第１００話：弱き獣達　作：チュウ

モディファー：ＬＰ８０００

獣人ＡＢＣＤ：ＬＰ８０００
※フィールド・墓地・除外状態は共有。



　「僕の先攻で行かせてもらおうか、手札から魔法カード《ペンデュラム・トレジャー》を発動！デッキからＰモンスター１体をＥＸデッキに表側で加える。僕は《世改者ノワール》（モディファー・ノワール）をＥＸデッキに加えさせてもらう」

　モディファー・ノワール？モディファーと同じ名前が記されたカードか……というかＰモンスター？

　「モディファーのデッキはＰモンスターを扱うデッキなのよ。Ｐモンスターは色々面倒で説明が面倒くさいのよ……」

　おい、面倒くさがるなよ……大事なところじゃないのか？
　俺はクロリムから少しＰカードについて聞いたが、確かに覚える事が多くて面倒だなと感じてしまった。初心者が安易に手だししていい領分じゃないな……必要になったらまたクロリムに聞くとしよう。

　「更に、ＥＸデッキに存在する《世改者ノワール》の①の効果！このカードをＰゾーンに置く！」

《世改者ノワール》
ペンデュラム・効果モンスター
星４/闇属性/幻想魔族/攻１０００/守１０００
【Ｐスケール：青０／赤０】
このカード名の①②のＰ効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分のメインフェイズに発動できる。Ｐゾーンのこのカードを特殊召喚し、デッキから「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」１枚を手札に加える。
②：自分フィールドゾーンに「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」が存在する状態で、相手がモンスター効果を発動した時に発動できる。その効果は「相手は自身のデッキ・墓地から「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたモンスター１体を手札に加えるか特殊召喚する」となる。
【モンスター効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが墓地へ送られた場合またはＥＸデッキに表側で存在する場合に発動できる。このカードを自分のＰゾーンに置く。
②：自分・相手ターンに、発動できる。モンスターゾーンのこのカードを自分のＰゾーンに置く。
③：このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。

　「《世改者ノワール》の①のP効果を発動！さぁ、今こそこの世界を否定し、僕が新たなルールを制定しよう！デッキから《Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ》を手札に加えて発動する！」

《Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ》
フィールド魔法
このカード名の①③④の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードの発動時の効果処理として、デッキから「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」以外の「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたカード１枚を手札に加える事ができる。
②：このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分フィールドの「世改者ノワール」は効果では破壊されない。
③：自分のモンスターゾーンに「世改者ノワール」以外のモンスターが存在しない場合に発動できる。フィールドのこのカード以外のカードを全て破壊する。
④：自分の墓地のレベル１０の融合・Ｓモンスターを１体ずつ対象として発動できる。そのモンスターの効果を無効、攻撃力・守備力を０にし、召喚条件を無視して特殊召喚する。

　これは！？……辺りが、真っ暗になった！？
　《Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ》……世界を否定するって言っていたが、本当に全てを否定したかの如く何もないな。それに、あの《世改者ノワール》。仮面を付けてはいるが、モディファー自身と瓜二つだな。これがモディファーのデッキ……世界を否定するデッキか。

　「このカードの発動時の効果処理で、デッキから《世改従魔ノワール・ラビット》を手札に加え、その①の効果を発動しよう」

《世改従魔ノワール・ラビット》
効果モンスター
星２/闇属性/獣族/攻１００/守５００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが手札に存在する場合に発動できる。デッキから「世改従魔ノワール・ラビット」以外のレベル４以下の「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたモンスター１体とこのカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚されたモンスターはＬ素材にできない。この効果の発動後、自分はＥＸデッキから獣族・幻想魔族モンスターしか特殊召喚できない。
②：このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から「世改従魔ノワール・ラビット」以外の獣族・幻想魔族モンスター１体を手札に加える。

　「さぁ、僕の可愛いうさぎさんが、新たな仲間を連れて登場する！手札よりこのカードを特殊召喚し、デッキからは《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》を特殊召喚する」

《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》
効果モンスター
星２/闇属性/幻想魔族/攻７００/守２００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。自分の手札・デッキ・墓地から「世改従魔ノワール・イリュージョニスト」２体を特殊召喚する。
②：自分フィールドゾーンに「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」が存在し、相手がカード効果を発動した時に発動できる。その効果は「相手は自身のフィールドのモンスター１体をリリースしてデッキから１枚ドローする」となる。
③：このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。

　「《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》が出た時、手札・デッキ・墓地から同名カードを２体特殊召喚できる。さぁ、分裂せよ！」

《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》×２
効果モンスター
星２/闇属性/幻想魔族/攻７００/守２００

