第137話 決戦前の争い　作：ヒラーズ

「驚いたにゃ・・・まさかワンキルされるとは思わなかったにゃ」
俺もワンキル成立は驚いた。
「けど、素晴らしいデュエルの腕前ですにゃ・・・ふむ、そろそろ宛のにゃい旅は飽きていたところ、よければ私もにゃかまにいれてくれませんかにゃ？」
やけに虫のよすぎる話だな。何か企んでるのか？
「言ってはおきますにゃ、私は後ろからグサリと刺すような真似はしないにゃ」
完璧に読まれてるな、余計信用できないんだが・・・。
「・・・（分かった、いいだろう）」
「ではよろしくお願いしますにゃ」
俺とルナは握手した・・・そして同時に武器を取り出した。
「・・・（気づいたか？）」
「殺気が満ちあふれてるにゃあ・・・お友達ですかにゃ？」
少なくともネクロではなさそうだがな、この殺意。
「・・・囲まれましたにゃあ、どうしますにゃ？」
俺は刀剣を抜き、ルナは刀を抜き、二刀流になる。
そして俺達の周りに現れたのは重武装した軍団だった。
紋章には見覚えがあった。マナニアハンターズか。勘が正しければ、こいつらは装甲兵の中隊ぐらいだろうか。
「ふきゅ・・・（お前さんらの上司は馬鹿なのか？こんなに沢山の主力兵員がいるなら人命救助や復興支援とかやれよ）」
「・・・」
敵方は何も喋らない。
完全に俺の抹殺と言う訳か。
「・・・」
ざっと今ここにいる兵士は50人ぐらいか、少ない人数だな。
「ふきゅ・・・（ルナ、1つ競争といかないか？）」
「何ですかにゃ？」
「きゅ・・・（簡単だ、どちらが多くの装甲兵を八つ裂きにできた人の勝ち。妨害なし、援護有りの簡単ルールだ）」
それを聞いてルナは微笑む。
「よろしいにゃ！私の実力を見せてあげるにゃ！！」
そう言って俺とルナは敵に突撃していった。


























その頃、待機室ではクォーツ達が俺なしで次に出場するメンバーを決めていた。
「あるじさまが不在している今、ぼく達で決めないと…」
「決勝戦のCブロック、何もなければ俺達は優勝まっしぐらだぜ？」
「・・・」
そんな中、シャルは何かを感じたのか、考え事をしていた。
（最近、百騎兵さんの行動がおかしい。仲間は増やすし、時に血まみれになって戻ってくるし…何があったんでしょう？ネクロと会話しに行くと出たきり戻ってこない…一体何が…）

「・・・血の臭い」
ファルディアの言葉で辺りは静かになる。
「ファルディアさん？」
「何物騒なこと言ってんだよ、映画じゃないんだし、冗談は…」
「・・・ここから5階の方、無人の広場で血生臭い事が起きてる・・・私もまぜてもらう」
そう言ってファルディアは転移魔法で待機室から消える。
「いっ・・・一体5階で何があった言うんだ！？」
トウマは焦り、ジェムはライフルを装填している。とても気まずい状況となった。
「取りあえず・・・ぼく達で決めておこう・・・」
クォーツは冷静に判断し、場を落ち着かせる。
だが、クォーツは分かっていた。自分達を狙う敵をあるじさまが倒してくれている事を、この時に限ってクォーツは副リーダーとして動いたのであった。





















そして変わって無人の広場、辺りは屍の山が積み上げられ、血の海が広がっていた。
「斬っても、斬ってもキリがないにゃ・・・、と言うよりどんだけいるんだにゃ！？」
「きゅ・・・（そりゃあ・・・中隊くらいまでいるんだ、後70人いてもおかしくないぞ）」
「な・・・70人！？いすぎにゃ！！」
襲いかかれば俺の刀剣かルナの二刀流の剣術が飛んでくる。
これだけの被害が出てるのにもかかわらず、どんだけ攻めてくるんだ。
命が惜しくないのか？
「・・・（本当にキリがないな）」
その時だった、空中から聞き覚えのある声が聞こえた。
「・・・【マハエイハダイン（究極全体核熱魔法）】」
・・・え？ファルディア？
俺とルナは咄嗟に魔法を避け、障害物に隠れる。
「！（ちょ・・・味方を巻き込む気か！）」

ボオオォォォン！！

辺り全体が大爆発を引き起こし、残りの残存部隊が全て黒焦げになった。
床もこんがり焼け、障害物に隠れていた俺とルナ、空中ですごい魔法を撃ってきたファルディア以外広場は完全に焼き焦げた。
「ふきゅ・・・（ファルディア、やり過ぎだ。折角のスコアまでなくなったぞ・・・まぁ助かったけど）」
ファルディアは下に降り、焼き焦げた屍を見て言った。
「・・・装甲服を着ているのに・・・あっけない」
「まぁ、私の刀の刃を通すぐらい弱い装甲だった訳にゃ」
俺の電磁鈍槌を普通に受けてたしな、数攻めで来たんだろう。
「ふきゅ・・・（係の魔女が来るかも知れん、急いで離れるぞ）」
そう言って俺達は広場を離れ、待機室に戻る。



















待機室－

「あっ…あるじさま達が戻って来た」
「ふきゅ・・・（やぁ、すまん。ちょっと軍隊と喧嘩してきた）」
「喧嘩・・・なのか？」
トウマは俺を見て少しずつ近寄る。
「お前、いつもこんな目に遭ってるのか？」
「もきゅ？（船を取り戻す旅をしてるんだ、これぐらいの障害は乗り越えないとな）」
そして俺達は次に戦うチームの名が書かれた資料を見る。

チーム名『プライムレディーズ』
リーダー
『キュリム・ビッツ』
メンバー
『クロン＝ガリル』
『真田丸 栄花』
『ソロネ＝アーク』
『黒石 萌音』


「このチーム、女性のみで構成されているようですね…」
「最後の相手が女性とはすげぇな」
「・・・」

「じゃあ、面倒くさいけど行ってくる」
リュウカは立ち上がり、待機室を出ようとする。
「ふきゅ・・・（大丈夫なのか？）」
「最善は尽くす、見ててねぇ～」
そう言ってリュウカは待機室を後にした。
俺にとっては不安しかないんだが・・・。







次回、ドラゴンVSサイキック
※タイトルが変わる可能性があります。