第104話 もう一人のヴァレス　作：ヒラーズ

「ぼくと・・・同じパネル・・・一体誰なんだろう」
記憶を失っているからな、無理はない。
パネル事態は壊れてないが、機能は停止しているようだ。
「・・・（ちょっと修理してみるか）」
俺は少女に近づき、修理に入る。
「あの・・・ぼくも手伝いますか？」
そうだな・・・よし、手伝ってもらおう。
「きゅ・・・（頼む、手伝ってくれ）」
クォーツも修理に入り、着々と修理するスピードが速まる。
それから少し経って様子見をし、修理が終わる。
「ふきゅ・・・（後は起きるのを待つだけだ）」
「うん・・・」
少女が起きるまで、俺達は聖堂内を探索することにした。






――――



しばらく探索している内に1つ気になる部屋があった。
『壁画の部屋』、恐らく何か・・・地上からいなくなったマナニアの行き先がわかればいいが・・・。
「・・・」
俺がドアノブに触れた瞬間・・・
ﾊﾞｷｨｯ！

ドアが壊れた。
別に力は入れてないのだが・・・何故壊れた。
「あるじさま、人の物は壊しちゃ駄目です」
んな事は分かっている！でも壊れたんだよ！
「きゅ・・・（持ち主に会ったら謝っとこう）」
俺達は部屋に入り、中を見る。


中は見ての通りだったが、その部屋の奥に大きな壁画があった。
そして床にはある言葉が刻まれていた。だが所々かすれていて読めない。
まるで・・・誰かがここを荒らしたかのような後みたいになっている。
「・・・」
しかしながらも運が良いことに、壁画は無傷のようだ。
「あるじさま・・・この絵・・・」
クォーツが壁画の一部に指をさし、俺は指した方向に目をやる。
「もきゅ？（うん？俺だと？）」
俺が見た壁画に自分が描かれており、デュエルディスクとカードを持っていた。
そしてその後ろにクォーツ達に似た人間の絵が描かれていた。
「・・・（これに描かれている俺は、何と戦っているんだ？）」
俺は壁画の自分が向いている絵を確認する。
「？（機械・・・だと？）」
俺が見た敵の姿は、自分に似た何かの生物と円柱型の何かの機械だった。
「？何でしょう？この機械は？」
「こんな機械、昔はなかったぞ？」
「「・・・」」
謎が謎を呼ぶな・・・。
「きゅ・・・」
「そうですね・・・あの人も起きてると思う」
俺達は1度、探索をやめ、少女が寝ている所に戻る。





さて、起きてるかな・・・。
「ふきゅ・・・」
俺達が戻ると少女は寝たままだった。
俺が近づくと目を開け、こちらに振り向く。
「誰・・・？」
まぁ最初の反応はそれだろうな。
「ふきゅ・・・」
「百騎兵・・・？あの絵本に出てきた伝説の魔神？」
また絵本・・・、俺ってそんな存在なのか？
「君・・・名前は？」
「名前・・・ジェム・・・『ジェム＝ヴァレス』」
「「！！」」
その名前に俺とクォーツは驚いた。
名前がクォーツと同じだったからでもある。


次回　ヴァレスの謎

※タイトルが変わる可能性があります。