51話 黒白の戦い　作：名無しのゴーレム

凉花 LP4000 手札5枚
風音 LP4000 手札5枚


「私のターン！ 手札のフォトン・スラッシャーを墓地に送り、手札から銀河戦士を特殊召喚！ 銀河戦士の特殊召喚に成功したことにより、デッキから銀河の魔導師を手札に加える。墓地のフォトン・スラッシャーを除外して、手札から霊魂の護送船を特殊召喚！」

いきなりレベル5のモンスターを2体。飛ばしてるな。

「 さらに手札から銀河の魔導師を召喚。銀河の魔導師をリリースして、デッキから銀河遠征を手札に加えます。銀河遠征発動！ デッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚！ 私はレベル5の銀河戦士と霊魂の護送船でオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！ No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー！」

「なんだあれ…」
「エクシーズ召喚？ 初めて見たぞ…」

客たちがざわつく。やはり、エクシーズ召喚のことを知らないのか…

「カードを1枚セットして、ターンエンドです。」


凉花 LP4000 手札1枚 No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー、銀河眼の光子竜（守備表示） 伏せカード1枚
風音 LP4000 手札5枚


「いきなり全力ね…でも私も負けないわよ！ 私のターン、ドロー！ 私は手札から…」
「この瞬間、クリムゾン・シャドーの効果発動！ オーバーレイユニットを1つ取り除いて、このターン、このモンスターは戦闘及びカード効果で破壊されません！」

…？ どうしてこのタイミングでクリムゾン・シャドーの効果を…

「…そんな効果が。ありがとう、先に発動してくれたお陰で対策ができるわ。手札から魔轟神レイヴンを召喚！ レイヴンの効果発動！ 手札の暗黒界の狩人 ブラウと暗黒界の尖兵 ベージを捨てて、レベルを2つ上げる！」

魔轟神レイヴン レベル2→4

「捨てたブラウとベージの効果発動！ カードを1枚ドローして、ベージを特殊召喚！ 私はレベル4のベージにレベル4のレイヴンをチューニング！ シンクロ召喚！ 舞い降りろ、ダークエンド・ドラゴン！ ダークエンド・ドラゴンの効果発動！ このモンスターの攻撃力と守備力を500ポイントダウンさせてクリムゾン・シャドーを墓地に送る！」

…『墓地に送る』効果ならクリムゾン・シャドーの破壊耐性を無視できる。なるほど、考えたな…

「…引っ掛かりましたね！ リバースカードオープン！ カウンター罠、エクシーズ・リフレクト！ エクシーズモンスターを対象とする効果を無効にして破壊、さらに相手に800ポイントのダメージを与えます！」
「そ、そんなっ！？」

風音 LP4000→3200

「くっ…まさか、ダークエンドの対策までされてるなんてね…」
「強志に風音さんのデュエルを聞かせてもらいました。きっと風音さんならこう来ると…」
「…そう。でも私だって！ 手札の魔轟神獣ノズチの効果発動！ 手札の魔轟神クルスを捨てて、このモンスターを特殊召喚！ クルスの効果発動。墓地の魔轟神レイヴンを特殊召喚！ さらに墓地のブラウを除外して、手札から輝白竜 ワイバースターを特殊召喚！」

一気に3体のモンスターを…来るのか。

「行くわよ！ レベル4のワイバースターとレベル2のノズチに、レベル2のレイヴンをチューニング！ シンクロ召喚！ 舞い降りろ、魔轟神ヴァルキュルス！ ワイバースターが墓地に送られたことにより、デッキから暗黒竜 コブラサーペントを手札に加える。ヴァルキュルスの効果発動！ 手札の魔轟神クシャノを捨てて1枚ドロー！ …よし！ 墓地のクシャノの効果発動！ 手札の魔轟神獣キャシーを捨てて墓地のこのモンスターを手札に加える。キャシーの効果発動！ 銀河眼の光子竜を破壊！」
「っ…」
「バトル！ ヴァルキュルスでクリムゾン・シャドーを攻撃！」
「クリムゾン・シャドーは戦闘では破壊されません。」
「それでも、ダメージは受けてもらうよ！」

凉花 LP4000→3500

「 私はこれでターンエンド！」


凉花 LP3500 手札1枚 No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー
風音 LP3200 手札2枚 魔轟神ヴァルキュルス


「私のターン、ドロー！ …クリムゾン・シャドーを守備表示に変更。私はこれでターンエンド。」


凉花 LP3500 手札2枚 No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー（守備表示）
風音 LP3200 手札2枚 魔轟神ヴァルキュルス


「さっきまでの勢いはどうしたの？ 私のターン、ドロー！ ヴァルキュルスの効果発動！ 手札のクシャノを捨てて1枚ドロー！ 手札から通常魔法、貪欲な壺発動！ 墓地のダークエンド、ベージ、レイヴン、ノズチ、ワイバースターをデッキに戻して2枚ドロー！ 墓地の魔轟神クルスを除外して、手札から暗黒竜 コブラサーペントを特殊召喚！ 墓地のクシャノの効果発動！ 手札の魔轟神ソルキウスを捨てて、墓地のこのモンスターを手札に加える。魔轟神クシャノを召喚！ レベル4のコブラサーペントにレベル3のクシャノをチューニング！ シンクロ召喚！ 舞い降りろ、デーモン・カオス・キング！」

