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HOME > 遊戯王SS一覧 > side郁哉:『仲間』

side郁哉:『仲間』 作:名無しのゴーレム




「……ここが、エクシーズ次元。」
「確か、お兄さんや凉花の故郷なんだよね? それが、こんなになっちゃうなんて……」
「……シティの貧民街とはまた違う酷さね。これをやったのがアカデミアってこと?」
「はい。『次元統一』、それを目指すプロフェッサーによってここは滅ぼされてしまいました。……それに、この次元のみで済む話ではありません。いずれアカデミアは、シンクロ次元やスタンダードにも侵略の手を伸ばすでしょう。」


……それをさせないためのランサーズだがな。そう言えば、誰にも俺がエクシーズ次元に行くことを言っていなかったな。まあ結局、他の奴らがどこに居るかも分からなかったんだが……


「それで? まずはどうするの?」
「えーと、美愛を探すんだよね。でも手がかり0だからなぁ……」
「……一応、彼女を見つける手段はあります。」
「何だと?」
「本当!? ねえ、どうやって!?」
「……危険ではありますが。でも、その前に移動しましょう。……あれを見てください。」


月詠が指す方向、そこには……


「……おい。まさか、アカデミアか?」
「はい。……おそらくはマスターが派遣したものと思われます。敦人を探し出すために……」
「だが、あいつは神のカードを持っている。そのマスターって奴は敦人をどうにか出来ると思っているのか?」
「……確かに、神のカードは私たちではどうすることも出来ません。でも、それを扱う敦人には限界があります。」


限界、だと?


「神の力なんてものを、何の代償もなく使えはしません。今はまだ問題なくても、いつかはその力に身を侵されてしまうでしょう……」
「つまり、数で攻め立てて敦人が倒れるのを待つと?」
「……マスターなら、そうしてもおかしくはありません。」
「……ねぇ、ちょっと待って。なんでその人は風子ーーえと、美愛をここに連れて来たの? 話を聞く分には関係なさそうに思えるんだけど……」
「それは……マスターは、なぜかあの子に固執していました。その理由は分かりませんが……とにかく、今は身を隠せる場所まで向かいましょう。」
「うん!」
「……そうね。」
「分かった。」





それなりの距離を歩き俺たちが辿り着いた場所、そこは……



「……ここは?」
「この次元の生き残りが集まった難民キャンプかと。……立ち去りましょう。もしここの住民に気づかれたら……」



ーーーー



「おい、あれは……」
「アカデミアか?」
「……服は奴らとは違うな。見たところガキが多いし、生き残りなんじゃ……」
「待て。そうやって俺たちを油断させるつもりだったらどうする。それに、ガキだけで今まで耐え切ったとでも? 怪しいところだらけだ。」
「それもそうだな。なら……」



ーーーー




「……マズいですね。」
「え? 月詠、どうかしたの?」
「後ろから気配を感じます。すぐに接触してこないところを見るに、私たちをアカデミアかと疑っているのかもしれません。」
「そんな!? 今すぐ誤解を解かないと……」
「どうやって? 俺たちがエクシーズ次元の住民でないことは事実だ。下手な言い訳をしたところで通じはしない。」
「じゃあ、どうするのさ!?」
「……このまま気づかないふりをして、適当な場所で止まりましょう。アカデミアの介入があっては厄介ですから。」





「そろそろじゃないか?」
「そうですね。ならあそこの辺りで……」



「……待て! お前たち、アカデミアか!」


……向こうから来たか、男が数人、強行突破は難しいか。さて、どうする……?


「……違うわよ。聞いて、私たちは事情があってこの次元に……」
「『この次元に』、だと? やはりアカデミアのデュエリストか!」
「違うって言ってるでしょ! いい? 私たちは人を探しているの。そのアカデミアに連れ去られた、ね!」
「それを信じるとでも? アカデミアに連れ去られたのならなぜ奴らの根城に向かわない。お前の言い分は矛盾しているぞ!」
「……あんた、さっきから言わせておけば!!」
「ストップ! 風音さん、一旦落ち着いて!」
「……話を聞いて欲しい。俺たちはアカデミアからではない、別の次元から来たんだ。奴らは俺たちの仲間を奪い去り、ここにやって来た。だから仲間を取り戻すために次元を超えてきた。……どうだ、まだ不満か?」
「…………」


男は考え込んだ。いけるか……?


