第50話 2人目の魔女　作：ヒラーズ

「地盤沈下の事件でデュエルフィールドが壊れたから、外でするわよ」
俺もそれに賛成し、歩き始めるその時だった。
「む～きゅ～ちゃ～ん・・・なんでこの子を連れてるの？」
背後にハナコがいた・・・しかも負のオーラを出してる・・・。
「あら、ハナコもいたの？珍しいわね、自分から私に会いに来るなんて」
「あんたこそ、むきゅちゃんに変な事吹き込んでないよね？」
「もきゅ？（なんだお前さんら、知り合いか？）」
俺は果敢に訳を聞いた。
「・・・私とハナコはこう見えて元ヴァルプルギスの魔女なの。ヴァルプルギスの夜会では議員のような存在で凄腕の魔女よ。まぁ、ハナコは二流だけどね」
「二流？！あんたが二流でしょ！？」
なんとまぁ・・・レベルが低い口喧嘩が始まった。
「・・・（先に行ってるぞ）」
「「あっ！待ちなさい！」」
そこは合わせるのだな・・・。
喧嘩するほど仲が良い・・・ちょっと羨ましいな。





「さて、グラウンドなら迷惑はかからないし、来たとしてもハナコが追い払ってくれるし、大丈夫っと」
「あんたねぇ・・・ハナコをｔ…」
「さぁ、始めるわよ、百騎兵ちゃん」
羨ましいな、そういうやりとりができて。

「デュエル」
「きゅ・・・（デュエル）」

百騎兵　LP4000
手札5

アナベル　LP4000
手札5

「先攻はあげるわ」
「！（おっ？いいの？ドロー）」
百騎兵
手札5→6

「ふきゅ（モンスターをセットし、カードを2枚伏せてターン終了）」
「賢明な判断ね、ドロー」
アナベル
手札5→6

「じゃあ始めから魔法カード『妨げられた壊獣の眠り』を発動。フィールド上のモンスターを全破壊して、デッキからお互いの場に壊獣モンスターを1体ずつ出すわよ」
「・・・（ジャイアント・ウィルスが・・・）」
「百騎兵ちゃんの場にガメシエルを出して、私の場にジズキエルを出すわ」
明らかにいじめだ・・・。こんな仕打ちが待っていたとは・・・。
「カードを1枚伏せて、ジズキエルで攻撃！」
「ふきゅ・・・（たかが1100のダメージ・・・受けるか）」
仮にバーン効果は使えんだろ。
「その言葉、覚えなさいね？速攻魔法『収縮』、ガメシエルの攻撃力を半分にするわ」
海亀壊獣ガメシエル　ATK2200→1100

「・・・ほあ？」
百騎兵　LP4000→1800

マジかよ・・・めっちゃ削られた・・・。
「カラクリ兵　弐参六を召喚し、カードを2枚伏せてターンエンドよ」
「・・・（いきなり崖っぷちかよ・・・ドロー）」
百騎兵
手札3→4

手札が悪いなぁ・・・こりゃ負けたな。
「むきゅ（永続魔法『奈落経典-呪いの書-』を発動。LPを1000払い、デッキから闇属性の悪魔族、天使族モンスター1体を召喚条件無視して特殊召喚する）」
ドレット・ルートが封じられている今・・・出せるのはこいつしかいない。
「にぇ！（ダークネス・ネオスフィアを特殊召喚）」
百騎兵　LP1800→800
その時であった、アナベルがニヤリと笑い、伏せられたカードをめくった。
「待ってたわ！カウンター罠『昇天の黒角笛』よ！」
なん・・・だと・・・？
「百騎兵ちゃんの特殊召喚を無効にして、破壊！」
「・・・（万策尽きたなこれは・・・ターン終了だ）」
大ダメージ食らうわの特殊召喚を無効にされるわの・・・負けたな。
「私のターン、ドロー」
アナベル
手札1→2

「弐参六で攻撃、竹槍一本突き！」
百騎兵　LP800→－600
「むぎゅうううっ！！」

アナベル
WIN


夜会の魔女ってこんなに強いのか？手足も出せんかった・・・。
「ふふふっ、私の勝ちのようね！」



次回　人員探し　その2