第122話　真リーダー決定戦？　作：ター坊

~万丈目サイド~

「ユイ！俺はリーダーの座を賭けてお前に挑む！」
俺はユイの部屋に入って挑戦状を叩き付けた。
「え？」
ユイは黒咲とⅢと共に洗濯物を畳んでる最中だった。
「いや…別にリーダーになった訳じゃないから…ねぇ？」
「俺に振るな」
「僕もあまりユイがリーダーと言うのは意識してませんでした…。でもみんなの中心になってることが多いのは事実ですよね」
ユイは話題を逸らそうとしてるのか二人に話を振る。
「ええい、面倒だ！俺と勝負しろと言うのだ！」
「うーん。……そうだ！俺に良い考えがある」
ユイはある提案を俺に持ち掛けた。

勝負場所は船のデッキとなった。陽光が俺達を照らす。そしてデュエルする場には俺とユイの他に二人いる。
「絶対勝つぜ」
「がんばる！」
Ⅳとアユだ。ユイの提案とはこの4人によるバトルロイヤルだった。
「リーダーって腕っぷしだけじゃなくて頭を使った駆け引きも出来るべきじゃないか？」
というユイの意見からこんなことになった。一見するとユイが1VS3で圧倒的に不利そうだが違う。その駆け引きとは勝利したときの褒美にある。それは
「バトルロイヤルで俺(=ユイ)を倒した人のお願いを可能な範囲で聞いてあげる」
と言うものだ。トドメを刺せるのは一人しかいないわけだから望みを叶えられるのも一人だけだ。一気呵成に攻めてもユイにトドメを刺せなかった場合、別の奴が横取りする可能性もある。如何に他を出し抜いてユイに勝つか、それが課題となる。無論、俺の望みはリーダーになる！
だが、他の二人は
「俺様の掃除当番をなくせ！」
と言うⅣと
「ごはんにピーマンは入れないでほしい」
と言うアユ…こんなくだらん望みに負けてたまるか！
ちなみにこのバトルロイヤルは他のみんなも注目してるようでギャラリーとして観戦している。
「アユちゃーん！ファイトー！」
「むぅ。だが戦う理由がけしからんな」
「ユイー！頑張ってー！」
「ユイ様！お気をつけて」
アユを応援する柚子と権現坂やユイを応援する美羽と遊月。
「Ⅳ兄様…」
「Ⅳ！てめぇ！！」
Ⅳに呆れるⅢや凌牙。

こうしてそれぞれの望みを賭けた勝負の幕が開いた。

「デュエル！」

【万丈目→Ⅳ→アユ→ユイ】

「俺のターン！俺は『X―ヘッド･キャノン』を召喚！カードを1枚伏せてターン終了！」
「俺様のターン！俺様はカードを1枚セットしてターンエンド」
「わたしのターン！『アクアアクトレス･グッピー』を召喚！効果でてふだから『アクアアクトレス･アロワナ』を特殊召喚！アロワナの効果でデッキから『アクアアクトレス･グッピー』をてふだにくわえるよ！さらにえいぞく魔法『水舞台』を発動！これで水属性以外のモンスターとの戦闘いがいで破壊できないよ！カードを1まいセットしてターンエンド！」
「俺のターン、ドロー！」
ユイのターンからドローと攻撃が可能になる。そう言えばユイは全員倒したらどうする気だ？いや、この俺が倒す以上関係ないな。
「俺は『勇気の救世者 シグナム』を召喚。コイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…裏

「これで…ごめんな。アユの『水舞台』を破壊！」
「あー！」
「アユちゃん！ドンマイドンマイ！」
「アユ！まだこれからだぞ！」
「そしてシグナムでⅣにダイレクトアタック！」

