第129話 ＭＳの終戦　作：ヒラーズ

ビギナ　LP2100
手札0

ノイエ　LP6500
手札0
場
ＭＳＭ－デンドロビウム　ATK3000　☆8
ＭＳＭ－サザビー　ATK2900　ランク6
ＭＳＭ－ウイングゼロＥＷ　ATK3000　☆12
伏せカード3枚

「驚きましたよ・・・、ここまでやってくれるとは思いませんでしたよ。さすがプラムの弟子ですよ・・・ノイエ先生」
デュエルは後半、正しく言うなら2100ＶＳ6500。後が引けない戦いだが、運良く両者はまだLPが3桁まで減っていない。普通ならここから本気を出すのだが、ノイエは何かを警戒したかのようにターンを終えた。
「・・・（何を持っている？まさか百騎兵さんと同じくアクセルモンスターを？）」
「わたしのターン！」
ビギナ
手札0→1

「魔法カード『融合交換』！自分のフィールド、墓地に存在する融合モンスター1体をEXデッキに戻す事で自分は戻した融合モンスターのレベル2つに付きカードを1枚ドローする！エピオンは12、よって6枚ドローします！」
ビギナ
手札0→6

「・・・！一気に手札が補充された！？」
「さあいきますよ！魔法カード『光の護封剣』！！3ターンまで相手は攻撃できません！！」
デンドロビウム達の前に光の剣が突き刺さり、行動封じる。
「・・・っ！護封剣ですか・・・やりますね」
「さらに手札から速攻魔法『パワーヒーリング』を発動！相手フィールド上のモンスター1体を選択し、そのモンスターの攻撃力分、LPを回復します！！選択するのはウイングゼロＥＷ！よって3000回復します！！」
ビギナ　LP2100→5100

「くっ・・・折角削ったライフが・・・」
その時だった。
「ふふ・・・ふふふっ・・・」
ビギナが突然笑い始めたのである、まるでこの時を待っていたかのように・・・。
「あーははははハハハハははははハハハハ！あーっはっはっはっは！」
その笑いは、もはや正気ではないような狂気に塗れた笑い声だった。
「何がおかしいんですか？」
「まだ分からないんですかー先生？いいでしょう！種明かしとしましょう！！わたしはこの時を待っていたんですよ！！」
「・・・な・・・に？」
「アクセル条件達成！！自分は魔法カードの効果でLPを回復し、自分のLPが相手より下回っていた時、墓地のその魔法カードを手札に加え、EXデッキからこのカードをアクセル召喚します！！」
《アクセルゲートオープン！！連邦の面汚しの最高兵器がその猛威を振るい、新たな破壊を君臨させる！！現れよ！ＭＳＭ－サイコ！！》


ビギナの前に現れたのは黒い巨大なＭＳ。そのモンスターから何らか悲しみを感じる。
ＭＳＭ－サイコ　ATK4000　☆10

「さ・・・サイコガンダム！！」
「サイコのモンスター効果！このカードがアクセル召喚に成功した時、相手に5000のダメージを与えます！メガ粒子砲発射！！」
サイコの指から放たれるビーム兵器がノイエの体を貫通し、特大のバーンダメージを与える。
「・・・けほっ！」
あまりにもダメージが強かったのか、ノイエは血を吐き出した。
ノイエ　LP6500→1500

「あははっ！！どう？痛いでしょ？わたしも痛かったんですよ！！思い知れ！！」
狂気の5000バーンはあまりにも強かったのか、ノイエは大きく体勢を崩し、よろけながらも立ち上がる。
「これでとどめですよ！！サイコでデンドロビウムを攻撃！！サイコ・バースト！！」
「罠カード『ハーフorストップ』・・・！相手は2つの効果の内1つを選択する・・・攻撃をやめるか、攻撃力を半分にして続行するか・・・選びなさい！！」
「ちっ・・・攻撃をやめる。カードを2枚伏せてターンエンド」
「私のターン！」
ノイエ
手札0→1

「・・・魔法カード『ガンダム強奪』を発動！デッキからカードを3枚墓地に送ってデッキからＭＳＭ1体を特殊召喚する！現れよＭＳＭ－サイサリス！」
ＭＳＭ－サイサリス　ATK2700　☆7

「サイサリス！？」
「サイサリスの効果発動！！LPを1200払って、相手フィールド上のカードを全て破壊する！！サイサリス・インフェルノ！！」
サイサリスのバズーカから放たれた砲弾が大爆発を引き起こし、相手フィールド上のカードを無へと還した。
ノイエ　LP1500→300

「護封剣は消えたました！終わりにしましょう・・・デンドロビウムとウイングゼロＥＷでダイレクトアタック！」
「くっ・・・ここまでですか・・・さすがですよ、ノイエ先生・・・」
2体のＭＳＭから放たれたビーム兵器でフィールドは爆発を引き起こす。
それと同時にビギナのLPが0になる。
ビギナ　LP5100→0（－900）



WIN
ノイエ





『決まったぁ！素晴らしい戦いの中、勝ち取ったのはノイエだぁ！』
「・・・（ここで・・・倒れるわけには・・・）」
その時だった。
「よくやったノイエ、後は俺達に任せろ」
ノイエは後ろを振り向き、入り口を見ると・・・。




「ひゃ・・・百騎兵さん」
俺が立っていた。実のところ、ノイエがサイコのバーンを受ける前に俺がデュエルフィールド前に待機していたのだった。勿論、鏡の力で前世の姿に戻っていた。
「この姿の時は陸也だ・・・どれ、支える。待機室に戻るぞ」
俺は倒れそうになったノイエを支えながら待機室まで歩いて行く。




その途中、俺は今の転生体に戻り、ノイエは俺に質問する。
「いいんですか・・・？私は・・・貴方たちを巻き込んでしまったんですよ？」
「ふきゅ・・・（いや、お前さんのおかげでこの大会に参加する理由ができた。何も心配する事はない。それに、あいつがいるなら尚更見逃せない）」
「ネクロ・・・ですか？」
「きゅ・・・（あいつは前世の俺を追放者に追いやった奴だ、この世界にいることはこの事件は奴が関わっているはずだ）」
「そう・・・ですか・・・」










しばらくして俺達は待機室に着き、ソファにノイエを寝かす。
「むきゅちゃん・・・どうする？」
「きゅ・・・（どうするも何も、次は俺が出る。闇のゲームで疲れた熟練者を出し続ける訳にもいかないからな）」
仇とまではいかない、俺はあいつと戦い、この事件を終わらせる。
無論、これで解決とは考えてない。元を叩く、それしかない。
最悪にも前世戻しの鏡を割る可能性もあるが、こんな事になったんだ。もう優勝もない。
俺は黙って待機室を出て、デュエルフィールドに向かう。
「・・・（さて、ネクロ・・・前世の決着とは言わないが、叩き潰させて貰うぞ！）」






次回、前世の因縁
※タイトルが変わる可能性があります。