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第111話:城への招待(裏) 作:チュウ
※41話のデュエルの後からのお話しです
何とかロッソ領主とのデュエルに勝つ事ができた。ペンデュラムを駆使する《メタルフォーゼ》は中々強敵だった。だが、これでデュエル前にしたシャルルを譲るという約束を叶えて貰う事ができる。しかし、所詮は口約束だ。もう一度確認はしないとな。
「約束通り彼女は俺が買いますが宜しいですね?」
「あぁ、デュエルの約束は守るさ……だが!おめぇ、俺の城に正式に招待するから顔見せに来いよ。ちーとばっかし気に入ったぜ。噂通りの強さだった。だから食事がてら話しがしてぇーのよ。何ならその奴隷の代金は俺様が払うからよ」
どういう事だ?それに噂って……
「噂?それにどういうつもりだ?」
「まぁ、怪しむのも無理はねーか……ならもう少し腹を見せないとなぁ!お前あれだろ?青の国で罠使いの異名で名が通っている奴だろ?黒い妖精を傍らに置いているといい、風貌が一致している……お前と意見交換がしてぇーのさ、俺様も今後の身の振り方を考えてぇーのさ」
妙な噂を流した奴が居たもんだ。
しかし、妙な事を言っているな。身の振り方?意と角町を牛耳る領主が何を言っているんだ?
俺には疑問しか浮かんでこなかった。
「あぁ、そこのお前もだ!エルフの奴隷を横に置いてる奴!変装して潜り込んだんだろうが、よくここが分かったなぁ!俺様はお前も要注意人物として数えているんだよ」
ロッソ領主は遊輝にも声を掛けた。どうやらこの人物は情報通らしい。見た目からは想像できないが、かなり用心深い性格をしているみたいだ。
「……俺の事を知っているのか?」
遊輝からしたらロッソ領主が自分の事を知っている事が不思議なようだ。遊輝は恐らく長い事赤の国に滞在している筈だが、ここの領主とは初対面みたいだな。
「あぁ知ってるぜ?フレア様のお気に入りだろ?三流以下とはいえ、貴族達を毎日切ったはったを仕出かした奴だってな。フレア様も何処かにいるんだろ?一緒に今日の夕刻に俺様の城に来い!正式と言っているんだ、何もしやしねぇーよ」
確かにフレア王女の姿はない。居るのはエルフのエルミアという人物だけだ。別行動をしているのか?
「……一度帰って検討する」
「まぁ、いいだろう。おい!そこの司会!俺様がその奴隷の代金を払うから手続きをしろ!」
流石に遊輝も慎重だな。
あの口ぶりからして、この町の何処かには居るのだろう。
ロッソ領主の声に驚いている司会がシャルルを縛っている鎖を取り始めた。
俺は直ぐにシャルルの傍に近寄った。
「すまない、遅くなった。大丈夫か?」
彼女の身体はボロボロのように見えるが、最初に出会った時と比べればそこまで酷い状態じゃない。
「何となくじゃが、お主なら来てくれると思っておったぞ」
元気は流石にないみたいだ。口調に覇気がなく、表情もどことなく暗い。恐らく疲れているのだろう。早く休ませないとな。
遊輝達の動向も気にはなるが、ロッソ領主に及ばれもされてしまっているし、何よりこの後、嫌でも城で会う事になるんだ。今はシャルルの方を優先しよう。
「ロッソ領主、俺は宿の方に寄ってからそちらに伺います。それで宜しいですね?」
「構わねーよ。なるべく早く来いよ?待っているからな」
これで一度フィオラに会いに行ける。流石に一人でこれ以上待たせるのは気が引ける。
「シャルル、歩けるか?」
「無理じゃな。もう疲れ過ぎて動けん……妾を背負ってくれないか?」
背負うって……いや、しょうがない。あまり悠長にしていると城に向かう時間が遅くなってしまう。
「はぁ……分かったよ」
想像以上に軽い。フィオラ程ではないが、シャルルもかなり身体が細い。
