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第5話:森を抜けて 作:チュウ
俺とシャイニーは闇の尖兵を倒した後、早々に森を抜けるために歩いていた。
「なぁ、シャイニー……さん。色々と聞きたい事があるんだが?」
「そうですね、私も色々教えないといけないと感じてたところです」
なんだか嫌味な言い方だが、気にしてたら話しが進まないか……
「取り敢えずは私の事は呼び捨てで構いませんよ?その方が言いやすいのでしょう?」
「助かるよシャイニー」
「さて、なにから教えましょうか……」
確かに俺も分からない事が多過ぎてなにから聞けばいいか分からない。
「そうだ……司、俺以外に人がいなかったか?」
「いえ、見てないですね……誰かと一緒だったんですか?」
「司って言う友達と一緒に黒い手に引き摺り込まれてこの世界に来たんだよ」
「成程……直前まで2つ気配があったのはそういう事だったのですね」
気配?どういう事だ?
「分からないって表情してますね。では、そこから話しましょうか」
この世界に来たばかりの時もそんな感じの事言われたな……そんなに顔に出てるのだろうか……
「ユウキが見た黒い手というのは、”ダークネス”の力の一部です」
ダークネス?随分厨二っぽい名前だな。
「ダークネスとは十二次元宇宙の裏側にある虚無の世界の支配者の事です。過去に別の世界で出現したと聞き及んでいいますが、それ以降は姿が確認されていなかったのですが……」
ヤバい……めっちゃ難しい単語がいっぱい出てきたんだが……理解しきれるか不安になってきた……だが、そんなヤバい奴が何で出てきたんだ?
「じゃあ何でその力の一部が出て来たんだ?」
取り合えず俺は最初に抱いた疑問をシャイニーに投げかけた。
「その力を利用しようとする者が現れたからです」
そんなヤバそうな奴を利用するなんて碌な奴じゃなさそうだな……
「そいつは1度だけ私達の前に現れて自身の事を”書き換える者(モディファー)”と言いました」
また専門用語が出てきた……てかモディファーって人名なのかそれは?
「えーっと、疑問がまた2つ程出てきたぞ。1つは私達ってどういう事だ?それとモディファーは何者なんだ?」
「顔は隠していましたが、モディファーは恐らく人間でしょうね。只の人間がダークネスの存在を知っている理由も目的も分かっていません。それと私達というのは、私とは別に闇の妖精がいるんですよ。私達はふたりでひとつなんです」
「闇の妖精?何処にいるんだ?俺は見てないが……」
「モディファーに囚われてしまっているんです……私を逃がそうとして……」
そうか……モディファーに1度だけ会ったって襲われたって事か……
「そうだったのか……変な事を聞いたな……」
「いいんですよ。それにこの話しもこれからの話しに繋がってきますし」
どういう事だ?
「貴方がお友達と一緒にダークネスの魔の手に引きずり込まれた時に私が魔法で介入して貴方を私がいる所に無理やり引っ張ってきたんです。協力してもらうために」
理由はどうであれ俺はシャイニーに助けられたって事か。
「その闇の妖精を助けるって事か?協力って」
「それとモディファーを倒してダークネスの力を追い返す事も必要です」
助けられるなら助けたいが、俺にそんな事ができるんだろうか……
「なぁ、なんで俺だったんだ?正直言って俺は別に頭もよくないし、デュエルに関してもド素人だ。シャイニーの話しを理解しきれた訳じゃないけど、俺を選ぶ理由がないように見えるんだが」
「これまでもこっちの世界に連れ去られた人間を助けようとしましたが、助けられたのは今回の1回だけです。ユウキを選んだというよりも偶々ユウキだった……というだけです。もちろん強制はしません……この戦いはとても危険な戦いとなる筈ですから……」
そう言ったシャイニーの表情が俺には曇ったように見えた。
たぶん、ここで俺が断ったらまた別の人間に協力を求めて同じ事を何度も繰り返すんだろうな……
「分かった……協力するよ。司も助けたいしお互いに協力していけば何とかなるかもしれないしさ」
シャイニーの表情を見ていたら断れなかった。それに大事な人を助けたいって気持ちは同じ筈だから。
「!!……いいんですか!?命の危険もあるんですよ?」
「そうだけど、此処で断ったら俺はきっと一生後悔すると思うからさ!」
シャイニーの驚きつつも嬉しそうな表情が見れて俺はこの選択をしてよかったと思う。きっとこれから起きる大変な事に対して、俺は挫ける時もあると思う……でも、ここで断って一生後悔するよりもいいと思う筈さ!
