23話　美愛VS遊矢　後編　作：名無しのゴーレム

「私のターン、ドロー。私は暗躍のドイルド・ドリュースを召喚。ドリュースの効果発動。墓地のアンブラル・アンフォームを特殊召喚します。さらに、手札のカゲトカゲの効果発動。私の場にレベル4のモンスターが召喚されたとき、このカードを特殊召喚できます。カゲトカゲを特殊召喚。私はレベル4のドイルド・ドリュースとアンブラル・アンフォームとカゲトカゲでオーバーレイ。3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。来て、星輝士 デルタテロス！」
美愛の場に新たなエクシーズモンスターが現れる。…でも、いくら破壊してもペンデュラム召喚されてしまう以上、苦しい状況には変わりない。
「デルタテロスの効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除いてフィールドのカード1枚破壊できます。私はパートナーガを破壊！」
デルタテロスの放つ閃光がペンデュラムゾーンのパートナーガを破壊する。
それにしても、どうしてパートナーガを？　モンスターを破壊すればそのまま総攻撃で勝っていただろうに。
「…なるほど。ペンデュラムゾーンにペンデュラムモンスターがセットされていなければペンデュラム召喚は出来ない。賭けに出たわけか。」
神宮寺君がそう分析する。遊矢君の手札には時詠みの魔術師がある。彼の手札にほかのペンデュラムモンスターがいなければ、ペンデュラム召喚を封じることができる。場の伏せカードやアクションマジックによる妨害を見越して相手の退路を防ぐ、まさに賭けというわけだ。
「バトル。デルタテロスでシルバー・ウルフを攻撃。」
遊矢　LP1050→350
「ぐっ…」
「続けて、スターダストでペンデュラム・マジシャンを攻撃。さらに、キングレムリンでファイア・マフライオを攻撃。」
続けざまに攻撃が放たれ、ついに遊矢君の場からモンスターがなくなった。
「…私はこれでターンエンド。」


美愛　LP2900　手札4枚　キングレムリン、閃こう竜　スターダスト、星輝士 デルタテロス
遊矢　LP350　手札3枚　伏せカード1枚


「俺のターン、…現在、私の場にはカードはありません。そして手札にあるペンデュラムモンスターは先ほど手札に加えた時詠みの魔術師のみ。つまり、このドローに勝敗がかかっていると言ってもいいでしょう。見事ペンデュラムモンスターを引き当てることができればご喝采を！　それでは…ドロー！！」
「……」
全員が黙って遊矢君のドローを見守る。何を引いた…？

「…私が引いたカードは、ペンデュラムモンスター、星詠みの魔術師！」
おお、と喝采が起こった。本当に引いてしまうとは…
「それでは、スケール1の星詠みの魔術師とスケール8の時詠みの魔術師でペンデュラムスケールをセッティング！　揺れろ、魂のペンデュラム！　天空に描け光のアーク！　ペンデュラム召喚！　現れろ！　俺のモンスターたち！」
遊矢君の場に、チアモール、パートナーガ、ドラミング・コング、ファイア・マフライオ、そしてオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンがペンデュラム召喚された。
「パートナーガの効果発動！　オッドアイズの攻撃力をフィールドのEMの数×300ポイントアップさせる！　チアモールの効果発動！　オッドアイズの攻撃力をさらに1000ポイントアップさせる！」
オッドアイズ　攻撃力2500→3700→4700
「バトルだ！　オッドアイズでスターダストを攻撃！　この瞬間、ドラミング・コングの効果発動！　オッドアイズの攻撃力を600ポイントアップさせる！」
オッドアイズ　攻撃力4700→5300
「攻撃力…5300…！」
スターダストの攻撃力は2500。この攻撃が通れば2800ポイントのダメージが美愛に向かう。しかし、それでもまだ美愛のライフは残る。そのはずなのに、美愛は愕然としている。どうしてなんだ？　考えているうちにオッドアイズの攻撃がスターダストを襲う。
「オッドアイズの効果発動！　このモンスターがレベル5以上のモンスターとの戦闘によって相手に与えるダメージは2倍になる！　これで終わりだ！」
2800ポイントの2倍…5600ポイントのダメージだって！？
「っ…、きゃぁぁぁ！！」
美愛　LP2900→0