「楽ちんじゃな」
「軽すぎないか?ちゃんと体重を俺にかけてるのか?」
「かけとるよ。長い事ちゃんとした食事をしてこなかったからかの。だいぶ身体が弱ってしまったのじゃ」
戦争だからか?だが、シャルルは王族だ。食事くらい取っておいてそうなもんだが。
「戦争中だからか?」
「それもある。じゃが一番は家臣や食事を用意してくれる者達が信用できなかった事じゃ。妾の家族の大半が毒殺された疑いがあったからな。誰に殺されたかなど分かる訳もなく、ただただ次の王を順番に決めていた。だから妾の食事は自分で安全そうな物を少しずつ食べるくらいしかできなかった……」
親兄弟が皆、不自然に亡くなったんだ、疑心暗鬼になるのは当然だ。
そんな状況でよくここまで生きて来れたなと俺は思った。
「じゃからもう疲れたのだ。お主は部外者じゃからある意味一番信用できる。それに、助けると約束もしてくれたしな。妾はもう自分で考えるのが億劫で仕方がない……後はお主に任せる。妾の国もお主の好きにせい」
「おい、流石に任せすぎだ。俺ができる範囲で何とかはするが、後はシャルルがやってくれ」
一国を俺の判断で動かす何て真似ができる訳ない。第一、俺の言う事何て誰が聞くんだって話だ。
「嫌じゃよ。妾を勝手に祀っておいて、誰も妾の言う事を聞かない……そんな奴ら、同族であっても知らんのじゃ」
駄々っ子か……これは改めて話し合わないといけないな。今は聞く耳を持ってない。
俺は彼女の言葉に気を重くしつつ、フィオラの待つ宿に戻った。
宿に着き、俺はフィオラに事の顛末を話した。
「……ツカサが凄く頑張ったのはよく分かった。だから、お前は早く離れろ」
合流してからずっとフィオラは機嫌が悪い。その機嫌を悪くさせているのがシャルルだ。
「何でじゃ?良いのではないか。妾は支えがないと座ってるのも辛いんじゃよ」
シャルルは今、ベッドに座っている俺の腕に掴まりながら隣に座っている。フィオラはその反対側で俺の隣に座りながらシャルルに文句を言っている。
「……だったら寝ればいいじゃない」
「最もらしい事を言うな。いいじゃないか別にツカサに掴まっても」
「……ダメ。ツカサは私のものなの。だから触らないで」
気まずい……こんな時、何て反応したらいいんだ?
「なんじゃ、ツカサはお主のつば付きか?なら、妾は側室で構わんぞ?」
「……私が構うんだけど」
俺の意見を無視してどんどん話しが進んでしまっている。何とかしないと取り返しがつかなくなる。
「この話は止めてくれ。話が進まない。とにかく、今はロッソ領主の城に行くのが先決だ。いいな?」
「……分かった。この話はまた今度ね」
「今は急ぎだからの。妾としては有耶無耶になってくれて構わんがの」
シャルルの言葉が癪なのか、フィオラは俺を挟んでシャルルを睨んでいる。
正直、勘弁して欲しい……これ以上悩みの種が増えたら首が回らなくなりそうだ。
一抹の不安を抱え、俺達は宿を出た。
しかし、外には意外な人物が居た。
「あれ?ツカサじゃん。何してんの?」
「チドリ?」
その人物とは酔いどれアイドルこと、チドリだった。
確かサリエラの話では、宗次郎さんとチドリがこの町に居るとは言っていたが、まさか会う事になるとは。
「俺達はこれからロッソ領主の城で用事があるんだ。そっちは?」
「ふーん。こっちは国王様からの依頼よ。てゆーか聞いてよ!宗次郎のおっさんさ、もう張り切ってて手に負えないのよ!モディちゃんと連絡する手段もないし、私まで巻き込まれちゃってさ、どうにかしてくれない?」
どうやらチドリがここに居るのは単に巻き込まれただけみたいだな。
元々、野心みたいなのはないみたいだし、宗次郎さんが扱える手駒の中で、強い人物を選定した結果チドリに白羽の矢が立ったのだろう。
