第155話 集まる魔の手　作：ヒラーズ

さて、侵入したのはいいとして、駐車場に着陸した俺達。
街は一通り変わっていない。いつものざわめき、会話、車の走る音。
正直、すごい怖い。
まぁ、騒がれると敵にバレる可能性があるが、今のところ心配はなさそうだな。
「きゅ（先ずは活動拠点を確保して、それから行動しよう）」
そう言って、機体から降りた矢先。
「なぁシャル、大阪といえば？」
「それは・・・グルメですね！」
おい、何関係のない話してるんだ。
「拠点探すついでにどこか店寄ってこうぜ！折角来たんだから、どこの店に行かないままなんて勿体ないぜ」
「そうですね・・・私も行きたいところがありますし」
おい！何勝手に旅行気分でスケジュールを決めてるんだよ！
「よーし・・・俺達はあっちに行って、店に寄りながら拠点を探すぜ」
「では私達はあっちで、クォーツさんも行きます？」
「はい、同行させて下さい」
えっ・・・ちょっと待って・・・俺・・・孤立しちゃう。
しかし時既に遅し・・・俺を残し、皆はあちこち散ってしまった。
「・・・」
何これぇ？新手の虐めか？
「・・・」
何でこうなるんだろうか・・・？
だがこうもじっとしていられない。俺もトボトボと街の中を歩き始める。












「・・・（それにしても、・・・俺が話しかけようとしてもまたスルーされる）」
クォーツ達は普通に接してくれるが、何故か俺だけスルーされる。
この街に魔法生物（マナニア）がいればいいんだが・・・。
その時だった。
ｶﾁｬﾘ

「もきゅ？」
「動くな」
俺の兜の後ろに銃口が向けられる。
「・・・」
俺は手を挙げず、振り向く。
「あんた・・・銃が怖くないの？」
俺の前に現れたの14歳くらいの少女。
黒髪のツインテールに黒目、黒のノースリーブにフリルパーカー。なんやかんやでファッション気にしてるんだな。
「きゅ・・・（あー・・・俺の言葉、通じてる？）」
「？なんて言ってるか分からないけど、あんたの事は知ってるわ。「伝説の魔神」の百騎兵でしょ？小さいわね」
何で俺に関わる敵さんは俺の事を伝説の魔神呼ばわりしてるんだよ。
それに小さいは余計だ！
「アタシはラン・オルテンシア、あんたを試しに来たわ」
「もきゅ？（試し？）」
「皮肉な性格の死霊使いに頼まれたの、それに」
・・・それに？
「あんたと一戦交えて見たかったの、いいわね？」
ネクロの奴め・・・小癪な真似をしてくれたな。次会ったら覚えてろよ・・・。

「言っておくけど、アタシはちょっと強いわよ？」
なら俺は大して強くない魔法生物なんだが・・・。



「デュエル！」

ラン　LP8000
手札5

百騎兵　LP8000
手札5


「先攻は貰う、ドロー！」
ラン
手札5→6

「手札から召喚僧サモンプリーストを召喚、効果で守備表示に変更し、効果を発動！手札の魔法カードを1枚捨て、デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚するわ！出でよ、チョコ・マジシャン・ガール！」
チョコ・マジシャン・ガール　ATK1600　☆4

「チョコ・マジシャンの効果発動！手札からEｍハットトリッカーを捨てて1枚ドローするわ」
ラン
手札3→4

トレード・インのように手札を入れ替えるモンスターか・・・。
「行くわよ！未来を導くサーキット！2体の魔法使い族モンスターをリンクマーカーにセット！サーキットコンバイン！！リンク召喚！！魔導原典クロウリー！」
魔導原典クロウリー　ATK1000　LINK-2　マーカー：右下／左下

「効果は使えないけど・・・次のターン、あんたは地獄を見るわ。カードを1枚伏せてターンエンド」
「ふきゅ（俺のターン！）」
百騎兵
手札5→6

「・・・（手札から『手札抹殺』を発動、互いのPLは手札を全て捨てて、捨てた枚数分だけ、デッキからカードを引く）」
「？何がしたいの？」
何って、こうするんだよ。
「きゅ（魔法カード『ソウル・チャージ』、自分の墓地に存在するモンスターを召喚可能な限り、特殊召喚し、そのモンスター1体につき、俺のライフは500失う。出すのは4体の経典モンスターだ）」
百騎兵　LP8000→6000
『経典色魔 サキュバスクィーン』
『経典魔法生物ケサランパセラン』
『嫉妬経典の人魚』
『嫉妬経典の人魚』

「ふきゅ（パセランの効果で『奈落経典-呪いの書-』を手札に加え、人魚2体の効果で伏せカードとリンクモンスターを破壊し、手札2枚ともバウンス。1体のD条件は達成してる。美食経典の究極魔王ベルゼブブをD召喚）」
美食経典の究極魔王ベルゼブブ　ATK2600

そしてだが、夢から覚めた時、あるカードがやたらと入ってたから使う時が来るだろうと思って入れてきた。
「ふきゅ（行くぞ！追放世界を導くサーキット！アローヘッド確認！召喚条件は効果モンスター2体以上！俺はドライヴ以外の経典モンスター3体をリンクマーカーにセット！サーキットコンバイン！！リンク召喚！出でよ！魔王青竜・・・クリストラ！！）」
魔王青竜クリストラ　ATK2800　LINK-3　マーカー：上／右／下

俺の前に現れたのはクリスタルで覆われた謎のドラゴン。
まるでクォーツが持っていた水晶眼に似ている。
「ふきゅ（モンスター効果発動、このカードの攻撃宣言時、墓地の闇属性モンスターを任意の数だけ除外し、除外したモンスターの数分、1度のバトルフェイズ中に続けて攻撃できる）」
「・・・は？つまりそれって、ワンキル・・・？」
うん、ワンキル。運良く手札が事故ってなかったのが奇跡だ。
「きゅ（ベルゼブブで攻撃、効果で打点を4000に！）」
ラン　LP8000→4000

「ちょっとまｔ」
「きゅ（覚悟しろ・・・クリストラの効果により、墓地の経典モンスター3体除外してトドメだ）」
クリストラの青い怪光線がランのLPを削り取り、吹き飛ばす。
ラン　LP4000→0

「きゃあっ！！」


You WIN！
百騎兵

You Lose…
ラン








「はぁー、負けたわ・・・さすが伝説の魔神ね。あんたの元に何故なかなか強いデュエリスト達が集まるのか、分かる気がするわ」
だから何で伝説の魔神が付くの！？死んでもいないのに！？
「あの「ネクロ」と言う奴も認めるだけはあるわ」
「きゅ（どんくらい金をこの子に出したんだろう・・・）」











次回、鹵獲された船の行方
※タイトルが変わる可能性と修正する可能性があります。