　「僕は今分裂した《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》２体でリンク召喚！召喚条件は効果モンスター２体！現れろリンク２！《影法師トップハットヘア》！」

《影法師トップハットヘア》
リンク・効果モンスター
リンク２/闇属性/幻想魔族/攻１５００
【リンクマーカー：左下/右下】

　「《影法師トップハットヘア》がリンク召喚した事で、デッキから自身をモンスターとして特殊召喚できる永続罠カード１枚を自分フィールドにセットする！僕は《碑像の天使－アズルーン》をセットする！そして、僕はカードを１枚セットしてターンエンドだ」

　モディファーが作った盤面は意外と大人しく感じるな。これがどう動くかは相手のターンになってからだな。

　「攻撃力が低いモンスターばかりじゃないか！これなら行ける！俺のターン！ドロー！《ミノタウロス》を召喚！」

《ミノタウロス》
通常モンスター
星４/地属性/獣戦士族/攻１７００/守１０００

　は？《ミノタウロス》ってただの通常モンスターだろ？いや、まさか……

　「クロリム、獣人族も未だにデュエルができないのか？」

　確か昔も別段強かったって話しはなかったし、寧ろ弱かったんだよな。

　「エルフとどっこいどっこいなのよ……獣人族は魔人族から生まれた突然変異の種族だけど、魔力は人間と変わらないか、それよりも少ない事が多いのよ。その代わり、魔人族や人間とは比較にならない程の身体能力と繁殖力を持つ事ができたのよ」

　そこは聞いていた通りだな。

　「だから、精霊は獣人族と契約したがらないのよ……種族としての数は担保されているけど魔力が少ない者が多いから……」

　エルフはまだ魔力が多いからいいかもしれないが、下手したらエルフよりも悲惨なんじゃないか？

　「こいつらがデュエルできる事自体にクロリムは驚いているのよ。きっと、色んな仲間からカードをかき集めたんだと思うのよ」

　カードパワーが低いから強い動きもできないし、デュエルができる人も少ないのも相まって、デュエルの腕が上がらないし知識もつかない……って感じなのかもな。

　「バトルだ！《ミノタウロス》で《影法師トップハットヘア》を攻撃！」

　特に何もせずに突っ込んで来たぞ……《ミノタウロス》だけじゃ流石に役不足だろ。

　「はぁー……《影法師トップハットヘア》は幻想魔族だ。その共通効果を御存じないのかね？」

　「知るか！攻撃力はこちらの方が上だ！行け！」

モディファー：ＬＰ８０００→ＬＰ７８００

　「なに！？何故、戦闘で破壊されないんだ！」

　「幻想魔族は戦闘するお互いのモンスターを破壊から守る効果を持っている。戦闘ダメージは通るがね」

　俺も初めて見たな。互いに戦闘破壊されないとなると、戦闘する意味が薄く感じるが……中々扱いが難しいカードだな。

　「小癪な真似を……ターンエンドだ！」

　結局《ミノタウロス》を出しただけで終わったか。

　「俺のターン、ドロー！ならコイツでどうだ！《ならず者の傭兵部隊》を召喚！そして、自身をリリースして効果を発動！お前のモンスターである《影法師トップハットヘア》を破壊するぜ！」

　戦闘で破壊されない幻想魔族を突破するには効果破壊しかない。だが、それでモディファーの優勢が変わるとは思えないが……

　「Pゾーンの《世改者ノワール》の②の効果を発動し、君の発動したその効果を書き換え、【相手は自身のデッキ・墓地から「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたモンスター１体を手札に加えるか特殊召喚する】となる」

　モディファーの名前の由来、書き換えの魔法はカードにも反映されているのか。かなり厄介な効果だな……

　「さぁ、来い！《世改従魔ノワール・キャット》！」

《世改従魔ノワール・キャット》
効果モンスター
星２/闇属性/獣族/攻３００/守３００
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分フィールドゾーンに「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」が存在するか、自分フィールドに融合・Ｓ・Ｘモンスターが存在する状態で、相手フィールドのモンスターが効果を発動した時、手札のこのカードを相手に見せて発動できる。その効果は「相手は手札のこのカードとデッキ・墓地のレベル２以下の獣族・幻想魔族モンスター１体を特殊召喚する」となる。この効果の発動後、自分はＥＸデッキから獣族・幻想魔族モンスターしか特殊召喚できない。
②：自分・相手のメインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドから、このカードを含むモンスター２体を融合素材とし、「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記された融合モンスター１体を融合召喚する。その際、自分のＰゾーンのモンスターカードも融合素材にできる。