勇気の救世者 シグナム ATK 1800　Ⅳに直接攻撃

「ぐあ！」
「カードを2枚伏せてターンエンドだ」

万丈目･アユ･ユイ:LP 8000
Ⅳ:LP 6200

全員ターンを一巡し、ここからが本番だ。
「俺のターン！『Ｘ―ヘッド･キャノン』を生け贄に『アームド･ドラゴンLv5』を召喚！さらに魔法カード『レベルアップ！』を発動！これでLv5をLv7に進化させる！」
「万丈目の奴、飛ばしてるな」
「Lv7の効果で手札から『闇より出でし絶望』を墓地に送り、その攻撃力以下のモンスターを全て破壊する！」「きゃ！」
「！」
これでアユとユイのモンスターは全滅した。
「『アームド･ドラゴンLv7』でアユにダイレクトアタック！」
「あわわ！罠カード発動『海物語-ウラシマ』！この効果で万丈目お兄ちゃんのドラゴンの攻撃力をターンが終わるまでのあいだ100にするよ！」
「く！小賢しい真似を！」

アームド･ドラゴンLv7 ATK 100　アユに直接攻撃

「ふー。あぶなかった」
「俺はこれでターンエンドだ」

万丈目･ユイ:LP 8000
Ⅳ:LP 6200
アユ:LP 7900

「俺様のターン！『ギミック･パペット-ボム･エッグ』を召喚。コイツの効果で手札からネクロ･ドールを捨てレベルを8にする。さらに自分フィールド上にギミック･パペットが存在する時、手札より『ギミック･パペット-マグネ･ドール』を特殊召喚」
「これでレベル8のモンスターが2体…。Ⅳの奴、やる気か？」
「俺はボム･エッグとマグネ･ドールでオーバーレイ！2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！エクシーズ召喚！現れよ！『No.40ギミック･パペット-ヘブンズ･ストリング』！！ヘブンズ･ストリングで『アームド･ドラゴンLv7』に攻撃！」

No.40ギミック･パペット-ヘブンズ･ストリング ATK 3000　VS　アームド･ドラゴンLv7 ATK 2800

「く！」
「俺様はカードを1枚セットしてターンエンドだ」

万丈目:LP 7800
Ⅳ:LP 6200
アユ:LP 7900
ユイ:LP 8000

「わたしのターン、ドロー！来た！わたしはまた『アクアアクトレス･グッピー』を召喚して効果で『アクトレス･テトラ』を特殊召喚！そして~」
「？」
「魔法カード『水再演(アクアリウム･アンコール)』を発動！このカードはじぶんのフィールドにアクトレスモンスターが2体いじょういるばあい、墓地からアクアアクトレスモンスター1体を特殊召喚するよ！もう一度舞台にでてきて！『アクアアクトレス･アロワナ』！さらにテトラの効果でデッキから『水舞台装置』をてふだにくわえて発動！これでわたしのアクアアクトレス達の攻撃力･守備力は600アップするよ！」
「だが俺様のヘブンズ･ストリングには及ばねぇな」
「さらに魔法カード『水照明』を発動してバトル！アロワナでヘブンズ･ストリングに攻撃！『水照明』の効果でわたしのアクアアクトレスモンスターの攻撃力は2倍になるんだよ！」

アクアアクトレス･アロワナ ATK 5200　VS 　No.40ギミック･パペット-ヘブンズ･ストリング ATK 3000

「へっ！」
「わたしはさらにグッピーでユイお兄ちゃんに、テトラで万丈目お兄ちゃんにダイレクトアタック！」

アクアアクトレス･グッピー ATK 1200　ユイに直接攻撃
アクアアクトレス･テトラ ATK 900　万丈目に直接攻撃

「効かんわ！」
「やるなアユ」
「えへへ…。わたしはこれで、ターンエンドだよ」

万丈目:LP 6900
Ⅳ:LP 4000
アユ:LP 7900
ユイ:LP 6800

「俺のターン、ドロー。俺は『奏笛の救世者 アルル』を召喚。コイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…裏！

「これで手札から『友愛の救世者 エミュリン』を追加で召喚。コイントス判定」

ﾁﾘｰﾝ…表！

「これで墓地のシグナムを手札に戻す。俺はこの2体でオーバーレイ！輪廻を司る不死鳥よ！太陽の翼の輝きで悪しき心を焼き尽くせ！エクシーズ召喚！！『輪廻の救世者 ソル･ReB(リ･バース)フェニックス』！！」
ユイが召喚したのはメビウス･ライフ･フェニックスと似ているが、明らかに違うモンスターだった。ユイのモンスター…恐らく一筋縄ではいかないだろう。