30話 君臨する帝王　作：名無しのゴーレム

「僕のターン、ドロー！ スタンバイフェイズに、速攻魔法、帝王の烈旋発動！」
…あれは虎太朗君が伏せていたカード。なるほど、スタンバイフェイズのうちに使っておけば黄泉ガエルの効果を阻害することはない。
「そして墓地の黄泉ガエルを特殊召喚！ 帝王の烈旋の効果で、このターンアドバンス召喚を行うとき、相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。僕はギアギガントXと黄泉ガエルをリリースして、剛地帝グランマーグをアドバンス召喚！」
また最上級モンスターか… しかも今度はこちらのモンスターを除去された上でのアドバンス召喚。厳しいな…
「グランマーグの効果発動！ その伏せカードを破壊してもらうよ！」
「させるか！ 罠発動、ギアギアギア！ デッキからギアギアーノと名のつくモンスター2体をレベルを1つ上げて特殊召喚する。来い、ギアギアーノ、ギアギアーノMk-Ⅲ！ Mk-Ⅲの効果発動！ このカードがギアギアと名のつくカードの効果で特殊召喚されたとき、手札、墓地からギアギアと名のつくモンスター1体を特殊召喚できる。俺は墓地のギアギアクセルを特殊召喚！」
一気に3体のモンスターを並べることが出来た。壁としては十分だろう。
「バトル！ グランマーグでギアギアーノを攻撃！」
グランマーグの拳がギアギアーノを粉砕する。しかしギアギアーノは守備表示。よって俺にダメージは発生しない。
「僕はカードを1枚セットして、ターンエンド。」
また伏せカードか。恐らくいつでも発動できるフリーチェーンのカードだろうが…


美愛＆強志 LP7300 ギアギアーノMk-Ⅲ（守備表示）、ギアギアクセル（守備表示）
直人＆虎太朗 LP5700 剛地帝グランマーグ、伏せカード1枚


次は美愛のターン。きっと美愛なら俺のモンスターを活かしてくれる。
「私のターン、ドロー。…私はレベル4のギアギアーノMk-Ⅲとギアギアクセルでオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。来て、キングレムリン！ キングレムリンの効果発動。オーバーレイユニットを１つ取り除くことで、デッキから爬虫類族モンスターを1体手札に加えることができます。私はカメンレオンを手札に。そしてカメンレオンを召喚。カメンレオンの効果発動。墓地のアンブラル・グールを特殊召喚。レベル4のアンブラル・グールにレベル4のカメンレオンをチューニング。シンクロ召喚。来て、えん魔竜 レッド・デーモン！」
「すごい…１ターンでエクシーズ召喚とシンクロ召喚を同時に行うなんて…」
虎太朗君が驚くのも仕方ないだろう。この状況をサポートした俺もこの展開に少し圧倒されているのだから。
「バトル。レッド・デーモンでグランマーグを攻撃。」

直人＆虎太朗 LP5700→5500

「キングレムリンでダイレクトアタック。」

直人＆虎太朗 LP5500→3200

「くっ…なかなかのピンチだね。」
「私はこれでターンエンド。」


美愛＆強志 LP7300 えん魔竜レッド・デーモン、キングレムリン
直人＆虎太朗 LP3200 伏せカード1枚


「…僕のターン、ドロー。スタンバイフェイズに速攻魔法、帝王の烈旋を発動。」
くそ、またあのカードか…
「…そして黄泉ガエルを墓地から特殊召喚。僕はレッド・デーモンをリリースして邪帝ガイウスをアドバンス召喚。ガイウスの効果発動。闇属性のキングレムリンを除外して、1000ポイントのダメージを与える。」

美愛＆強志 LP7300→6300

「…さらに通常魔法、二重召喚発動。黄泉ガエルをリリースして、炎帝テスタロスをアドバンス召喚。テスタロスの効果発動。相手の手札を1枚墓地に送る。」
美愛の手札が墓地に送られる。墓地に送られたのは…
「…墓地に行ったのはレベル4の召喚僧サモンプリースト。よって400ポイントのダメージを与える。」

美愛＆強志 LP6300→5900

「…バトル。ガイウスでダイレクトアタック。」

美愛＆強志 LP5900→3500

「…テスタロスでダイレクトアタック。」

美愛＆強志 LP3500→1100

１ターンで大きくライフを削られてしまった。どうする…
「…ターンエンド。」


美愛＆強志 LP1100
直人＆虎太朗 LP3200 邪帝ガイウス、炎帝テスタロス


「俺のターン、ドロー！」
俺の手札にはこの状況を打開する手はない。ならば…
「通常魔法、貪欲な壺発動。墓地のギアギアクセル、ギアギアーノ、ギアギアーノMk-Ⅲ、ギアギアーマー、ギアギアーセナルをデッキに戻して2枚ドローする。俺は機密兵器02 ディプロイを召喚。ディプロイの効果発動！ 墓地のイグニスとクラッシュを除外して、カードを1枚ドローする。カードを1枚セットして、ターンエンドだ。」


美愛＆強志 LP1100 機密兵器02 ディプロイ 伏せカード1枚
直人＆虎太朗 LP 3200 邪帝ガイウス、炎帝テスタロス


「よし、このまま押し切るよ。僕のターン、ドロー！ スタンバイフェイズ時に黄泉ガエルを墓地から特殊召喚！ そして黄泉ガエルをリリースして、地帝グランマーグをアドバンス召喚！ グランマーグの効果でその伏せカードを破壊するよ！」
さっきの展開を思い出すな。じゃあこっちもさっきのようにいかせてもらおうか。
「永続罠、機密技術―バリアを発動！ 手札の機密兵器04 シーラーを墓地に送る。これで、このターン俺たちが受ける戦闘ダメージは0になり、俺たちの場の機械族モンスターは戦闘で破壊されない。」
「うっ…、でもそんなその場しのぎじゃ僕たちには勝てないよ！」
「…ああ、確かにこれはその場しのぎだ。でもな、これはタッグデュエルなんだ。俺が繋げれば、美愛がそれに答えてくれる。そう信じているからこその、この一手なんだよ。」
「強志さん…」
…くそ、何か恥ずかしいこと言っちまったな。今さらになって恥ずかしくなってきた。
「そう。じゃあ僕はこれでターンエンド。2人の絆の力、見せて貰うよ！」


美愛＆強志 LP1100 機密兵器02ディプロイ、機密技術―バリア
直人＆虎太朗 LP3200 邪帝ガイウス、炎帝テスタロス、地帝グランマーグ