再びシンクロ召喚か。とんでもない展開力だ。

「コブラサーペントが墓地に送られたことにより、デッキからワイバースターを手札に。バトル！ デーモン・カオス・キングでクリムゾン・シャドーを攻撃！ デーモン・カオス・キングの効果発動！ 相手モンスターの攻撃力と守備力を入れ替える！」

クリムゾン・シャドー 攻撃力2400→1700、守備力1700→2400

「クリムゾン・シャドーの効果発動！ オーバーレイユニットを1つ取り除いてこのターンの間クリムゾン・シャドーは戦闘及びカード効果で破壊されません。」
「これでクリムゾン・シャドーは効果を使えない。私はこれでターンエンド。」


凉花 LP3500 手札2枚 No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー（守備表示）
風音 LP3200 手札3枚 魔轟神ヴァルキュルス、デーモン・カオス・キング


「私のターン、ドロー！ 手札から通常魔法、銀河零式発動！ 墓地の銀河眼の光子竜を特殊召喚！ フォトン・サテライトを召喚。フォトン・サテライトの効果発動！ このモンスターと銀河眼の光子竜のレベルを2体のレベルの合計、レベル9にする。」

銀河眼の光子竜 レベル8→9
フォトン・サテライト レベル1→9

「私はレベル9の銀河眼の光子竜とフォトン・サテライトでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築！ エクシーズ召喚！ No.9 天蓋星ダイソン・スフィア！」

凉花の背後に巨大な影が、ってちょっと待て。なんだ、あの大きさは…

「な、なんだよあれ…」
「すげぇ… まるで星みてぇだ…」

客たちも呆気に取られているようだ。

「ダイソン・スフィアの効果発動！ 相手の場にこのモンスターより攻撃力の高いモンスターがいるとき、オーバーレイユニットを1つ取り除いて、このターンこのモンスターはダイレクトアタックできる！ ダイソン・スフィアでダイレクトアタック！」

ダイソン・スフィアから放たれるレーザーが直接風音を狙う。

風音 LP3200→400

「くうっ…さすがね…」

「おい、お嬢が押されてるぞ…」
「これはひょっとしたら…頑張れ凉花ちゃん！ お嬢の無敗神話を破ってくれ！」

…なに、無敗神話？ あいつ、どんだけ強いんだよ。

「私はこれでターンエンド。」


凉花 LP3500 手札1枚 No.12 機甲忍者クリムゾン・シャドー（守備表示）、天蓋星ダイソン・スフィア
風音 LP400 手札3枚 魔轟神ヴァルキュルス、デーモン・カオス・キング


「…私のターン、ドロー！ 手札の魔轟神グリムロの効果発動！ このモンスターを墓地に送り、デッキから魔轟神レイヴンを手札に加える。レイヴンを召喚！ レイヴンの効果発動！ 手札の暗黒界の軍神 シルバを捨ててレベルを1つ上げる。」

魔轟神レイヴン レベル2→3

「そして捨てられたシルバの効果発動。 このモンスターを特殊召喚する。」

これは朝のデュエルでも見せた展開だ。ということは…

「私はレベル5のシルバにレベル3のレイヴンをチューニング！ シンクロ召喚！ 再び舞い降りろ、ダークエンド・ドラゴン！ ダークエンド・ドラゴンの効果発動！ このモンスターの攻撃力、守備力を500ポイントダウンさせて、ダイソン・スフィアを墓地に送る！」

ダークエンド・ドラゴン 攻撃力2600→2100

「墓地のシルバを除外して、手札からワイバースターを特殊召喚！ バトルよ。デーモン・カオス・キングでクリムゾン・シャドーを攻撃！」

もうクリムゾン・シャドーにオーバーレイユニットは残っていない。為すすべ無く破壊されてしまった。

「ヴァルキュルスでダイレクトアタック！」

凉花 LP3500→600

「くっ…あと一歩、だったのに…」
「残念だったわね！ ダークエンド・ドラゴンでダイレクトアタック！」
「きゃぁぁぁ！！」

凉花 LP600→0



「……」
「……」

その激闘に、俺たちは少しの間言葉が出なかった。そして、その後…

「…お、おおおぉぉぉ！！」
「すげぇ！ 最高のデュエルだったよ！」

大きな喝采に変わった。作戦大成功ってところか。

「…さて、今のデュエルで皆盛り上がってくれたかな！？」
「「おおおぉぉぉ！」」
「よかったよかった！ じゃあ、明日から協力お願いね！ 今から顔写真を配るから！」
「「おおおぉぉぉ！」」

…やれやれ、すごい熱気だな。

「…凉花、お疲れさま。」
「はい。これでよかったんですよね。」
「ああ。これだけの人数が協力してくれるなら、きっと美愛もすぐにみつかるだろ。」
「…そうだといいんですが。」
「凉花！ すごいデュエルだったね！ もうちょっとで勝てたんだけどね～。」
「…風音さんは、本当に強かったです。もう一度戦っても、恐らく結果は変わらないでしょう。」
「またまたぁ～、謙遜しちゃって～。」
「べ、別にそう言うわけでは…」


…ふぅ。さて、俺も写真配りに協力するか。