21話　美愛VS遊矢　前編　作：名無しのゴーレム

美愛　LP4000　手札5枚
遊矢　LP4000　手札5枚

デュエルの開始と同時に、フィールド上にアクションカードが散らばった。

「先行は私です。私は召喚僧　サモンプリーストを召喚します。…あった！」
美愛が勢いよく走りだした。恐らくその先には…
「はあ、はあ…。よし。サモンプリーストの効果発動。手札の魔法カードを1枚墓地に送ることで、デッキからレベル4のモンスター1体を特殊召喚します。私は今手札に加えたアクションマジック、ラブコーリングを墓地に送って、デッキからアンブラル・アンフォームを特殊召喚。」
おお、いきなりアクションカードを利用したな。しかもこれでレベル4のモンスターが2体。つまり…
「レベル4のサモンプリーストとアンブラル・アンフォームでオーバーレイ。　2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。来て、キングレムリン！」
「なっ！？　エクシーズ召喚だって！」
遊矢君が驚く。どうやら彼もほかの召喚方法はあまり馴染みがないようだ。
「キングレムリンの効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことでデッキから爬虫類族モンスターを1枚手札に加えることができます。私はデッキからカメンレオンを手札に加えます。カードを1枚セットして、ターンエンド。」

美愛　LP4000　手札4枚　キングレムリン　伏せカード1枚
遊矢　LP4000　手札5枚

「俺のターン、ドロー！　…レディースアーンドジェントルメーン！」
「な、何だいきなり？」
「あれは遊矢君が何かすごいことをする時の口癖みたいなものだよ。」
驚く俺に京子が解説してくれた。すごいことって、まさか…
「これから皆さんにご覧いただくのは、私、榊　遊矢が初めて行ったペンデュラム召喚です！」
やはりか…
「それでは初めにペンデュラム召喚の説明を。ペンデュラム召喚は、2枚のペンデュラムモンスターをペンデュラムゾーンにセットすることによって行われます。ペンデュラム召喚が行えるのは、セットした2体のペンデュラムモンスターのペンデュラムスケールの間のレベルを持つモンスターとなります。さて、それでは私が実際にやって見せましょう！　スケール5のEMチアモールとスケール2のEMドラミング・コングで、ペンデュラムスケールをセッティング！」
遊矢君のフィールドに2本の青い光の柱が現れる。
「これでレベル3から4のモンスターが同時に召喚可能！　揺れろ、魂のペンデュラム！　天空に描け光のアーク！　ペンデュラム召喚！　現れろ！　EMファイア・マフライオ、EMシルバー・ウルフ！」
中央の光の輪の中からモンスターたちが現れる。
「…すごい、すごいです！」
美愛が興奮している。あいつ、デュエル中だってこと忘れてないよな？
「いいえ、驚くのはまだ早いですよ？　ペンデュラムゾーンにセットされたペンデュラムモンスターは、それぞれが持つペンデュラム効果を発動させることができます。では早速、チアモールのペンデュラム効果発動！　私のフィールドに存在するペンデュラムモンスターの攻撃力を300ポイントアップさせます！」
ファイア・マフライオ　攻撃力800→1100
シルバー・ウルフ　攻撃力1800→2100
「バトル！　シルバー・ウルフでキングレムリンを攻撃！」
「え？　キングレムリンの方が攻撃力は上なのに…」
京子が不思議そうにする。まあ、何らかの効果があるんだろうが…
「ここでドラミング・コングのペンデュラム効果発動！　私のモンスターが攻撃するとき、バトルフェイズ終了時までそのモンスターの攻撃力を600ポイントアップさせます！」
シルバー・ウルフ　攻撃力2100→2700
「さらに、シルバー・ウルフの効果発動！　このモンスターの攻撃時、私の場のEMと名のつくモンスターの攻撃力をバトルフェイズ終了時まで300ポイントアップさせます！」
ファイア・マフライオ　攻撃力1100→1400
シルバー・ウルフ　攻撃力2700→3000
「攻撃力…3000だって！？」
「そしてファイア・マフライオは自分のペンデュラムモンスターが相手モンスターを戦闘で破壊したとき、そのモンスターを攻撃力を200ポイントアップさせて、もう１度だけ続けて攻撃できるという効果を持っています。」
「……」
美愛に少しだけ焦りの色が見えた。大丈夫か…？
「説明も終わったところで、行け、シルバー・ウルフ！　キングレムリンを破壊しろ！」
「速攻魔法、禁じられた聖槍発動。シルバー・ウルフの攻撃力をターン終了時まで800ポイントダウンさせ、このカード以外の魔法・罠カードの効果を受け付けないようにします。」
これでシルバー・ウルフの攻撃力は2200まで下がる。ギリギリキングレムリンの方が上に…
シルバー・ウルフ　攻撃力3000→1300
「ぐわぁぁ！！」
遊矢　LP4000→3000
キングレムリンがシルバー・ウルフを薙ぎ払う。その衝撃で遊矢君も吹き飛ばされた。しかし、なんでシルバー・ウルフの攻撃力が1300まで落ちたんだ？
「…どうやら、ペンデュラム効果は魔法か罠の効果として扱われるようですね。」
美愛が冷静に状況を分析する。…なるほど、それなら筋が通るな。
「…これで俺のターンは終了。いくぞ、マフライオ！」
ファイア・マフライオ　攻撃力1400→1100
遊矢君はターンを終了させると、マフライオに乗って走り出した。アクションカードを探しているのだろう。

美愛　LP4000　手札4枚　キングレムリン
遊矢　LP3000　手札2枚　ペンデュラムゾーン　EMチアモール、EMドラミング・コング モンスターゾーン　EMファイア・マフライオ