第182話 思い出の戦い　作：ヒラーズ

陸也　LP8000
手札5

クォーツ　LP8000
手札5

「先攻は俺が貰う！ドロー！」
陸也
手札5→6

「手札から永続魔法『ショット・ガン・シャッフル』を発動！モンスター1体をセットしてカードを2枚伏せてターン終了」
「ぼくのターン、ドロー…！」
クォーツ
手札5→6

「ぼくは手札からジェネクス・ウンディーネを召喚しモンスター効果発動させます…！デッキから水属性モンスター1体を墓地に落とします。プラシレータを墓地に送り、プラシレータの効果で、墓地のこのカードを除外して手札から【クリストロン】モンスター1体を特殊召喚します。出でよ水晶機巧－クオン！」
ジェネクス・ウンディーネ　ATK1200　☆3
水晶機巧－クオン　ATK500　☆1

このパターン・・・S召喚か！
「いきますよ…！ライトテラを導くサーキット！！アローヘッド確認！召喚条件はチューナー含むモンスター2体！ぼくはウンディーネとクオンをリンクマーカーにセットします！！リンク召喚！！」

―――――出でよ！水晶機巧－ハリファイバー！！―――――


水晶機巧－ハリファイバー　ATK1500　LINK-2　マーカー：右下／左下

「何だ・・・？見たことない水晶機巧だが・・・？」
リンクモンスターに水晶機巧があるとは情報になかった。
今後の先に作られるカードだろうか・・・？
「ハリファイバーのモンスター効果発動！このカードがリンク召喚に成功した時、デッキ・手札からチューナー1体をこのカードのリンク先に守備表示で特殊召喚します！現れよ…！水晶機巧－リオン！」
水晶機巧－リオン　ATK500　☆3

「このターンは攻撃しません！カードを1枚伏せてターンエンド！」
「俺のターン、ドロー！」
陸也
手札2→3

さて・・・どうするか、確かリオンの効果って・・・あ！！
「相手のメインフェイズ時、リオンの効果発動！除外されているプラシレータを特殊召喚してこのカードとS召喚します！レベル2のプラシレータにレベル3のリオンをチューニング！！《水晶の力よ！新たな技術と合併し、さらなる輝きをこの世界に…！》シンクロ召喚！！レベル5、水晶機巧－アメトリクス！！」
水晶機巧－アメトリクス　ATK2500　☆5

「いきなりアメトリクスとは油断したな・・・」
「効果は使えませんが、アタッカーにできます。さらにハリファイバーのモンスター効果発動！！フィールドのこのカードを除外する事でEXデッキからSモンスターのチューナー1体をS召喚扱いで特殊召喚します！出でよ水晶機巧－クオンダム！！」
水晶機巧－クオンダム　ATK1800　☆4

場にシンクロモンスターが2体も並んだだと！？
「クオンダムの効果により、このカードを素材にS召喚します！レベル5のアメトリクスに、レベル4のクオンダムをチューニング！！《2体の水晶が合わさり、輝く水晶が世界に希望をもたらす！》S召喚！レベル9、水晶機巧－フェニキシオン！！」
水晶機巧－フェニキシオン　ATK2800　☆9

「効果で陸也さんの場の魔法・罠を全て除外します！！」
「ならば除外される前に罠カード『針虫の巣窟』を発動！デッキトップからカードを5枚墓地に仕込む！！」

墓地に送られたカード
『ニュート』
『サテライト・キャノン』
『守護者スフィンクス』
『星の戦士 カービィ』
『闇魔界の覇王』

「通常モンスター？けどこれで陸也さんを守るカードは伏せモンスターだけとなりました！！」
マジか・・・何も出来ないぞ・・・。
肝心な『ジャスティブレイク』が除外されてしまった・・・。
クリストロンの1番良い所は除去されても得することだ。
唯一、壊獣を殴れる恐ろしいカテゴリ、俺のはほぼ混合デッキのようなもの。
早く『黄泉天輪』を引かないとやばい事になりそうだ・・・！！
「ならば！！自分の墓地にカード名が異なるモンスターが5体以上存在してる時、手札からこのモンスターを特殊召喚する！そのモンスターは・・・影星軌道兵器ハイドランダーだ！！」
影星軌道兵器ハイドランダー　ATK3000　☆8

「こんな時に…！？」
「モンスター効果発動！デッキトップからカードを3枚墓地に送り、フェニキシオンを破壊！」
「破壊時にフェニキシオンの効果で、墓地のこのカード以外のモンスター1体を特殊召喚します！アメトリクスを蘇生！」
やはりそう来るか！
「伏せモンスターをリバース！深淵の暗殺者！！」
深淵の暗殺者　ATK200　☆3

「深淵の暗殺者……えっ！？」
「効果によりアメトリクスを破壊！アサシネイト・スナイプ！！」
深淵の暗殺者のナイフがアメトリクスに直撃し、破壊される。
「…っ！モンスターが全滅…！」
「これならばどうだ！墓地のサテライト・キャノンと闇魔界の覇王をゲームから除外し、カオスソルジャー－開闢の使者－を特殊召喚！！」
カオスソルジャー－開闢の使者－　ATK3000　☆8

「3000超えのモンスターが…2体…！？」
「征け！カオスソルジャー！！」
クォーツ　LP8000→5000

「…！」
「ハイドランダーでダイレクトアタック！」
クォーツ　LP5000→2000

「さすが…陸也さん…圧倒的に強いですね…」
「俺はカードを1枚伏せ、これでターン終了だ」
油断はしない、効果を使わなかったのは警戒のためだ。伏せカードはたったの1枚。簡単に突破されてしまうものだが、耐えきれるか？
「ぼくの…ターン！」
クォーツ
手札2→3

