67話 破滅へ導く四騎士　作：名無しのゴーレム

奈緒 LP2350 モンスターゾーン 黙示録の四騎士―ホワイトライダー
恭治 LP4000 モンスターゾーン M・G アキレス 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚
郁哉 LP4000 モンスターゾーン 古の騎士 トリスタン 魔法・罠ゾーン 英雄の集う地
強志 LP4000 モンスターゾーン 機密兵器Ω カタストロフ 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


「……なら、アキレスの効果発動！ ホワイトライダーのレベル×200ポイントのダメージを、食らえ！！」
「無駄だァ！！ ホワイトライダーが存在する限り、私は一切のダメージを受けないィ！！」
「なん、だとぉっ……！？ っ、なら……リバースカードオープン！ 通常罠、トゥルース・リィンフォース！ デッキからM・G チェーンを特殊召喚！ そして……俺のターン、ドロー！ M・G ストッパーを召喚！ レベル1のストッパーにレベル1のチェーンをチューニング！ 速度の頂きへ導く風よ、我が元に吹き荒れろ！ シンクロ召喚！ 疾く馳せ参じよ！ シンクロチューナー、M・G ゼファー！ レベル8のアキレスにレベル2のゼファーをチューニング！ 速度の極致に至りし者よ、その神速を以ってあらゆる敵を抜き去り射抜け！ シンクロ召喚！ 疾く馳せ参じよ、T・M・G アタランテ！！」



シンクロモンスターどうしで、さらにシンクロ召喚……あれが、恭治のエースモンスター……！！



「アタランテのシンクロ召喚に成功したとき、相手フィールドすべてのカード効果を無効にする！ そのモンスターがどんな効果を持ってるかは知らねえが、封じちまえば何にも怖くねえ！」
「それは封じられたならの話だがな。ホワイトライダーの効果発動！ 1ターンに1度、墓地の黙示録カード1枚を除外することで、相手の発動したカード効果を無効にする！」
「チィッ、ゼファーをシンクロ素材にしたことにより、デッキからマッハと名のついた速攻魔法を手札に加える。バトルだ！ アタランテでホワイトライダーを攻撃！」



攻撃力3000のアタランテに対して、ホワイトライダーの攻撃力は2500。だが、このまま攻撃が通るのか……？



「ホワイトライダーの効果発動！ バトルを行う場合、攻撃力に関係なく自分モンスターがバトルに勝利する！ そして私のライフを1000回復し、相手は1000ポイントのダメージを受けるゥ！！」
「なぁっ……！？」
「勝利の騎士の前に敗北など有り得ないのだよォ！！ さあホワイトライダー、愚かな弱者を討てェ！！」
「ぐっ、ううぅ……」


奈緒 LP2350→3350

恭治 LP4000→3000


「……速攻魔法、マッハ・サイクルを発動。さらにカードを2枚セットして……ターンエンド。マッハ・サイクルの効果で2枚ドローだ」
「この瞬間、解かれる封印の効果発動！ 舞い降りろ、黙示録の四騎士―レッドライダー！！」


奈緒 LP3350 モンスターゾーン 黙示録の四騎士―ホワイトライダー、黙示録の四騎士―レッドライダー
恭治 LP3000 魔法・罠ゾーン 伏せカード3枚
郁哉 LP4000 モンスターゾーン 古の騎士 トリスタン 魔法・罠ゾーン 英雄の集う地
強志 LP4000 モンスターゾーン 機密兵器Ω カタストロフ 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


「俺のターン、ドロー。……禁断融合―蘇る伝説発動！ ライフを半分支払い、手札の古の騎士 ヘラクレスとフィールドのトリスタンを融合する！」


郁哉 LP4000→2000


「不死の大英雄よ、悲嘆の騎士よ！ その魂を以って伝説の力を呼び起こせ！ 融合召喚！ 現れ出でよ、古の将軍 ハンニバル！」
「……この後に及んで禁断融合を使うか。だが、その代償は決して安くはないだろうゥ？」
「グッ……ウ、アァァァ！！」
「郁哉！！」
「…………だい、じょうぶです……ハンニバルの効果発動！ 墓地の古の騎士をハンニバルに装備する！」
「させるとでも、思ったか？ ホワイトライダーの効果発動！ 墓地の黙示録カード1枚を除外して、効果の発動を無効にする！」
「それは想定内だ。装備魔法、英雄の加護をハンニバルに装備する。このカードを装備したモンスターが戦闘を行うとき、相手モンスターの効果を無効にする！」