おまけにチドリの話を聞く限り、モディファーに許可なく行動しているみたいだ。
あの人も懲りない人だ。あれだけ怒られていたのに。
「悪いがこっちも手が離せない。宗次郎さんが暴走しないように見ていてくれないか?」
「えー!!無理に決まってんじゃん!チドリちゃんはお酒を飲んで暮らしたいだけなの!」
何を言っているんだか……
しかし、今の俺も宗次郎さんには強く物申せない。何せこっちもモディファーには内緒で来ているしな。
「何だかやる気がどっと失せちゃった……」
「元々なかっただろ」
「それは言わないお約束よ。もう知らないからね。私はテキトーにやらせて頂きます」
そう言いながらチドリは去って行ってしまった。
「結局何をしに来たのかは聞けなかったな」
「……あの人がちゃんと知っている気はしないけどね」
フィオラの感想はとても厳しいものだが、俺も概ね同じ意見だ。
「愉快な人物じゃの。ツカサの友達か?」
「友達と言われると難しいな。仕事仲間が一番近い表現にはなると思う」
実際、向こうはどう見ているのかは気にはなる。あんなにひょうひょうとしているが、意外としっかりしている面を持っていそうな雰囲気があるからな。
「そうか、なんじゃ恋敵かと思ったぞ」
「何でそうなる。というか、シャルルは何で俺に言い寄るんだ?まだそんなに深く関わってないだろ」
彼女と過ごした時間は本当に短い。
戦闘隊長に捕縛されているところを助け、その後はシャルルのお爺様こと、ダークネスの力に溺れた自称トゥルーマンの元まで同行。しかも戦った後に連れ去られてしまったから本当に短い。彼女が好意を寄せる理由が分からない。
「お主は妾の事を分っとらんよ。失意のどん底にずっと居たところに颯爽と手を差し伸べてくる男が居れば、惚れない訳なかろう。それに、ツカサはしっかりしてそうだから、妾の面倒見てくれると思ってな!」
「そっちが本音だろ!」
俺は頭が痛くなりそうな感覚を覚えた。フィオラの面倒もまだ見ないといけないのにもう一人何て見られない。
「フィオラ、頼むから今は抑えてくれ……」
シャルルの言葉がまた気に入らなかったようで、フィオラがシャルルを睨んでいる。
「……分かった」
聞き分けがいいからまだいいが、そのうち収拾がつかなくなりそうだ。
「もう!いいからさっさと行くのよ!いつまで茶番をしてるのよ!」
クロリムが唐突に怒り始めた。だが、言っていることは正しい。
「分かってる。いきなり正論言うな」
「なーんでクロリムが正論言ったらいけないのよ!ツカサはクロリムの事バカにしているのよ!」
「してないしてない。ほら、行くぞ!」
「雑なのよ!」
茶番的なやり取りをしつつ、ロッソ領主の待つ城に向かった。
何とかロッソ領主とのデュエルに勝つ事ができた。ペンデュラムを駆使する《メタルフォーゼ》は中々強敵だった。だが、これでデュエル前にしたシャルルを譲るという約束を叶えて貰う事ができる。しかし、所詮は口約束だ。もう一度確認はしないとな。
「約束通り彼女は俺が買いますが宜しいですね?」
「あぁ、デュエルの約束は守るさ……だが!おめぇ、俺の城に正式に招待するから顔見せに来いよ。ちーとばっかし気に入ったぜ。噂通りの強さだった。だから食事がてら話しがしてぇーのよ。何ならその奴隷の代金は俺様が払うからよ」
どういう事だ?それに噂って……
「噂?それにどういうつもりだ?」
「まぁ、怪しむのも無理はねーか……ならもう少し腹を見せないとなぁ!お前あれだろ?青の国で罠使いの異名で名が通っている奴だろ?黒い妖精を傍らに置いているといい、風貌が一致している……お前と意見交換がしてぇーのさ、俺様も今後の身の振り方を考えてぇーのさ」
妙な噂を流した奴が居たもんだ。
しかし、妙な事を言っているな。身の振り方?意と角町を牛耳る領主が何を言っているんだ?