「そういえばだけど、話しを掘り返すようだけどこの世界の人間に助けは頼めなかったのか?」
「人間自体はいます。ですが、協力を頼めない事情があるんです……」
事情?いったいなんだろうか。
「光の妖精である私と闇の妖精はこの世界を作った女神様の使いなので、本来はこの世界に干渉してはいけないのです。ですが今回は、事態を重く見て女神様から許しを得て行動しているのです」
「許しがあるなら別に大っぴらに活動してもいいんじゃないのか?」
「できれば過干渉は控えたいんです。それともうひとつの理由があります」
もうひとつ?随分と制約が多いな。
「私達と契約できる人間が、この世界にはいないのです。契約ができなければ力を授ける事もできませんから」
「俺がいた世界の人間ならそれができるのか?」
「相性の良し悪しはありますが、概ね問題なく契約できます。因みにユウキとは結構相性がいいですよ」
そうなのか?俺にはなにが相性がいいのかが分からないが……悪くないならいいか!
「成程な。俺が助かった理由と契約については何となくだけど分かったよ!」
「それはよかったです。他には何か聞きたいですか?」
そうだな……ダークネスの力を狙うモディファーの存在とその打倒と闇の妖精の救出、俺が助かった経緯なんかはだいたい分かったし……他となると……
「そうだ!カードについてだよ。疑問だったんだが、デュエルモンスターズのカードって俺がやってた頃よりも種類が増えている筈だよな?なのにさっきのデュエルで俺も相手の使ったカードも知っているやつがあったぞ?普通なら俺の知ってるカード何てないもんだと思うんだが」
「私も少し疑問だったのですが、その前にユウキの年齢を聞かせてください」
ん?なんで年齢なんか聞くんだ?
「17歳だが……何か問題があるか?」
「知ってるカードのラインナップが古すぎませんか?《マシュマロン》や《切り込み隊長》は知ってるのに、《ターレット・ウォリアー》は知らない様子でした……貴方の世界は2024年ですよね?貴方の年齢ならエクシーズ召喚やペンデュラム召喚くらいの年代だと思ったので、登場次期がシンクロ召喚時代の《ターレット・ウォリアー》は知っていると思ったのですが……」
成程そういう事か。
「俺がデュエルモンスターズで遊んだのは5歳頃で、友達の家に行ってそこの友達のお兄さんが昔使ってたカードを漁って遊んでたからかな?知ってるカードのラインナップが古いかどうかは俺には分からんけど、そのお兄さんが持ってたカードが古かったのかな?」
「そういう事だったのですね。どうやらそのお兄さんとやらが持ってたカードはかなり古いカードが集中して集められていたと考えられますね。なら知ってるカードが古いのも納得です」
どうやら俺の知識って本当に古いんだな……《マシュマロン》や《切り込み隊長》は使ってたけどかなり強かった記憶があるんだけどな……
「話しが逸れましたが、知ってるカードが割と出てくる事についてですね?それはこの世界のデュエルをする方法に答えがあります」
デュエルの方法?いったいどういう事だ?
「この世界では貴方の世界のように誰もが手軽に金銭を払えばカードが手に入る訳ではありません。カードを手に入れるにはデュエルモンスターズの精霊と出会い、契約しなければなりません」
「精霊と契約って俺がシャイニーと契約したみたいにか?というかいつ俺は契約したんだ?」
契約した記憶はないんだが……
「貴方が眠っている間に済ませましたよ?」
いつの間に……てか、意識がない間って怖いな……あくど過ぎるだろ。
「でですね、精霊とはそう簡単に出会える訳ではなく、自身の魔力で魔法陣を描いてそこから精霊を呼び出して契約する形となってます。まぁ、稀に迷い込んだ精霊なんかもその辺にいますがね」
急にファンタジーな話しに戻ったな。
「魔力を持たない者の方が多いので契約自体ができない人が殆どです。魔力があっても相性とかもありますし、ちゃんとしたデッキを組むなんてこの世界の人では大抵できない話しです」
成程、それだと大半の人がカード自体を持っていなくて、カードを数枚持っていれば凄い方って事か……
「更に貴方の世界の人なら大半の人が魔力を持っているので契約にも困らない……そういった理由から私はこの世界の人ではなく、貴方がいた世界の人間と契約したい……という理由になります」
説明を受けながらシャイニーの案内のもと、森の中を進むと少し整えられた道に出た。
「道じゃないか!?」
「この先に町があるからそこまで行きましょう!」
どうやらシャイニーはこの森周辺の地理に詳しいみたいで多少なら案内ができるらしい。俺は少々の安堵感を感じながら町へ歩き始めた。
「なぁ?ふと思ったんだけど、シャイニーと契約してるんならさ、もっと強いカードと契約できるんじゃないのか?」
「ユウキがよわよわなので無理デス♡なので強くなってくださいね!」
はっきりと弱いと言われかなりショックを受けた俺だった……
「なぁ、シャイニー……さん。色々と聞きたい事があるんだが?」
「そうですね、私も色々教えないといけないと感じてたところです」
なんだか嫌味な言い方だが、気にしてたら話しが進まないか……
「取り敢えずは私の事は呼び捨てで構いませんよ?その方が言いやすいのでしょう?」
「助かるよシャイニー」
「さて、なにから教えましょうか……」
確かに俺も分からない事が多過ぎてなにから聞けばいいか分からない。
「そうだ……司、俺以外に人がいなかったか?」
「いえ、見てないですね……誰かと一緒だったんですか?」
「司って言う友達と一緒に黒い手に引き摺り込まれてこの世界に来たんだよ」
「成程……直前まで2つ気配があったのはそういう事だったのですね」
気配?どういう事だ?
