージを与える！」
「な、なんとー！」

こうして俺と権現坂の試合が終わった。ただ、舞の言う通り少しえげつなかったかもしれない。
「ユイ！この男権現坂に付き合ってくれたこと、誠にかたじけない！」
「そ、そう…？いい特訓になったようで良かったよ」
まぁ本人は落ち込んでなく、むしろやる気に満ち溢れている。
「では、次は舞の姉御殿！宜しく頼みます！」
「え！？アタシ？」
「俺はもっと強くなりたい！そのために何卒！」
「舞…。まぁ頑張れ」
「ちょっとユイ！」
俺はそそくさとその場から離れた。権現坂は向上心に溢れている。それは素晴らしいけど…
「ちょっと俺からしたら、暑苦しい…かな？」