第130話 前世の因縁　作：ヒラーズ

『さぁ！やってまいりました！Bブロック2回戦！続いては・・・なんとリーダー同士の戦いです！！』
やかましい会場の中、俺はデュエルフィールドに立ち、鏡の力で前世の姿になる。
「・・・」
俺は無言のまま、ネクロが出るのを待った。
そして辺りから負の気配を感じ取った・・・そう、ネクロの入場だ。
「やあ・・・陸也君、久しぶりだね。転生したとは聞いていたけど、まさかあの伝説の魔神になってくるとはね、驚いたよ」
あのむかつく口調、黒髪、そして負のオーラを出している。
紛れもない・・・ネクロだ！
「俺も驚いたぜ、お前さん自らこの世界に来るとはな、何の用でここに来た？」
ネクロはくくくと笑い、話を続ける。
「そうだねぇ・・・君の邪魔をしに来た・・・っと言ったら怒るかい？」
「・・・」
ムカつく・・・だがここで挑発に乗れば奴の思うがままだ。
こちらも仕返しに挑発しとこう。
「そうか、負けに来たのか。清々しい奴だな」
そう言ったとたん、ネクロは大笑いしだし、拍手をする。
「あはははっ！私に挑発返ししたつもりかい？愉快、いや本当に愉快だよ陸也君！」
駄目だ・・・奴に挑発返しが効かねぇ。
「ははは・・・さて、君の予想通りだよ」
「？・・・何がだ？」
俺の頭上に？が浮かぶ。
「そのままの意味だよ、けど今は大会だ。わかるかい？」
真相を聞きたくばひねり潰せと、いちいち面倒な奴だな。
「・・・デュエル前に一つ聞きたい」
「なんだい？」
俺はディスクを取り出しながら言い、デッキをセットする。
「これは因縁の対決と・・・お前さんは思うか？」
その問いにネクロは首を傾げる。
「うーん、どうだろうか？私にとってはそうであって欲しいけど・・・君にとっては？」
「質問を質問で返すな、お前さんの考えはわかっている。俺を倒した後、前世戻しの鏡を奪って、この世界から逃げるつもりだった・・・っと言えばどん引きか？」
その言葉を聞いたネクロはディスクを取り出し、デッキをセットし、シャッフルする。
「へぇ・・・私の思考がいつの間に読めるようになったんだい？」
「・・・」
「久々に良いデュエルが出来そうだ。ならあの続きもしようじゃないか？」
「あの下らん闘争の続きか？」
俺が言っている下らん闘争の続き・・・最強の軍人デュエリストを決める下らない戦い、当初は邪魔が入り、中止となったが・・・・まだ根に持ってるのか・・・。
「さてと・・・審判、常識（ルール）を」
俺達は画面に映ったルールをみる。ネクロとの戦いになるといつもこうだ。

『LP8000戦』
『スタンダードデュエル』
『禁止制限、解除』
『リンク・ペンデュラムあり』

「デュエルの前に、お互い二つ名を言おうか、構わないだろう？」
「ふん、いいぞ。俺の名は白皇陸也、【白き邪神】であり、転生体時の名は百騎兵だ」
「私の名はネクロ・ヴァルハラ、『異界の観測者』！！」
二つ名を言った俺達は同時に言う。




「「デュエル！！」」



陸也　LP8000
手札5

ネクロ　LP8000
手札5



「いくぞ！ネクロ！！」
「真の軍人決闘王の称号にふさわしい者は・・・この私だ！！」
『始まったぁ！このにらみ合い、まるで因縁の対決だぁ！！』
喧しい・・・。
「先攻は貰うぞ！ドロー！」
陸也
手札5→6


「手札から魔法カード『ショット・ガン・シャッフル』を発動！300払ってデッキトップを弄る！！」
陸也　LP8000→7700

「そうだった、君はドロー運が悪すぎてロクなカードが引けなかったんだっけ？」
そう・・・正直、この姿の俺は非常に弱い。だからデッキトップを変える必要があるからだ。
「モンスターをセットし、カードを2枚伏せてターン終了」
「いきなり逃げの一手とは珍しいねぇ、ドロー」
ネクロ
手札5→6

「魔法カード『トレード・イン』、手札から紫眼の屍竜を捨てて2枚ドロー」
ネクロ
手札4→6

「じゃあ小手調べだ、手札から星壊屍鬼－グールを召喚」
星壊屍鬼－グール　ATK1200　☆3

「では、グールで攻撃！」
「速攻魔法『月の書』だ、そのモンスターを裏側守備表示にして貰うぞ」
「逃げしかやってないけど、いいのかい？カードを1枚伏せてターンエンド」
現段階ではドロー運の悪い俺はあのカードを引くまで耐えるだけだが、正直今の手札がとても辛い。
「俺のターン！」
陸也
手札1→2

