第29話 試験内容はデュエル　作：ヒラーズ

「・・・（ふむ・・・俺が試験を行う場所は別か）」
どうやらクォーツも違う場所らしく、お互いに別の場所でデュエルをするらしい。
「あるじさま・・・頑張ってください・・・」
「・・・（分かった）」
俺はクォーツと別れ、指定された場所へ向かった・・・。
「ふきゅ・・・（それにしても・・・シャルはどこだ？）」
そう・・・あの探偵がいない・・・。
「・・・（あんな事さえしなければこんな事には・・・）」
そう思いつつ、歩いていると・・・。

ドカッ！

「あっ！」
「ぎゃう！」
なにやら俺は一人の少女にぶつかってしまったようだ・・・。
「むきゅ・・・（すまない、前を見てなかった）」
「ご・・・ごめんなさい・・・マナニアがいるなんて知りませんでした」
おや、ずいぶんと優しい子じゃないか。
「！（あっ、沢山のカード・・・この子のカードかな？）」
俺は即座に床に落ちたカードを集め、少女に渡す。
「ありがとうございます、私、新参者なので・・・ついつい迷って・・・」
「・・・（まぁ、よくある事だ、気にするな）」
「では・・・私はここで・・・」
少女は会場の奥へと姿を消した。
その時、後ろから声が聞こえた。
「なるほど・・・百騎兵は女にモテるっという事ですか・・・」
シャル・・・みてたのか・・・。
「感謝してくださいね？この事ができたのも私のおか・・・」
俺はシャルが言い切る前にジャンプし、シャルの胸ぐらを掴む。
人語は喋れないが、訴える仕草はできる。
「うでゅあう！（感謝だと？するわけないだろ！何様のつもりだ！？時間の無駄だ！）」
「ま・・・まぁ、落ち着いてください・・・これにはちゃんと訳があります・・・」
訳だと・・・？どう言う事だ？
「クォーツさんの話によると、記憶を取り戻しているんですよね？」
そうだが？それがどうした？
「記憶を取り戻す旅でも・・・行く当てはあるんですか？」
「！」
たしかに・・・ない。
俺は手を離し、話を続けさせた。
「なら、ここにいると良いと思います・・・。拠点にもなりますし、同じ境遇の人がいるかも知れないですし、怪しい人にデュエルを挑まれたりしないはずです」
いや・・・十分怪しい人に絡まれているんですけど・・・。
「それに、ここは情報の宝庫です。いろんな情報が手に入るかもしれないのです・・・」
「・・・（本当か？）」
「え・・・ええ、私は嘘をつきません・・・決して」
「ふきゅ・・・（そうか・・・ならいい）」
「私は会場の観客席にいるので・・・では！」
シャルは慌てて、ここを後にした。
「むきゅ・・・（さて、俺も向かうか）」
俺はとっさに対戦するフィールドへ向かって走ってった。



「・・・（はぁ・・・ギリ間に合った・・・）」
さて・・・対戦する試験官は・・・あの人か？
なんか・・・へんな仮面被っているな・・・片目が赤い、見た目はクォーツより年下っぽいな・・・。
金髪・・・外人さんかな？
「・・・」
「・・・」
なんだ・・・この沈黙は・・・。


次回　試験官と百騎兵