「分からないって表情してますね。では、そこから話しましょうか」
この世界に来たばかりの時もそんな感じの事言われたな……そんなに顔に出てるのだろうか……
「ユウキが見た黒い手というのは、”ダークネス”の力の一部です」
ダークネス?随分厨二っぽい名前だな。
「ダークネスとは十二次元宇宙の裏側にある虚無の世界の支配者の事です。過去に別の世界で出現したと聞き及んでいいますが、それ以降は姿が確認されていなかったのですが……」
ヤバい……めっちゃ難しい単語がいっぱい出てきたんだが……理解しきれるか不安になってきた……だが、そんなヤバい奴が何で出てきたんだ?
「じゃあ何でその力の一部が出て来たんだ?」
取り合えず俺は最初に抱いた疑問をシャイニーに投げかけた。
「その力を利用しようとする者が現れたからです」
そんなヤバそうな奴を利用するなんて碌な奴じゃなさそうだな……
「そいつは1度だけ私達の前に現れて自身の事を”書き換える者(モディファー)”と言いました」
また専門用語が出てきた……てかモディファーって人名なのかそれは?
「えーっと、疑問がまた2つ程出てきたぞ。1つは私達ってどういう事だ?それとモディファーは何者なんだ?」
「顔は隠していましたが、モディファーは恐らく人間でしょうね。只の人間がダークネスの存在を知っている理由も目的も分かっていません。それと私達というのは、私とは別に闇の妖精がいるんですよ。私達はふたりでひとつなんです」
「闇の妖精?何処にいるんだ?俺は見てないが……」
「モディファーに囚われてしまっているんです……私を逃がそうとして……」
そうか……モディファーに1度だけ会ったって襲われたって事か……
「そうだったのか……変な事を聞いたな……」
「いいんですよ。それにこの話しもこれからの話しに繋がってきますし」
どういう事だ?
「貴方がお友達と一緒にダークネスの魔の手に引きずり込まれた時に私が魔法で介入して貴方を私がいる所に無理やり引っ張ってきたんです。協力してもらうために」
理由はどうであれ俺はシャイニーに助けられたって事か。
「その闇の妖精を助けるって事か?協力って」
「それとモディファーを倒してダークネスの力を追い返す事も必要です」
助けられるなら助けたいが、俺にそんな事ができるんだろうか……
「なぁ、なんで俺だったんだ?正直言って俺は別に頭もよくないし、デュエルに関してもド素人だ。シャイニーの話しを理解しきれた訳じゃないけど、俺を選ぶ理由がないように見えるんだが」
「これまでもこっちの世界に連れ去られた人間を助けようとしましたが、助けられたのは今回の1回だけです。ユウキを選んだというよりも偶々ユウキだった……というだけです。もちろん強制はしません……この戦いはとても危険な戦いとなる筈ですから……」
そう言ったシャイニーの表情が俺には曇ったように見えた。
たぶん、ここで俺が断ったらまた別の人間に協力を求めて同じ事を何度も繰り返すんだろうな……
「分かった……協力するよ。司も助けたいしお互いに協力していけば何とかなるかもしれないしさ」
シャイニーの表情を見ていたら断れなかった。それに大事な人を助けたいって気持ちは同じ筈だから。
「!!……いいんですか!?命の危険もあるんですよ?」
「そうだけど、此処で断ったら俺はきっと一生後悔すると思うからさ!」
シャイニーの驚きつつも嬉しそうな表情が見れて俺はこの選択をしてよかったと思う。きっとこれから起きる大変な事に対して、俺は挫ける時もあると思う……でも、ここで断って一生後悔するよりもいいと思う筈さ!
