第157話 奪還戦！前半　作：ヒラーズ

「うにぇ！（どけぇ！！）」
俺は電磁鈍槌を振り回し、次々と警備兵達を倒していく。
「負けるな！撃ちｋ」
ﾄﾞｫﾝ！
ｻﾞｼｭｻﾞｼｭｯ！
それに続きルナとランが攻撃に加勢し、船を目指す。
その途中だった。
「てめぇらどけんかい！こいつはオレがデュエルで叩き潰したるわ！」
どこからか小物が鉄球を持って現れ、俺達の行く手を塞ぐ。
ぶんぶん振り回す鉄球の大きさは50㎝程度、しかし見た目で材質が違う事が俺にも分かった。あの鉄球はミスリル銀製の鉄球・・・恐らく殴られたら痛いじゃ済まないだろう。
「オレはここの守備隊長を務めている、「舵木 魔黒」だ！強者であるマナニアに決闘を申し込む！」
俺は咄嗟にディスクを取り出し、デュエルに挑んだ。
「きゅ（容赦はしないぞ！！）」
「かかってこい！！」




「デュエル！」
百騎兵　LP8000
手札5

舵木　LP8000
手札5



「ふきゅ（先攻は貰う、ドロー！）」
百騎兵
手札5→6

手札は悪くない、ワンキルできるかも知れない。
「うにぇ！（魔法カード『手札抹殺』を発動！互いの手札を全て捨てる、その後捨てた枚数分、デッキからカードを補充する！さらに『左腕の代償』を発動し、手札を全て捨てて、『天よりの宝札』を手札に加え発動！）」
百騎兵
手札0→6
舵木
手札5→6

おお？これは・・・？ワンキルするなってことか？
「きゅ（手札から『復活の祭壇』を発動！デッキの1番上からカードを2枚取り除き、墓地に存在するカード1枚を手札に加える！手札に加えるのは『黄泉天輪』だ！）」

復活の祭壇／Anime Original
通常魔法
①：デッキの上からカードを2枚除外して発動する。
自分の墓地のカード1枚を手札に加える。

「（復活の祭壇？聞いたことないカードにゃ）」
ルナは俺の発動したカードをじっと見つめ、考える「これも追放世界のカードなのか」と。
「・・・（さらに魔法カード『魔法石の採掘』を発動！手札を2枚捨てて墓地の『天よりの宝札』を手札に加え、『黄泉天輪』を発動！！）」

黄泉天輪／Anime Original
永続魔法
①：このカードの発動時に、お互いのデッキからモンスターカードを全て除外し、フィールド上のモンスターを全て破壊する。
②：1ターンに1度、お互いのプレイヤーは自分の墓地からモンスター1体を召喚条件無視して特殊召喚できる。この効果で特殊召喚されたモンスターは墓地に行かず、ゲームから除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。

「嘘だろ！？オレのフルモンスターデッキを見破っていたのか！？」
「うにぇ！（いくぞ！『黄泉天輪』の効果により、嫉妬経典の人魚を特殊召喚する！）」
嫉妬経典の人魚　ATK1200　☆1

「おっ・・・オレはオシリスの天空竜だ！」
オシリスの天空竜　ATK?→6000　☆10

「うにぇ！（人魚の効果によりオシリスを破壊！D条件達成！出でよ！美食経典の究極魔王ベルゼブブをD召喚！）」
美食経典の究極魔王ベルゼブブ　ATK2600

「来たか！奴の主力モンスター！」
「ふきゅ（破壊効果は使えんが、デッキからカード2枚を墓地に落としてEXデッキから召喚条件無視して特殊召喚する！召喚するのは魔王龍 ベエルゼ！）」
魔王龍 ベエルゼ　ATK3000　☆8

「ヴァイ！（自滅しろ！ターン終了！！）」
「ぐああああ！！」

舵木　デッキ0




You WIN！
百騎兵　Perfect！

You Lose…
舵木　デッキアウト







「・・・強っ！」
ランは俺の戦いを見ていてつい言葉を吐く。
「ふきゅ（のんきなことをしている暇はない！早く船へ行くぞ！）」
そう言って俺達はクロノス・ノアの船底の外側扉の前に着いた。木造船みたいな姿に似合わず、SFっぽい扉。その扉に俺はパスワードを入力する。

「ふきゅ（ええと確かこうだったはずだ）」
『ピピピッ！セキュリティ解除』
「きゅ（音声はスキップだ、ソウルボイスセキュリティですぐ入る）」
ソウルボイスセキュリティ、通称《魂音声警備》と呼ばれ、持ち主の魂の波長を合わせないと入れない特殊な警備システム。恐らくマナニアハンターズはこれに苦戦して入れないんだと、俺は確信した。
「ヴァイ！（俺だ！中に入れろ！！）」
俺は扉に手を当て、波長を合わせる。
そして・・・。
『全セキュリティ解除、お帰りなさいませ。陸也船長』
アラートが解除され、扉が開く。
「うにぇ！（入れ！）」
俺達はクロノス・ノアの中に入り、敵に入られる前に扉を閉めてロックする。
「くそっ！逃げられた！！」







クロノス・ノア船内

「ここが百騎兵さんの船の中にゃ？木造船内部とは違いすぎるにゃ」
「そうね、見た目が近未来っぽい戦艦内部みたいだわ」
まぁ・・・ザックリ言うと木造帆船っぽい姿はあくまで擬態に過ぎないからな。
「きゅ（操縦室へ急ぐぞ！）」
俺達は操縦室へ向かって走り出し、扉を開ける。
中は沢山の機械に囲まれ、その中にポツリとイスが置かれてあった。
「これが操縦席かにゃ？」
「ふきゅ（もちろんだ）」
俺は操縦席座り、周りの機械をいじり、PCのキーボードのようなものをカチカチと押し始める。
「・・・（現段階の船の戦況を表せ！）」
そう言うとモニターが起動し、船の見取り図が映る。
『現在、クロノス・ノアの損傷度は8％以下まで自動修復（リペアリング）が完了しています』
「きゅ・・・（出せる出力と擬態の解除を命令する）」
右側のモニターに船のステータスが映し出され、確認する。
船のステータス
帆船擬態：オフライン
船体電力：100％
武装損傷：全武装修復完了
修復完了まで後4.7％　必要時間12分
損傷部：側面装甲微損傷
船内浸水可能性：異常なし
ジェネレーター：異常なし
現最大出力：95.3％

うん、ちょっと非力化してるけど出せるな。
「きゅ（お前さんらは何かにしがみついててくれ、発進させる！）」
「え？こんな分厚い壁があるのに動けるのかにゃ！？この船！？」
まぁ見てろ。
「うにぇ！（3連主砲発射！）」
俺がそう言うと主砲に装填されていた砲弾が発射され、分厚い壁に直撃した。
















時を遡り、トウマは・・・。
「よし、百騎兵達は入っていったな。後はどうするか」
トウマは召雷弾を基地の警備兵のギリギリを撃ち込み、爆風で吹き飛ばしていた。
その時、トウマのシルバーオシリスにアラートが鳴り響いた。
ﾋﾞｰｯ！ﾋﾞｰｯ！『フライトタイム、オーバーです、着地して下さい』
「うおっ！？もう時間切れか！」
トウマは基地から放たれた弾丸や砲弾を回避しながら基地を離れる。
その瞬間・・・。

ﾄﾞｶﾞｱｧｧｧ！

基地の方で爆発音が上空にも響いた。
「何だ何だ！？何が起きたんだ！？」










次回、奪還戦！後半
※タイトルが変わる可能性と修正する可能性があります。