第56話　突入するは大会編　作：ヒラーズ

しばらくしてハナコの自室・・・。
俺はハナコに聞き込みをしていた。
「優勝品？プレミアカードと現金100万円だったよ？」
おっと、金が絡むとなると、言われたとおり怪しいな。
「きゅ（十分怪しいな）」
「でしょ～？とにかく試合に勝ちつつ、裏を探るの」
「・・・」
「あっ、忘れてた！むきゅちゃんにこのカードあげる。もう必要なくなったし」
そう言ってハナコは小さい箱から3枚のカードを出し、俺に渡す。
「きゅ・・・（ふむ・・・これなら大会の連中と互角に戦えるかもしれんな）」
「ハナコが今できるのはここまで、後はむきゅちゃんに任せるよ」
任せろ！後はデッキを改造すれば完了だ。






そして大会当日、俺達はマデュラシティの中央区に存在するドームに集まり、待機室で対戦表をみていた。ちなみにだが、その前日にチーム名も決めていて、名は「ウィッチ＆マナニア」となって登録されている。魔女が多いんだがな・・・。
「最初の相手はチーム「マシンエリート」よ！」
「マシンエリート・・・たしか、機械族などが主体のデッキを使う連中よね？」
「機械族が主体なら『システムダウン』が有効ですね。誰が出ます？」
「うにぇ！（よし！俺が出るぞ！）」
俺がそう言うと、ハナコ達が真剣な顔で俺を見て言う。
「気をつけてね、むきゅちゃん」
「恐らく相手は手強いですよ」
「何かあったら、サレンダー（降参）するのも手だから、無理はよしてね？」
全員心配しているようだが、安心してくれ！そう簡単に負けん。
俺はデュエルフィールドへと足を進ませ、待機室を出る。

その同時刻・・・クォーツはシャルと共に大会に来ていた。
「百騎兵さんの実力が拝めるとは、滅多にないことですね。クォーツさん」
「うん・・・大会を見るの初めて・・・です」
クォーツ達が観客席を捜していると。
ﾄﾞﾝ！
「あっ」
クォーツは黒い服を着たガスマスクの人物にぶつかった。
「おっと、失礼。怪我はないか？」
「いえ・・・大丈夫です（声的に男性だ・・・）」
クォーツは立ち上がり、埃を払う。
「そうか・・・よかった」
安心したのか、ガスマスクの男は何事もなかったかのようにクォーツの前から去る。
「・・・」
クォーツ達は観客席に座り、出場者が出るのを待つその時だった。
「っ！」
シャルが何かに気付いたのか、いきなり席から立ち上がり、クォーツの手を掴み、観客席を後にする。
「どうしたんですか、シャルさん？」
「とにかくこっちに」
シャルは廊下のところで立ち止まり、クォーツに小さい声で話しかける。
「クォーツさん、あなた・・・狙われてます」
「えっ？ぼくが・・・？」
クォーツはシャルを疑ったが、真剣な目をしているシャルをみて、事実だと解釈する。
「一体誰が・・・ぼくを？」
「さっき、黒い服を着たガスマスクの人物・・・あの人かも知れません」
「え・・・？あの人が？」


一方、男性トイレでは・・・。
「俺です・・・ターゲットを発見しました」



次回　暗躍多き大会

※タイトルが変わる可能性があります。