「そういえばだけど、話しを掘り返すようだけどこの世界の人間に助けは頼めなかったのか?」
「人間自体はいます。ですが、協力を頼めない事情があるんです……」
事情?いったいなんだろうか。
「光の妖精である私と闇の妖精はこの世界を作った女神様の使いなので、本来はこの世界に干渉してはいけないのです。ですが今回は、事態を重く見て女神様から許しを得て行動しているのです」
「許しがあるなら別に大っぴらに活動してもいいんじゃないのか?」
「できれば過干渉は控えたいんです。それともうひとつの理由があります」
もうひとつ?随分と制約が多いな。
「私達と契約できる人間が、この世界にはいないのです。契約ができなければ力を授ける事もできませんから」
「俺がいた世界の人間ならそれができるのか?」
「相性の良し悪しはありますが、概ね問題なく契約できます。因みにユウキとは結構相性がいいですよ」
そうなのか?俺にはなにが相性がいいのかが分からないが……悪くないならいいか!
「成程な。俺が助かった理由と契約については何となくだけど分かったよ!」
「それはよかったです。他には何か聞きたいですか?」
そうだな……ダークネスの力を狙うモディファーの存在とその打倒と闇の妖精の救出、俺が助かった経緯なんかはだいたい分かったし……他となると……
「そうだ!カードについてだよ。疑問だったんだが、デュエルモンスターズのカードって俺がやってた頃よりも種類が増えている筈だよな?なのにさっきのデュエルで俺も相手の使ったカードも知っているやつがあったぞ?普通なら俺の知ってるカード何てないもんだと思うんだが」
「私も少し疑問だったのですが、その前にユウキの年齢を聞かせてください」
ん?なんで年齢なんか聞くんだ?
「17歳だが……何か問題があるか?」
「知ってるカードのラインナップが古すぎませんか?《マシュマロン》や《切り込み隊長》は知ってるのに、《ターレット・ウォリアー》は知らない様子でした……貴方の世界は2024年ですよね?貴方の年齢ならエクシーズ召喚やペンデュラム召喚くらいの年代だと思ったので、登場次期がシンクロ召喚時代の《ターレット・ウォリアー》は知っていると思ったのですが……」
成程そういう事か。
「俺がデュエルモンスターズで遊んだのは5歳頃で、友達の家に行ってそこの友達のお兄さんが昔使ってたカードを漁って遊んでたからかな?知ってるカードのラインナップが古いかどうかは俺には分からんけど、そのお兄さんが持ってたカードが古かったのかな?」
「そういう事だったのですね。どうやらそのお兄さんとやらが持ってたカードはかなり古いカードが集中して集められていたと考えられますね。なら知ってるカードが古いのも納得です」
どうやら俺の知識って本当に古いんだな……《マシュマロン》や《切り込み隊長》は使ってたけどかなり強かった記憶があるんだけどな……
「話しが逸れましたが、知ってるカードが割と出てくる事についてですね?それはこの世界のデュエルをする方法に答えがあります」
デュエルの方法?いったいどういう事だ?
「この世界では貴方の世界のように誰もが手軽に金銭を払えばカードが手に入る訳ではありません。カードを手に入れるにはデュエルモンスターズの精霊と出会い、契約しなければなりません」
「精霊と契約って俺がシャイニーと契約したみたいにか?というかいつ俺は契約したんだ?」
契約した記憶はないんだが……
「貴方が眠っている間に済ませましたよ?」
いつの間に……てか、意識がない間って怖いな……あくど過ぎるだろ。
「でですね、精霊とはそう簡単に出会える訳ではなく、自身の魔力で魔法陣を描いてそこから精霊を呼び出して契約する形となってます。まぁ、稀に迷い込んだ精霊なんかもその辺にいますがね」
急にファンタジーな話しに戻ったな。
「魔力を持たない者の方が多いので契約自体ができない人が殆どです。魔力があっても相性とかもありますし、ちゃんとしたデッキを組むなんてこの世界の人では大抵できない話しです」
成程、それだと大半の人がカード自体を持っていなくて、カードを数枚持っていれば凄い方って事か……
「更に貴方の世界の人なら大半の人が魔力を持っているので契約にも困らない……そういった理由から私はこの世界の人ではなく、貴方がいた世界の人間と契約したい……という理由になります」
説明を受けながらシャイニーの案内のもと、森の中を進むと少し整えられた道に出た。
「道じゃないか!?」
「この先に町があるからそこまで行きましょう!」
どうやらシャイニーはこの森周辺の地理に詳しいみたいで多少なら案内ができるらしい。俺は少々の安堵感を感じながら町へ歩き始めた。
「なぁ?ふと思ったんだけど、シャイニーと契約してるんならさ、もっと強いカードと契約できるんじゃないのか?」
「ユウキがよわよわなので無理デス♡なので強くなってくださいね!」
はっきりと弱いと言われかなりショックを受けた俺だった……
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