俺には疑問しか浮かんでこなかった。
「あぁ、そこのお前もだ!エルフの奴隷を横に置いてる奴!変装して潜り込んだんだろうが、よくここが分かったなぁ!俺様はお前も要注意人物として数えているんだよ」
ロッソ領主は遊輝にも声を掛けた。どうやらこの人物は情報通らしい。見た目からは想像できないが、かなり用心深い性格をしているみたいだ。
「……俺の事を知っているのか?」
遊輝からしたらロッソ領主が自分の事を知っている事が不思議なようだ。遊輝は恐らく長い事赤の国に滞在している筈だが、ここの領主とは初対面みたいだな。
「あぁ知ってるぜ?フレア様のお気に入りだろ?三流以下とはいえ、貴族達を毎日切ったはったを仕出かした奴だってな。フレア様も何処かにいるんだろ?一緒に今日の夕刻に俺様の城に来い!正式と言っているんだ、何もしやしねぇーよ」
確かにフレア王女の姿はない。居るのはエルフのエルミアという人物だけだ。別行動をしているのか?
「……一度帰って検討する」
「まぁ、いいだろう。おい!そこの司会!俺様がその奴隷の代金を払うから手続きをしろ!」
流石に遊輝も慎重だな。
あの口ぶりからして、この町の何処かには居るのだろう。
ロッソ領主の声に驚いている司会がシャルルを縛っている鎖を取り始めた。
俺は直ぐにシャルルの傍に近寄った。
「すまない、遅くなった。大丈夫か?」
彼女の身体はボロボロのように見えるが、最初に出会った時と比べればそこまで酷い状態じゃない。
「何となくじゃが、お主なら来てくれると思っておったぞ」
元気は流石にないみたいだ。口調に覇気がなく、表情もどことなく暗い。恐らく疲れているのだろう。早く休ませないとな。
遊輝達の動向も気にはなるが、ロッソ領主に及ばれもされてしまっているし、何よりこの後、嫌でも城で会う事になるんだ。今はシャルルの方を優先しよう。
「ロッソ領主、俺は宿の方に寄ってからそちらに伺います。それで宜しいですね?」
「構わねーよ。なるべく早く来いよ?待っているからな」
これで一度フィオラに会いに行ける。流石に一人でこれ以上待たせるのは気が引ける。
「シャルル、歩けるか?」
「無理じゃな。もう疲れ過ぎて動けん……妾を背負ってくれないか?」
背負うって……いや、しょうがない。あまり悠長にしていると城に向かう時間が遅くなってしまう。
「はぁ……分かったよ」
想像以上に軽い。フィオラ程ではないが、シャルルもかなり身体が細い。
「楽ちんじゃな」
「軽すぎないか?ちゃんと体重を俺にかけてるのか?」
「かけとるよ。長い事ちゃんとした食事をしてこなかったからかの。だいぶ身体が弱ってしまったのじゃ」
戦争だからか?だが、シャルルは王族だ。食事くらい取っておいてそうなもんだが。
「戦争中だからか?」
「それもある。じゃが一番は家臣や食事を用意してくれる者達が信用できなかった事じゃ。妾の家族の大半が毒殺された疑いがあったからな。誰に殺されたかなど分かる訳もなく、ただただ次の王を順番に決めていた。だから妾の食事は自分で安全そうな物を少しずつ食べるくらいしかできなかった……」
親兄弟が皆、不自然に亡くなったんだ、疑心暗鬼になるのは当然だ。
そんな状況でよくここまで生きて来れたなと俺は思った。
「じゃからもう疲れたのだ。お主は部外者じゃからある意味一番信用できる。それに、助けると約束もしてくれたしな。妾はもう自分で考えるのが億劫で仕方がない……後はお主に任せる。妾の国もお主の好きにせい」
「おい、流石に任せすぎだ。俺ができる範囲で何とかはするが、後はシャルルがやってくれ」
一国を俺の判断で動かす何て真似ができる訳ない。第一、俺の言う事何て誰が聞くんだって話だ。
「嫌じゃよ。妾を勝手に祀っておいて、誰も妾の言う事を聞かない……そんな奴ら、同族であっても知らんのじゃ」
駄々っ子か……これは改めて話し合わないといけないな。今は聞く耳を持ってない。
俺は彼女の言葉に気を重くしつつ、フィオラの待つ宿に戻った。
宿に着き、俺はフィオラに事の顛末を話した。
「……ツカサが凄く頑張ったのはよく分かった。だから、お前は早く離れろ」
合流してからずっとフィオラは機嫌が悪い。その機嫌を悪くさせているのがシャルルだ。
「何でじゃ?良いのではないか。妾は支えがないと座ってるのも辛いんじゃよ」
シャルルは今、ベッドに座っている俺の腕に掴まりながら隣に座っている。フィオラはその反対側で俺の隣に座りながらシャルルに文句を言っている。
「……だったら寝ればいいじゃない」
「最もらしい事を言うな。いいじゃないか別にツカサに掴まっても」
「……ダメ。ツカサは私のものなの。だから触らないで」
気まずい……こんな時、何て反応したらいいんだ?