「……それを証明出来るか?」
「証明、だと?」
「そうだ。お前たちがアカデミアでないなら、ここでそれを示してみろ。」
「……これはどうだ。エクシーズモンスターだ。」
「えっと……ほら、私もエクシーズモンスターを持ってるよ。」
「私のはシンクロモンスターよ。どう、これで気が済んだかしら?」
「……なるほど、どうやら本当に別の次元から……」
「そこの女、お前はどうなんだ?」
「ッ……」


マズい、月詠はアカデミアの人間、融合モンスターしか持ってない。


「……私は……」




「見つけたぞ! 生き残りだ!」



「!! 敵襲だ!」
「あっちだ! どうする!?」
「数が多い、逃げるぞ!」


瞬く間に話し合いを済ませると、男たちはすぐに撤退を始めた。


「え!? ちょっとぉ!?」
「……ヤバいんじゃないの? もうすぐここにアカデミアが来るんでしょ?」
「……今からでは逃げられはしません。ここで迎え撃ちます。」
「勝てるのか?」
「……数はおよそ5、6。対応出来ない数ではありません。いいですか、作戦は……」






「ここか!? よし、今すぐ狩りを……」
「待ってください。……私はアカデミアです。ほら、これがその証です。」
「何だと? ……なるほど、確かに本物だ。お前、この辺りでエクシーズ次元の生き残りを見なかったか?」
「……いえ、知りませんね。」
「なぜ1人で行動している? この任務は5人1組で動くことになっているはずだが?」
「私はマスターから別任務を受けています。だから単独行動を……」
「霧生様からの? ……分かった。なら俺たちは行くぞ。」
「ええ、気をつけて。……特に、背後は。」
「? ……!! 後ろだ!」



「……もう遅い。俺のターン!」










「……上手く、いったな。」
「ふぅ〜、疲れた〜。」
「作戦成功ね。……でも良かったの? あなたの仲間だったんじゃ……」
「……やむを得ません。今、私にはしなければならないことがありますから。」
「そう言えば、さっき美愛を探す手段があるって言ってたな。しばらくは奴らも来ないはずだし、今それは出来ないのか?」
「……分かりました。と言っても、必ず上手く行くとは限りませんが……」
「そんなこと言ってる場合じゃない。可能性があるならそれに賭けてみるべきだろう?」
「……はい。」






「……いいですか。まず、私がマスターと連絡を取ります。おそらくあの子は現在、マスターのもとにいるはずですから。」
「え? 大丈夫なの?」
「分かりません。だから危険なのですが……私は、どうしても聞きたいことがあるんです。あなたたちはどこかで身を隠していてください。マスターとは、私1人で話がしたいんです。」
「……それは、あなたたちが話している近くで待機しておけって意味でいいのかしら。」
「好きにしてください、としか。分かっているとは思いますが、マスターが部下を引き連れていないという確証もありません。気づかれたら最後、その可能性も考えて決めてください。」
「…………」
「だが、お前1人で……」
「月詠1人で行かせられる訳ないよ!」


……京子に被せられた。


「……私のことは気にしないでください。あなたたちの安全を第一に……」
「なんでそんなこと言うのさ! ……月詠も、私たちの仲間でしょ?」
「え……?」
「だってさ、月詠も私たちと同じくらい美愛のことを考えてるんだよね?」
「そ、それは……」
「……良かった、図星みたいだね。なら私たちも一緒に行くよ。郁哉と風音さんもそれでいいよね?」
「ああ。」
「……ハァ。まったく、京子ちゃんは人が良すぎるわよ。」
「風音さんも大概じゃない?」
「……そう言われればそうかもしれないわね。いいわよ。月詠ちゃん、これから私たちは仲間、そういうことだから。」
「か、勝手にそんなことを言われても、私には……」
「お前には、アカデミアにしか居場所がないと?」


確か、前にもそんなことを言っていたはずだ。


「……正確には、少し違うのかもしれません。私、それに心希や敦人は小さい頃からマスターのもとで育ってきました。それはアカデミアなんてものが出来る、ずっと前から……ですから、私はマスターを、そして私の仲間を裏切るような真似はしたくありません。けど……」
「美愛を助けたい、そうも思ったと?」
「……はい。だから私はマスターに会いたいんです。マスターが私たちやあの子のことをどう考えているのか、それを知りたいから……」
「……うん、分かったよ。大丈夫、月詠がどう思ってたって、私は月詠の仲間だからさ。」
「……ともかく、これで話はまとまりました。なら行きましょう、マスターのところに……」


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ター坊
デュエルをしたら仲間だ!
月詠も自身のやりたいこと、思いを告げられて、仲間と認められ喜んだことでしょう。それにしてもマスターの美愛を狙う理由とは… (2015-11-26 07:50)
名無しのゴーレム
ター坊さん、コメントありがとうございます。
京子の明るさは遊馬先生と似通った部分もあるのかも。また主人公っぽいのが増えた、だと……
経緯はどうあれ新たな仲間を得た月詠。次回、マスターとの接触で彼女は何を知るのか……そしてついに「アイツ」が登場!? お楽しみに! (2015-11-26 19:36)

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