よし、これならホワイトライダーを……



「……ギャハハハァ！！ レッドライダーの効果発動！ ライフを500支払うことで、相手の効果の発動を無効にする！」


奈緒 LP3350→2850


「！？ ……カードを1枚セットして、ターン……なっ！？」



郁哉は確かにターンを終了しようとしていた。なのに……



「ど、どうしてハンニバルが攻撃を！？」
「レッドライダーが存在する限り、相手モンスターは必ず攻撃しなければならないィ！！ そしてホワイトライダーの効果で、私はこのバトルに勝利するゥ！！」
「くっ、だが蘇る伝説で融合召喚されたハンニバルは破壊されない！」
「……破壊出来なければホワイトライダーの効果は発動しない。上手く凌いだというわけだ……だが、相手モンスターが攻撃宣言したことによりレッドライダーの効果発動！ 私はライフを500回復するゥ！！」


奈緒 LP2850→3350


「これで俺はターンエンド……」
「しかしィ！！ この瞬間に解かれる封印の効果発動！ 第三の封印を破り顕現せよ！ 黙示録の四騎士―ブラックライダー！！」



白、赤、そして……黒の馬を駆る騎士。1体でも厄介なモンスターが、3体も……


奈緒 LP3350 モンスターゾーン 黙示録の四騎士―ホワイトライダー、黙示録の四騎士―レッドライダー、黙示録の四騎士―ブラックライダー
恭治 LP3000 魔法・罠ゾーン 伏せカード3枚
郁哉 LP2000 モンスターゾーン 古の将軍 ハンニバル 魔法・罠ゾーン 英雄の集う地
強志 LP4000 モンスターゾーン 機密兵器Ω カタストロフ 魔法・罠ゾーン 伏せカード2枚


「……俺のターン、ドロー！」
「ブラックライダーの効果発動！ 相手はカードをドローしたとき、手札・フィールドのカード1枚をデッキに戻さなければならないィ！！」
「っ！？ 伏せカード1枚をデッキに戻す……」



マズイ……このままじゃあいずれジリ貧に陥る。モンスターはすべて戦闘破壊され、効果は無効化される。何か、何か突破口を……



「……スタンバイフェイズにストリグス、ドミントを特殊召喚。レベル4のストリグスとドミントでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ 現れろ、機密兵器α デストロイ！ デストロイの効果発動！ オーバーレイユニットを1つ取り除き、エクストラデッキから特殊召喚されたモンスター1体をこのカードに装備する！ デストロイ、ホワイトライダーを吸収しろ！」
「通すとでも思ったかァ！？ ホワイトライダーの効果発動！ 墓地の黙示録カード1枚を除外して、デストロイの効果の発動を無効にするゥ！！」
「なら、再びデストロイの効果発動！」
「ならばこちらも、レッドライダーの効果発動！ ライフを500支払ってその効果を無効にするゥ！！」


奈緒 LP3350→2850


「……カタストロフの効果発動！！ 墓地のストリグスとドミントを除外して、ホワイトライダーとレッドライダーを除外する！！」



これが、通れば……！！



「…………ヒャハハハァ！！ ブラックライダーの効果発動！ 手札を1枚捨てて、カタストロフの効果も無効だァ！！」
「クソッ……！！」
「打つ手なし、かァ？ ならレッドライダーの効果でバトルに移ってもらうぞォ！！」
「っ……」



カタストロフとデストロイがホワイトライダーへと向かっていき、そして蹴散らされた。



「ホワイトライダーの効果でお前は2000ポイントのダメージ、私は2000ポイントライフを回復するゥ！！」


強志 LP4000→2000

奈緒 LP2850→4850


「レッドライダーの効果で1000ポイント回復する。さらにブラックライダーの効果発動！ 相手がダメージを受けたとき、それと同じ数値私のライフは回復だァ！！」


奈緒 LP4850→7850


「……モンスターをセット。これで……ターン、エンドだ」
「解かれる封印の効果発動ゥ！！ さあ来い、黙示録の四騎士―ペイルライダー！！」


奈緒 LP7850 モンスターゾーン 黙示録の四騎士―ホワイトライダー、黙示録の四騎士―レッドライダー、黙示録の四騎士―ブラックライダー、黙示録の四騎士―ペイルライダー
恭治 LP3000 魔法・罠ゾーン 伏せカード3枚
郁哉 LP2000 モンスターゾーン 古の将軍 ハンニバル 魔法・罠ゾーン 英雄の集う地
強志 LP2000 モンスターゾーン 伏せモンスター 魔法・罠ゾーン 伏せカード1枚


