第106話　経典ＶＳ神　作：ヒラーズ

リュウカが話しかけようとした瞬間、それは攻撃を仕掛けてきた。
その攻撃は何やら植物のツタのようなもので刺突するようなものだった。
「おわっ！」
リュウカは素早く攻撃を回避し、それから離れる。
よく見てみると、攻撃者は人型の生物・・・いや正しく言うなら人型の植物の化け物というべきか・・・。
「かわしたか、運の良い奴だ」
「・・・（どうやらコイツも喋るようだな）」
「余の名は万物霊草のネロム、お前達の命を喰らいに来た」
蜘蛛に飛竜にお次は植物の幽霊かよ！
「今日の獲物は多いな、まぁ多く食らえると思えば良いことだ」
そういえば・・・今まであった万物の化け物は常に腹ぺこの状態だったな。
ユグドラやクレイドルと同じ、メインディッシュは・・・俺か？
「さて、余は先に好きなものから食らう方でな、先にそこの小さい魔法生物を食らいたいが・・・それでは面白くない」
「もきゅ？」
「余とデュエルだ、それなら公平だろう」
確かに公平だけど・・・まぁ勝てばいいとして負ければ・・・死か。
「準備は良いか？」
「きゅ・・・（いいぞ）」

喰うか食われるかの戦い・・・勝機はあるのだろうか。




「デュエル！」
「うにぇ！」


ネロム　LP8000
手札5

百騎兵　LP8000
手札5


「余の先攻、ドロー」
ネロム
手札5→6

「余は手札からフィールド魔法『神格降臨サークル』を発動！このカードが存在する限り、余は効果ダメージを受けぬ」
マジかよ、えげつねぇな。
「さらに手札から魔法カード『魔交降臨の儀式』を発動、このカードはデッキ、手札、場からモンスター1体を墓地に送る事で手札から神属性儀式モンスター1体を儀式召喚する。余はデッキより《神格獣－テリオン》を墓地に捨て、このモンスターを召喚する」
〈天界に消され、堕ちてしまった神格の1柱よ、、、、今ここに降臨し仇なす者に神罰を与えよ、、、、儀式召喚！降臨せよ、、、神格龍－ヴリトラ！！〉

ネロムの前に現れたのは何やら赤と黄色の混じった気持ち悪い龍だった。
神格龍－ヴリトラ　ATK1000　☆7

レベル高っ！だが攻撃力が1000とは・・・効果がえげつないのか？
「ヴリトラの効果発動、このカードが儀式召喚に成功した時、相手は手札を全て墓地に捨て、捨てた枚数分デッキからカードを引く。この効果で捨てたカードは墓地効果を発動できん」
「・・・！（くっ・・・！これでは俺だけが手札抹殺を受けたも当然だ！）」
序盤からのデッキ削り、割と飛ばしてくるな・・・。
「さらに効果を発動、1ターンに1度、余はデッキからカードを4枚を除外し、墓地に存在するカード2枚を手札に加える。これで余の墓地は『0』だ。カードを2枚伏せて、ターンエンド」
「ふきゅ・・・（俺のターン、ドロー）」
百騎兵
手札5→6

「この瞬間、罠カード『神格の苗』を発動！余の場に神属性モンスターが存在する時、相手の墓地のモンスターを3体まで除外し、余のデッキからレベル5以上の神属性儀式モンスター1体を余の場に儀式召喚する」
嘘・・・だろ？墓地仕込みすら許さんのかコイツは・・・っ！
「うむ・・・ではネクロフィアとドラゴエディアを除外して召喚しよう」
〈天界から堕ちし神格よ、、、2体の贄を糧にし、今この場に現れん！儀式召喚！現れよ、、、神格雷王－タケミカズチ！！〉
次に召喚されたモンスターは巨大な棍棒を持ち、雷を纏った鬼。俺をじっと見つめている・・・。
神格雷王－タケミカズチ　ATK2000　☆9

またレベルとは似合わない攻撃力・・・また効果がえげつないのか？
「タケミカズチの効果発動、このカードが儀式召喚に成功した時、相手プレイヤーに2000ポイントのダメージを与える！破魔の雷光！！」
頭上から雷が落ち、感電する。無論、ダメージを受けた。
百騎兵　LP8000→6000

「・・・（何だ？かなりの強い電流が流れたが・・・気のせいか？）」
いや、気のせいじゃ無い。あの威力の電撃・・・本物の雷か。
「きゅ・・・（俺は手札から『奈落経典-呪いの書-』を発動、LPを1000払い、デッキから闇属性の悪魔、天使族のどちらか1体を召喚条件無視して特殊召喚する。俺はデッキから嫉妬経典の人魚を特殊召喚し、効果を発動、このカードが召喚、特殊召喚、反転召喚に成功した時、相手モンスター1体を破壊し、その後相手の手札1枚をランダムでデッキの1番下に戻す！）」
百騎兵　LP6000→5000

「ほう？ヴリトラを破壊したか、なかなか機転が回る奴だな。『魔交降臨の儀式』をデッキの1番下に戻そう」
随分と余裕だな・・・まだ計算内だというのか？
「うにぇ！（さらに人魚をドライヴ素材にし、ドライヴ召喚！蹴散らせ！美食経典魔王ベルゼブブ！）」
美食経典魔王ベルゼブブ　ATK2600

「何だ？この品の無いハエは？余を小馬鹿にしてるのか？」
言ってろ、その口を開けなくしてやる。
「きゅ・・・（このカードがＤ召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するカードを全て破壊し、ゲームから除外する！メギドブレス！）」
ベルゼブブの吐息が相手のカードを全て吹き飛ばし、場を更地にする。
逆転の兆しが見えた！これで攻撃を加えれば勝てる！












っと思っていた・・・。
「かかったな・・・タケミカズチがフィールドから離れた時、デッキから神属性モンスター1体を召喚条件無視して特殊召喚する。現れよ！オベリスクの巨神兵！！」
オベリスクの巨神兵　ATK4000　☆10

馬鹿な・・・オベリスクがコストなしで召喚だと！？
「きゅ・・・（くっ・・・カードを3枚伏せて、ターン終了！！）」
状況がさらに悪化するとは・・・。


次回　折れぬ経典、神砕く

※タイトルが変わる可能性があります。