　「クソ！ならバトルだ！」

　「では、バトルに入る前に《世改従魔ノワール・キャット》の効果を発動する。このカードとＰゾーンの《世改者ノワール》を素材とする！」

　この圧力……何かが来る！

　「世界を否定し、全てを黒く染めた叡智の悪魔よ……世界を再創世せよ！融合召喚！《世改者ノワール・ラプラス》！」

《世改者ノワール・ラプラス》
融合・効果モンスター
星１０/闇属性/幻想魔族/攻３０００/守３０００
「世改者ノワール」＋「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたモンスター
このカード名の②の効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードはフィールドに存在する限り、カード名を「世改者ノワール」として扱う。
②：相手フィールドにモンスターが特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にして破壊する。その後、「世改従魔トークン」（幻想魔族・闇・星１・攻／守０）１体を相手フィールドに特殊召喚する。このトークンがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。
③：このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。

　これが、モディファーの切り札か。黒い角を二本持ち、漆黒の身体と翼を持つ悪魔……これがモディファーの言う通り叡智の悪魔なのか。

　「攻守３０００だと！？クソ！バトルはしない。カードを１枚セットしてターンエンドだ」

　「では、エンドフェイズに僕はセットされたカードを発動しよう。永続罠カード《碑像の天使－アズルーン》！このカードは発動後、モンスターカードとなり、僕のモンスターゾーンに特殊召喚される！」

《碑像の天使－アズルーン》
永続罠・通常モンスター
星４/光属性/天使族/攻１８００/守１８００

　「この瞬間、《影法師トップハットヘア》の効果！自分の魔法＆罠ゾーンのカードがモンスターゾーンに特殊召喚された場合、相手の場の魔法・罠カード１枚を破壊できる！今セットされたカードを破壊する」

　「クソ！俺の《次元幽閉》が！」

　「次は俺だ！ドロー！攻守３０００ではどうする事も……モンスターをセットしてターンエンド」

　おいおい、本当にやる気あるのかこいつ等……というか、幻想魔族は戦闘で破壊できないから、退かすならカード効果に頼る事になるんだが、こいつ等のデッキにそれがどれだけ入っているのかはこの調子ならあまり期待できないな。

　「俺のターンドロー！」

　これで最後の四人目か。

　「セットされたモンスターをオープン！《人食い虫》！そのリバース効果で貴様の悪魔を破壊する！」

　ここに来てようやく破壊効果カードを使ったか。モディファーはどう出るか……

　「なら、《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》の効果を発動しよう。その効果を書き換え、【相手は自身のフィールドのモンスター１体をリリースしてデッキから１枚ドローする】となる」

　そう言うとモディファーの《世改従魔ノワール・イリュージョニスト》がリリースされ、１枚ドローした。

　「いい加減、降参したらどうだい？君達が束になっても僕には勝てないって分からないのかな？」

　モディファーの言い方は相手を煽っている様に聞こえるが、実際その通りだと俺も思う。これ以上戦っても勝てる見込みはない筈だ。

　「黙れ！貴様の様な事を言う輩は他にも居た！だが！ここで諦めてしまっては本当にこの国がなくなってしまう！諦める訳にはいかないのだ！」

　彼等の一人が泣きそうな声で言った。お粗末に見えるデュエルも、彼等からしたら必死なんだろうというのがひしひしと伝わってくる。国を守るためには、弱くても諦められない……それはあまりにも無謀で残酷な事の様に思えた。

　「手札のモンスターを裏側守備でセットしてターンエンドだ！」

　「では、終わらせよう。セットされた罠カードを発動！《世改竄術》！」

《世改竄術》
通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：相手フィールドのモンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターをリリースする。その後、「世改従魔トークン」（幻想魔族・闇・星１・攻／守０）１体を相手フィールドに特殊召喚する。このトークンがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。
②：このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドゾーンの「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」の効果でフィールドのカードが破壊された場合に発動できる。このカードを自分の魔法＆罠ゾーンにセットする。この効果でセットされたこのカードがフィールドから離れた場合に除外される。