「解かれる封印の効果で特殊召喚出来るのは発動時にリリースしたモンスターの数まで……よってこれ以上モンスターが増えることはない。だがこの状況、貴様らに何が出来るゥ？」



…………確かに、状況は絶望的だ。この盤面を、ひっくり返せるのか？



「…………」
「どうした、もう諦めるかァ？」
「んなわけねえだろうが！！ 見てやがれ、こんなのすぐに逆転して……」
「どうやってェ？」
「っ……ハッ、んなの教えるかよ！！」
「そう強がるなよ。弱い犬ほどよく吠えるという言葉をしらないのかァ？」
「知らねえなあ。あいにく俺は学校に行けなかったもんでな、お前と違って無駄な知識は頭に入れてねえんだよ！！」
「……学の無さをひけらかすとは、どこまで愚かならば気が済むのやらなァ！！」
「んだとぉ！！」
「落ち着け恭治！ ……冷静になれ。今は、あいつをどうやって倒すかだけを考えるべきだろう？」
「…………そうだったな」
「私を倒すゥ？ 無理だよ、もうすべてが手遅れなんだよォ！！ 行くぞ、私のターン！！」



あいつのフィールドには攻撃力2500のモンスターが4体。凌ぎきれるのか……？



「バトルだァ！！ まずは……ペイルライダーでハンニバルを攻撃ィ！！」
「何だと？ ……ハンニバルは破壊されず、効果の対象にもならない。どういうつもりだ……」
「こういうつもりだァ！！ ペイルライダーの効果発動！ このモンスターが戦闘を行ったとき、そのプレイヤーのフィールドに存在するカードすべてを墓地に送るゥ！！」
「なっ！？」



対象にとらない、破壊ではない除去……これでは、ハンニバルでも防ぎきれない。



「くっ……」
「これでお前の場はガラ空きになった……ブラックライダーでダイレクトアタックだァ！！」
「手札の英雄の武器持ちの効果発動。手札のこのカードを捨てて、相手の直接攻撃を無効に……」
「ホワイトライダーの効果発動！！ 墓地の黙示録カードを除外するゥ！！」
「くっ……リバースカードオープン！ 永続罠、機密技術―アシッド！ 墓地のデストロイを除外して、その攻撃力分だけ相手フィールドのすべてのモンスターの攻撃力を下げる！」
「レッドライダーの効果発動！！ ライフを500支払うゥ！！」


奈緒 LP7850→7350


「させるか、よぉ！！ リバースカードオープン！ 速攻魔法、マッハ・セーフティ！ 次の俺のドローフェイズまで、すべてのプレイヤーが受ける戦闘ダメージは0になる！」
「ッ……バトル終了。私はこれでターン終了だ」



……次の俺たちの攻撃を警戒して、手札を残したということか。だが、ペイルライダーには他の四騎士のような効果はないのか？ いや、そう見せかけているだけなのかもしれない……



「この瞬間、ペイルライダーの効果発動！ すべてのプレイヤーにライフの半分だけのダメージを与える！」
「！？」


恭治 LP3000→1500

郁哉 LP2000→1000

強志 LP2000→1000



「がぁぁぁ！！」
「っ！！」
「ぐうっ！？ …………」
「無論、私はダメージを受けない。そしてブラックライダーの効果でお前たちが受けたダメージ分、私はライフを得るのだァ！！」


奈緒 LP7350→10850


「くっ……」



……恭治も郁哉も、明らかに無事ではない。ここに来るまでに受けたダメージが残っていることも影響しているのだろうが……



「…………っ」



俺自身、神谷との闘いで気力を使い果たしている。……このままデュエルを続けても、どこまで身体が保つか……



「もう諦めてしまえ。そんな身体では立っていることすら苦痛だろォ？」
「……ふざ、けんな……こんなところで終わるなんて、出来るはずが……」
「……いいだろう。こんなデュエル、もう結果は見えたも同然だ。お前たちの相手をするのももう飽きた。次元の彼方で永遠に眠るといい……」



霧生から絶大な力が放たれる。まさか、あれで俺たちを消し飛ばすつもりなのか！？



「……さらばだ、神に逆らった愚か者どもよォ！！」









……クソッ。ここで、終わるのかよ……！！















「…………な、にィ！？」
「…………、？」



辺りを覆っていた重苦しい力が、急激に薄れていった……



「一体、何が……？」
「ば、馬鹿な……貴様ら、どうやって『器』に干渉したァ！！」
「は、はぁ……？」









……『器』？ もしかして……！！