「！・・・これはっ！」
おかしい、普通はこの段階でいらないカードが来るんだが、不思議だ・・・欲しいカードが来たのだ。
「手札から『デデデ城』を発動し、伏せモンスターをリバース、ニュートを反転召喚。効果により攻撃力、守備力共に500アップする」
ニュート　ATK1900→2400　☆4

「リバース効果モンスターだったか！厄介な・・・」
「ニュートで伏せモンスターを攻撃！」
ニュートの攻撃でグールが破壊され、墓地に2体のアンデットがデッキから落ちる。
「グールが戦闘で破壊された時、デッキからアンデット族モンスター2体を墓地に仕込む」
「魔法カード『天よりの宝札』、互いに手札が6枚になるようにドローする」
陸也
手札0→6

ネクロ
手札4→6

「さらに魔法カード『コピー能力』を発動！手札からカービィとカービィ以外カード名が異なるモンスター1体を手札、フィールドから墓地に送り、EXデッキから融合召喚扱いでカービィと名のつくモンスター1体を特殊召喚する。手札から星の戦士カービィとフィールドのニュートを墓地に送り、融合！！」
《風の力を得て強化されてなった星の戦士、今その暴風を使い、敵を蹴散らせ！融合召喚！！レベル7、暴風能力者トルネイドカービィ！》
俺の前に現れたのは頭に竜巻がついた新たな能力を持ったカービィの姿。辺りに風を発生させ、辺りの観客は吹き飛ばされそうになる。
暴風能力者トルネイドカービィ　ATK2600　☆7

「いきなり融合とは飛ばすねぇ・・・いつもの不運はどこへ行ったのやら」
「トルネイドの効果発動！1ターンに1度、相手フィールド上のカードを全て破壊し、破壊したカード×600のダメージを与える！ビッグ・トルネイド！！」
トルネイドカービィが竜巻に変化し、相手の魔法・罠を全て吹き飛ばした。
ネクロ　LP8000→7400

「くっ・・・迂闊だった」
「カードを2枚伏せ、ターン終了」
「私のターン！！」
ネクロ
手札6→7

「魔法カード『魔法除去－ウイルスキャノン』！君のデッキから魔法カードを10枚墓地に捨てなさい！」
「何！？」
出たよ、意味不明の魔法カード。
「これで君は『デデデ城』以外魔法カードが使えない」
「それはどうかな？罠カード『貪欲な瓶』を発動、墓地からカードを5枚デッキに戻し、シャッフルし1枚ドロー」
無論、戻すのは全て魔法カードだ。
陸也
手札2→3

「ならば永続魔法『ネクロ・ノイズ』を発動、墓地からアンデット族モンスター1体をデッキに戻して、墓地からレベル10以下のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する！グールを戻し、出でよ紫眼の屍竜！」
俺の前に現れたのは守備表示のドラゴン族モンスターでもあり、アンデット族でもあるハイブリットのモンスターだった。
だが俺はこのモンスターを知っている。ネクロの柱モンスターだ！！
紫眼の屍竜　DEF0　☆8

「ちぃ・・・戦闘破壊し辛くなった、だが速攻魔法『サイクロン』発動しノイズの効果で手札を2枚捨ててそのカードを破壊だ」
陸也
手札3→1
「ターンエンド」
このままで進めていればジリ貧も当然、何とかしないと。
「俺のターン！」
陸也
手札1→2

「デデデ城の効果でスターカウンターを一つ置く。トルネイドで攻撃！」
トルネイドカービィの攻撃で屍竜が吹き飛び、ネクロの場がガラ空きになる。
「トルネイドのモンスター効果！このカード戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手に800のダメージを与える」
ネクロ　LP7400→6600

「へぇ・・・やるじゃないか、けどその程度じゃあ倒せないよ？」
確かに、エンドフェイズ時に戻ってくる紫眼の性能はもはや攻略し辛い。
だが今は耐えるしかない。
「ターンを終了する」
「エンドフェイズ時に戦闘で破壊された紫眼は戻ってくる！私のターン！」
ネクロ
手札3→4

「灰流うららを召喚し、2体でチューニング、シンクロ召喚！現れよ、紫眼の混沌屍竜！」
紫眼の混沌屍竜　ATK4500　☆11

「お返しだ！攻撃！効果によりダメージステップ終了時までそのモンスターの攻撃力を0にする！」
トルネイドの攻撃力が0になり、事実上ダイレクトアタックの威力になった。
陸也　LP7700→3200

「ぐわあああっ！！」
「はははは！カードを2枚伏せてターンエンドだ！！」







次回、前世の決着はまだ先
※タイトルが変わる可能性があります。