　「対象は、そうだね。《ミノタウロス》にしようか。そのモンスターをリリースして君達の場に《世改従魔トークン》を攻撃表示で特殊召喚する！」

《世改従魔トークン》
トークン・通常モンスター
星１/闇属性/幻想魔族/攻０/守０

　《ミノタウロス》の姿がグニャグニャになった後、真っ黒い人型の存在が現れた。シルエットだけだから確証はないが、《世改者ノワール》に似ている。

　「奇怪な術を……」

　獣人の一人が嫌悪するような表情でそう言った。確かに姿を別の存在へと書き換えるといったところだろうか？モディファーの魔法はやはりえげつないな。

　「そんな事を言っている暇があるのかい？僕のターン、ドロー！僕は手札から《世改従魔ノワール・ガーゴイルスタチュー》をＰゾーンにセッティング！」

《世改従魔ノワール・ガーゴイルスタチュー》
ペンデュラム・効果モンスター
星３/闇属性/岩石族/攻０/守２０００
【Ｐスケール：青１０／赤１０】
このカード名の①のＰ効果は１ターンに１度しか使用できない。
①：１０００ＬＰ払って発動できる。「ノワール・ガーゴイルトークン」（悪魔族・チューナー・闇・星７・攻２０００・守０）１体を特殊召喚する。その後、このカードを特殊召喚できる。この効果で特殊召喚されたトークンはターン終了時に破壊される。この効果で特殊召喚されたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分はＥＸデッキからＳモンスターしか特殊召喚できない。
【モンスター効果】
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。デッキから「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記された魔法・罠カード１枚を手札に加える。
②：このカードがＥＸデッキ（表側）で存在し、自分フィールドのカードが効果で破壊された場合に発動できる。このカードを手札に加える。

　「そのＰ効果で、１０００ライフを払い、僕の場に《ノワール・ガーゴイルトークン》とこのカード自身を特殊召喚する」

モディファー：ＬＰ７８００→ＬＰ６８００

《ノワール・ガーゴイルトークン》
トークン・チューナー・通常モンスター
星７/闇属性/悪魔族/攻２０００/守０

　「《世改従魔ノワール・ガーゴイルスタチュー》の特殊召喚時の効果で魔法・罠をサーチできるが、今更必要ないだろう。効果は破棄する。そして、《世改従魔ノワール・ガーゴイルスタチュー》と《ノワール・ガーゴイルトークン》でシンクロ召喚！《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》！」

《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》
シンクロ・効果モンスター
星１０/闇属性/幻想魔族/攻２５００/守２５００
チューナー＋チューナー以外のモンスター１体以上
このカード名の①②の効果はそれぞれ１ターンに１度しか使用できない。
①：自分の手札・フィールドのカード１枚を墓地へ送って発動できる。「世改従魔トークン」（幻想魔族・闇・星１・攻／守０）を１体ずつ、お互いのフィールドに特殊召喚する。このトークンがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。
②：お互いのバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、お互いのフィールド・墓地の「Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ」のカード名が記されたモンスター及び幻想魔族モンスターの数×２００アップする。この効果でこのカードの攻撃力が４０００以上になった場合、このカードは自分のバトルフェイズ中に２回攻撃できる。
③：このカードがモンスターと戦闘を行う場合、その２体はその戦闘では破壊されない。

　「では、バトルに入る。この瞬間、バトルフェイズ開始時に《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》の②の効果を発動！お互いのフィールド・墓地の《Ｎｏ Ｗｏｒｌｄ》のカード名が記されたモンスター及び幻想魔族モンスターの数×２００アップする！場には４体、墓地には５体いるため１８００アップする！」

《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》
攻２５００→攻４３００

　「なに！？」

　「攻撃力４３００……」

　「どうするんだ！？」

　獣人達が各々慌てている。ここまでくると可哀そうになるな。

　「《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》の攻撃力が４０００を超えたため、このカードは２回攻撃できる。行け！《世改従魔トークン》に２回攻撃！」

　そうか、相手モンスターも戦闘で破壊されないから奴らの場に出たトークンはサンドバックにできるのか。エグイ戦法だな……

獣人ＡＢＣＤ：ＬＰ８０００→ＬＰ０

　《世改従魔ノワール・ラプラス・レプリカ》の攻撃で獣人達はそれぞれ後方へ吹っ飛ばされた。

　「僕の勝ちだ。さて、君達には色々喋って貰おうか。チドリ、お酒を振舞ってくれないか？」

　どうやらモディファーは自白酒を使って手っ取り早く情報を聞き出そうとしているみたいだな。

　「え～私の分……」

　案の定というか、チドリは渋っているな。

　「君のじゃない。さっさと出したまえ」

　問答無用という感じでモディファーが押し切ると、チドリはお酒を持って来た。
　彼等には悪いが、なにか情報が得られるとこっちとしては助かる。

　それにしても、モディファーは強かった。相手が弱かったとはいえ、彼女のデッキは非常に洗練されていた。書き換え効果もかなり厄介だし、それ以外のカードも強い。この先、モディファーと戦うとなると、今の俺で勝てるだろうか？万全を期すためにももっと強くならないとな。