「なんじゃ、ツカサはお主のつば付きか?なら、妾は側室で構わんぞ?」
「……私が構うんだけど」
俺の意見を無視してどんどん話しが進んでしまっている。何とかしないと取り返しがつかなくなる。
「この話は止めてくれ。話が進まない。とにかく、今はロッソ領主の城に行くのが先決だ。いいな?」
「……分かった。この話はまた今度ね」
「今は急ぎだからの。妾としては有耶無耶になってくれて構わんがの」
シャルルの言葉が癪なのか、フィオラは俺を挟んでシャルルを睨んでいる。
正直、勘弁して欲しい……これ以上悩みの種が増えたら首が回らなくなりそうだ。
一抹の不安を抱え、俺達は宿を出た。
しかし、外には意外な人物が居た。
「あれ?ツカサじゃん。何してんの?」
「チドリ?」
その人物とは酔いどれアイドルこと、チドリだった。
確かサリエラの話では、宗次郎さんとチドリがこの町に居るとは言っていたが、まさか会う事になるとは。
「俺達はこれからロッソ領主の城で用事があるんだ。そっちは?」
「ふーん。こっちは国王様からの依頼よ。てゆーか聞いてよ!宗次郎のおっさんさ、もう張り切ってて手に負えないのよ!モディちゃんと連絡する手段もないし、私まで巻き込まれちゃってさ、どうにかしてくれない?」
どうやらチドリがここに居るのは単に巻き込まれただけみたいだな。
元々、野心みたいなのはないみたいだし、宗次郎さんが扱える手駒の中で、強い人物を選定した結果チドリに白羽の矢が立ったのだろう。
おまけにチドリの話を聞く限り、モディファーに許可なく行動しているみたいだ。
あの人も懲りない人だ。あれだけ怒られていたのに。
「悪いがこっちも手が離せない。宗次郎さんが暴走しないように見ていてくれないか?」
「えー!!無理に決まってんじゃん!チドリちゃんはお酒を飲んで暮らしたいだけなの!」
何を言っているんだか……
しかし、今の俺も宗次郎さんには強く物申せない。何せこっちもモディファーには内緒で来ているしな。
「何だかやる気がどっと失せちゃった……」
「元々なかっただろ」
「それは言わないお約束よ。もう知らないからね。私はテキトーにやらせて頂きます」
そう言いながらチドリは去って行ってしまった。
「結局何をしに来たのかは聞けなかったな」
「……あの人がちゃんと知っている気はしないけどね」
フィオラの感想はとても厳しいものだが、俺も概ね同じ意見だ。
「愉快な人物じゃの。ツカサの友達か?」
「友達と言われると難しいな。仕事仲間が一番近い表現にはなると思う」
実際、向こうはどう見ているのかは気にはなる。あんなにひょうひょうとしているが、意外としっかりしている面を持っていそうな雰囲気があるからな。
「そうか、なんじゃ恋敵かと思ったぞ」
「何でそうなる。というか、シャルルは何で俺に言い寄るんだ?まだそんなに深く関わってないだろ」
彼女と過ごした時間は本当に短い。
戦闘隊長に捕縛されているところを助け、その後はシャルルのお爺様こと、ダークネスの力に溺れた自称トゥルーマンの元まで同行。しかも戦った後に連れ去られてしまったから本当に短い。彼女が好意を寄せる理由が分からない。
「お主は妾の事を分っとらんよ。失意のどん底にずっと居たところに颯爽と手を差し伸べてくる男が居れば、惚れない訳なかろう。それに、ツカサはしっかりしてそうだから、妾の面倒見てくれると思ってな!」
「そっちが本音だろ!」
俺は頭が痛くなりそうな感覚を覚えた。フィオラの面倒もまだ見ないといけないのにもう一人何て見られない。
「フィオラ、頼むから今は抑えてくれ……」
シャルルの言葉がまた気に入らなかったようで、フィオラがシャルルを睨んでいる。
「……分かった」
聞き分けがいいからまだいいが、そのうち収拾がつかなくなりそうだ。
「もう!いいからさっさと行くのよ!いつまで茶番をしてるのよ!」
クロリムが唐突に怒り始めた。だが、言っていることは正しい。
「分かってる。いきなり正論言うな」
「なーんでクロリムが正論言ったらいけないのよ!ツカサはクロリムの事バカにしているのよ!」
「してないしてない。ほら、行くぞ!」
「雑なのよ!」
茶番的なやり取りをしつつ、ロッソ領主の待つ城に向かった。
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55 | 第57話:星骸龍 | 348 | 0 | 2025-01-27 | - | |
52 | 第58話:赤と青の王女 | 333 | 0 | 2025-01-29 | - | |
52 | 第59話:炎の蝶と氷の魔女 | 282 | 2 | 2025-01-31 | - | |
