33話 快進撃！？　作：名無しのゴーレム

――数日後、俺たちは遊勝塾にいた。目的はもちろん、美愛と京子たちのアクションデュエルをするため。そして現在…
「俺で最後か。…悪いが、勝たせてもらうぞ。」
「私だって、負けるつもりはありません。」
デュエルフィールドには美愛と神宮寺君がいた。すでにフィールド魔法、「妖しの墓場」が発動していて、２人の周囲には怪しげな骸がそこら中に転がっていた。他の皆は…
「頑張れ、京子！」
「郁哉、行け！」
双方の応援に必死なようだ。ちなみに、初戦、京子とのデュエルは…

「私のターン、私は手札からアンブラル・ゴーストの効果発動。手札からアンブラル・ゴーストとクリエイト・リゾネーターを特殊召喚。レベル2のアンブラル・ゴーストにレベル3のクリエイト・リゾネーターをチューニング。シンクロ召喚。来て、A・O・J カタストル！」

…といったように初手でのシンクロ召喚からそのまま押し切ってしまった。というか、戦闘を介して効果を発動させる剣闘獣相手に戦闘せずに相手を破壊するカタストルは相性最悪だったのだが…
2戦目、伊沢君とのデュエルでは…

「私のターン、私はアンブラル・グールを召喚。グールの効果で手札からアンブラル・アンフォームを特殊召喚。通常魔法、タンホイザーゲート発動。グールとアンフォームのレベルを8に。レベル8のアンブラル・グールとアンブラル・アンフォームでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。来て、神竜騎士フェルグラント！」
…そのままフェルグラントで伊沢君のBloo -Dを完封、圧勝してしまった。続く3戦目、播磨君とのデュエルは…

「私のターン、通常魔法、影依融合発動。手札のシャドール・ファルコンとライトロード・マジシャン ライラを融合。融合召喚。来て、エルシャドール・ネフィリム！」
…特殊召喚されたモンスターを必ず倒すネフィリムは、播磨君のモンスターを次々と倒していった。播磨君も対応しようとしたのだが、美愛もそれらをことごとく潰して、見事3連勝を達成した、というわけだ。
この3戦、美愛はまったく危なげなく勝利を納めた。神宮寺君にもこの調子で勝てるか…？


「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが、地を蹴り、宙を舞い、フィールド上を駆け巡る！」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形！ アクション…」

「「デュエル！」」


美愛 LP4000 手札5枚
郁哉 LP4000 手札5枚


「私のターン、アンブラル・アンフォームを召喚。この瞬間、手札のカゲトカゲの効果発動。このモンスターを特殊召喚します。レベル4のアンブラル・アンフォームとカゲトカゲでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。来て、キングレムリン！キングレムリンの効果発動。オーバーレイユニットを1つ取り除いて、デッキからカメンレオンを手札に加えます。私はカードを1枚セットして、ターンエンド。」


美愛 LP4000 手札3枚 キングレムリン 伏せカード1枚
郁哉 LP4000 手札5枚


「俺のターン、ドロー！ 俺は荒魂を召喚。荒魂の効果発動。デッキから和魂を手札に加える。通常魔法、二重召喚発動。新たに和魂を召喚。和魂の効果発動。俺は荒魂と和魂をリリースして、火之迦具土をアドバンス召喚！」
あれは…神宮寺君のエースモンスターか。
「和魂が墓地に送られたことにより、カードを1枚ドローする。バトルだ！ 火之迦具土でキングレムリンを攻撃！」
火之迦具土がダメージを与えたとき、次の美愛のドローフェイズ時に美愛の手札は全て墓地に送られる。決まれば致命傷だが…
「速攻魔法、禁じられた聖杯発動。火之迦具土の攻撃力を400ポイント上昇させ、効果を無効にします。」
火之迦具土 攻撃力2800→3200
「効果を封じて来たか…だが、ダメージは受けてもらう！」

美愛 LP4000→3100

「俺はこれでターンエンド。禁じられた聖杯の効果で火之迦具土の効果は無効になっている。よってターンの終了時に火之迦具土は手札に戻らない。」
…何とか手札は残せたが、代わりに火之迦具土が場に残ってしまった。


美愛 LP3100 手札3枚
郁哉 LP4000 手札4枚 火之迦具土


「私のターン、ドロー！ 私はカメンレオンを召喚。効果で墓地のアンブラル・アンフォームを特殊召喚。レベル4のアンブラル・アンフォームにレベル4のカメンレオンをチューニング。シンクロ召喚。来て、えん魔竜 レッド・デーモン！ レッド・デーモンの効果発動。このモンスター以外のフィールド上のモンスターを
破壊します。」
レッド・デーモンの放つブレスが火之迦具土を襲い、破壊してしまった。
「バトル。レッド・デーモンでダイレクトアタック。」
神宮寺君はすでにアクションマジックを手にしていた。
「アクションマジック、回避！ レッド・デーモンの攻撃を無効にする！」
神宮寺君がレッド・デーモンの攻撃をかわした。
「…私はこれでターンエンド。」
美愛はターンの終了を宣言したとともに、レッド・デーモンに乗って空を舞い始めた。アクションカードを探しているのだろう。


美愛 LP3100 手札3枚 えん魔竜 レッド・デーモン
郁哉 LP4000 手札4枚


「俺のターン、ドロー！ 墓地の火之迦具土を除外して、大和神を特殊召喚！ さらに手札の阿修羅を除外して、伊弉凪を特殊召喚する！」
神宮寺君の場に２体の上級モンスターが現れる。それでもまだレッド・デーモンは倒せないが…
「そして、墓地の和魂と荒魂を除外して、カオス・ソルジャー ―開闢の使者― を特殊召喚！」
…これで３体目。しかもカオス・ソルジャーまで揃ってしまった。
「カオス・ソルジャーの効果発動！ このターンのこのモンスターの攻撃を破棄する代わりに、相手モンスター1体を除外する。俺はレッド・デーモンを除外する！」
カオス・ソルジャーの一撃が、レッド・デーモンを次元のかなたへと葬り去った。美愛はすぐさま飛び降りて近くの足場へと着地した。
「バトルだ！ 伊弉凪でダイレクトアタック！」
駆ける美愛を伊弉凪が追い、強烈な一撃を浴びせる。
「ぐうっ…」

美愛 LP3100→900

「止めだ！ 大和神でダイレクトアタック！」
大和神が美愛へと迫っていく。これで終わりなのか…？

「頑張れ、美愛！！」

京子の声援がデュエルフィールドを駆け巡る。それと同時に、美愛がアクションカードを手に取る。
「アクションマジック、妖怪の幻影！ 私の場に妖怪トークンを守備表示で特殊召喚します！」
妖怪の骸が大和神の攻撃を受け止め破壊される。間一髪で敗北を免れた。でも状況は絶望的。勝てるのか…？
「…ターンエンドだ。…サレンダーするか？」
「…サレンダーなんて、絶対にしません。私は勝って、皆と一緒にジュニアユース選手権に出るんです。だから…絶対に負けられないんです！」


美愛 LP900 手札3枚
郁哉 LP4000 手札1枚 大和神、伊弉凪、カオス・ソルジャー ―開闢の使者―