番外12：続・白皇家の家系図　作：ヒラーズ

注意！

番外11の続きです。回りくどいと思いますが、
陸也と海理の設定が入っています。












…続・白皇家の家系図




驚きの事実を知ったハルはさらにページをめくる。
「ん…？予言の続き？陸也さんのお母さんが書いたのかな？」
内容
お伽話だろうか？繁栄の予言にはまだ続きがあった。
血の繋がらない白皇家の姉弟が子孫を産んだとき、その子供は『魔王創神竜』の転生体だと言う。その子供もまた『呪われた子供』らしい。
そしてその子供の名は…●

「あれ？ここだけ文字が赤く塗りつぶされてる…」

私が見た今後の先の未来
私の命はどうやら後5～6年も持たないらしく、陸也が7歳になったときにはもう私はこの世におらず、陸也を残して他界するらしい。
夫は友軍に見捨てられ、無駄死にし、多くの悲しみが我々を襲うだろう。
だがこれに屈する事なかれ。これを超えし時、真の幸福と繁栄が来るだろう。

「…陸也さんのお母さん。死んじゃうことは分かってたんだ…」
（これを読んだ陸也さんは……相当ショックなんだろうな…）

ﾍﾟﾗﾘ

「うん？これは陸也さんのお母さんの調査書類かな？」
内容
魔王創神竜について
かつて宇宙は一つだった。
ある時、1体の神の竜が生まれ、宇宙をいくつかに分けた。
地球のある銀河系もその一つである。
生まれた竜の名は…「リゥート」、これでもまだフルネームではなく。
本当の名があったが現段階の調査では不明、少しずつ調べた結果、この竜は雌竜らしい…。

調査結果①
幾億年の時を超えて調査したが、魔王創神竜は人間の姿になると幼い女の子に変身し、人前に現れるらしい。
魔法の適正は当たり前のように良く。超能力や武術に対する技はもはや達人以上の技力。化け物級だった。
性格は温厚だが、戦いになるとかなり厳しくなる。私は1度会ってみたが、逆に可愛がられてしまった。本当にあの覇王龍と戦った伝説上の魔王創神竜なのだろうか？正直疑いたくなる。

調査結果②
調査すべくまだ魔王創神竜がまだ封印されていない時間に留まり、謎を解明する。今後、この竜はリウートと呼ぶことにする。一応彼女もその名で喜んだ。
見た目が女の子のリウートは文武両道の存在で、自分が領地にした国はとことん治安を良くし、反逆の心を持つ者を消していった。彼女は「ただ反逆はして欲しくないだけだ」などと言っており、裏切られるのが嫌いだと見える。
そしてリウートには親が存在せず、親を持つ子を見るとよく質問をしてくる。
「親の手作り料理はおいしいか？」や「お前は幸せ者だな」と言ったりなど庶民にはかなり優しい態度だった。
だがその質問は私にも来た。真実を話すとリウートは私に抱きつき、慰めるかのように言った「悲しくとも決して泣くことではない。お前の産んだ子は必ず繁栄をもたらし、笑って出歩けるような心優しき家系になるだろう」っと…。

調査結果③
あれこれリウートと古代の生活をしていると正直、元の時代に戻るのは正直馬鹿馬鹿しく思う。けどリウートの優しい態度は夫その者に似ていた。夫に会いたい…だけど…これを終わらせなくちゃ…！
ある日のことだった。私がリウートについて調査を進めていると、精霊界から覇王龍が現れ、リウートの前に降りて戦い始めた。
海は荒れ、地は裂け、領地としていた国もあっという間に崩壊した。
私は危険を感じ、急ぎリウートの城に行き、帰りを待った。
しばらくしてリウートは帰還したが、ボロボロで玉座に座る。
そして私に言った。「お前が鍵である我が子孫を産んだなら、その者は絶対、我の封印を解くだろう。そして我は生まれ変わり、新たな道を歩むだろう…」
そう言ったとたんに覇王龍が現れ喋る。私には理解できないが、恐らくとどめを刺しに来たんだと思う。私はリウートの最後を見届ける。そして私の調査が終わったのだった。


「……いい人だったんだ…魔王創神竜って…」
ハルは本を閉じ、考える。
（何か…イメージが違う…魔王ってもっと悪い奴のイメージがあったけど…何か違う…）

「陸也さんと海理さんが鍵か……あっ！もうこんな時間だ！！」
ハルは時計を見て急いで支度を調える。
「早く男子寮に戻らないと疑われちゃう！」

そう言ってハルは陸也の家を飛び出し、任務に戻ったのであった。