「！これなら…！」
何か良いものを引いたみたいだな。
俺は手札を確認する・・・その中には対抗出来るカードはない。
嫌なものさえ来なければ良いんだが・・・。
「ぼくは魔法カード『ソウル・チャージ』を発動します！墓地のモンスターを任意の数選択し、そのモンスターを特殊召喚します！」
「だがそれには特殊召喚したモンスターの数×500LPを失うぞ！」
「はい…！2体で陸也さんの布陣を崩します…！！」
2体で崩す・・・？何を言って・・・。
その時、俺は思い出した。この布陣は全て攻撃表示、クォーツのデッキにミラフォらしきカードはない・・・だが本題はそこではなかった。
「む・・・？まさかっ！？」
しまった・・・！破壊しすぎた！！
そう・・・俺はあのカードの存在を警戒してなかった・・・！
「墓地からアメトリクスとリオンを特殊召喚してチューニング！！S召喚！出でよ、白闘気白鯨！！」
クォーツ　LP2000→1000
白闘気白鯨　ATK2800　☆8

「白鯨の効果発動！このカードがS召喚に成功した時、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊します！」
白闘気白鯨の大波が俺のモンスターゾーンをのみ込み、俺のモンスターゾーンが更地になった。
白鯨は2回も攻撃できる上級Sモンスター、直接攻撃が来れば平気で5600は喰らう・・・厄介だ。
「バトルです…！白鯨で2回ダイレクトアタック！」
陸也　LP8000→2400

「くっ・・・俺の計算ミスか・・・っ！」
「チェーンはありますか…？」
「もうバレていたのか・・・」
この言葉を言われた時点で伏せカードがバレたと当然。
実のところ伏せていたのは罠カードではなく『魔法の教科書』である。
「速攻魔法『魔法の教科書』！手札を全て捨てて、デッキをシャッフルし、デッキトップからカードを1枚めくる。それが魔法カードだった場合、この場で発動できる」
俺はデッキトップのカードを1枚を掴み、祈る。
（『黄泉天輪』よ・・・来い！！）

「確認！！」
俺はカードをめくり、確認する。
出たカードは・・・。


『天よりの宝札』




「・・・」
「…」
最後の最後まで運がないとは・・・まさにこのこと・・・。
畜生！！
「魔法カード『天よりの宝札』！互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにカードを引く！」
陸也
手札0→6

クォーツ
手札2→6

爆アドは嬉しいが、相手ターンで発動させたくなかった・・・！
「カードを3枚伏せてターンエンド」
「俺のターン、ドロー！」
陸也
手札6→7

「・・・モンスターをセットしてカードを2枚伏せて、ターン終了」
よりにもよって『復活の祭壇』すら来なかった・・・これはやばい。
「ぼくの…ターン！」
クォーツ
手札3→4

「魔法カード発動…『ｓ
「罠カード『終焉の指名者』！」
俺の隣で発動されたのは、あるカードを封じる罠カードだった。

終焉の指名者
罠カード
手札を1枚ゲームから除外して発動できる。お互いのプレイヤーはこのデュエル中、このカードを発動するために除外したカード及びその同名カードの効果を発動できない。

「え―――」
「俺は手札から除外するのは・・・『死者蘇生』！」
そう・・・さっきクォーツが発動しようとしていたのは間違いなく『死者蘇生』だった。この罠カードは俺の最後の策略であり、最後の砦だった。
「そんな……なら罠カード『クリストロン・エントリー』…！手札、墓地からクオンとリオンを特殊召喚します…！」
伏せてたか・・・分かってたけど・・・！
もうどうにでもなれ！！
「罠カード『激流葬』！！お互いのモンスターを全て破壊する！！」
「白鯨の最後の効果発動…！このカードが相手によって破壊され墓地に送られた時、墓地のこのカード以外の水属性モンスター1体を除外する事でこのカードをチューナー扱いで特殊召喚します…！」
俺の最後の足掻きは無駄に終わり、クォーツの前に白鯨が現れる。
「・・・」
「…陸也さん…いや、あるじさま」
「・・・何だ？」
クォーツは自分のパネルに手を当て、目を閉じる。
「あるじさまに直してもらったこのパネル…決して無駄にしません、あるじさまに会ってなければ…ぼくはずっとスクラップのまま錆びるのを待ったかも知れない…です」
「・・・！！」
突然クォーツの瞳に涙がこぼれ、地面に落ちる。
その言葉から理解した。
クォーツは・・・作り主以外の人物に「泣いている」のだと・・・。
「そうか・・・じゃあ、それを大事にしろよ。それ・・・直し辛かったんだからな」
その言葉にクォーツは「はい…！」と答え、バトルフェイズに入る。
「バトル…！白闘気白鯨でダイレクトアタック！」




―――――ぼくを直してくれて…本当のあるじさまを探してくれて―――――





―――――世界を救ってくれて…―――――






―――――ありがとう―――――






「・・・見事だ・・・クォーツ」
白鯨の攻撃が俺のライフを削り取り、決着がつく。
陸也　LP2400→0





You WIN！
クォーツ

You Lose…
陸也





次回、明日は明日の風が吹く
※タイトルが変わる可能性があります。