第48話 新しき目標　作：ヒラーズ

遺跡探索から1週間・・・地盤沈下の事件はたくさんのメディアから取り上げられたが、テレビに放送されるほど重要ではなかったのか4日ぐらいで話題から消えた。
まるで裏か何かで情報をかき消したかのように・・・。


「・・・（ふむ・・・、このトーチカの力は使い勝手はそんなに良くないのか・・・）」
俺は困っていた、新しく手に入れた力「百騎戦術トーチカ」という能力。
制約もあり、やや使いづらさがある・・・。現に俺が使えるトーチカは3種類。
チクボム、デコイモ、チビヘイだ。
8系チクボム：小さい釜の形をした爆弾トーチカ。色々と役に立ち、岩以外も吹き飛ばせそうだ。
制約：1つしか出せず、再召喚するには8秒かかる。

16系デコイモ：大きな壺型のトーチカ。まだ使った事がないが、囮に使えるらしい。
制約：2つまで召喚できるらしく、再召喚するには20秒かかる。

1系チビヘイ：小さいマナニアのトーチカ。自動迎撃や攻撃してくれる。
制約：8体まで召喚できるが、再召還するには20秒かかる。
以上が使えるトーチカである。
「・・・（使えるのはいいが、問題はタイミングだな）」
俺は自分が使えるものをメモにまとめて一息つこうとしたその時だった。

ｺﾝｺﾝ！

ドアをノックする音がした・・・クォーツだろうか？
「もきゅ？（誰だ？）」
「むきゅちゃん？ハナコだよ！開けて」
「・・・（断る）」
敵をここに入れる訳にはいかない。ここはクォーツが来るまで待つか。
「・・・」
「・・・」
・・・帰ったか？俺はドアに近づき様子を探る。
「・・・ぐすん」
「！（えっ？）」
嘘だろ・・・泣くのかそこで・・・。
「聞いてクォーツ、むきゅちゃんがハナコを入れてくれないの・・・ひどくない？」ｸﾞｽﾝ
「！？（何っ！？クォーツが近くにいたのか！？）」
俺は慌ててドアを開け、確かめる。
しかしいたのはハナコだけだった。つまり騙されたという事。
「捕まえた！ハナコの部屋に来てもらうよ！」
「・・・（畜生・・・不覚だった）」
俺はハナコに抱かれながらハナコの自室へ連れて行かれた。




そしてハナコの自室にて、俺はハナコの部屋に入れられ座らされる。
「さて、むきゅちゃん」
「きゅ・・・（何だ？使い魔になる気はないぞ？諦めろ）」
「そのために連れてきたんじゃないよ・・・、これを見て」
ハナコは机の引き出しから何やら1枚のポスターを出し、俺に渡す。
「もきゅ？（なんだこりゃ？ただのデュエル大会のポスターじゃないか。これがどうかしたのか？）」
誤文字もないし、変哲も無い大会のポスターだが？
「むきゅちゃんをここに連れてきたのは他でもない、ハナコに協力して欲しいの」
「もきゅ？（協力？なぜだ？）」
「実のところこの大会、怪しいの。ハナコから見ては何かあると思うの」
うーん、禁止カードをチェックは・・・「三幻神」、「三幻魔」、「三邪神」、「三極星」、「水晶機巧」・・・ん？何で水晶機巧と邪神が禁止なんだ？後は普通の大会禁止のカードも禁止・・・あれっ？だいぶ縛ってないかこの大会。
「・・・（確かに怪しいな）」
「でしょ？だから協力して欲しいの！」
「むきゅ（誰が協力すると言った？人に頼む際はそれなりの報酬を用意しておかねばなるまい？それに、お前さんに協力してやったにしろ俺に何の利益がある？それでは協力しようがないだろ？）」
「その事なんだけど、報酬はあるし、お互い利益がもらえるよ」
「・・・（・・・内容は？）」
俺は渋々、内容を聞くことにした。
「まず、この大会はチーム戦で4人で1チームなの。この大会に出場して勝ち上がりつつ、この大会の裏を暴き、止めること！簡単でしょ？」
いや・・・全然簡単じゃないんだが・・・大体それは探偵（シャル）に頼む事だろ？それじゃあただの大会荒しだぞ？
「ふふん。心配無用、ちゃんと策戦は練ってあるから。後は人員探せばいいだけなの」
良くねぇよ、人員不足って大丈夫なのか？正直俺は不安だ。
「なわけで、むきゅちゃん、人員探しよろしくね！」
「・・・（無茶苦茶な事を言ってくれるな・・・どうなっても助けんぞ？）」
「大丈夫！むきゅちゃんならきっとよりよい人員を連れてくる事を信じてるから、じっくり探してきなさい！」
発破までかけてきやがって・・・余計断れないじゃないか・・・。
「・・・」
仕方ない、やってやろうじゃないか・・・。
「ふきゅう・・・（ため息）」
だが俺はあるものを取り返すための道（ルート）を進んだ事を今の俺は知るよしもなかった。そして新しい目的もそれに含まれてた事も・・・。


次回　人員探し