42 | 第60話:凍てつく蒼き龍王 | 374 | 2 | 2025-02-01 | - | |
42 | 第61話:星の炎麗蝶 | 375 | 2 | 2025-02-03 | - | |
38 | 第62話:書き換えの魔法 | 307 | 2 | 2025-02-06 | - | |
52 | 第63話:這いよるモディファーの魔の手 | 326 | 0 | 2025-02-08 | - | |
55 | 第64話:猛る獣を束ねし千変の狐 | 413 | 0 | 2025-02-09 | - | |
47 | 第65話:神獣の激震 | 250 | 2 | 2025-02-11 | - | |
34 | 第66話:深界の月狐 | 266 | 0 | 2025-02-12 | - | |
43 | 第67話:吹き荒ぶ星の風 | 307 | 2 | 2025-02-13 | - | |
55 | 第68話:黒い少女の野望 | 349 | 0 | 2025-02-14 | - | |
42 | 第69話:忍び寄る罠 | 278 | 0 | 2025-02-15 | - | |
42 | 第70話:静寂に包まれし深界の霊墓 | 295 | 0 | 2025-02-16 | - | |
44 | 第71話:輝く星炎と星風 | 287 | 2 | 2025-02-18 | - | |
43 | 第72話:不滅の霊墓の使者 | 238 | 0 | 2025-02-20 | - | |
60 | 第73話:星々の輝きが集う時 | 394 | 4 | 2025-02-21 | - | |
38 | 第74話:否定された世界 | 256 | 0 | 2025-02-23 | - | |
48 | 第75話:独りぼっちな叡智の悪魔 | 357 | 0 | 2025-02-25 | - | |
42 | 第76話:偶然から始まるもう一つの物語 | 370 | 0 | 2025-02-27 | - | |
38 | 第77話:ボチヤミサンタイ | 413 | 2 | 2025-03-01 | - | |
51 | 第78話:真実への先導者トゥルーマン | 437 | 0 | 2025-03-04 | - | |
53 | 第79話:壊れかけの人形 | 326 | 2 | 2025-03-06 | - | |
32 | 第80話:クズと人形に振り回される者 | 228 | 0 | 2025-03-08 | - | |
33 | 第81話:子供の負け惜しみ | 338 | 2 | 2025-03-11 | - | |
47 | 第82話:情報共有 | 281 | 0 | 2025-03-16 | - | |
41 | 第83話:理想高き完璧主義者 | 326 | 0 | 2025-03-19 | - | |
37 | 第84話:史上最悪のパーティー結成 | 232 | 0 | 2025-03-21 | - | |
32 | 第85話:逃れられぬ負のスパイラル | 213 | 0 | 2025-03-25 | - | |
36 | 第86話:最弱魔王VS勇者っぽいなにか | 277 | 4 | 2025-03-27 | - | |
44 | 第87話:激突する闇黒と凶雷の魔王 | 282 | 0 | 2025-03-31 | - | |
35 | 第88話:破滅への円舞曲 | 267 | 0 | 2025-04-02 | - | |
34 | 第89話:戦乙女の円舞曲 | 174 | 0 | 2025-04-06 | - | |
33 | 第90話:立場が変われば見方も変わる | 326 | 0 | 2025-04-09 | - | |
39 | 第91話:少しばかりの抵抗 | 195 | 0 | 2025-04-11 | - | |
37 | 第92話:命を握る責任 | 300 | 2 | 2025-04-13 | - | |
40 | 第93話:交錯し始める物語 | 276 | 0 | 2025-04-15 | - | |
37 | 第94話:闇に絡め捕られていく蝶 | 241 | 0 | 2025-04-17 | - | |
36 | 第95話:逃げたい者と逃げない者 | 277 | 0 | 2025-04-20 | - | |
32 | 第96話:再開への序章 | 335 | 0 | 2025-04-22 | - | |
30 | 第97話:恵みの雨の裏で | 182 | 2 | 2025-04-24 | - | |
