第49話 人員探し　作：ヒラーズ

さて、頼み事を受けたのはいいが、人員探しに当てはあるのだろうか？
クォーツは出られなくはないが水晶機巧以外のカードを扱えるかどうかが心配だ。
シャルは情報収集に忙しいし、零華は実家の日帰りでいないし・・・厳しいな。

「・・・（困ったな・・・肝心な参謀のシャルもいないから、どうすれば・・・）」
俺は学園内を歩いていると、どこからか歌声が聞こえた。
「もきゅ？（歌声？それにしてはうまいな・・・歌い手か？）」
俺は歌声がした方へ足を進める。
「ふきゅ（この部屋からか・・・やけに甘い香りがするな・・・）」
俺は部屋のドアの前へ立ち、歌を聴く。
「こんぺいとうみたいな　おいしい夢は～♪　泉からあふれ出る　みんなの勇気～♪
7つのスターロッドを・・・戻せば明日は虹色さ～♪」
ずいぶんとうまいな、音楽部かな？だいぶ練習していると思うぞこの歌。
ん？別の歌に変わった・・・？
「おおきなグラス出して　泉で洗いましょう♪　オレンジのお日様は　フリーズでシャーベットにして♪　マキシムトマト　薄く～スライス～♪　元気ドリンク　ベース注いで～♪　ペパーミントの海で割って～さっきのお日様　浮かべます♪」
「・・・（何を作ってるんだ？）」
俺は少し寒気がした・・・だがまだ夏である事は確かだった・・・。
「スターロッドでそっと、2、3回かき混ぜて♪　真夏の香りがする　カクテルの出来上がり！」
「・・・（ずいぶんとおいしくなさそうなカクテルだな）」
俺は部屋の扉を開け、中に入るその瞬間、歌声は聞こえなくなった。
「もきゅ？（歌声が聞こえない・・・？驚かせてしまったか？）」
俺は部屋を見渡し、声の主を探す。
甘い香りは机の上からする・・・どうやらキルシュとガレットデロワが置いてある・・・。
甘党だろうか？他にもエクレアやマカロンが置いてあるぞ・・・。
かなりの甘党のようだな・・・。
「あら・・・ノックぐらいしなさい」
「！」
俺は咄嗟に後ろに振り向いた。そこには8歳くらいの女の子が立っていた。
見た目はややハナコと同じ格好しているが違う・・・。茶髪で、髪の毛が長い。
「・・・（この部屋の主か、勝手に入ってすまなかった）」
俺が部屋から出ようとした時だった。
ｶﾞｼｨ！
「せっかく来たんだから、ゆっくりしていきなさい」
出るのを止められた・・・。
「そして何の用かを言いなさい」
俺はハナコから頼みごとをされたことを話した。




「ふーん・・・ハナコが大会にねぇ・・・」
「ふきゅ（と言う訳なんだ）」
「わかったわ、いいわよチームに入っても」
「！（マジで！超ラッキーだ！）」
俺は参加者が増えてくれる事に喜びを覚えた。
「ただし、私はそんなに強くないよ？」
いや、参加してくれるのは嬉しい方だ。
「それに報酬はあるんでしょ？なら参加するわ」
よしっ！早速1人目ゲット！後1人だ。
「あっ、自己紹介を忘れてた。私の名は「アナベル・サンチネス」、ハナコに続く魔女よ」
「・・・ほあ？！（何ぃ！魔女だと！！）」
とんでもない人物をチームに加えてしまったな・・・魔女はハナコで十分でいうのに・・・。
「私のデッキは壊獣と機械族メインのデッキよ。よろしくね！」
「・・・（おっ・・・応・・・よろしく）」
どうしよう・・・さらに敵を増やしてしまった・・・。
「それと丁度いい、デュエルで腕を確かめてみない？」
「きゅ・・・（確かにそれも必要だな・・・作戦を立てるにも良いかもしれん）」
俺はアナベルを連れ、外に出る。



次回　二人目の魔女