第115話 天界からの使い？名はトウマ　作：ヒラーズ

参ったなぁ・・・え？何が参ったって？
実のところやく4時間前の事だ。
俺達は何事もなく、大阪へ向かっていた・・・いや、そのはずだった。
何でかって？そりゃあ・・・目の前に結界を張ってあって入れないんだ。
色んな手を使って試して見たんだが、解かれる事もなくびくともしない。
どんだけ奪われたくないんだよ・・・。
そして今に至ると言う事だ。
「・・・（どうしよう）」
「ねぇ・・・あるじさま」
「もきゅ？」
何だクォーツ？何か思いついたのか？
「ここにいてもどうにもならないから・・・その・・・別のところから行ってみません？」
・・・やむを得ないか。ここはクォーツ達の判断に任せるか。
「きゅ・・・（どこから行くんだ？）」
「ここから四国へ行って、中国地方へ渡るのはどうでしょうか？」
だいぶ遠回りになるな・・・ってかどうやって四国へ行くんだ？
「・・・シャルさんの話によると、ここと四国を結ぶ橋が10年前からあっただとか、それを使った方がいいかも・・・です」
「マスター、ジェムもそれに賛成です」
じゃあ、異論はない。
すごい遠回りになるが、行けないよりマシだな。
俺達は回れ右をし、四国に向かって走り出した。












それから1時間後、俺達は四国へと通じる橋の上を走り終わり。
四国の中央都市、「サモンシティ」で拠点を探していた。
「・・・（この都市もやけに広いな・・・迷いそうだ）」
「でもその分、拠点を見つけやすいはず・・・」
あのシャルすら迷いかけている位だ。となれば敵から逃げやすいと言う事だ。
「あるじさま・・・あれ」
クォーツが指を指す方を見ると、曇っていた空の一部がいかにも何か降臨します的な光を放っていた。
「ふきゅ・・・（まるで『奇跡の残照』だな）」
「破壊された人はいませんが？」
たとえで言ったんだよ。
そうやって気を紛らわしている時だった。
俺達の目の前に小さく白い羽がヒラリヒラリと落ちた。
その時だった。
「なぁ、お前」
「もきゅ？」
突然、人に話しかけられた。
俺は振り向き、話し相手をみる。
見た目は18歳の少年、白いローブのようなものを羽織っているが下はTシャツにジーパンかよ・・・けど人間の気配がしない。
「・・・（どちらさまで？）」
「ん？俺はトウマ、こう見えて俺は天使だ。ホントは嫌だけど…」
嫌なのに天からの使いやってんのか、お前さんも散々だな。
「話しかけたところ悪いが…デュエルしようぜ！」











・・・・は？
一瞬だけだが頭の中が真っ白になった。
「・・・（別に良いが、俺はそんなに強くないぞ）」
「「（というよりどうして百騎兵（さん）の言葉を理解してるんだろう）」」
「それじゃあ行くか！」
「・・・（手柔らかにな）」



「デュエル！」










――――





その頃、異次元の都市では、ある魔女二人の会話があった。
「ハナコ、珍しいね。私達が呼ばれるなんて」
「どーせ、また「夜会の大会」の話でしょ？関係ないってのに・・・」
ハナコとノイエが都市中心部に立つ塔を見た瞬間、表情を変えた。
「！夜会会場から煙！？」
「ハナコ達がいない間に何が！？」
ハナコとノイエは急いで塔へ向かって飛んでいったのであった。
そう・・・次の戦いの舞台はここだという事を今のハナコ達も、俺達も知らない。




次回、オシリスＶＳアクセル経典
※タイトルが変わる可能性があります。