34 | 第98話:頼れる仲間はみんな変人 | 218 | 0 | 2025-04-26 | - | |
44 | 第99話:隷町01 | 364 | 0 | 2025-04-29 | - | |
41 | 第100話:弱き獣達 | 219 | 0 | 2025-05-03 | - | |
41 | 第101話:ファンタジーな奇襲と鍵開け | 350 | 0 | 2025-05-06 | - | |
33 | 第102話:ボロボロな狐耳の少女 | 309 | 2 | 2025-05-09 | - | |
48 | 第103話:衝突する憤怒と魔王 | 470 | 0 | 2025-05-13 | - | |
52 | 第104話:盤外戦術 | 345 | 0 | 2025-05-16 | - | |
42 | 第105話:首振り人形との大事な約束 | 356 | 0 | 2025-05-20 | - | |
38 | 第106話:もう一人のトゥルーマン | 234 | 0 | 2025-05-24 | - | |
41 | 第107話:対決する闇の力と霊墓の守護者 | 207 | 0 | 2025-05-27 | - | |
38 | 第108話:氷の妖精姫 | 290 | 2 | 2025-06-03 | - | |
35 | 第109話:異世界ヒモ生活 | 232 | 0 | 2025-06-09 | - | |
37 | 第110話:予期せぬ再会の裏事情 | 199 | 0 | 2025-06-14 | - | |
35 | 第111話:城への招待(裏) | 228 | 0 | 2025-06-30 | - | |
21 | 第112話:会談の前の密談 | 226 | 0 | 2025-07-08 | - |
更新情報 - NEW -
- 2025/09/30 新商品 リミットレギュレーションリストを更新しました。
- 10/09 01:14 掲示板 カードリストにおける誤表記・不具合報告スレ
- 10/09 00:32 評価 10点 《M∀LICE<C>GWC-06》「M∀LICEを支える3種のテーマ…
- 10/09 00:18 評価 9点 《M∀LICE<C>MTP-07》「M∀LICEを支える3種のテーマ罠…
- 10/09 00:06 評価 8点 《M∀LICE<C>TB-11》「M∀LICEを支える3種のテーマ罠の…
- 10/08 23:45 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 23:41 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 23:29 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 23:21 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 23:14 掲示板 議論・会議用の掲示板
- 10/08 23:12 掲示板 議論・会議用の掲示板
- 10/08 22:38 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 22:36 掲示板 オリカコンテスト準備スレ
- 10/08 22:30 一言 言った方が当人のためになると思うので、個人へのディスと取られるリス…
- 10/08 22:18 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 10/08 22:14 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 10/08 22:10 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 10/08 22:02 一言 最低な発言とわかっているなら、書かなければいいのでは。 他の人も見…
- 10/08 21:51 一言 Niwatori20さんの釣り糸を垂らしてってとこは明らかに違うと思うけど、…
- 10/08 21:31 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 10/08 21:30 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
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