第141話　突入！新横浜ドリームパーク　作：ター坊

「ふぅ。早く着いて良かったな」
さすがは異世界の飛行船、といったところか。ものの５分かそこそこで目的地に到着した。
「新横浜ドリームパーク…。ここで僕達は負けたんだ…」
「確かに…。俺はどこかでここを見た気がする」
遊戯と遊星は遊園地を眺めながら言葉を洩らす。ちなみに今回の調査メンバーは

遊戯　城之内　舞
十代　万丈目　明日香
遊星　クロウ　アキ
遊馬　凌牙　Ⅲ　ゴーシュ
遊矢　権現坂　柚子　黒咲
俺　遊月　美羽　柳生　メアリー

と遊園地という広範囲であることや重要かもしれない場所ということを鑑みて今までで一番多い人数を動員することとなった。
「ん？どうした、遊月？柳生さんも」
「いえ、その…」
「……」
なんだか遊月と柳生さんの顔色が優れないようだが。
「…うむぅ……。未だに信じられぬ。拙者らはこんな鉄の塊に乗って飛んで来たのか…。面妖であった…」
「ちょっと…怖かったです」
「あっ、そっか。戦国時代に空飛ぶ乗り物って無いもんな」
なんだ、慣れてないだけか。
「でもアストラル。こんなでかいと相手に攻められるんじゃ」
「問題ない」
俺の心配を余所にアストラルが飛行船に手を翳すと、飛行船は細かい光の粒となり遊馬の皇の鍵に吸い込まれていく。
「行こうか」
「あ、ああ」
異世界の現象にはもう驚くまいと思っていたが、やはり異世界は半端じゃなかった。



俺達が降り立った場所は遊園地前の小高い駐車場だった。そこから徒歩数分、遊園地の正面ゲートに着いた。
「何か手掛かりがあると良いな」
俺達が入ろうとしたその時―


「待て」
「入園料は」
「お前達の命だ」
同じ声だが三方向から聴こえてくる。
「なっ！お前達は…！」
そう。それはよく知った顔だった。なんせ、俺の顔だから。
「あの時、差し向けた俺のそっくりロボット…！他にも造られたのか」
「ああ、そうだとも」
「2号の仇、取らせてもらうぞ」
炎王デッキの奴、2号だったのか。…しかしそれはどうでも良いとして、これで確信に変わった。こうして門番が存在するということは、マスターDにとってこの遊園地は守るに値する重要な場所と見るべきだろう。
「ふん。たかが量産機風情が仲間意識など片腹痛い！」
「仲間を欺いたロボットを許す訳にはいかないわ」
「すぐスクラップにしてやる」
先陣を切るように万丈目とアキ、黒咲が前に出る。
「みんな…」
「勘違いするな。肩慣らしに過去のお前を倒すだけだ」
「そうか。…じゃあ任せた」
「アキ、気を付けてね」
「ありがとう、美羽。けど負けないわよ、絶対に」
三人がそれぞれ俺の偽者ロボットと向かい合う。
「お前達。俺達はアイツの戦術を使うんだぞ？」
「以前負けた奴が勝てるのかな？」
「ポンコツ共め。俺達の強さが変わっていないと思ったら大間違いだ」

「「 「デュエル！！」 」」
こうして三方面のデュエルが始まった。






数ターンが経過し盤面も整ってそろそろ決着がつくだろう。



万丈目VSロボユイ４号
やはりと言うべきかこのロボット達は俺が救世者を手にする以前のデッキを使うようだ。この４号(自分でそう言ってた)はHEROだ。

万丈目:LP 1900
手札3･フィールド 伏せ１枚

ロボユイ４号:LP3500
手札１枚･フィールド『機甲忍者ブレード･ハート』『M･HEROダークロウ』『E･HEROエアーマン』(『リビングデットの呼び声』で復活)伏せ２枚･『リビングデットの呼び声』


戦況は思わしく無いが、万丈目はむしろ余裕といった顔をしている。
「俺のターン、ドロー！LPを８００支払い、魔法カード『魔の試着部屋』を発動！デッキの上から４枚めくる！」

ﾍﾟﾗ…『おジャマ･グリーン』『アームド･ドラゴンLv5』『おジャマ･ブラック』『レベルアップ！！』

「その中からレベル3以下の通常モンスターを特殊召喚する。来い、雑魚共！」
「いっくぞー！」
「おう！」
「そして『おジャマ･イエロー』を召喚！」
「ひさびさに~オイラが活躍するわよ~！」
おジャマ兄弟、結構しゃべるな。
「そんな寄せ集めでなんになるんだ？」
「ふっ。ならば教えてやろう！底力という奴を！魔法カード発動、『おジャマ･デルタハリケーン！！』！！」
「行くぞ兄弟！」
「おうよ、あんちゃん！…イエロー！」
「ブラック！」
「グリーン！」
「「 「必殺…おジャマ･デルタハリケーン！！」 」」

ギュオォォーーン、ドカーーン！！


「俺のカードが…全滅だと！」
ロボユイの伏せカードは『奈落の落とし穴』『次元幽閉』。発動のチャンスを与えることなく破壊できたのはオイシイ。
「まだまだ。罠カード『おジャマトリオ』を発動して貴様の場におジャマトークンを3体特殊召喚する！」
「くっ！本当に邪魔くさい」
「さらに魔法カード『融合』でおジャマ三兄弟を融合！現れろ、『おジャマ･キング』！！そして『おジャマッスル』を発動！！」
決まったな。
「これでおジャマトークン３体を破壊して攻撃力を3000アップ！さらにトークンが破壊されたことで１体につき300、合計900ダメージを受けてもらう」
「ば、馬鹿な…！」

ロボユイ４号:LP 3500→2600

「これでトドメだ！行け！おジャマッスル・フライング・ボディアタック！！」
「ぬおおぉぉ！！」
「グアァァー！」

ロボユイ４号:LP 2600→0



アキVSロボユイ3号
今度は聖刻シンクロが相手で、こちらもトドメの場面となった。

アキ:LP 700
手札４枚･フィールド何もない
ロボユイ3号:LP 5000
手札３枚･フィールド『スターダスト･ドラゴン』『迅雷の騎士ガイアドラグーン』『レッドアイズ･ダークネスメタルドラゴン』

アトゥムスからのレダメの展開でかなりの劣勢に立たされたが…。
「私のターン、ドロー！私は『夜薔薇の騎士』を召喚。効果によって手札から『返り咲く薔薇の大輪』を特殊召喚！私はレベル4の『返り咲く薔薇の大輪』にレベル3『夜薔薇の騎士』をチューニング！冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け！シンクロ召喚！現れよ、『ブラック・ローズ・ドラゴン』！！そして『ブラック・ローズ・ドラゴン』がシンクロ召喚に成功したとき、フィールド上のカードを全て破壊する！ブラック･ローズ･ガイル！」
「『スターダスト･ドラゴン』の効果発動！リリースすることでブラック･ローズの効果を無効にして破壊する。お前の仲間が使うカードの効果も忘れたか？」
アキがそんな無駄なマネをするわけがないだろ。
「ここで私は墓地の『薔薇恋人』の効果を発動。このカードを除外して手札から『凛天使クイーン・オブ・ローズ』を特殊召喚！」
「だが、攻撃力は！」
「ええ。だけど貴方のモンスターはどうかしら？墓地から『返り咲く薔薇の大輪』を除外して装備魔法『薔薇の刻印』を発動！これで貫通ダメージを与えられるガイアドラグーンのコントロールを得る！」
「しまった！レダメはアトゥムスの効果で特殊召喚したから攻守は0…」
「これで終わりよ。まずはガイアドラグーンで攻撃」

迅雷の騎士ガイアドラグーン ATK 2600 VS レッドアイズ･ダークネスメタルドラゴン DEF 0　

ロボユイ3号:LP 5000→2400

「くっ！」
「そしてクイーン･オブ･ローズでダイレクトアタック！薔薇剪定斬！！」

凛天使クイーン･オブ･ローズ ATK 2400

ロボユイ3号:LP 2400→0



黒咲VSロボユイ１号
黒咲は結構いい勝負で拮抗していたが…一気に圧されてしまっている。

黒咲:LP 3100
手札:3枚･フィールド何もない

ロボユイ１号:LP 3000
手札:1枚　『カオス･ソルジャー-開闢の使者-』『マスター･ヒュペリオン』
『神の居城-ヴァルハラ-』

「俺のターン、ドロー！『RR-バニシング･レイニアス』を召喚！バニシング･レイニアスの効果で手札より『RR-インペイル･レイニアス』を特殊召喚！さらに魔法カード『RR-コール』を発動！これでデッキからもう１体のインペイル･レイニアスを特殊召喚！」
さすがは黒咲。あっという間に３体のモンスターを並べたか。
「俺は３体のRRでオーバーレイ！３体の鳥獣族モンスターでオーバーレイネットワークを構築！雌伏のハヤブサよ。逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ！エクシーズ召喚！現れろ！ランク４！『ＲＲ−ライズ・ファルコン』！ライズ・ファルコンの効果発動！オーバーレイユニットを1つ使い、貴様の場のカオス･ソルジャーの攻撃力分強化される！行け、ライズ・ファルコン！『マスター・ヒュペリオン』に攻撃！」
「させるか！手札からオネストを墓地に送ることで攻撃力を上げる！」
なっ！まずい！

RR-ライズ・ファルコン ATK 3100 VS マスター・ヒュペリオン ATK 5800

黒咲:LP 3100→400
「お前の手札は１枚、それで逆転出来るわけが…！」
「鋼の意志は砕けない！手札から速攻魔法『RUM-デス・ダブル・フォース』を発動！！これで戦闘によって破壊されたRRエクシーズモンスターを特殊召喚し、倍のランクのモンスターにランクアップさせる！俺はライズ・ファルコンを特殊召喚し、オーバーレイネットワークを再構築！勇猛果敢なるハヤブサよ。怒りの炎を巻き上げ、大地をも焼き尽くす閃光となれ！ランクアップ・エクシーズチェンジ！飛翔しろ！ランク８、『RR−サテライト・キャノン・ファルコン』！！」
「なっ！何！？」
「サテライト・キャノン・ファルコンでカオス・ソルジャーに攻撃する際、効果発動！オーバーレイユニットを1つ使い、貴様のモンスターの攻撃力を俺の墓地のRRモンスター１体につき８００ダウンさせる！」
「…！奴の墓地には今までで10体はいるぞ…！」
「これで終わりだ、偽者め。エターナル･アベンジ！！」

RR-サテライト・キャノン・ファルコン ATK 3000 VS カオス・ソルジャー-開闢の使者- ATK 0

ロボユイ１号:LP 3000→0





俺の偽者ロボット達は３人の手によって蹴散らされた。マスターD。見ているか？俺達は必ずお前に勝ってみせる。
「行くぞ、みんな。必ずマスターDの手掛かりを見つけて追い詰めるぞ」